2023年01月01日
こんにちは、井上です。
皆さん、お元気ですか?
私は、3年ぶりに口元にニキビができて痛いです。
コロナでマスク生活が始まって約3年、完璧にマスク対策していたのですが、ついに、ブツブツが多量にできてしまいました。
今は、ブツブツができて1週間経過、痛みは随分ましになり、大きさも小さくなりました。
通っているボクシングジムでトレーナーをしている女性にも、『口元のブツブツ』について相談されたので、今回は完璧なマスク対策について説明します。
特に、「しっかりマスク対策をしているのに、最近、ブツブツができて困っている」という方は、参考にしてください。
また、今回の話の中で『閾値(いきち・しきいち)』についても解説します。
あまり知られていませんが、この知識がないために、肌トラブルに苦しみ続けている人がたくさんいます。
アレルギーなどに密接にかかわる知識なので、敏感肌の人は、ぜひ読んでください。
マスクのせいで肌が荒れる原因は、主に2つです。
今までもメルマガなどで、マスク対策をお伝えしてきました。
・マスクをずらさない
・マスクを外すときは、肌に摩擦が起きない ように、両方の耳のゴムから丁寧に外す
・しっかり保湿する
など。
もちろん、私もマスク対策は行っていました。でも、ブツブツができてしまいました。
この原因は『3年』という期間です。
3年もの間、マスク生活をしたことがない私達
私はこれまで生きてきて初めて、3年という長期間マスクをつけています。あなたもそうではないでしょうか?
たかがマスク、されどマスク。
こんな長期間、マスクをする生活は、人類が誕生して初めてのことです。
だから、私たちの体(肌)は、長期間マスクをすることに対応できていません。
大げさに聞こえるかもしれませんが、重要なことです。
たとえば、小さな子供がマスクをしたまま運動をした結果、亡くなったという痛ましい事故もその一例です。
すべての子供が亡くなっているわけではないので、ほかにも要因があったかもしれません。
ただ、私がジムでマスクをしたまま運動をした経験では、いつもと同じようにミット打ちしたら、冗談ではなく呼吸困難で死にかけました。
私の体感だと、通常の2~3倍程度、体に負荷がかかりました。
個人的には、マスクをしながら激しい運動をすることは大反対です。私たちの体は、マスクをしたまま運動するようにできていないのです。
これは、肌にも同じことが言えます。
『3年前の肌』と『2年前の肌』、『1年前の肌』、『現在の肌』これらを厳密に比べることは無理ですが、たぶん、マスクをする期間が長いほど、肌は弱っていると思います。
今回、私の3年ぶりにできたブツブツの原因は、ひげ剃りです。
私は、もともと色々な意味で、肌が弱いです。
物理的な刺激にも極端に弱く、ノリのきいたYシャツを着ると、襟があたる首の部分が赤く腫れあがります。
ペットボトルを開けるときなど、指が滑って自分の爪が触れたときも皮膚を切ります。結構、ザックリ切れます。
散髪屋でひげを剃ってもらうと、100%出血します。
たぶん、肌が極端に柔らかくて、薄いんだと思います。
だから、ひげ剃りは5枚刃の電気シェーバーをふわっと肌に当てて、使用しています。
少しでも押し付けると、さすがに血は出ないものの、1日中、口元がヒリヒリして痛みを感じます。
こんな肌質なので、マスクをするようになってからは、いつもよりさらに、ふわっと、力を入れずにひげ剃りをしていたのですが、それでも剃りすぎたようで皮膚が削れて、そこから菌が入ってしまい、毛嚢炎(もうのうえん)が、できてしまいました。
そして周辺の肌は、皮膚が健常ではなくなり、皮脂が毛穴に詰まり、ニキビも多量にできました。
このことから、マスク対策をしているものの、それでも長期間のマスク生活によって肌がいつもよりもさらに弱っていることに、気づきました。
ボクシングジムで質問をしてきた女性も、「3か月ほど前にいきなり口元にたくさんニキビができた」と言っていました。
今までできたことがほぼなかったのに、急にできたので、どうしたらいいのか悩んでおられました。
つまり、マスクによって肌が刺激に耐える閾値(いきち・しきいち)を超えてしまったのです。
閾値(いきち・しきいち)とは
閾値(いきち・しきいち)というのは、感覚や反応や興奮を起こさせるのに必要な、最小の強度や刺激などの(物理)量をさします。
