2017年06月12日
「セラミド配合化粧品だと、乾燥肌に効果が高い」って本当?
肌(角質層)は適度な水分と油分・保湿成分によって、守られています。
しかし、外界の刺激(ほこりや紫外線など)、体調不良、生まれつきの肌質などにより、水分が不足してしまい、肌が乾燥に傾くことがあります。その状態が慢性的に続くのが『乾燥肌』で、一度そうなると、肌が持っているバリア機能が衰え、あらゆる刺激がダイレクトに肌を傷つけます。
その結果、少しの刺激や体調不良で過敏に反応してしまう『敏感肌』になります。
ちまたでは、こうした肌状態の際には、「セラミド配合化粧品を使おう」「セラミドが配合された化粧品を選ぶ方が効果が高い」と言われているそうです。
どこから生まれてきた話なのか分かりませんが、「そちらの化粧品は乾燥肌用なのに、なぜセラミドが入っていないのですか?」と、質問されることもしばしばです。
セラミドとは、『細胞間脂質』を構成する成分です。うるおいを保つ働きを見ると、細胞間脂質の働きが特に重要であることは確かです。乾燥肌の方は本当にセラミド配合化粧品を使うべきなのでしょうか?
化粧品・セラミドの働き
肌のうるおいを保つのに重要な『細胞間脂質』であるセラミド。これが減少することで肌が乾燥に傾くのなら、化粧品にセラミドを配合して補完しましょう。
というのが、セラミド配合化粧品が乾燥肌に効果が高いとされる理由だそうです。
しかし、体内にある成分と組成が異なるものが、体内に入っていき、細胞内のセラミドやヒアルロン酸のある場所にたどり着き、それらと合体して、同じ働きをするでしょうか?
化粧品に配合されている成分により、体内の細胞が増えることはありえません。それがもしできるのならば、皮膚疾患で悩む方にもっと有効な手立てがあるはずですよね。
それに、セラミドは細胞間脂質を構成する複数成分のうちのひとつにすぎません。
『角質層から見るキレイ肌作り』にあるとおり、うるおいを保持するバリア機能を果たしているのは、『ラメラ』という構造物です。セラミド配合の化粧品を使ったとしても、体内のセラミドを補完する働きはできないことは容易に想像できますよね。
ですから、セラミド配合化粧品だからといって、乾燥肌に特別効果があるわけではない、と私たちは結論づけています。
そのため、アクアテクトゲルなどのアクシリオシリーズは、乾燥肌の方におすすめしていながらも、セラミドを配合していないわけです。
セラミドより効果的な乾燥肌の改善法は?
「乾燥肌を改善する」「シワを少なくする」などと聞くと、「どの成分が効果的?」と化粧品にその役割を求めてしまいがちです。
でも、実はそれよりも、もっともっと効果的な方法が身近にあります。それなのに、成分にとびつくのはとってももったいないことです。
本当の意味で『肌への効果が高まる』のは、肌の構造を知り、自分の肌に適したケアを行うことです。
いつもご案内している『正しい保湿』と併せて知り、化粧品をより効果的に使っていきましょう。
※この記事は手作り新聞108号に掲載したものと同じ内容です。
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