乾燥肌や敏感肌のための化粧水選び。うるおう肌になる使い方もご紹介

乾燥肌、敏感肌の化粧水選び

「乾燥肌だから化粧水を使いたいのに、敏感肌になってしまったのか化粧水が合わない」
そんな化粧水選びに苦労されている、乾燥肌でなおかつ敏感肌の人が大勢おられます。

超がつくほどの乾燥している敏感肌が代表を勤める当社には、そんな苦労を解消したい方々から、ご相談がぞくぞくと寄せられます。

中でも、
「肌に合う化粧水がないから、シワが心配…」
「敏感肌用と書いてあるのに合わない。どんな化粧水を選べばいいの?」
「肌がしっとりした感じにならず、朝にはカサカサ。どうしたら?」
というような、今日明日に使う化粧水がないという切実なお声が多いです。

詳しく話を伺うと、そこには共通した間違いがありました。
それは化粧水の『選び方』の間違いです。

巷で言われる化粧水の選び方では、『乾燥している敏感肌』という特徴の肌には不向きなことがあります。
それに気づかず使い続けてしまったり、「この化粧水は合わない」と、本当は使える化粧水も使えないと誤った判断をしてしまうことに。

せっかくケアを頑張ろうとしているのに使える化粧品がないなんて、とてももったいないことです。
そこで、乾燥肌や敏感肌の肌悩みに対応してきたスキンケアアドバイザー歴22年の経験を元に、『乾燥している敏感肌』に適した化粧水の選び方を紹介します。

最初に、まずは『間違った使い方や選び方』をお話しします。
今までの何が原因で化粧水の効果を得られなかったのかを、ぜひ知ってください。

そして、『乾燥している敏感肌』という特徴に合った化粧水の選び方を参考に、あなたの肌に合う化粧水を探してみてください。

目次

1.だから乾燥している敏感肌には合わない「化粧水の間違った選び方」

乾燥している敏感肌は、ちょっとした刺激でも『過敏』に反応してしまう肌状態です。
ですから、雑誌や口コミで見聞きする選び方では、肌に合う化粧水には出会えません。

当社には、乾燥している敏感肌の方が肌悩みを解消された経験談が山ほどあります。
それを参考に、化粧水の間違った選び方をお話します。

この選び方をしてきた人は、一度考え方をリセットしてみてください。

1-1.「敏感肌用化粧水だから」と肌別で化粧水を選ぶのは間違い

敏感肌化粧品だから、は間違い

「敏感肌用の化粧水だから、乾燥している敏感肌に合う」と多くの方が思っておられます。
これは間違いです。

『敏感肌用の化粧水』だからといって、すべての敏感肌に使えるわけではありません

そもそも『敏感肌』には定義がありません。
だから、その化粧水の「何」が「敏感肌用」なのかはメーカーによって違うからです。

敏感肌の程度や、その原因は人それぞれです。
ですから、「敏感肌用化粧水」というキャッチコピーを鵜呑みにせず、その化粧水の「何」が敏感肌用なのかをきちんと確認することが大切です。

ちなみにインターネットで検索をしてみると…

  • 天然水でできているから
  • アルコールフリーだから
  • 極力、刺激を抑えるようにつくったから
  • うるおい成分が入っているから
  • パラベンフリーだから

などが、敏感肌用である根拠として記載してありました。

この中で確実に敏感肌用と言ってもいいのは、「アルコールフリー」だけです。
「うるおい成分」は、だいたいどの化粧品にも入っていますので、敏感肌用の根拠にはなりにくいです。

