暑くなってきて、次のような症状でお困りではありませんか?
- ブツブツ・ニキビができる
- カサカサ乾燥する・皮がむける
- 赤み・かゆみがある
このような夏の肌荒れの原因は、次の2つです。
- 隠れ乾燥肌
- 隠れ日焼け
気付かないうちに肌が乾燥したり、紫外線のダメージを受けている状態です。
どちらも自覚しにくいため、なかなか対処できません。
その結果、夏の肌荒れは長引いてしまいがちです。
隠れた原因を見つけて、夏の肌荒れを解消しましょう。
これからご紹介する「隠れ乾燥肌」「隠れ紫外線」対策をぜひ実践してください。
どれも簡単で、今日からできることばかりです。
ユウウツな肌荒れを解消して、夏のイベントを楽しみましょう!
1.夏の肌荒れは「隠れ乾燥肌」対策で解消しよう
夏の肌荒れには、次の3つで「隠れ乾燥肌」対策を行いましょう。
「隠れ乾燥肌」対策
- クリームかオールインワンジェルで油分を与える
- 日中も保湿する
- 洗顔は1日2回まで
「私は乾燥肌じゃないわ」という方も、次の項目をチェックしてみてください。
ひとつでも当てはまれば、「隠れ乾燥肌」の可能性が高いです。
▼「隠れ乾燥肌」チェック
どれも、夏の日常生活で起こりやすいことですね。
しかし、すべてが肌のうるおいを奪います。
その結果、
- 肌のバリア機能が低下して、カサつきやかゆみが起こる
- 肌が硬くなって毛穴に皮脂が詰まり、ニキビに発展する
このような夏の肌荒れが起こるのです。
適切な保湿をして、隠れ乾燥肌をうるおしましょう。
これが、夏の肌荒れを防ぐ必須の対策です。
1-1. 夏の肌荒れには「クリーム」or「オールインワンジェル」で油分を与える
「クリーム」or「オールインワンジェル」を使って、肌に油分を与えましょう。
夏は、べたつきを避けるために、化粧水だけで終えるような水分重視のスキンケアになりがち。
水分重視のケアでは、夏の肌は乾燥してしまいます。
肌をうるおすためには、水分だけでなく、水分を維持するための「油分」が必要だからです。
油分を補給する方法
- 化粧水の後に、クリームを使用する
- オールインワンジェルを使用する
オールインワンジェルには、水分と油分の両方が配合されているため、1本で簡単に保湿ができます。
どちらかを使って、肌のうるおいをしっかり閉じ込めましょう。
【関連記事】敏感肌に『得するオールインワン』と『損するオールインワン』
1-2. 夏の肌荒れには、「洗顔」を1日2回までにする
洗顔料を使って洗うのは、1日2回までとしましょう。
汗や皮脂で顔がべたつくと、洗いたくなります。
しかし、洗顔料を使うと、そのたびに、肌表面の皮脂を落としてしまいます。
皮脂は肌の水分を守る役割を果たしているため、落としすぎると乾燥の原因に。
さらに、乾燥した肌は外部の刺激を受けやすくなるため、さまざまな肌荒れを招きます。
もし、どうしても3回以上洗いたい場合は、洗顔料を使わずに、ぬるま湯洗顔を行ってください。
皮脂汚れは、人肌程度(36℃前後)のお湯で落とせます。
1-3. 夏の肌荒れには、日中も「保湿」する
夏の肌が一番乾燥するのは、外出をする日中です。
「日に焼けた」という自覚がなくても、強い紫外線を浴びるだけで、肌の水分が奪われるためです。
紫外線を受けた肌は、炎症を起こし、肌の温度が高くなります。
その結果、肌の水分が蒸発しやすくなります。
さらに、紫外線が肌の奥まで達し肌細胞がダメージを受けると、肌の水分を維持する力が低下します。
※参考:「日焼けによる肌乾燥のメカニズムを解明」(東京工科大学応用生物学部)
また、扇風機やエアコンの風も、肌の水分を奪ってしまいます。
保湿ケアを朝晩だけのものと考えず、日中にも「水分」「油分」で保湿ケアを行いましょう。
日中の保湿を習慣にするだけでも、肌状態は大きく変わることが期待できます。
日中に保湿をする方法
-
メイクをしている場合は、メイクを落としてから、
「化粧水」+「クリーム」を使用する -
メイクをしている場合は、メイクを落としてから
「オールインワンジェル」を使用する
