2018年10月01日
美容雑誌や、インターネット上のスキンケアに関する記事を読んでいると、こんな表現を目にすることがあります。
などなど。
手作り新聞やウキメルの記事でも、目にすることがある単語ですね。
漢字だと『肌理』と書くそうで、その意味には、皮膚のなめらかさや細かさ、見た目のイメージなど、いろいろ含まれるようです。では、改めて、『キメ』って何なのでしょうか?
キメって何?
手の甲をじっと見てみてください。肌の表面に、無数の細かいミゾがありますよね。
網目のようにめぐらされたこのミゾを『皮溝(ひこう)』といいます。
そして、その皮溝によって小さく分けられた、三角や四角の形をした肌を『皮丘(ひ
きゅう)』と呼びます。
この『皮溝』や『皮丘』の状態を、キメといいます。
そして、キメの状態に関りがあるのが、汗の出口である『汗口(かんこう)』と、毛穴である『毛孔』です。
キメが整う・乱れるってどういうこと?
肌のキメは生まれつきのもので、紫外線を浴びた量やスキンケアの効果によって変わっ
てきます。こう聞くと、「肌表面だけのもの」と思われがちです。
実は図のように、血液が流れている『皮下組織』や弾力に関わる『真皮』、細胞が生ま
れる『表皮』そのすべてが、肌のキメに大きくかかわっています。
一般的には、女性のほうが男性よりキメが細かく、年齢を重ねるとキメは粗くなりが
ちだと言われます。
では、キメはどのような状態でどう表現されるのか、具体的に見ていきましょう。
キメが整った肌とは?
水分をしっかりと含み、ぷっくりと三角形に膨らんだ丘(皮丘)で構成された肌は、ほどよい凹凸をもっています。パンパンにふくらんだ風船が、キレイに整列して並んでいるようなイメージです。
見た目の印象としては、ハリがあり、光を反射するため透明感もあります。
これが『キメが整った肌』です。
キメが細かい肌とは?
水分をしっかりと含み、ぷっくりと三角形に膨らんだ丘が小さく、その大きさが揃っており、丘同士のミゾ(皮溝)の幅がより狭く浅い状態になるため、その隙間にある毛穴(毛孔)は目立ちにくくなります。これが『キメが細かい肌』です。
キメが乱れた肌とは?
水分が少ない輪郭のぼやけた三角形の丘で構成された肌は、凹凸がとぼしく、平たい、のっぺりした状態になります。空気の抜けた風船のようにしぼんだイメージです。
このような不揃いの丘で構成されたのが、『キメが乱れた肌』です。
キメが粗い肌とは?
不揃いの丘で構成された肌は、光が反射しにくいため、くすんで見えます。
そして、不揃いであるがゆえに、ミゾの幅が広く深くなり、毛穴も大きく見えて、目
立ちます。これが『キメが粗い肌』です。
いかがですか?
キメと肌状態の関係性について、イメージができてきましたね。
分かりやすい例でいうと、赤ちゃんの肌なんかがそうですね。
全体の8割が水分だと言われている赤ちゃんの肌は、水分をしっかりと保ち、健康
な細胞と豊かな皮下組織で構成されています。まさにキメが細かく整った状態です。
もちろん大人の肌とは違い、皮脂分泌は少なく、非常にデリケートな状態ではある
ものの、新陳代謝が活発に行われているので、肌は常にキレイに見えています。
小さいお子さんの肌は、毛穴すら見えないですよね。
こうして見てみると、キメの細かい整った肌にすることができれば、
こんな悩みが解決しそうですね!
続いてケア方法をお話する前に、もうひとつ、キメの話には外せないことがあります。
聞いたことがある方も多いかもしれません、『ビニール肌』に関してです。
『ビニール肌』って知ってる?
最近、お問合せが増えてきたキーワードです。
『ビニール肌』という定義があるわけではないので、ネットや雑誌などではさまざまな
情報があります。中には、ビニール肌への間違ったケア方法もあります。
最近では、医薬品の保湿剤である『ヒルドイドクリーム』がネット情報を見た人たち
により美容目的で使用されることが、大きな問題になっていますね。医薬品はあくまで
も、治療目的に作られたものです。スキンケアで使うべきものではありません。
様々な情報に惑わされ、こうした間違いを起こす前に、取捨選択できる情報のひと
つとして、アースケアの考えるビニール肌へのケア方法をお話いたします。
『ビニール肌』ってどんな肌?
インターネットで『ビニール肌』と検索をすると、このように状態だと表現されています。
などなど。
こう見ると、一言で『ビニール肌』と言っても、人それぞれが異なる現象を訴えていることがわかります。
状態としては『ビニールのように見える肌』であっても、その現象が違うなら、その対策も異なるはずです。『ビニール肌対策』とひとくくりにしてしまうと、間違ったケアになってしまうのも当然ですよね。
次は、「どんな原因があるのか?」を見ていきましょう。
ビニール肌になる原因って?
ビニール肌になる原因として、多くはこのような理由が挙げられています。
「原因はこれ」だと断言されると、そんな気になってしまいますね。
しかし、「このケアが良くなかった」という犯人捜しをしてしまうと、「原因がそれひとつではない」ことに気づかず、肌トラブルが無くならない危険性があります。
情報の活用方法を間違うと、トラブルは改善しない
具体的な例を挙げますね。あなたがビニール肌に悩んでいて、インターネット検索をしてみたところ、『ビニール肌の原因は、洗顔時に強くこすること』という記事を目にします。すると、
こう考えるかもしれません。でも、この選択には2つの問題があります。
問題1.