このように、「敏感肌用化粧水だから肌に合う」わけではありませんので、キャッチコピーだけをうのみにしないようにお気をつけください。

1-2.「同じ乾燥肌・敏感肌が使っているから」と、口コミだけで化粧水を選ぶのは間違い

クチコミで化粧品を選ぶのは間違い

「乾燥肌や敏感肌の人が使っている化粧水だから、同じ肌質の自分にも合う」と多くの方が思っておられます。
これは間違いです。

「乾燥肌」とは、肌の水分量が少なく、皮脂分泌が少ない肌質のことです。
多くの人にこれは共通しています。

一方、「敏感肌」は、その程度には差があり、「過敏に反応する肌状態」を指す言葉です。
なぜそんな肌状態なのかは、人によって違う『理由』があります

一般的に多い敏感肌になった『理由』は、以下のとおりです。

  • 乾燥肌の悪化
  • アレルギー症状や皮膚炎からの悪化
  • ホルモンバランスによる体調の変化(妊娠・出産・閉経など)
  • 間違ったスキンケアによる肌の変調
  • 紫外線による日焼けダメージ
  • 心理的な影響による肌への違和感

そして、一般的な敏感肌の『症状』は、以下の通りです。

  • かゆくなりやすい
  • ヒリヒリしやすい
  • しみやすい
  • 赤くなる
  • 物理的な刺激に弱い
  • ニキビや湿疹ができやすい
  • 何か違和感がある

    こんなにも多様な原因と症状があります。
    さらに年齢や生活環境など異なる条件はまだまだあり、「敏感肌」と一言では言えないことがわかります。

    ですから、「乾燥肌や敏感肌の人が使っている化粧水だから、同じ肌質の自分にも合う」とは思いこまずにいてください

    口コミを参考にする際は、思い当たる敏感肌の『理由』と『症状』を前提条件にしましょう。

    そして、乾燥している敏感肌の人が使っている化粧水を聞くのではなく、こういう化粧水を、このように使ったら、こういった症状が改善した」という、実際に改善した症状を参考にするといいですよ。

    1-3.「しっとりタイプ」などテクスチャーで化粧水を選ぶのは間違い

    テクスチャー(使用感)で化粧水を選ぶのは間違い

    「とろみのある化粧水の方が、シャバシャバの化粧水より保湿効果が高いから乾燥肌にいい」と多くの方が思っておられます。
    これは間違いです。

    化粧水のとろみは、分子量の大きい保湿成分を配合したり、増粘剤(粘性や接着性を付けるための添加物のこと)によって自由に作れるものです。
    ただの成分の演出効果に過ぎません。

    「でも、肌に膜ができて、なんとなくしっとりするのよね」と思われたかもしれません。
    確かにとろみは一枚の膜を肌に作ったように思えます。

    でも、化粧水の『水分』の中には、水溶性の成分しか配合できません。
    ですから、ふつうのシャバシャバとした化粧水よりも「保湿力が高い」と言えるほど、明確な効果の違いを付けることはできないのです。

    肌への効果とテクスチャーは、同じではありません
    「乾燥肌だから、とろみのある化粧水を使おう」という選び方は間違いです。

    逆に、「伸ばしてすぐにさらっとするから、浸透しやすい化粧水」だと思うのも間違いです。
    アルコール(エタノール)など揮発性の高い成分を配合することで、さらりとした使用感を作っているにすぎず、浸透とは関係がないのです。

    使い心地だけで効果は判断ができません。
    ですから、「テクスチャーはあくまでも好み」という程度の認識でいてください。

    1-4.「オーガニック成分の化粧水だから安心」という選び方は間違い

    「オーガニック成分で作られた化粧水だから、敏感肌にも安心」という感覚は間違いです。

    現在の日本では、化粧品に対してオーガニック認証を行う機関はありません。
    そのため、オーガニックコスメを名乗るかどうかは、企業ごとの判断にゆだねられています

    その結果、

    • 企業が独自に、海外の認定機関で認証を得た原料を使って名乗っているオーガニックコスメ
    • あくまで企業の自社基準で名乗っているオーガニックコスメ

    この2種類のオーガニックコスメが混在しています。

    「化粧品に使用されている植物原料のうち、何%がオーガニックだから、これはオーガニックコスメだ」というものもあれば、「1種類でもオーガニックが原料となる植物成分を入れているからオーガニックコスメだ」というものもあります。