肌で言うと、『肌にトラブルを発生させる最小の刺激』ということ。
私の例で言います。通常の肌状態なら、ふわっと当たりをやわらかくするひげ剃り方法で問題ないのですが、マスク生活によって肌の『閾値』が変化してしまい、通常なら問題ない刺激が原因となり、傷による炎症やニキビができてしまいました。
ボクシングジムで、私に相談をしてきた女性も、3ヶ月前に閾値が変化してブツブツができたのでしょう。
このように、『自分の閾値』は、ある日突然変化します。そのため、自分の閾値を知っておくことは、非常に大切です。
多くの人は、物事をスイッチのON・OFFのようにとらえます。これは、スキンケアでも同様のことが起きます。
そのために、肌トラブルが改善しない人をよく見かけます。
たとえば、合成成分が肌に悪いと考えている方がそうです。
確かに、私が生まれた1970年代は、化粧品の成分に多くの不純物が含まれており、それが肌トラブルの原因になっていました。
このことから、合成成分より天然由来成分のほうが肌に優しいという考え方が生まれ、現在のオーガニックコスメブームに至ります。
でも、現在は、精製技術が飛躍的に向上して、そのおかげで合成成分の純度は、ほぼ100%です。
不純物が含まれていないので、昔のように肌トラブルが起きる可能性はゼロです。
※アレルギーなどは別です
むしろ、天然由来成分のほうが、不純物が混じる可能性が高いです。
実際に、植物系のオイルには、現在の精製技術を持ってしても5%程度、不純物が混じってしまいます。
もし、1970年代のように、不純物が肌トラブルの原因と考えるなら、現在は天然由来成分を配合したオーガニックコスメの方が肌に危険だということになります。(実際、多くのオーガニックコスメは、オーガニック成分よりも、合成成分のほうが何十倍もたくさん配合されているんですがね…)
でも、これも間違っています。
すべてとは言いませんが、しっかりとした原料メーカーは、不純物の混じった天然由来成分でも安全テストを行って、安全性を担保しています。(ここら辺の安全性の担保によって、同じ原料でも、仕入れ価格がぜんぜん違います。成分名称だけで化粧品を選べないのは、ここが関わっています。)
ですから、すべての天然由来成分が肌に悪いわけでもありません。
厳密に言うと、安全性のテストがされていない天然由来成分にリスクがあると言えます。
ということは、安全テストのされていない成分が入っている化粧品は、すべて肌に悪いと思いませんか?
もっといえば、肌に刺激のある成分が入っているすべての化粧品は、肌に悪いと思っていませんか?
もし、そう思っているなら、この先を読んでみてください。
答えを先に言うと、『刺激のある成分が配合されているからと言って、必ずしも肌トラブルになるわけではない』が正解です。
閾値(いきち・しきいち)を、理解するには
ここで必要なのが、閾値(いきち・しきいち)です。
閾値とは、感覚や反応や興奮を起こさせるのに必要な、最小の強度や刺激などの(物理)量をいいます。
肌で言うと、肌トラブルを引き起こす最低限の刺激ということになります。
だから、さきほどの答えを言い換えると、『肌トラブルが起きる閾値を超える量の刺激のある成分が配合された化粧品のみ、肌トラブルになる』です。
つまり、例えあなたの肌に刺激を与える成分が配合されていたとしても、閾値に達した配合量でなければ何の問題もありません。むしろ、閾値に達しなければメリットになる場合もあります。
だから、刺激を与える成分が入っていても閾値を超えずに、ほかにメリットがあれば、使っても問題ないと言えます。
分かりやすいように、『栄養素』を例に挙げます。
このように、私たちの体にとって重要な栄養素であっても、閾値を超えて過剰摂取してしまうと、健康被害をもたらします。
これを化粧品の成分に置き換えて、分かりやすいのがビタミンC誘導体です。
美白効果があるとされている成分ですが、閾値を超えると、強い刺激となります。
肌へのやさしさを重視するならビタミンC誘導体配合の化粧品は避けるべきですが、閾値さえ越えなければ、肌への悪影響はありません。
だから、敏感肌でも、閾値を超えていない化粧品を使えば、『肌にやさしい美白効果』が獲得できます。
このように、閾値を知ることで、あなたの望む効果を正しく選択できるようになります。
では、自分の閾値をどうやって測るのか?
