ベタつくのにカサつく、目や口のまわりがつっぱる。
保湿ケアをしていても改善されない。
水分と油分のバランスが崩れやすく、肌荒れを繰り返しやすいメンズの肌も、適切なケアを行うことで健やかな状態を維持できます。
なぜならメンズの乾燥肌には男性ならではの原因があり、単なる保湿ケアだけではない、ポイントを抑えたケアが必要だからです。
この記事では、メンズ乾燥肌の基礎知識や原因、正しい保湿ケアのポイントと乾燥肌を防ぐための生活習慣についてご紹介します。
メンズのスキンケアの基本が知りたい、乾燥肌を改善したいと思っている方はぜひこの記事を読んで、潤った健やかな肌を維持するための効果的なケア方法を知ってくださいね。
1.メンズ乾燥肌の基礎知識
メンズ乾燥肌の基礎知識をご紹介します。
男性の肌は、女性の肌と比べて皮脂量が約3倍と多い一方、潤いを保つための水分量は半分以下、水分蒸散量は2倍以上といわれています。
皮脂によるベタつきで見逃してしまいがちですが、実は保水力が弱く、非常に乾燥しやすいのがメンズの肌の特徴です。
そのため、乾燥肌に悩む男性は多く、メンズ用のスキンケアアイテムも多数販売されています。
ここでは、メンズのスキンケアを効果的に行うために必要な基礎知識、肌が乾燥する仕組みとメンズ乾燥肌の原因について具体的にお伝えします。
1-1.乾燥肌とは
乾燥肌の症状にはカサつきや皮むけ、つっぱるような違和感などがあげられ、痒みや赤みを伴うことがあります。
外気にさらされやすく皮膚の薄い顔や、皮脂分泌量の少ない肘、膝、すねや足の裏は特に乾燥しやすい部位で、症状がひどい場合はひび割れや掻き壊しによる出血を引き起こします。
このような肌の乾燥には、肌の「バリア機能」が深くかかわっています。
肌には、体内の水分の蒸散を防ぎ、外的刺激から守って健やかな状態を維持するためのバリア機能が備わっています。
肌のバリア機能は、肌表面の角層にある角層細胞と、肌表面を覆っている皮脂や汗からなる皮脂膜の働きによって保たれています。
天然保湿因子と呼ばれる潤い成分を有した角層細胞が、細胞間脂質によって隙間無く整列し、その表面を皮脂膜が保護することで、バリア機能は正常に働くことができます。
バリア機能が正常に働いている肌内部は水分で満たされ、しっとりと保湿された肌表面の質感は柔らかく滑らかです。
このバリア機能が何らかの原因で正常に働かず機能を発揮できないと、肌内部の水分は蒸散し、外気などの刺激に耐えることができずに、乾燥してゴワついた状態になってしまいます。
1-2.メンズ乾燥肌の原因
乾燥肌の原因は肌のバリア機能の低下です。
バリア機能が低下することで水分が蒸散し顔全体がカサカサと粉をふいたり、水分と油分のバランスがとれないことで皮脂が過剰に分泌され、部分的なベタつきが引き起こされたりします。
では、バリア機能は何が原因で低下してしまうのでしょうか。
男性の肌のバリア機能を低下させる主な原因を3つご紹介します。
髭剃り(シェービング)
髭剃り(シェービング)による摩擦刺激はバリア機能を低下させる原因になります。
肌内部の水分を保持するための角層細胞と細胞間脂質を有する角層は、約0.02mm、ラップ1枚程度の薄さです。
カミソリの刃を当てることで薄い角層は強いダメージを受け、バリア機能が低下してしまいます。
髭剃り前後にヒリヒリ感を感じている人は、こちらの記事「髭剃りで肌荒れしない6つの対策|おすすめシェーバーとカミソリ紹介」をぜひ参考にしてください。肌へ刺激が少ない剃り方を知ると、肌状態も変えられますよ!