    基準がない以上、「オーガニックコスメ」の単語だけで、安全性や品質、刺激、効果といったものをはかることは不可能です。

    ですから、「オーガニックの化粧水だから、敏感肌にも安心」だという思い込みは止めましょう。

    それでも、なんとなくオーガニック成分のほうがいい気がするから使いたいという人は、「オーガニックの〇〇が乾燥肌や敏感肌に適している」と明確にされたものを選びましょう。

    根拠のないメーカーの商品は、「オーガニックだから安心」というように、「〇〇がいいから」の部分がありません。
    オーガニックの何が乾燥肌や敏感肌にいいのかをきちんと説明してくれるメーカーならば安心です。

    1-5.「パラベンフリー化粧水だから低刺激」は間違い

    「パラベンフリー化粧水は低刺激」だと思い、選んでいる人がいます。
    それは間違いです。

    パラベンとは、パラオキシ安息化酸エステルの略称で、防腐剤の一種です。
    よく使われるのは『メチルパラベン』で、化粧品では上限1%(100gだと1g)まで配合が可能です。

    パラベンは人体に対する毒性が低く、微生物、特にカビや酵母に対して効果的であるため、化粧品以外にも、食品、医薬品によく使用されます。

    そんな安全で効果も高いパラベンですが、なぜか「パラベンは危ない」と言われることがあり、そのため、「パラベンフリー」を推奨する人がいます。

    でも実は、パラベン以外の防腐剤を使っている方が、刺激が強い場合があります

    たとえばパラベン以外に防腐効果のある成分(エタノールなどアルコール類)をいれるとなると、かなりの高濃度が必要です。

    パラベンだと0.3%程度の配合で済むのに、パラベン以外で同程度の防腐効果を持たせるには、30倍の10%程度配合する必要があります。
    基本的に、高濃度だと刺激は強くなりがちです。

    パラベンにアレルギーがあるならば避ける意味はあります。
    でも、なんとなくよさそうというイメージで、「パラベンフリー化粧水」を選択するのは止めておきましょう

    1-6.「植物由来成分でできた化粧水だから安心」は間違い

    「天然由来成分でできた化粧水だから、乾燥肌や敏感肌にも安心」は間違いです。

    「天然由来」というと、いかにもナチュラルな印象を受ける言葉ですが、実は、世の中の化粧品成分のほとんどがこれに該当します。

    嫌われがちな防腐剤や界面活性剤、鉱物油、シリコンなんかもすべて、天然由来成分です。

    「天然由来成分」とは、天然にあるものから採れたを主原料として生成された成分という意味だからです。

    鉱物油や界面活性剤の素となる石油も、シリコンが作られる鉱物も、天然のものです。
    逆に、天然由来の成分ではないもののほうが少ないぐらいです。

    だから、「天然由来成分」とは、安心をはかるものではないのです。
    なんとなくいいというイメージだけの言葉なので、乾燥肌や敏感肌の化粧水選びの指針にすることは止めましょう。

    2.乾燥している敏感肌に合う化粧水の選び方

    乾燥している敏感肌の人は、できるだけ刺激の少ない化粧水を選びましょう。
    乾燥肌な上に敏感な肌状態だから、極端な話、何を使っても肌がヒリヒリしたりしみたり、「合わない」と感じてしまうからです。

    低刺激な化粧水の見極め方をおさえて、あなたの乾燥している敏感肌に合う化粧水を探してみましょう

    チェックしておきたいポイントは、以下の5つです。

    ☑ 事前に行った敏感肌用のパッチテストは、クリアしましたか?
    ☑ ノンアルコール化粧水ですか?
    ☑ 内容成分のチェックはしましたか?
    ☑ 安全性テストが実施されていましたか?
    ☑ 乾燥肌や敏感肌が使える根拠は、納得できましたか?

