2017年03月31日
これを書いているのは、2016年12月30日。明日で今年も終わりです。いつものごとく、あっという間に終わってしまいました。個人的には、ぼちぼちな一年でした。皆さんはいかがでしたか?
2016年も色々なことがありました。
テレビを見ていると、SMAPの解散が取りざたされています。
たしかに、解散はファンにとっては残念なことだと思いますが、私はあれだけ個々に大きな力を持った5人がこれだけ長く続いていたことが単純に「すごいな」と思います。
というのも、人は力を持つと、その力におぼれて独善的になります。そして、そういった多くのグループは決裂します。
26歳で独立して以降、様々な会社や人に出会ってきましたので、そうした決裂を多く見てきました。会社なんかは特にそうなりがちです。複数人で起業し、うまく行ってないときはお互いが助け合っていい感じなんですが、うまく行くともめ始めます。で、もめている間に会社の業績が落ちてしまい、お互いにそれの原因をなすり付け合い、最後は仲間割れ。
その結果、お互いを憎みあったライバル会社が複数できる、なんてことが。
だから、力をもった5人が、何年もの間グループとして活動していることは、奇跡に近いと思うわけです。しかし、本来、力を持つために頑張っているのに、いざ、力を手に入れると不幸になってしまう。人生ままならないものですね。
業界をゆるがすWELQ問題
さて、個人的に2016年でもっとも気になったニュースは、ズバリ『WELQ(ウェルク問題』です。『WELQ』は、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する医療系のキュレーションサイトです。
キュレーションサイトとは、インターネット上から有益な情報を集めてまとめたり、個々の情報をつなぎ合わせることでできた、価値の高い情報を掲載するサイトのことを言います。
もともとの語源は、『キュレーター』から来ており、その意味は博物館や美術館で研究・収集・展示・保存・管理などを行う人のことです。ですから、キュレーションサイトの役割を簡単に言えば、その道の専門家が、難しく面倒な専門的な情報を、分かりやすく簡単に理解できるように手伝ってくれることと言えます。
特に、インターネット上には圧倒的な量の情報が氾濫しており、その内容もピンキリで玉石混合です。そのため、こういった役割は、一般の人にとって非常に重宝されます。ましてや、それを行うのがプロ野球の球団を持つ一部上場企業DeNAです。安心感抜群です!と思ってたら、実は滅茶苦茶だった、というのが今回の問題です。
命にかかわる情報をバイトが作成⁈
先ほども言いましたが、『WELQ』は、医療系の情報がメインです。だから、医療系の情報の精査は、ふつうの情報と比べても、慎重に慎重を期する必要があります。もし、間違った情報を信じてしまったら、命にかかわりますから。だから、その分野の専門医師に、しっかりと監修をしてもらうのが義務です。
でも、実際は、医師どころか、誰も内容のチェックをしていなかった、というから驚きです。それどころか、書いているのは学生などのバイト。一文字0.5円という格安の賃金で記事を大量生産していたそうです。そんな賃金ではもちろん誰もオリジナルの記事なんて作ってくれません。だから、他のサイトから画像や記事をパクって、それを掲載していたというのです。しかも、パクリがバレにくい方法をまとめて、マニュアルまで作っていたのです。
これはもう確信犯です。
もちろんこうしたパクリは、ネット業界ではタブーです。だから業界内では、ずいぶん前から問題視されていました。これまでもパクられた人がDeNAに苦情を申し出ていたのですが、「うち(DeNA)はキュレーションサイトを運営しているだけで、記事の内容まで責任は持てません。文句があるならその記事を書いたライターに言ってください」という最悪な対応でした。で、今回、いざふたを開けてみると、格安で集めたライターにパクリマニュアルを渡して、記事を大量生産していたというからあきれます。つまり、記事の責任はDeNAにあると言えます。
盗みを奨励しつつ、それを隠して、ライターや読者に責任転嫁する企業姿勢はどうかと思いますよね。今回、その悪事がバレて、ついにサイト閉鎖に至りました。しかも、DeNAは、他にも9つのキュレーションサイトを運営していました。記事の一部削除をしたりとモタモタして、その後、最終的には8つは閉鎖し、ひとつは6割程度の記事を削除して継続。
つまり、それだけ盗用や虚偽の記事が多かったということです。
