小学校高学年~中学生、高校生にかけて、顔や首、背中などに思春期ニキビができるのはよくあることです。
この記事を書いている私自身も、中学生から大人になってもずっとニキビに悩まされていました。
しかし、いざ自分の子供にニキビができ始めると「いつまで続くの?」「どんなケアをしたらいいの?」と不安に思うことも。
実は、思春期ニキビは大人のニキビとは原因やケア方法が異なります。
もし間違ったケアをしてしまうと、悪化したり大人になるまで長引いたりすることも。
そこでこの記事では、思春期ニキビの特徴やケア方法、知っておきたい豆知識を紹介します。
子供の思春期ニキビがいつまで続くのか気になっている方、なるべく早く治したいと思っている方はぜひ参考にしてください。
1.思春期ニキビとは
思春期ニキビとは、10代に多く見られるニキビのこと。
Tゾーンや鼻周り、こめかみなど皮脂腺が多い部分に多くできるのが特徴です。
一般的には、小学校高学年~中学生の頃にでき始め高校生に向けて悪化しますが、20代前後になると自然に治っていくと言われています。
ただし、間違ったケア方法を続けることで、ニキビを長引かせてしまったり、ニキビ跡に残ることもあります。
また、思春期ニキビができる時期や程度には個人差があり、中にはほとんどできない人や、もっと長引く人もいます。
できる限り悪化を防ぎ早く落ち着かせるためには、思春期ニキビに適したケアを行いましょう。
ここでは、正しいケアをするための基礎知識として以下の3つを説明します。
- 思春期ニキビと大人ニキビの違い
- 年齢別のニキビのお悩み
- 思春期ニキビはいつまで続くのか
1-1.思春期ニキビと大人ニキビの違い
ニキビには、大きくわけて「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の2種類があります。
簡単に言うと、10代の思春期の頃にできるのが思春期ニキビ、大人になってからできるのが大人ニキビです。
両者は同じニキビですが、異なる特徴を持つためそれぞれに適したケアが必要です。
まずは思春期ニキビと大人ニキビの違いを知るため、
- 原因の違い
- 発生する場所の違い
を説明します。
原因の違い
思春期ニキビと大人ニキビは、どちらも毛穴に皮脂や角質が詰まることで発生しますが、根本的な原因は異なります。
思春期ニキビは、13~18歳頃までの二次性徴期に起こる皮脂の過剰分泌が原因。
ホルモンの分泌量が急激に増加し皮脂分泌が活発になると、毛穴に皮脂が詰まり始めます。
そして、詰まった毛穴の中でアクネ菌が増殖すると、赤い炎症となって現れるのです。
20代前後になるとホルモンバランスは安定してくるので、自然とニキビも発生しなくなります。
ただし、人によってはなかなか落ち着かなかったりニキビ跡として残ったりするケースもあります。
一方大人ニキビは、偏った食事や睡眠不足、飲酒、喫煙、ストレス、間違ったスキンケアなどが原因です。
また、ホルモンバランスの崩れや空気の乾燥などが影響している場合もあります。
これらの要因によって肌のターンオーバーが乱れると、古くなった角質が毛穴に詰まってしまうのです。
大人ニキビは生活習慣が大きく関わっているので、正しいケアをしないとなかなか治りません。
発生する場所の違い
思春期ニキビと大人ニキビは、発生する場所にも違いがあります。
思春期ニキビは、皮脂量の多いTゾーン(額から鼻先にかけて)や鼻周り、こめかみなどに多く発生します。