    2-1.事前に、敏感肌用のパッチテストを行いましょう

    化粧水を使う前には必ず、『敏感肌用のパッチテスト』を行いましょう。
    『敏感肌用パッチテスト』とは、一般的なパッチテストよりも、さらに慎重に、使用前テストを行うことです。

    『パッチテスト』は、アレルギーの有無をチェックするための簡単なテストのことで、最近は当たり前になりつつあるので、ご存知の方も多いと思います。
    アレルギー性の接触皮膚炎の症状(赤みやかゆみ、かぶれなど)が起こらないかどうかがわかるので、安心して使用が開始できます。

    乾燥している敏感肌の「化粧水が合わない」「化粧水にヒリヒリする」という症状は、こうしたアレルギー症状に似ています。
    でも、アレルギー反応ではないので、ただのパッチテストでは見つからないことがあります。
    だから、『敏感肌用のパッチテスト』を行うのです。

    そんな『敏感肌用パッチテスト』の詳細は、以下の通りです。

    試供品などのお試しサイズを用意しているメーカーが多いので、そういったものを取り寄せて、テストをしてみましょう。

    ▽敏感肌用のパッチテスト

    1日目

    化粧品を二の腕に塗ります

    化粧水を上腕内側にぬります
    入浴後の清潔な肌におぬりください
    腕の内側に指で薄く10円玉大に塗り、自然に乾かします。
    その後は、テスト部位に触れないでください。

    2日目

    さらに24時間後観察し、テスト部位に何の異常もなければ使用OK

    約24時間後、ぬった部位をチェック
    異常がなければ、入浴後、再度、腕の内側にぬります
    時間は必ず守ってください。
    入浴前などに、テスト部位を観察します。(24時間後観察)その後入浴しても構いません。
    テスト中および2回目の観察時において発疹・発赤・かゆみ・水泡等の異常を感じたら、すぐにテストを中止し、洗い流してください。

    (異常があった場合は、皮膚科専門医の診察を受けてください)

    3日目

    パッチテスト異常なしの女性

    さらに24時間後観察し、テスト部位に何の異常もなければOKです
    約24時間後入浴前などにもう一度観察してください。(48時間後観察)

     

     

    続いて、顔に10円玉大をぬります

    ・耳の下や耳の裏
    ・こめかみ
    ・目や口の周り
    など、皮膚の薄い、ヒリヒリが起こりやすい部位にパッチテストを行います

    ヒリヒリなど異常を感じたら、洗い流してください。
    何もなければ、この化粧水はあなたの肌に合うということです

     

    ※注意:生理中のテストは避けましょう
    生理中は肌の変化が大きく、反応の有無の確認が難しいです。
    パッチテストは、生理終了後1週間以上たってから行ってくださいね。

    2-2.ノンアルコール化粧水を選びましょう

    乾燥肌や敏感肌は、アルコールが配合されていない化粧水を選ぶほうがいいでしょう。

    アルコールは清涼効果・清浄効果、殺菌効果、消炎効果など多くの機能を持つため、化粧水には基材(化粧品の基本原料)としてよく配合されます。

    本来は何も問題のない成分ですが、乾燥肌や敏感肌の場合は違います。
    アルコールは肌内部の水分を一緒に蒸発させる”揮発性”があるので、水分が少ない乾燥肌には不向きです。

    そして、揮発の際に、敏感肌は刺激を感じることがあります。

    高濃度のものを避けるだけでもいいのですが、化粧品の成分表示を見るだけではなかなか判別ができませんので、全部を避けておくのが賢明です。

    キャッチコピーには、「ノンアルコール」以外にも、「エチルアルコールフリー」や「アルコールフリー」という表記の場合もあります。

    ちなみに、化粧水に表示されている名称は『エタノール』です。
    化粧水の裏面を見て、内容成分にこの表示名称がない化粧水を選びましょう。

    2-3.肌への作用が『ない』化粧水を選びましょう

    肌への刺激を少なくするには、『作用が少ない』化粧水を選ぶのが一番です。
    化粧水の種類は大きくは以下の3つで、『一般的な化粧水』が、作用の少ない化粧水です。