日中のスキンケアといえば、ミストタイプのスプレー化粧水が人気です。
しかし、スプレー化粧水は、通常の化粧水と同様に、配合成分の95%が水です。
油分や保湿成分が少ないため、振りかけるだけでは、水分を維持できません。
それどころか、肌から蒸発する際に、肌内部の水分を奪う「過乾燥」が起こりやすいです。
こうなると、肌は余計に乾燥してしまいます。
つけるとスーッとするタイプの化粧品も同様です。
スーッとするのは、化粧品に配合されたアルコールが蒸発するためであることが多く、このときも、肌の水分が奪われていきます。
夏の肌荒れが起こっているときは特に使用を控えましょう。
2.夏の肌荒れは「隠れ日焼け」対策で解消しよう
夏の肌荒れには、「隠れ日焼け」対策が必要です。
具体的には、次の方法で日焼け止めをかしこく効果的に使いましょう。
「隠れ日焼け」対策
- 日焼け止めを、1回 1グラム使う
- 2~4時間ごとに塗り直す
- ウォータープルーフ機能がある日焼け止めを選ぶ
紫外線を防ぐために欠かせない日焼け止め。
しかし、「ただ塗るだけ」では効果がありません。
正しく使わないと「隠れ日焼け」が起こります。
気づかないうちに紫外線のダメージを受け、肌荒れを招くのです。
例えば、次の項目に当てはまる場合は、「隠れ日焼け」の危険性が高いです。
▼「隠れ日焼け」チェック
日焼け止めは、上手に使えば、手軽に紫外線から肌を守れる便利なアイテムです。
効果的な使い方をマスターして、夏の肌荒れを防ぎましょう。
2-1. 夏の肌荒れには、日焼け止めを1回 1グラム 使う
どんな日焼け止めも、顔全体の使用で「1グラム」を使いましょう。
こちらで、約1グラムです。
日焼け止め紫外線カット効果(SPF値)は、「1平方センチメートルあたり、0.2ミリグラム」を塗る条件で設定されています。
これを顔全体に換算すると1グラム。
最低これだけの日焼け止めを使わなければ、本来の紫外線カット効果は発揮されないのです。
商品によって白くなることがありますが、肌を守るには必要な量です。
白くなるデメリットを、ハイライト効果やトーンアップ効果に生かしている日焼け止めもあります。
規定量を塗りながら、使い勝手もいい日焼け止めを見つけましょう。
規定量を塗って、肌を明るく見せる日焼け止め
私は、当社の「やさしいUVカットミルク」という日焼け止めを、毎日使用しています。
規定量を塗ると、最初は顔が真っ白になります。
が、5分ほどたつと、肌になじみ、明るいツヤ肌に見えるのが気に入っています。
また、うすいベージュ色をしているため、ファンデーション代わりになります。
肌荒れ中は、肌につけるものをできるだけシンプルにしたいので、この点でも、とても重宝しています。
きちんと紫外線を防ぎ、使い勝手のいい日焼け止めをお探しの場合は、ぜひお試しください。
2-2. 夏の肌荒れには、日焼け止めを 2〜4時間ごとに塗り直す
どんな日焼け止めも、以下を基準に、塗り直しを行いましょう。
- 汗をたくさんかくとき:2~3時間おき
- 汗をあまりかかないとき:3~4時間おき
きちんと紫外線を防ぐ効果を期待できるのは、塗ってから2~4時間程度です。
特に、汗をかく状況では、汗や皮脂によってどんどん紫外線カット効果は薄くなります。
使用状況に合わせて塗り直し、紫外線をきちんと防ぎましょう。
2-3.夏の肌荒れには、ウォータープルーフ機能つきの日焼け止めを使う
夏の肌荒れを防ぐためには、必ずウォータープルーフ効果のある日焼け止めを選びましょう。
ウォータープルーフ機能がなければ、汗や皮脂の影響で、せっかく塗った日焼け止めが落ちてしまうためです。「隠れ日焼け」の大きな原因です。
ただし、あまりに落ちにくく、何度もこすることや強い洗浄力が必要になると、肌への刺激が大きくなります。
次の条件を目安にすると、「ウォータープルーフ機能」と「落ちやすさ」のバランスがとれた低刺激の日焼け止めを選べます。
- 専用のクレンジング剤を必要としない
- クレンジング料で1回洗いで落ちる
紫外線散乱剤100%で、ウォータープルーフ機能がついた日焼け止めを、「日焼け止めで赤くなる敏感肌向け・合わない理由と選び方5つの条件」でご紹介しています。
