2017年07月10日
「SPFが高いから、1日中安心」って本当?
「SPFがどんなに高い日焼け止めでも、2~3時間経ったら塗り直しをしましょう」
そう言うと、「え、SPF50だったら、塗り直しはいらないでしょ」というお声を聞くことがあります。
SPFの数値が高いと、「一日中もつ」「効果が高いから塗りなおさなくていい」というイメージをお持ちの方が多くおられます。
しかし、そのイメージは誤りです。
SPFやPAの表示は?
UV-A波には、PA(UV-A防御指数)値のある日焼け止め、UV-B波には、SPF(紫外線防御指数)値のある日焼け止めが使用されます。
そして、その効果は『SPFの数値』や『PA+(プラス)~ ++++(フォープラス)』で表されます。
この数値は、人の背中に日焼け止めを塗布した部分と何も塗らない部分をつくり、太陽光ランプを照射し、その影響で皮膚が赤くなるのに必要な紫外線量の度合を比較するという方法で算出されます。つまり、数値の意味は、「肌にかかるダメージを、この数値分の1のダメージに抑えられる」というものです。
具体例を出すと、「SPF25」とは、「何もしない肌に紫外線を1時間浴びて受けるダメージを、25分の1に軽減する効果がある」ということです。
この数値を見ることで、日焼け止めの効果を簡単に知ることができるので、使用目的に合った日焼け止めを選択しやすく便利です。
ですが、そこには落とし穴があります。
紫外線カット成分の持続時間
紫外線をカットする働きを持つのは、大きくは『紫外線吸収剤』と『紫外線散乱剤』の2種類です。
紫外線を、吸収剤は吸収して熱転換することで、散乱剤ははね返すことで、肌への侵入を防ぎます。
しかし、紫外線をいつまでも吸収・散乱できるわけではありません。紫外線を浴びれば浴びるほど、その働きは弱まっていきます。
つまり、SPF数値にかかわらず、時間の経過とともにその効果は弱まるのです。
さらに、日焼け止めとはいえ、汗や皮脂で流れ落ちますし、タオルやハンカチで汗をぬぐえば、さらに落ちます。
ただでさえ、SPF50でも、紫外線を100%カットはできてはいません。
それなのに、流れ落ちていってしまうのです。
ですから、紫外線カット効果を維持できる『2~3時間ごとに塗り直し』をすることをお勧めするわけです。
いかがでしたか?
数値が高い方が効果が持続するような錯覚をしてしまいますが、そうではありません。
ちなみに、気象庁は、日常生活において必要なSPFは「10~20程度」、炎天下のレジャーなどは「50程度」としています。
そう聞くと、一度塗りで十分な気になってしまいますよね。
必要なSPFを選びつつも、基本は「2~3時間で塗りなおすこと」を行い、日焼け止めを正しく使いましょう!
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