中でもTゾーンは、他の部分よりも毛穴の開きが大きく皮脂分泌が約7倍もあるため、特に注意が必要です。
これに対し大人ニキビは、比較的皮脂量の少ないUゾーン(頬から顎にかけて)や口回りに多く発生する傾向があります。
皮脂の過剰分泌だけが原因ではないので、思春期ニキビとは違って乾燥肌の人でもできます。
また、首やデコルテなど顔以外の場所にできやすいのも大人ニキビの特徴です。
ニキビができやすい場所には個人差があるため、必ずしもこの通りではない場合もあります。
しかし、発生しやすい場所を知っておくことで、より効率の良いケアができるでしょう。
1-2.年齢別ニキビのお悩み
一口に思春期ニキビと言っても、できる年齢は小学生から高校生までさまざま。
年齢によって肌状態や体の成長、生活習慣は変化するため、悩みの内容も異なります。
また、適切なケア方法や注意点にも違いがあります。
そこで次に、
- 小学生のニキビ
- 中学生のニキビ
- 高校生のニキビ
に分けて、子供視点での悩みや注意点について説明します。
参考元: 花王 ビオレ公式ホームページ
小学生のニキビ
思春期ニキビができ始める時期には個人差がありますが、早い人では小学校高学年頃から目立つようになります。
小学校高学年は、子供の体が大人へと変化し始める時期。
ホルモン分泌が急激に活発化するため、皮脂の分泌が増えニキビができやすくなるのです。
株式会社花王の調査によると、小学5年生でニキビの悩みを持っている人は男子で約15%、女子で約40%いることが明らかになっています。
また、ニキビができたとき、同世代の友達から見られることを気にしている人も多く、その割合は男子が39%、女子は78%にものぼります。
自分の容姿を気にし始める年代であるとともに、「友達にはないのになぜ自分だけ」と焦りを感じやすい時期でもあるのでしょう。
なお、ニキビ予防として心がけていることは、男女ともに「毎日洗顔する」が最多となっていました。
初めてできるニキビに戸惑いを感じながらも、日々のケアでなんとかしようと思っている小学生が多いことが分かります。
小学生のうちは、ニキビで悩んだときの対処法が分からない場合も多いため、親からのフォローも大切です。
中学生のニキビ
中学生も、小学校高学年と同じくホルモンバランスの変化によりニキビができやすい時期。
これまでニキビがなかった人でも、中学生になって気になり始めるケースが多いです。
調査の結果、56.7%の方が中学生の時、ニキビが気になっていたことが明らかになりました。
多感な時期であるため、小学生の頃よりも周りの目を気にしたり異性からの見られ方を意識したりする人も少なくありません。
ときには、ニキビや肌荒れが原因で嫌なことを言われたり、内向的になってしまったりすることもあるでしょう。
男女ともに親を頼る人も多いため、健やかな学校生活を送るためには親が正しいケア知識を持っていることが大切だと言えます。
中学生は体の成長が進む時期であるため、ホルモンバランスの変化による影響を完全に避けることはできません。
洗顔や保湿、食生活、睡眠などの生活習慣を整えても、なかなか改善できなかったりニキビ跡が残ってしまうこともあります。
どうしてもニキビができてしまう、または子供自身が悩んでいるときは、皮膚科を受診をすることも検討しましょう。
高校生以上のニキビ
高校生になると、さらに周りからの目や自分の容姿に気を遣うようになるため、ニキビの悩みも大きくなります。
「友達は肌がきれいなのに」「自分だけニキビが多い」など、周囲の人と比較して落ち込んでしまう人も少なくありません。