参考にしてください。
素肌で浴びられる直射日光(正午)は1日3.27分
再生未来クリニック神戸院長・神戸大学名誉教授の市橋正光医師らが行った「60歳または80歳までシミのない肌を保つには、1日何分まで紫外線を浴びられるか」という研究で、60代まで若々しい肌を保つために素肌で浴びられる直射日光(正午)は「1日3.27分まで」ということがわかりました。
ベランダで洗濯物を干すときや、ちょっとそこまでの買いものなどでも、3分はすぐに経過してしまいますよね。
肌が赤くなったり、黒くなったりしなくても、ほんの数分、素肌で過ごすだけで、紫外線のダメージは肌に蓄積されていきます。
また、窓から差し込む紫外線や、電球から発せられる紫外線など、実は、室内にいても紫外線を浴びます。これらも「隠れ日焼け」の一因です。
3. 夏の肌荒れ中は、低刺激のベースメイクを使おう
夏の肌荒れ中は、低刺激のベースメイク(ファンデーション・日焼け止め)を使用しましょう。
具体的には、次の2つに注意してください。
- 落ちやすいベースメイク
- 紫外線散乱剤100%の日焼け止め
3-1. 夏の肌荒れ中は、落ちやすいベースメイクを使う
基準は、「通常のクレンジングで落とせる」ことです。
メイク料の落としやすさは、次の2つに分かれます。
- 落としにくい:専用のリムーバーが必要
- 落としやすい:通常のクレンジングで落とせる
専用のリムーバーは洗浄力が強いため、使用すると肌に必要な皮脂まで落としてしまいます。
これが肌を乾燥させることにつながり、夏の肌荒れが促進することがあります。
「汗や皮脂に強いタイプ」のメイク料でも、通常のクレンジング剤で落とせるものはたくさんあります。
専用のリムーバーが必要なベースメイク(日焼け止め・ファンデーション)は避け、通常のクレンジング剤で落とせるものを使いましょう。
3-2. 夏の肌荒れ中は、散乱剤100%の日焼け止めを使う
肌荒れ中は、紫外線散乱剤だけで作られた日焼け止めをおすすめします。
低刺激の紫外線カット成分なので、荒れた肌にもやさしいです。
日焼け止めには、大きく分けて2種類の紫外線カット成分が使用されます。
- 吸収剤
- 散乱剤
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、紫外線カット効果が高く、使い勝手がいいです。
しかし、紫外線を吸収すると、化学反応を起こし、そのエネルギーを熱に変換します。
この化学反応が、肌に刺激を与える場合があります。
その結果、赤くなる・カサカサする・かゆくなる、といった肌荒れの症状が現れることがあります。
「日に焼けたと思っていたら、実は、紫外線吸収剤による炎症だった」ということもよくあります。
紫外線散乱剤
紫外線散乱剤は、物理的に紫外線を跳ね返し、紫外線をカットします。
そのため、肌に刺激を与えにくい成分です。
小さな刺激にもダメージをうけやすい肌荒れ中には最適です。
肌荒れ中は、肌が敏感になっている状態です。
刺激をできるだけ抑えるために、吸収剤配合の日焼け止めは避けましょう。
代わりに、紫外線散乱剤100%の日焼け止めをおすすめします。
紫外線吸収剤(避ける) | 紫外線散乱剤(おすすめ) |
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4.夏の体の肌荒れは、汗ケアで雑菌を防ごう
- 腕や背中がピリピリする
- むずむずかゆくなる
- ブツブツができる
このような夏の体の肌荒れは、汗による雑菌が繁殖することで起こります。
雑菌が繁殖しにくいように汗ケアを行い、肌荒れを防ぎましょう。
- 汗が落ち着いたら濡れタオルでふきとる
- 寝室の環境を整えて寝汗を防ぐ
健康な肌表面は、弱酸性(pH4.5~6)。
雑菌の繁殖を抑えられる状態です。
汗も弱酸性なので、この作用を担っています。
しかし、大量にかいた汗が、長い間、肌の表面にとどまると、肌の弱酸性は中和されてしまい、雑菌の繁殖しやすいアルカリ性に傾いてしまいます。