紫外線
紫外線は角層をつくるもとになる細胞にダメージを与えることで、バリア機能を低下させます。
紫外線によるダメージを受けた細胞は、代謝を活発にして急いで新しい角層細胞を作り出しますが、十分な期間を持たずに急いで生成された角層細胞は、保水力が弱くバリア機能を正常に維持することができません。
日焼け止めを塗る習慣が無い男性は特に注意が必要です。
ぜひ今年は春から、紫外線対策を実行してください。
紫外線対策の方法については、こちらの記事「紫外線が肌に与える影響と、日焼けダメージから身を守る対策」をお読みください。
なぜ紫外線対策が必要かが、とてもよくわかる記事です。
生活習慣の乱れ
食事や心的疲労、睡眠不足などの生活習慣の乱れは肌の乾燥の原因になります。
食生活では、肌を健やかに保つビタミンの摂取が不足すると、肌のバリア機能が低下するといわれています。
ストレスによる心的疲労は自立神経のバランスを乱し、肌細胞の生まれ変わりに悪い影響を与えます。
睡眠不足によって成長ホルモンの生成が阻害されると、バリア機能の維持に欠かせない肌細胞の生まれ変わりにも乱れが生じます。
2.メンズ乾燥肌のスキンケア方法
メンズの乾燥肌は、正しくスキンケアをすることで予防しましょう。
女性に比べて水分量が少なく水分蒸散量が多い男性の肌のバリア機能を維持するためには、スキンケアで保湿することが必要不可欠です。
でも、「メンズ」だからといって、「メンズ化粧品を使わないといけない」ということはまったくありません。
基本的に化粧品の中身は、女性用も男性用も変わりません。
逆に、メンズ用の化粧品は、脱脂力(皮脂を取る力)が強い商品やさっぱりとした使用感にするためにアルコールが多量に配合されているなど、乾燥肌に不向きな商品も多いです。
ここでは、基本となる下記の3ステップを中心に、スキンケアのポイントと初心者でも使いやすい商品をご紹介します。
商品はドラッグストアなど身近な店舗で手に入るものを集めましたので、今日からでもケアを始めやすいですよ。
- 摩擦を起こさない洗顔方法を知る
- 肌へ浸透する化粧水の塗り方
- 水分を保護する乳液の塗り方
ステップ毎におすすめのスキンケアアイテムもご紹介しますので、乾燥肌に悩んでいる方は参考にしてみてください。
2-1.摩擦を起こさない洗顔方法を知る
洗顔で余分な皮脂や汚れを落とすことが、肌のバリア機能を維持するための第一歩となります。
しかし気を付けたいのが、洗顔による摩擦刺激です。
角層は非常に薄くダメージを受けやすいため、スキンケアによる摩擦刺激はなるべく減らすように意識してください。
洗顔の場合は、力を入れずに優しく洗う方法を会得することが大事なポイントです。
たとえば泡立てる洗顔を使う場合には、よく泡立てて肌への刺激を軽減することが大切。
洗い方はこの動画を参考にしてください。
市販の泡立てネットを使うと簡単に弾力のある泡を作ることができます。
また、伸びが良く負担の少ないジェルタイプの洗顔料や、泡立て不要の泡洗顔タイプのものを使用するのもいいでしょう。
動画を参考に、皮脂の多い額や鼻も忘れずに、クルクルと円を描くように優しく顔全体を洗ったら、水かぬるま湯で十分にすすいでください。
お湯の温度が熱いと乾燥の原因になるので注意しましょう。
次に、洗顔で使いやすい商品をご紹介します。
それぞれに良い特徴がありますので、洗顔料選びの参考にしてください。
ダヴMEN+CAREクリームコンフォート泡洗顔
価格 |
434円(税込) |
容量 |
130ml |
商品の特徴 |
泡立てなくても、そのまま泡で出てくるので、泡立てが苦手なメンズや初めての方でも使いやすい商品です。 ダヴ公式サイトより |
配合成分 |
水、ココイルグリシンKPG、グリセリン、ラウロアンホ酢酸Na、水酸化K、クエン酸、硝酸Mg、EDTA-2Na BHT、メチルパラベン、プロピルパラベン、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、香料 |
ミノンメンフェイスウォッシュ
価格 |
1,830円(税込) |
容量 |
150ml |
商品の特徴 |
泡立てなくても、そのまま泡で出てくるので、泡立てが苦手なメンズや初めての方でも使いやすい商品です。 ミノン公式サイトより |
配合成分 |
水、グリセリン、DPG、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ココイルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNa、ラウリルヒドロキシスルタイン、ココイルグルタミン酸2Na、コカミドメチルMEA、クエン酸、ココイルグルタミン酸Na、フェノキシエタノール、アスパラギン酸、アミノカプロン酸、トコフェロール、PCA-Na、プロリン、ペンテト酸5Na、トリプトファン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) |
2-2.肌へ浸透する化粧水の塗り方
洗顔の後は化粧水で肌に水分を補います。