アルバイトや遊びなどで行動範囲も広がるため、ニキビが原因で強いストレスを感じてしまうケースもあるでしょう。
また、受験勉強のストレスから肌荒れが悪化してしまう可能性も考えられます。
高校生も小・中学生と同様に、ニキビで悩んだときは親に相談する人が多いようです。
その一方で、「ニキビを何とかしたい」という強い思いから、どこかで聞いた情報をもとに自己流でケアをする人も少なくありません。
この時期に間違ったケアをしてしまうと、かえってニキビが悪化したり跡になってしまったりする可能性もあります。
そうならないために、親として適切なニキビケアを知っておきましょう。
また、スキンケアや生活習慣の改善だけでは難しい場合もあるので、必要に応じて皮膚科の受診もすすめましょう。
1-3.思春期ニキビはいつまで続くのか
思春期ニキビは、二次性徴期におけるホルモンバランスの変化が原因です。
一般的には小学校高学年~中学生にかけてでき始め、高校生頃まで悪化していきますが、皮脂分泌が落ち着き始める20歳前後には自然とできなくなるといわれています。
ただし、思春期ニキビができる場所や時期については個人差があるので、いつまで続くのかについて断言はできません。
また、一旦おさまった場合でも、今度は大人ニキビができてしまう可能性もあります。
思春期ニキビは、成長過程においてある程度は仕方ないものです。
個人の努力で抑えられる部分もありますが、あまり神経質になると余計にストレスがたまってしまいます。
ニキビケアだけでなく、焦らずに思春期ニキビが落ち着く時期を待つサポートも必要でしょう。
2.思春期ニキビの正しいスキンケア方法
先ほど紹介したように、思春期ニキビは大人ニキビと比較すると、原因やできやすい場所が異なります。
そのため、大人ニキビと同じようにケアしていても、なかなか改善しない場合も。
とはいえ、基本的なスキンケアをして肌を整えることで、ニキビの予防や改善が期待できます。
一番避けたいのは、間違った方法でスキンケアをした結果、かえってニキビが悪化したり、ニキビ跡として何年も残ってしまったりすることです。
思春期ニキビに適したスキンケア方法があるので、まずは基本を押さえておきましょう。
今回は、思春期ニキビに悩む方向けに、以下の3つのスキンケアについて、正しいケア方法をお伝えします。
今回紹介する3つのスキンケア
- 洗顔
- 保湿
- 紫外線
「思春期ニキビができたけど、どうやってスキンケアをしたらいいか分からない…」という方は、ぜひ参考にしてください。
2-1.洗顔
洗顔をする目的は、余分な皮脂や角質を取り除き、肌の水分量と皮脂量を適度に保つことです。その結果、ニキビの予防や改善に繋がります。
洗顔をする際は、以下の4つのポイントに注意しましょう。
「洗顔」:4つのポイント
- 洗顔は「1日2回」まで
- ノンコメドジェニックテスト済みなど、ニキビ向け洗顔料を使う
- 洗顔料は十分に泡立てて、肌に刺激を与えないように優しく洗う
- ぬるま湯を使って洗い流す
洗顔をする際に一番やってはいけないことは「顔を何度も洗顔すること」「強い力でゴシゴシと洗うこと」です。
ニキビの原因が皮脂だと分かると、顔の油分を落とそうとして、1日に何度も洗顔する方がいます。
その気持ちは分かりますが、洗いすぎは逆効果です。
皮脂が更に分泌され、ニキビの症状が悪化する可能性があります。洗顔は朝、晩の2回にしましょう。
ノンコメドジェニックテスト済みとは?