    下記の表を参考に種類を見分け、内容成分をチェックし、「水、保湿成分、防腐剤」以外には何も配合されていない化粧水を選びましょう。

    化粧水の分類 特徴 名称例
    柔軟化粧水
    • 保湿と柔軟を目的とした化粧水
    • 保湿成分が角質層をうるおし、みずみずしい 肌にするために使われます
    • 保湿力が高い成分が配合される
    柔軟化粧水
    一般化粧水
    保湿化粧水
    モイスチュアローション
    エモリエントローション
    収れん化粧水
    • 一時的に肌をひきしめ、汗や皮脂の分泌抑制を目的とした化粧水
    • 脂性肌やニキビ肌に好まれる、さっぱりとした使用感
    • 保湿成分が少なく、タンパク質を変性させることにより組織や血管を縮める収れん成分が配合される
    • エタノールの配合量が多い
    収れん化粧水
    引きしめ化粧水
    ニキビ用化粧水
    タイトニングローション
    アストリンゼントローション
    トーニングローション
    オイルコントロールローション
    アフターシェーブローション
    ふき取り化粧水
    • 軽いメイクを落としたり、古い角質をふき取るものとして使用される化粧水
    • ピーリング効果のある成分や、洗浄成分、エタノールなどが配合される
    ふき取り化粧水
    プレ化粧水
    ピーリング化粧水

    化粧水の種類や特徴を知らず、乾燥肌なのに乾燥しやすい収れん化粧水を使っていたり、敏感肌なのにピーリング成分の入ったふき取り化粧水を日常的に使っているというケースがあります。

    たとえば、「ふき取り化粧水」のようにAHAなどピーリング効果のある成分、尿素など角質細胞を分解する効果のある成分、これらは、乾燥している敏感肌ならば角質層を傷めることがあります。

    (詳しくは「敏感肌に拭き取り化粧水はお勧めできない2つの理由と同効果の商品紹介」をご覧ください)

    角質層は、水分を保ち、外界の刺激から肌内部を守ってくれる大事な働きをします。
    その働きを損ねてしまわないように、一般的な「化粧水」を使うほうが安心です。

    「肌への作用がない化粧水を選ぶ」と聞くと、「効果がないんじゃないの?」と疑問に思うかもしれません。
    本来、化粧水は肌に保湿成分を与えてみずみずしい肌を保つために使うものです。
    ですから、その目的以外の成分が配合された化粧水は、使わなくても問題はありません。

    配合成分は「水、保湿成分、防腐剤」という最低限の化粧水を選びましょう。

    2-4.安全性テストが実施された化粧水を選びましょう

    たとえば、『アレルギーテスト』や『スティンギングテスト』が実施されており、その結果が良い化粧水は刺激が少ない化粧水だといえます。

    アレルギーテスト

    皮膚に対する累積刺激性とアレルギー性が評価されるテストのことです。
    化粧品を塗布し続けた経過と、使用していない期間を経てから再度塗布した部位の状況を見て、アレルギーによる皮膚反応が見られるかどうかをチェックします。
    このテストでは皮膚科専門医も参加し、アレルギー性が診断されます。

    スティンギングテスト

    「低刺激化粧品テスト」「敏感肌化粧品テスト」という別名でも呼ばれるテストのことです。
    選りすぐりの敏感肌を集め、一時的なヒリヒリやかゆみ感などの感覚刺激(スティンギング)を評価します。
    このテストでは、皮膚科専門医も参加し、客観的な評価が下されます。

     

    もちろんどちらのテストも、結果が良かったからといって、万人に安心というわけではありません。
    とはいえ、選りすぐりの敏感肌による皮膚テストの結果、刺激を受けた人が少なければ、あなたの乾燥肌や敏感肌でも使える可能性が高いです。