これが、ピリピリ・ムズムズする夏の肌荒れを招きます。
次の方法で、雑菌の繁殖と肌荒れを防ぎましょう。
4-1. 夏の体の肌荒れには、濡れたタオルで汗をふく
乾いたタオルよりも、濡れたタオルを使いましょう。
次のメリットがあります。
- 雑菌が肌に残りにくくなる
- 体温を早く下げ、汗を早くとめる
濡れたタオルを用意しにくい状況では、ウェットティッシュや、汗拭きシートが便利です。
※参考:oggi.jp「汗を何で拭く? 乾いたタオルより有効的な汗対策はアレです」
4-2. 夏の体の肌荒れには、汗が落ち着いてからふく
汗は、水分と共に体の熱を蒸散させ、体温をさげます。
そのため、出た汗をすぐにふきとると、体温がなかなか下がらず、汗が止まりません。
こうなると、何度も汗をふくことになります。
しかし、汗をふく行為は、肌に摩擦を起こします。
摩擦が何度も繰り返されると、肌には大きな刺激になり、肌荒れを悪化させてしまいます。
荒れた肌を刺激から守るために、汗は、分泌が落ち着いてからやさしくふきとりましょう。
4-3. 夏の体の肌荒れには、こすらず、タオルを肌の表面に当てる
ゴシゴシふきとると、汗でもろくなった肌を傷めてしまいます。
傷ついた肌は少しの刺激にも反応し、かゆみを招いてしまいます。
水分をふき取るときは、タオルを軽く当てるだけにしましょう。
4-4. 夏の肌荒れには、寝室の環境を整えて寝汗を防ぐ
眠っている間に、大量の汗をかかないようにしましょう。
汗を吸った寝具は雑菌が繁殖しやすいため、使い続けると肌荒れの原因になります。
眠っている間の汗を防ぐ工夫
- エアコンや扇風機などで、室温を調整する
- 通気性の良い寝巻を身に着ける
- 通気性・吸湿性の高い寝具を使う
- 寝巻は毎日清潔なものに変える
寝具(枕カバー・シーツ・かけ布団など)や寝巻はこまめに取り換え、清潔な環境を保ちましょう。
5.冷え対策で、体の内側から夏の肌荒れを防ごう
夏の肌荒れをより早く解消するためには、ぜひ冷え対策にも取り組みましょう。
家庭や職場・スーパーや電車の中など、夏の屋内はどこに行っても冷房がきいています。
このような環境で長く過ごすと、体を冷やし、内蔵機能の低下など、さまざまな体調不良が起こります。
皮膚も、体の一部ですので、当然、不調が現れます。
冷えを防いで、夏の肌荒れを防ぎましょう。
<冷え対策>
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一般的には、暑いときほど、涼しくなろう・体を冷やそうとするのが当たり前です。
でも、ここであえて『温める』のが、肌荒れ解消の秘訣です。
冷え対策を行って、夏の肌荒れを防ぎましょう。
さいごに
夏の肌荒れは、隠れた原因によって長引き、悪化します。
その原因にあわせた対策をきちんと行えば、肌荒れ解消に近づきます。
今回ご紹介した2つの対策を、ぜひ実践してください。
「隠れ乾燥肌」対策
- クリームかオールインワンジェルで油分を与える
- 洗顔は1日2回まで
- 日中も保湿する
「隠れ日焼け」対策
- 日焼け止めは1回1gを使う
- 日焼け止めは、 2〜4時間ごとに塗り直す
- ウォータープルーフ機能がついた日焼け止めを使う
実は私は、
- 夏でも油分を使ってスキンケアをする必要がある
- 適切な量を塗らないと、日焼け止めの効果がない
という事実を知ったときはびっくりしました。
それまで、油分を使わなくてもきちんと保湿をしているつもりでしたし、薄く伸ばした日焼け止めでも紫外線を防いでいるつもりだったからです。
でも、その方法では肌を守れていないことを知り、この記事でご紹介した対策をとるようになりました。
今では、夏の肌荒れで悩むことはなくなり、快適に過ごしています。
毎日のスキンケア方法を少し変えるだけで、肌が大きく変わることを実感しました。
3~5章の対策も併せて行っていただくと、肌荒れをより防げます。
ぜひあなたも実践してみてください。
一日も早く肌荒れを解消し、たくさんある夏のイベントを楽しんでいただけることを祈っております。