化粧水も洗顔と同じく、肌への摩擦刺激を避けることを意識して、優しく塗布することがポイントです。
ここでも大切なことは、肌へ刺激なく化粧水を塗ること。
パッティングやゴシゴシこする行為は厳禁です。
この動画を参考に、塗り方をマスターしてください。
使用する化粧水の適量を確認し、顔全体を保湿できる十分な量を使いましょう。
洗顔後は水分が蒸散しやすくなるため、乾燥しやすい頬や目もと、口の周りから塗布していきましょう。
保湿成分を浸透させるイメージで、手のひら全体を使って優しく押し込むようになじませます。
水分不足は過剰な皮脂を作り出す原因にもなるため、ベタつきが気になる額や小鼻も化粧水で水分を補う必要があります。
特に乾燥が気になる部分は重ね塗りをして保湿しましょう。
ただ、塗る回数が多くなれば摩擦刺激を与える回数も多くなってしまうため、力加減には十分注意するようにしてください。
バルクオム ザ・トナー
価格 |
3,000円(税込) |
容量 |
200ml |
商品の特徴 |
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配合成分 |
水、BG、グリセリン、トレハロース、リンゴ果実培養細胞エキス、温泉水、ユズ果実エキス、チャ葉エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、加水分解シル ク、グリセリルグルコシド、1,2-ヘキサンジオール、キサンタンガム、レシチン、PEG-60水添ヒマシ油、水酸化Na、グリシン、エタノール、フェノキシエタノール、香料 |
ZIGEN オールインワンフェイスジェル
価格 |
4,070円(税込) |
容量 |
100g |
商品の特徴 |
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配合成分 |
水、グリセリン、プロパンジオール、アルギニン、ハマメリス水、グリチルリチン酸2K、タウリン、ロイシン、リシンHCI、プロリン、フェニルアラニン、ヒスチジンHCI、パルミチン酸レチノール、バリン、トレオニン、アミノカプロン酸、チロシン、セリン、コロイド性白金、クロレラ、シロバナルーピンタンパク発酵物、グルタミン酸、グリシン、クエン酸、グアニル酸2Na、エゾウコギ根エキス、イノシン酸2Na、イソロイシン、アラントイン、アラニン、アスパラギン酸Na、アスコルビン酸、セージ葉エキス、サボンソウ葉エキス、ゴボウ葉エキス、レモン果実エキス、セイヨウオトギリソウ花、葉、茎エキス、ホップエキス、トウキンセンカ花エキス、水添レシチン、加水分解コラーゲン、セラミドNP、セラミドNG、セラミドAP、セラミドAG、セラミドEOP、水溶性コラーゲン、ダイズステロール、ヒアルロン酸Na、プラセンタエキス、ピリドキシンHCL、セイヨウキズタ葉/茎エキス、オランダガラシ葉/茎エキス、白金、金、銀、海塩、カプリルヒドロキサム酸、カプリリルグリコール、アセチルテトラペプチド-17、カルボマー、キサンタンガム、エチルヘキシルグリセリン、トコフェロール、メントール、o-シメン-5-オール、BG、炭酸水素Na、セルロースガム |
2-3.乳液
化粧水で水分を補った後は、乳液の油分でフタをして水分の蒸散を防ぎます。
ですから、スキンケアステップの中で乳液には、水分を肌内部に閉じ込めて逃がさないようにしましょう。
手のひら全体、細かい部分は指を使って、顔全体に丁寧に塗り広げることが大切です。
力が入りにくい薬指を使用すると摩擦刺激を減らすことができます。
乳液は乾燥しやすい頬、目もと、口もとから塗布して、最後に額や鼻などの皮脂が出やすい部分に広げていきます。
ベタつきが気になる場合は量を調整してください。
スキンケアに慣れていない方は、化粧水、乳液の効果があるオールインワン化粧品を使用するのもいいでしょう。
スキンケアのステップを減らすことで摩擦刺激を少なくできるメリットもあります。
ケアセラAPフェイス&ボディ乳液
価格 |
1,320円(税込) |
容量 |
200ml |
商品の特徴 |
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配合成分 |
水、グリセリン、BG、ワセリン、トリエチルヘキサノイン、ミネラルオイル、ペンチレングリコール、ステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、ラノリン、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6II、セラミドEOS、カプロオイルフィトスフィンゴシン、カプロオイルスフィンゴシン、ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン、コレステロール、ベヘン酸、塩化Na、塩化K、ピリドキシンHCI、セリン、オリゴペプチド-24、ジメチコン、セタノール、ステアリルアルコール、トコフェロール、カルボマー、EDTA-2Na、TEA、セテアレス-25、PEG-60水添ヒマシ油、ベヘニルアルコール、フェノキシエタノール |