どうせなら、問題になったときにすぐに完全閉鎖した方が潔かったのに。
他にもこんな大手企業でも同様に
その後、あのリクルートの系列会社も著作権の侵害、つまりパクリがあったとして、『アニプラ』、『調整さんメディア』、『kulture』、『Rec Cafe』などのサイトを閉鎖しました。
他にも、Yahooの『トリル』、サイバーエージェントの『スポットライト』なども同様にサイトを閉鎖しています。こんな日本を代表する大きな会社がパクリをするとは本当に驚きです。やっぱり上場してると株主から「もっと配当上げろ〜」と突き上げられて、悪事に手を染めてしまいたくなるのか・・・これも一部上場、大企業という大きな力を手に入れた代償なのかもしれませんね。
広告表示の改善指導がされた水素水
『水素水』も同じです。
「販売元等のホームページや直販サイト、商品のパッケージに、飲用により健康保持増進効果等があると受け取れる記載がある」として、表示の改善を指導するように、国民生活センターより要望が出されました。「活性酸素を除去して老化を防ぐ」とか「病気を治す」など、まるで薬のような効果があるように宣伝されている商品もありましたが、それは全部ウソでした。おかげで『水素水』の正体は、『ただの水』であることが広く知られるようになりました。
ただ、問題は別のところにあります。
『水素水がただの水であるという事実』は、ずいぶん前から分かっていたことで、私でも知っているぐらいなので、販売している会社なら絶対に認識していたはずです。
にもかかわらず「売れるから」という理由で、あたかも水よりも価値があるかのように販売していたのです。そして、誰もが知っている大企業も販売していました。
一例をあげると・・・
伊藤園、中京医薬品、コナミ、メロディアン、パナソニック、シャープ、ライザップ、東急ハンズ、大手テレビ通販全般など。
大手がだめなら、何を信用すればいいの?
今までは、大きな力には一定の信用がありました。
中小企業よりも、一部上場企業の方が信用力がありました。無名な人よりも、有名人が信用されました。でも、インターネットの出現によって、それが偽りであることが露呈しました。私たちは、大きいから、有名だから信用できるという、よく考えれば何の因果関係もないことを信じていただけだったのです。
やはり、情報の発信者は、その内容に責任を持つべきだし、少なくともその道の専門家がチェックすべきですよね。と、思いながら某有名巨大美容サイトを見ていると、医師が監修しているセラミドに関する記事が載っていました。この美容サイトおよび医師の考えを要約すると、「肌内部のセラミドは化粧品成分が浸透する場所(角質層)に存在する。つまり、肌に塗布したセラミド配合化粧品は、角質内のセラミドがある部分まで届く。だから、セラミド配合化粧品は他の化粧品より保湿力が高い。」とのこと。
先ほど、「医療に関わる記事は、医師が監修すべきだ」と書きましたが、舌の根が乾かないうちに撤回します。医師といえども、ピンキリです。肩書きがあるというだけでは、信用はできなさそうです。よく考えてみてください。体内にあるセラミドを、外部から補充できるわけがありません。もし、これが可能なら、髪の毛に赤身の肉をこすりつければ、髪の毛が太くなります。(髪の毛の80〜85%は、たんぱく質です。赤身の肉にはたんぱく質がたくさん含まれていますから。)
そんなわけないですよね。
体外から与えたものが体内細胞に作用する?
ざっくりとした説明ですが、私たちの体内にある成分は、血流によって体の隅々まで運ばれます。毛細血管から漏れ出たいろいろな栄養素が細胞に行き渡ることで機能します。ちなみに、老化現象は、毛細血管が死んで機能しなくなることで、栄養素が行き渡らなくなるため機能が衰えます。肌の弾力の衰えやメラニンが排出されなくなってシミが増えるのもこのためです。
医師のように資格をもち、権威のある人も全面的には信用できないこともあります。
そりゃそうですよね、人によって勉強した内容も経験も違いますし、また、知識があっても実績とは別ですから、医師だからと言ってなんでも知ってるわけでも、なんでもできるわけでもありません。今となっては、権威なんて見せかけだけで、何の価値もないのかもしれませんね。むしろ、何もないものをすごいもののようにみせる道具に成り下がっている気がするのは私だけでしょうか・・・。
大きな力もダメ。
有名もダメ。
専門家もダメ。
権威もダメ。
さて、こうなってくると、私たちは一体、何を信じればいいのでしょうか?
困ったとき、誰に聞けばいいのでしょうか?