    化粧水選びの一つの目安として、参考にしてみましょう。

    2-5.乾燥肌や敏感肌が使える『根拠』が記載された化粧水を選びましょう

    「乾燥肌用」や「敏感肌用」の化粧水は、根拠をきちんと見極めましょう。

    1-1でお話したように、「敏感肌用化粧水」といってもメーカーによってそのコンセプトは違います。
    だから、「敏感肌用化粧水を使ったのに、肌に合わない」という経験をした方は、たくさんいらっしゃいます。

    その化粧水の「何」が、

    • 乾燥肌に適しているのか
    • 敏感肌にも使える理由なのか

    という点が明確にされた化粧水を選びましょう。

    たとえば当社の化粧品では、「新開発」や「まったく新しい成分を開発」など、新しさを謳っている原料は、一切使いません。
    新しい成分はまだまだ何が起こるかわからないという不安があるからです。

    10~20年と長い期間、問題がなく使われてきた化粧品原料だけを厳選し、基礎化粧品を作っています。
    長く愛されている原料は安全性が確立されています。

    そうした原料選びをし、開発から20年、乾燥肌や敏感肌の人に使い続けていただいています。
    長く満足いただいているのは、高い品質の証しです。

    原料選びと実際に使っていただいている年数が、乾燥肌や敏感肌に当社の商品をおすすめする理由の一つです。

    こうしたコンセプトはメーカーによって様々ですので、使いたい・使ってみたいと思うメーカーに、ぜひ確認してみてください

    3.乾燥している敏感肌の人におすすめする化粧水の使い方

    化粧水を使えば肌はうるおうはずなのに、
    「化粧水を使っても肌が乾燥する」
    「たっぷり使っているのに、なぜ?」
    そんな乾燥肌や敏感肌の人は、化粧水の正しい使い方をマスターしましょう。

    効果的に使うポイントは、「化粧水への思い込みを捨てる」ことです。

    こんな思い込みをしている人は、要注意ですよ!

    ☑ 乾燥肌には、化粧水をたっぷり付ける必要がある
    ☑ 敏感肌だから、化粧水はコットンで広げるべき
    ☑ 化粧水はじっくりと肌に浸透させるもの
    ☑ 化粧水はぜったいに使わないといけない

    3-1.「たっぷりの化粧水」は不要。適量で肌はうるおいます

    「化粧水はたっぷり使うもの」と思われがちですが、適量があります。
    それ以上は、肌の内部には浸透しません

    たとえば、お風呂に浸かったとき、肌はしっとりとしてふやけてきます。
    これが、「もうこれ以上入りませんよ」という肌からの合図です。
    実際に、ここからは水分は角質層には入っていきません。
    無限に入ってしまったら、ぶよぶよになってしまい、大変なことになってしまいますよね。

    化粧水の役割は、乾燥肌で水分が少ない角質層に、水分と保湿成分を含ませてあげることです。
    そうして、角質層の代謝環境やバリア機能を整えてあげる働きをさせます。
    必要以上の水分は入らないし、いりません。

    全体にいきわたるように、化粧水を広げれば十分です。
    広げ方は、やさしく塗り広げればOKです。

     

    よくありがちな、「化粧水パッティング」や「コットンパック」も不要です。

    このときに、時間がかかって余計に肌を乾燥させてしまったり、パッティングの刺激で肌を傷めてしまったりすることがあります。

    「たっぷり必要だから、安い化粧水を探さなくちゃ」という感覚もいりません。
    たっぷりは必要ありませんので、適切な量を使い続けられる範囲内でお選びいただけます。

    化粧水は水ですから、なでても、たたいても、おさえても浸透は同じです。
    適量をさっと広げるだけにし、刺激を与えないようにしましょう。

    コットンパックは、1~2分で終わりにしましょう

    化粧水をたっぷり含んだコットンを顔に乗せてそのまま浸透するのを待つ『コットンパック』という手軽な方法が受けて、流行しました。

    その中で、「長い時間、肌にコットンを乗せておく方がいい」と勘違いし、いつまでも乗せたままにしている人がおられます。
    化粧水はすぐに蒸発してしまいますので、シートを乗せたままだと、どんどん乾燥してしまいます
    そればかりか、肌内部の水分まで蒸発させる『過乾燥』を起こします。
    シートを乗せたら1~2分でパックは終了しましょう。