ノンコメドジェニックテスト済み化粧品は、人の肌で実際に、ニキビのもとになる「コメド」ができにくいことを確認している商品です。
ノンコメドジェニックテスト済みだからといって「ニキビができない」「ニキビが改善できる」という効果を保証しているわけではありませんが、ニキビができる可能性のある成分を極力排除し、脂性肌やニキビ肌向けに作られた商品だと言えますから、化粧品を選ぶ際の指針としては参考にできます。
また、ノンコメドジェニックテスト済みと表記されていなくても、以下の成分が含まれている場合は、ニキビのできにくい肌環境を期待できます。
抗菌成分 |
サリチル酸など |
抗炎症成分 |
グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリルなど |
グリコール、サリチル酸 |
グリコール酸、サリチル酸など |
洗顔の方法
洗顔をするときは、たっぷりの泡で優しくなでるように洗うのがポイント。
できれば、手で直接肌をなでるのではなく泡を転がすようなイメージで洗いましょう。
皮脂や汚れを落とそうと強い力でゴシゴシ洗うと、肌トラブルの元になるので注意してください。
洗い終わったら、人肌または少しぬるめのお湯で優しくすすぎます。
洗い残しがあるとニキビの原因になるので、生え際や顎先までしっかり確認しましょう。
最後に清潔なタオルで顔を押さえるようにして水分を拭き取ります。
2-2.保湿
思春期ニキビの原因は皮脂の過剰分泌であることから、「保湿をする必要はない」と考えている人が時々います。
顔のベタつきが一層悪化すると考えているのかもしれませんが、実際は逆です。
- 水分を補給して肌内部の水分量をあげる。
- 油分や保湿成分で、肌内部の水分の蒸発を防ぐ。
このような「適切な保湿」がされた肌は、過剰な皮脂分泌を止めます。
特に洗顔の後は、油分で肌にフタをしないと、どんどん肌の水分が蒸発していきます。
更に深刻な事に、肌の表面にのせた水分は、蒸発する際に、肌の中(角質層内)の水分まで持って行ってしまいます。(過乾燥)
肌が乾燥すると皮脂の分泌量が増やされますから、ニキビが悪化する可能性も。
水分・油分・保湿成分の3つをしっかりと肌に与えて、皮脂が過剰に分泌される原因を作らない事が大切です。
学生の方にはオールインワンタイプがおすすめ
オールインワンジェルなら、肌にあれこれ塗る必要もなく、物理的な刺激が少なくてすみます。
また、時間的な手間も少なくなりますから、忙しい朝でもパパッとスキンケアが完了します。
ニキビケア向けの商品や「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されているものを選び、まずはサンプルから試してみることをおすすめします。
2-3.紫外線
紫外線対策のために日焼け止めクリームを塗ると、ニキビができやすくなるのではないかと思うかもしれません。
たしかに、製品や使い方によってはニキビの原因になってしまうこともあります。
しかし、紫外線は日焼けやシミだけでなくニキビにも悪影響を与えるため、正しく対策をすることが大切です.
紫外線がニキビを悪化させる主な原因は以下の3つ。
紫外線がニキビを悪化させる理由
- ターンオーバーが乱れることにより、毛穴が詰まりやすくなる
- 皮脂の分泌量を増やし、酸化させる
- アクネ菌に作用し、活性酸素を発生させる
これらのダメージから肌を守るために、季節や天候にかかわらず日焼け止めを使ってケアをしましょう。
日焼け止めの選び方
ニキビで悩んでいる人は、なるべく肌への刺激が少なくなるように、日焼け止めを選ぶと良いでしょう。
具体的には、以下の6つのポイントを満たしているのが理想的です。
ニキビ肌に合う日焼け止めの条件
- SPFが20~30である
- ノンコメドジェニックテスト済みである
- 紫外線散乱剤100%
- ウォータープルーフ機能がついている
- クリームタイプ、またはミルクタイプである
- お試し商品がある
一般的に「SPF値が高いほど、紫外線カット効果が高い」と考えられていますが、SPF30以上であれば、紫外線カット効果はほぼ変わりません。