残念ながら、明快な答えはありません。簡単な解決法もありません。とは言え、有効な情報を得ることは私たちの人生の豊かさに直結します。『水素水』を『ただの水』だと知らずに、高いお金を支払い続けるのはあまりに不幸です。そこで、僭越ながら私が心掛けていることをお話したいと思います。
私も超ウルトラ無名で小規模ですが、情報発信をしています。だから、情報の正確さには細心の注意を払っています。その中で、正しい情報を見極めるために、もっとも必要な要素は『心構え』です。間違った情報を信じてしまう人の多くは、情報に『答え』を求めるのです。でも、私は情報に答えを求めません。私が情報に求めるものは、ただの『選択肢』です。
情報はあくまでも「選択肢の一つ」
例えば、乾燥肌に悩んでいるとします。多くの人は、乾燥肌を改善する方法、つまり、答えを求めます。「鵜呑みにする」とも言い換えられますね。だから、書いてある通り、言われるがままに試したり、信じたいことだけを信じます。それで結果が良ければいいのですが、ダメだった場合も変わらずに同じ要領で、次に信じたい情報を探してしまいます。こうして、永遠に乾燥肌改善法を探し続けます。『答え』を求める場合は、その責任を相手に求めるため、非常に楽です。特に、よく分からない分野や新しいことを調べるときは、この傾向が強くなりがちです。
一方、『選択肢』を求める場合は、複数の情報を集めることが前提です。選択肢は多ければ多いほどいいので、まず、たくさん集めます。私の場合、最低、3個は集めます。知識が乏しい場合は、10個ほど集めます。そのため、この段階である程度の知識を得ることができます。
次に、集めた情報の中で『優先順位』を決めます。
決めるためには、判断基準となる知識が必要になりますし、試行錯誤をする必要が出てきます。また、複数集めた情報の中で、共通する部分も参考に、さらに情報の精度を上げていきます。そして、優先順位の高いものから順番に試していきます。
答えは自分で試しながら見つける
試しながら、引き続き情報収集も行います。試す過程で、さらに知識を得ますから、その都度、情報を更新していきます。「これは本当だった」、「これはちょっとだけ違った」というように、経験が増えていくわけです。こうして得た知識や経験によって、随時、優先順位を入れ替えていきます。
この柔軟さが大事です。
おかれた状況や環境によって結果は変わるものですから、簡単に結果を出さずに、こうかもしれない、ああかもしれないと、様々な視点から考えることも必要です。このやり方のおかげで、私は情報収集がうまくなり、望んでいた答えに到達するスピードが上がりました。
『答え』と『選択肢』の違い、お分かりいただけたでしょうか?一見すると、同じように見えるのですが、行動や結果がぜんぜん違います。正直言うと、『選択肢』の方がかなり面倒です。でも、正しい情報から、答えを得るには最短の方法だと思います。
名付けて、『急がば回れ戦法』です。そのままですね・・・。
とは言え、少しは楽をしたいというのが人間です。時間も有限です。私も面倒は嫌いなダメ人間です。
そこで、私が実践している簡単に正しい情報を集めて、最速で答えにたどり着く方法をお教えしましょう。
自分でキュレーターを見つけること
それは、ズバリ『信用できる人』を見つけることです。先ほどの面倒な『急がば回れ戦法』を行っていると、最終的にたどり着いた答えと近い情報を発信している人と出会えることがあります。そういった人を見つけた場合、しっかりと覚えておきます。
私の場合は、『お気に入り(ブックマーク)』に入れておきます。そして、時間があるときに、その人について情報を集めます。ブログやツイッター、フェイスブックをしていれば、すべての記事に目を通します。著書があれば読みます。
その中で、情報のつじつまが合っているか?情報が間違っていた際に、非を認めるか?などを精査します。その結果、情報が正しく、なおかつ、人として考え方や行動が正しければ、その人を信用します。そして、次からは、その人の情報メインで集めます。そうすることで、一気に面倒が無くなります。自分でキュレーターを見つけるわけですね。
もちろん、信用できる人に出会うまでに『急がば回れ戦法』を行った後に、その人の情報を集めるので非常に手間がかかるのですが、長い目で見れば非常に楽チンです。ぜひ、あなたもお試しください。
最後になりましたが、私たちの今年の目標は、大きな力を求めず、知名度も求めず、権威も求めず、ひたすらにあなたの『信用できる人』になるために、精進することです。
今年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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