習慣化による鈍化
「洗顔時にこするのをやめよう」これだけでは不十分です。
毎日行うことは習慣化します。そうなると、肌の感覚は鈍化します。洗顔時にこすっているならば、その他のときにもこすっています。だから、洗顔時だけ気を付けても、解決しません。顔に触れる機会すべての感覚をリセットして、『こする』を避けることが必要です。
例えば、タオルで拭く、肌を掻く、化粧品を塗り広げる、頬杖をつく。他にも、髪やシャンプー・リンスなど顔に触れるものの刺激、口元につけるマスクや枕カバー・タオル・布団の素材・・・というように、想像の翼を広げ、関連のあることに感覚を研ぎ澄ましましょう。そうすると、肌トラブルの原因を避けていくことができます。
問題2.
犯人だという思い込み
悩みに対して即座に答えが見つかるインターネットは便利です。しかし、インターネットの情報は、『口コミがある=本当』『上位に表示される=正しい』わけではありません。「洗顔時にこすることが原因」という報が正しければいいものの、間違っている可能性もあります。また、問題1で挙げたように、ひとつの方法では解決しません。このような問題の本質に気づかずにいると、次の犯人探しが始まります。
「化粧品が合っていないのかも?そういえば・・・」と、無理やり自分の中に原因を見つけてみたり、「ピーリングしているから、それをやめよう」と、ピーリングによって得られるメリットを考慮せず、その行為自体が問題だと思い込んでしまったり。口コミや情報に翻弄されると、疲弊していくだけで、肌トラブルの改善から遠ざかってしまいます。
『問題点はどこにあるのか?』を正しく捉えていただくことが必要になります。
そのための情報をひとつ、お話しますね。
ビニール肌とは、不健康な肌状態であること
ビニール肌として挙げられる症状を見ると、『不健康な肌状態』であることがわかります。これを一転して、『健康な肌状態』に持っていくためには、角質層を構成する細胞を『健康』にすることが必要です。そのための方法は、アースケアからの手作り新聞やメルマガでいつもお話していることそのままです。
そうすると、やがては、
というように、好循環に持っていくことができます。ビニール肌への対策には、特別なケアや化粧品が必要なわけではないのです。
ビニール肌対策にもなる!
キメ細かい肌に整えるための方法
では、ビニール肌対策は元より、キメを整え、キメ細かい肌をつくるには、どうすればいいでしょうか?
ポイントは『水分不足の三角形の丘(皮丘)』の状態です。キメの状態は水分の有無で大きく変わります。ということは、乾燥肌ほど、キメが乱れやすくなります。となれば、真っ先に行うべきは『保湿』ケアです。先程お話したように、肌にしっかりと水分が含まれると、皮丘はふっくらと盛り上がり、きれいに整列するようになります。まず目指すのはこの状態です。
乾燥した肌からキメが整った肌に至るには、次のような段階があります。
乾燥した肌 → キメが整った肌
↓
↓
(さらにうるおいを与え続ける)
↓
↓
↓
このように、肌がうるおいを保持できるようになるまで保湿をし続けることが大きなポイントです。しっとりした肌になってくれば、良い循環が生まれてきた証拠です。また、大人のニキビ肌の方の場合は、さらに段階が増えます。
大人のニキビ肌 → キメが整った肌
↓
↓
(さらにうるおいを与え続ける)
↓
↓
↓
↓
↓
↓
というイメージです。
保湿がきちんとできていないと、ニキビ自体の改善には至らず、またここを通過できないと、キメを整えるにまでは至りません。敏感肌も同様です。大人のニキビ肌と同じく、うるおいが保持できるようにならないと、過敏な反応は収まりません。
このように、改善までには段階があります。その途中においては、目に見えた効果がない状態が続きます。ですから、こうした段階があることを理解しておくと、「全然肌が変わらないけど、大丈夫かな・・・」と不安になることも少なくなります。
見えないところで生まれ変わっているから、肌の変化に気づけない!
「肌はうるおってきましたが、ニキビが改善されません」
「確かに保湿されていますが、毛穴は目立ったまま!」
そんな問い合わせをいただくことも少なくありません。順調に肌にはうるおいが保持できつつあるものの、目立った改善がないことから、途中でケアをやめてしまう方が多くいらっしゃいます。
現在、あなたも、保湿を心がけているのに、
と、お悩みかもしれません。今のケアや化粧品に不安をお持ちかもしれません。
でも、今は、キメの整った肌を手に入れるまでの途中段階です。角質層や肌内部で表皮を支える肌細胞が健康になってきたら、ようやく一番外側の角質層に良い影響が出てきます。それまでは、目に見えては良くならないのです。
図のように、皮下組織から真皮層・表皮層の全部、それも、体全体の肌全部が連動しています。これら全ての肌細胞を健康にしていくのですから、それはもう大変な作業です。
体が不調だと細胞自体も不健康になるので、あなた自身の体調を整えることも大切です。皮膚の重さは、体重の8%だと言われていますので、体重50㎏だとすると4㎏もの生き物をはぐくんでいるわけです。素材となる栄養素もたっぷりと要りますね。
イメージしてみてください。
保湿は、肌の表面をうるおすだけではなく、肌を健康な状態に育むために行うことです。そう考えると、『スキンケア』が肌のケアだけではないことがよくわかります。時間がかかることは想像していただけると思います。
肌表面がうるおい始めているならば、それはキレイな肌を作る素地を作っている最中です。お手入れは順調に進んでいますのでご安心ください。迷ったり、悩んでいるときには、ぜひサポート係にご相談ください。諦めずにスキンケアに取り組み、キレイ肌を手にしましょう!
※この記事は手作り新聞112号に掲載したものです
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