    3-2.広げ方は「コットン」ではなく「手」がベターです

    コットン
    使用量 少ない 多い
    いいところ 手の温度で浸透がアップ むらなくつけられる
    注意点 たれやすい 肌表面にキズがつく可能性

    肌に浸透する・しないは、手で広げても、コットンで広げても同じです。
    だから、メリットの多いほうを採用する使い方がおすすめです。

    乾燥肌や敏感肌が多い当社に寄せられた体験談を参考にすると、一番おすすめするのは、「手」で付ける方法です。

    手の角質層と、コットンの繊維とでは、前者のほうが格段にやわらかいからです。
    乾燥肌は肌表面がかさつきがちですし、敏感肌は刺激を避けるべきです。

    ですから、手よりも硬いもので触れないほうがベターです。
    化粧水を手にとったら、やさしく広げて、顔を包み込むように温めるだけにしておきましょう。

    3-3.化粧水を塗るタイミングは、洗顔後60秒以内を目指しましょう

    洗顔後、タオルで水分を押さえたら、60秒以内に化粧水を塗りましょう。

    洗顔で皮脂が取れたあとの肌は、すぐに水分を蒸発させてしまいます。
    お風呂上りに顔がつっぱるという経験は、乾燥肌ならばあるのではないでしょうか。

    ここに、こんな研究データがあります。

    「入浴可能な健康に問題のない20~40代の女性14名で、入浴前後の皮膚水分量の変化を計測したところ、出浴10分後までは入浴前より皮膚水分量が多く、統計学的有意差が認められた。しかし、以降の計測では、入浴前と同程度まで低下し、さらに出浴30分後、出浴60分後では皮膚水分量が低下して、入浴前と比較すると有意に低い数値となることがわかった」
    ということです。

    これまでの研究で、お風呂上がりに浴室を出ると急激なスピードで肌の乾燥が始まり、やがて入浴前よりも水分量が低くなることがわかっている。お湯で皮脂やNMF(天然保湿因子)、角層細胞間脂質といった本来肌に備わっている保湿物質が流出してしまい、肌の水分を保てなくなることが原因であるという。
    (中略)
    皮膚科学の観点で見ると、保湿ケアは皮膚水分量が保たれているうちに行ったほうがよいという。今回の検証結果から考慮すると、皮膚水分量が有意差を持って入浴前より高い「出浴10分後」が保湿すべき制限時間であり、「保湿リミットは10分」であることが明らかになったとのこと。

    引用:日本健康開発財団 温泉医科学研究所

    詳細を見ると、一番肌が潤っているのは出浴1分後です。
    ここから急激に、水分量は減っていきます。

    ですから、蒸発するその前に、うるおい補給をしてあげましょう。
    目指すは、洗顔後60秒以内ですよ!

    3-4.使える化粧水がない場合は、「化粧水は使わない」という選択もあります

    肌状態によっては、「化粧水は使わない」という選択肢があります

    乾燥肌な上に敏感な肌状態だと、どんな化粧水を使っても肌がヒリヒリしたりしみたり、「合わない」と感じてしまうことがあります。
    本来は使える化粧水であっても、「今は合わない」ということが起こりえるのです。

    そんなときは、いっそ化粧水は使わないでおきましょう。

    「化粧水を使わなかったら、肌がもっと乾燥しちゃうじゃない!」と思われるかもしれません。

    でも、大丈夫です。
    化粧水は、肌に水分と保湿成分を補うものであって、ほかの化粧品でも保湿はできます

    詳しくは次の章でお話します。

    4.化粧水を使わずにバリア機能を取り戻し、敏感肌を脱する方法

    乾燥している敏感肌のあなたは「化粧水で保湿することは必要」だと思い、肌に合う化粧水を探していることと思います。

    でも、『乾燥している敏感肌』の肌状態を知り、何が必要かがわかれば、化粧水探しはもう必要ありません。
    どんな化粧水でも使えるようになります。

    そればかりか、乾燥肌がおさまり、敏感な肌状態を脱することだってできるのです。

    乾燥肌や敏感肌が多い当社のお客様にもこの話をして、正しくケアをしていただいています。

    アンケートを実施したところ回答くださった方の内、「解消した(388人)」が48.1%、「解消しつつある(280人)」が34.7%と、合計82.8%の方が肌悩みが良い方向に向かっていると答えてくださいました。