また、SPF値が高くなるほど肌への負担が大きくなるため、SPF値20~30が最もバランスが良いのです。
もう1つ大切なポイントが「紫外線散乱剤100%」。
日焼け止め成分には紫外線吸収剤と紫外線散乱剤がありますが、紫外線吸収剤はまれに皮膚刺激を起こすことがあります。
ニキビで悩んでいる人や刺激が心配な人は、紫外線吸収剤を配合していない(ノンケミカル)ものを選ぶと良いでしょう。
3. 思春期ニキビにおすすめの商品を紹介
この章では、先ほど紹介したスキンケア方法に合わせて、おすすめの商品を紹介します。
3-1. 皮脂を取りすぎない洗顔料
洗顔をする際のポイントは以下の4つでした。
「洗顔」:4つのポイント
- 洗顔は「1日2回」まで
- ノンコメドジェニックテスト済みなど、ニキビ向け洗顔料を使う
- 洗顔料は十分に泡立てて、肌に刺激を与えないように優しく洗う
- ぬるま湯を使って洗い流す
皮脂を過剰に取るスクラブタイプや、洗浄力が強い洗顔料は避け、肌に余計なダメージを与えないアイテムがおすすめです。
3-1-1. アクシリオ ダブルクレンジングゲル
今回おすすめするのは「アクシリオ ダブルクレンジングゲル」。
思春期ニキビにおすすめの「皮脂を取りすぎないマイルドな洗浄力」×「ノンコメドジェニックテスト済み」の条件を満たした洗顔料です。
なめらかなジェル状で摩擦を軽減し、肌への刺激を極限まで小さくしてくれます。
低刺激を保証する3つのテスト(スティンギングテスト、アレルギーテスト、パッチテスト)も実施しており、ニキビ肌でも安心して使うことができます。(※)
※スティンギングテストとは、化粧品を塗布時のピリピリといった刺激感の有無を確認するテストです。
※全ての人にアレルギーや皮膚刺激が起こらないわけではありません。
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3-2. バリア機能を維持する高保湿商品
皮脂の分泌を改善するためには、洗顔と並んで「保湿」も重要です。
- 水分を補給して肌内部の水分量をあげる
- 油分や保湿成分で、肌内部の水分の蒸発を防ぐ
このような「適切な保湿」のスキンケアがされた肌は、過剰な皮脂分泌を止めます。
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3-3. 肌に優しいUVカット商品
ニキビ肌には、以下の6つのポイントを満たしている日焼け止めが理想的なのでした。
ニキビ肌に合う日焼け止めの条件
- SPFが20~30である
- ノンコメドジェニックテスト済みである
- 紫外線散乱剤100%
- ウォータープルーフ機能がついている
- クリームタイプ、またはミルクタイプである
- お試し商品がある
この条件を基準に選べば、紫外線によるニキビへの悪影響、日焼けを防ぐだけでなく、シミやシワ・たるみといった肌老化も未然に防げます。
このポイントを満たした商品を見つけるために、人気の日焼け止め62商品のSPF数値や成分・形状などを徹底的に調査したところ、5つの条件をすべてクリアした日焼け止めは、以下の2商品しかありませんでした。
商品名 | やさしいUVカットミルク | ちふれ・UVサンベール クリーム |
商品画像 | ||
SPF / PA | SPF25・PA++ | SPF30・PA++ |
紫外線カット成分の種類 | 紫外線散乱剤100% | 紫外線散乱剤100% |
ウォータープルーフ機能 | 〇 | 〇 |
ノンコメドジェニックテスト済み |
〇 |
– |
使用感 | クリームに近いミルクタイプ | クリーム |
お試し使用 | 〇 550円(6回分)のお試しセットあり |
× |
容量・価格 |
税込2,800円(25g) |
税込605円(50g) |
4. 皮膚科での治療
思春期ニキビのケアにはスキンケアが大切だと説明しましたが、それだけで予防・改善できるとは限りません。
食生活や睡眠、マスク、顔を触る癖などの生活習慣も見直す必要があります。