これは、自ら実践するしかありません。
自分の肌のことを知る方法
私は、先ほども言いましたが、いろんな意味で肌が弱いです。
アレルギーもいくつかあるのですが、その中でラテックスアレルギーを持っています。
ゴムに一定時間触れると、ブツブツができて赤くなります。
アレルギーが発症してから4日経過しているので、かなり落ち着いてきましたが、発症時はかなりかゆくて、痛いです。
以前は、ゴム製品に触れる閾値は、1時間程度でした。それが、先日、ジムでゴムマットを使ってトレーニングをしていたところ、十分程度の接触時間で、見事に発症してしまいました。
どうやら、私のゴム製品に触れる閾値が変化したようです。
だから、これからはゴム製品に触れる時間を十分以内にする必要があります。
これを極端に捉えてしまうと、「もうゴム製品には一切触りたくない」と考え、大きなストレスを抱えてしまいます。
でも、閾値で判断すれば、十分以内であれば、何の問題もない、ということです。
逆に、十分以上、ゴム製品に触れている環境は、ふつうは、まれです。
日常生活では、ゴム手袋を5分付けることはありますが、他に思いつくものはありませんでした。
そう考えればアレルギーがひどくなったからと言って、必要以上に悲しむことはないです。
自分の閾値は、自分の経験から導き出すしかありません。
そして、冷静に自分の閾値にあった判断・行動をします。
閾値の考え方ができない人は、「ブツブツができない(もしくは、治す)化粧品を探す」や、「どんなときもマスクをしない」、「外出しない」など、極端な選択をしようとします。
でも、このような選択の多くは、実現不可能です。
ましてや、『ブツブツができやすい肌状態』なので、どんな化粧品を使ってもできてしまいます。それなのに、ブツブツができない化粧品を探して、化粧品ジプシーになるなんて、あまりにも勿体ないです。
ですから、冷静に閾値を把握して、複数の対応策を、粛々と行うことが得策です。
で、かなり前置きが長くなりましたが、私が最近、行っているマスク対策をお話します。
今まで大丈夫だったのに、ブツブツができたということは、肌のバリア機能の閾値が変わった(一時的に肌の防御力が弱くなった)ということ。
だから、それに対応しました。
具体的には、左の4つの対策です。
長時間、マスクをしている行為そのものが肌の負担になります。ですから、その時間を、できるだけ減らします。
室内や夜の外出時は、周りに人がいなければ、マスクを外しています。
車に乗った際もマスクを外します。
たとえ、周りに人がいなくても外しません。マスクで弱っている部位は、紫外線に当たらないようにします。
マスクをしている際に、過剰に蒸れた部位に過乾燥が起きているため、マスクを外した際は、こまめにアクアテクトゲルで保湿しています。
深剃りはしない。
少々の剃り残しは気にしない。
それまでのマスク対策に加えて、この4つを徹底しています。
おかげで新たなブツブツが増えることなく順調に小さくなっています。
スキンケアのポイントは、自分の経験によって肌の閾値を把握する。
そして、閾値を超えないように複数の対応策を行う、ということ。
ひとつで改善しようと、極端な選択はしない。
そうすることで、実践するハードルは下がり、改善する効果は、上がります。
私はスキンケアだけではなく、すべての問題の閾値を把握して、メリット・デメリットを天秤にかけて、できるだけ複数の対応策をとることが解決する近道だと考えています。
もし、あなたが、スキンケア以外にも、何か問題を抱えているなら、参考にしてください。
※この内容は、手作り新聞130号(2022年秋号)に掲載したものです
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