プラウドメン ディープエフェクトミルク
価格 |
2,750円(税込) |
容量 |
150ml |
商品の特徴 |
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配合成分 |
水、DPG、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンチレングリコール、シロキクラゲ多糖体、セラミドEOP、セラミドNG、セラミドNP、セラミドAP、アボカド油脂肪酸ブチル、カンゾウ根エキス、テンニンカ果実エキス、温泉水、カキタンニン、グリチルリチン酸2K、フィトステロールズ、フィトスフィンゴシン、グリコシルトレハロース、グリセリン、BG、エチルヘキシルグリセリン、加水分解水添デンプン、アルギニン、ミツロウ、カルボマー、キサンタンガム、水添レシチン、ポリソルベート60、ステアリン酸グリセリル、ラウロイルラクチレートNa、コレステロール、没食子酸プロピル、ベヘニルアルコール、フェノキシエタノール、香料 |
3.乾燥肌を防ぐための日頃から心がけたいポイント
乾燥肌予防に効果的な生活習慣をご紹介します。
スキンケアで肌の外から保湿ケアを行い、生活習慣の改善によって身体の内側から乾燥対策を行うことで、より一層の効果が期待できます。
乾燥肌を防ぐために気をつけていただきたい生活習慣のポイントは下記の3つです。
- バランスの取れた食事を心がける
- 十分な睡眠時間を確保する
- 適度な運動をする
スキンケアと健やかな生活習慣によって、乾燥症状の無い健やかな肌を維持しましょう。
3-1.バランスの取れた食事を心がける
バランスの取れた食事を心がけることが、乾燥肌の予防につながります。
不規則で栄養が偏った食事は、体調だけでなく、肌のトラブルを招く原因になります。
逆に栄養バランスの取れた食事を規則的に摂ることで、バリア機能は正常に働き、肌細胞の健やかな生まれ変わりによって、潤った肌を維持することができます。
乾燥肌に悩む人に特に摂取して欲しい栄養素をご紹介しますので、バランスを意識しながら積極的に摂取してください。
<タンパク質>
タンパク質は肌の形成に欠かせない栄養素です。
肉や魚、大豆や卵などに豊富に含まれています。
<ビタミン>
ビタミンA、ビタミンB郡、ビタミンCは皮膚や粘膜を健やかに保ち、肌細胞の生まれ変わりを整えます。
緑黄色野菜やレバーに含まれています。
<亜鉛>
亜鉛は肌細胞の生まれ変わりに必要不可欠な栄養素です。
牡蠣や牛肉、うなぎなどに含まれています。
3-2.十分な睡眠時間を確保する
健やかな肌の形成には、睡眠の質が深くかかわっています。
就寝中に分泌される成長ホルモンには、細胞分裂を促し、肌の健やかな生まれ変わりを促進するという、非常に重要な役割があります。
夜更かしや睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌量が減少し、肌細胞の健やかな生まれ変わりが成されずに肌のバリア機能は低下してしまうことも。
成長ホルモンの分泌量は睡眠に入った直後からの3時間がピークで、肌細胞の生まれ変わりは22時から3時までの間に活発に行われるといわれています。
この時間を意識して、早寝早起きを心がけましょう。
3-3.適度な運動をする
適度な運動は肌のバリア機能の健康維持にもつながります。
運動は血行促進、ストレスの緩和、睡眠の質向上に効果があるとされており、肌にとって大きなメリットがあります。
乾燥肌の予防に特におすすめなのが、代謝を活発にする有酸素運動です。
有酸素運動はウォーキングやジョギング、サイクリングなど、長時間軽い負荷をかけ続け酸素をとりこみながら行う運動のことです。
酸素が体内に十分行き渡ることは細胞の成熟に必要不可欠です。
正常に成熟した肌細胞が代謝することで、バリア機能はその働きを維持することができます。
健やかな肌のためにも、通勤時や休日などを利用して、適度な運動を心がけましょう。
まとめ
乾燥しやすいメンズの肌も、正しい保湿と生活習慣の改善によって効果的にケアすることができます。
- メンズの肌は保水力が低く水分蒸散量が多いため乾燥しやすい
- メンズ乾燥肌の原因はバリア機能の低下で、バリア機能の低下はシェービング、紫外線、生活習慣の乱れによって引き起こされる
- スキンケアの基本ステップは洗顔・化粧水・乳液で、摩擦刺激が無いようケアすることがポイントである
- 食事や睡眠や運動等、生活習慣の改善によって乾燥肌は予防できる
当メディアを運営する株式会社アースケアの代表であり、乾燥肌・敏感肌向けスキンケア「アクシリオ」の開発者も、超がつくほどの乾燥肌で敏感肌でしたが、スキンケアを正しく行うことで肌状態が改善しました。
同じように、うるおいを与えるケアで好転した方はとても多くいらっしゃいます。
ですから、まずは正しい基本のスキンケアを知り、それを実行していただきたいです。
この記事を参考にしていただき、乾燥やベタつきの無い、うるおう肌を目指しましょうね!