しかし、それでもなかなか改善しない場合もあるでしょう。
年齢とともに自然と落ち着くこともありますが、放っておくとどんどん悪化する可能性も。
そのため、セルフケアによる対処が難しい場合や早めに治したい場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。
特に、以下の症状が見られた場合は早めに受診しましょう。
- 顔に2~5個のニキビができ2週間以上消えない
- ニキビが赤くなって化膿している
- ニキビ跡ができてしまった
皮膚科では、年齢や肌質、経過、生活習慣などをもとに、ひとりひとりに適した治療をしてくれます。
治療期間は人によってさまざまですが、2~3カ月程度経過すると効果が現れることもあります。
セルフケアよりも効率よく安全にケアができるため、まずは一度近くの専門医に相談してみましょう。
5.子供のためにも知っておきたい思春期ニキビに関する豆知識5選
思春期は、自分の容姿や周りからの目が気になり始める時期です。
そのため、初めてできるニキビに戸惑い、自己流でケアをしてしまいがち。
しかし、思春期ニキビは間違ったケアをすると、なかなか治らないばかりか悪化したり跡になったりすることもあります。
そこで最後に、子供のために知っておきたい思春期ニキビの豆知識として、以下の5点を説明します。
- 洗顔は1日2回まで
- スクラブ入りの洗顔料は毎日使わない
- できたニキビは触らない、つぶさない
- 睡眠不足やストレスはニキビを悪化させる可能性がある
- バランスの整った食生活も大切
5-1.洗顔は1日2回まで
先ほども少し触れましたが、ニキビができると、皮脂や汚れを洗い流そうと1日に何度も洗顔をしたくなる人もいるでしょう。
たしかに肌を清潔に保つことは大切ですが、思春期ニキビは肌が不潔だからできるのではありません。
神経質になって頻繁にやりすぎると、必要な皮脂や保湿成分まで洗い流してしまい、肌の乾燥が進みます。
そうなると、洗顔によりかえって思春期ニキビを悪化させる事態になりかねません。
肌の水分と油分のバランスを保つために、洗顔は1日2回までにとどめましょう。
また、回数を守っても洗顔方法が間違っていると、肌トラブルを起こす可能性があります。
洗顔料を十分に泡立てずゴシゴシこすったり、熱いお湯で洗い流したりするのはご法度。
肌への刺激を最小限にするため、たっぷりの泡で優しく洗い、ぬるま湯でしっかりとすすぎましょう。
5-2.スクラブ入りの洗顔料は毎日使わない
スクラブ入り洗顔とは、種子や樹脂などの細かい粒子が入った洗顔のこと。
ザラザラした手触りが特徴で、通常の洗顔料よりもしっかりと毛穴の汚れや古い角質を取り除けます。
化粧水などの浸透性も良くなるため、ニキビをはじめとする肌トラブルの改善に役立つとされています。
しかし、スクラブ入り洗顔は粒子の研磨作用により汚れを落とすため、通常の洗顔料よりも肌への刺激がやや強めです。
そのため、毎日使うとかえってニキビを悪化させるおそれがあります。
継続して使う場合でも週1~2回にとどめ、それ以外は通常の洗顔料を使いましょう。
特にニキビが赤く炎症を起こしている場合や日焼けをした日は、さらなる悪化を防ぐため控えた方が無難です。
また、スクラブ入り洗顔料は粒子が小さい物や低刺激タイプを選ぶようにしましょう。
5-3.できたニキビは触らない、つぶさない
ぽつっとニキビができたとき、つい潰したくなる気持ちはよく分かりますが、絶対につぶしてはいけません。
また、ニキビが小さいうちに潰せば「これ以上広がらないだろう」「早く治る気がする」と誤解している人がいますが、けしてつぶしてはいけません。
自分で潰すと雑菌が入って炎症を起こしたり周囲の皮膚を傷つけたりするおそれがあります。
強く炎症を起こした思春期ニキビは、治った後も跡ができ、大人になってもデコボコが残ってしまいます。
そのため、ニキビができても自分で潰してはいけません。
手で触れるだけでも雑菌が侵入する可能性があるので、なるべく触らないようにしましょう。
そして皮膚科医師に相談し、悪化を防ぐようにしましょう。
5-4.睡眠不足やストレスはニキビができやすくなる・悪化させる可能性がある
思春期ニキビは、体の成長によるホルモンバランスの変化が関わっているため、スキンケアだけで改善できるとは限りません。
ニキビの悪化を抑えるためには、睡眠不足やストレスなど生活習慣の見直しをすることも大切です。
睡眠中はただ体を休めているのではなく、成長ホルモンを分泌しながら皮膚や骨、筋肉などを作ったり修復したりしています。
ところが、睡眠不足になると新しい皮膚が作られず、肌の免疫力も下がってしまいます。
また、不規則な睡眠によりストレスホルモンが増加し、皮脂分泌が促進されるため、さらにニキビは悪化しやすくなります。
新陳代謝を促すホルモンが多く出る、いわゆる「ゴールデンタイム」は22~深夜2時頃と言われています。
ニキビの悪化を防ぐためには、できれば22時頃に就寝しましょう。
22時に寝るのが難しくても、なるべく毎日同じ時間に就寝・起床し、規則正しい生活を意識してください。
質の良い睡眠をとるためには、就寝前にカフェインを摂ったりスマートフォンの画面を長時間見たりといった習慣も控えましょう。
5-5.バランスの整った食生活も大切
食品とニキビの関係性については、これまでさまざまな研究が行われてきましたが、どの食べ物がニキビに影響するかについて医学的な結論は出ていません。
たとえば、「チョコレートやピーナッツを食べるとニキビができる」という噂もありますが、明確な関連性についてはまだまだ研究段階です。
体質的に特定の食べ物をたくさん摂取すると、ニキビができやすくなる場合もありますが、だからといって一切食べてはいけないというわけではありません。
ニキビの悪化を防ぐには、バランスの良い食事を摂って健康的な体作りをすることが何より大切です。
特に思春期は体の成長にとって大事な時期でもあるので、やみくもに制限したり特定の食べ物を食べたりするのではなく、バランスの良い食事を心がけましょう。
バランスの良い食事とは、主食(ごはん、パン、麺)、主菜(肉、魚、卵、大豆)、副菜(野菜、きのこ、海藻)が揃った食事です。
この3つを揃えることで、炭水化物とタンパク質、ビタミン・ミネラルなどの栄養バランスが自然と整いやすくなります。
主食、主菜、副菜を基本とし、食物繊維が豊富な緑黄色野菜、ビタミンB2やB6 、Cを含む食材を積極的に摂取しましょう。
インスタント食品やファーストフードばかりでは、栄養バランスが崩れがちになるので、食べる頻度には十分注意してください。
5-6.男女関係なく、思春期ニキビには「洗顔」「保湿」「紫外線対策」が大切
「男の子だと、思春期ニキビが治りにくい?」「中学生のニキビは高校生より治りにくい?」という声を時々耳にします。
一般的には、小学校高学年~中学生の頃にでき始め高校生に向けて悪化しますが、20代前後になると自然に治っていくと言われています。(※個人差あり)
ただし、間違ったケア方法を続けることで、ニキビを長引かせてしまったり、ニキビ跡に残ることもあります。
大事な事は「洗顔」「保湿」「紫外線対策」を適切に行うこと。ニキビの発生や悪化を防ぎ早く落ち着かせるためには、思春期ニキビに適したケアを行いましょう。
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まとめ
思春期ニキビとは、小学校高学年~高校生にかけてできるニキビのことです。
主な原因は、成長期におけるホルモンバランスの変化により起こる皮脂の過剰分泌。
思春期という多感な時期にできるため、ニキビの悩みが大きな精神的ストレスになることも少なくありません。
思春期ニキビの予防・改善には、以下のポイントが大切です。
- 洗顔は1日2回まで
- 洗顔後はしっかりと保湿
- 紫外線対策も大切
- 必要に応じて皮膚科にも相談
- 食事や睡眠などの生活習慣にも注意
思春期ニキビは、間違ったケアをすると悪化したり跡になったりすることもあります。
ここで紹介した内容を参考に、適切なケアを続けていきましょう。