    そんな乾燥している敏感肌を脱する方法を、詳しくお話します。

    ぜひあなたも、つらい乾燥肌や敏感肌から脱し、どんな化粧水でも使える健康的な素肌を取り戻してください。

    4-1.現状の肌を知る。あなたの肌はバリア機能が弱っている状態です

    元々の乾燥肌はあるにせよ、「肌の機能が起因となり、敏感肌になっている」これが今、あなたの肌で起こっている現象です。
    だから、肌の機能を整えることで、敏感肌を脱することが可能です。

    詳しく説明しますね。

    肌の一番表面には『角質層』という薄い層があります。
    角質層には、天然保湿因子・細胞間脂質といった保湿成分があり、肌の内部に水分を蓄える役目を果たしています。
    この保湿機能によって水分をたっぷり含んだ肌細胞は、密着してきれいに並んでいます。

    “肌のバリア機能”

    • すきま無く並ぶ肌細胞で構成された【角質層】
    • 肌表面を覆う適度な【皮脂】

    この2つが、いわゆる『肌のバリア機能』です。
    肌の水分蒸発を防ぎ、外部の刺激から肌を守ります。

    正常な肌と、乾燥してバリア機能が弱った肌の違い

    バリア機能が弱った肌は、角質層に隙間ができ、赤み・かゆみが引きおこる

    バリア機能が弱まると、上図のように水分を維持できなくなり、角質層にすきまがたくさんできます。
    皮脂分泌がうまく行われず、皮脂量が減ります。

    そして、花粉やホコリ、化学物質などの刺激物が、肌に進入しやすくなります。
    その結果、わずかな刺激にも肌が過剰に反応し、赤みやかゆみといった肌トラブルを起こします
    このバリア機能が低下することで起こる敏感肌が、今のあなたの肌状態です。

    だから、バリア機能を回復させることで、乾燥肌や敏感肌を改善できます。

    『バリア機能を回復させる』 というのは、具体的には、【できるだけ肌に刺激が少なく、しっかりと保湿ができる化粧品を使い、肌の水分量を増やしていくこと】です。

    では、何をすればいいのか?
    次の項でお話します。

    4-2.乾燥している敏感肌に『正しい保湿』をするとバリア機能が整います

    一般的な保湿 正しい保湿

    <保湿の回数>
    朝・夜の2回

    <保湿方法>
    化粧水

    乳液・美容液

    クリーム

    <保湿の回数>
    1日に何度でも、保湿ができるときに保湿する

     

    <保湿方法>
    水分・保湿成分・油分の同時補給

    正しく保湿された肌は、肌機能が健やかに働くため、バリア機能も働きやすくなります。
    ですから、『正しい保湿』を行いましょう。

    一般的な保湿とは違う、乾燥している敏感肌用の正しい保湿は以下の2つのポイントがあります。

    <正しい保湿>

    1. 水分と保湿成分・油分の3種類を同時に補給する『保湿』を行う
    2. 一日に何度でも①の『保湿』を行う。
      この両方を行うこと

    4-2-1.水分と保湿成分・油分の3種類を同時に補給する『保湿」を行う

    水分と油分、保湿成分を肌に補給することが、『保湿』です。
    ですから、効果的に保湿するなら、最初から水分と油分がバランスよく配合されている化粧品を使うことがおすすめです。

    保湿というと、「化粧水でしているわよ」と思われるかもしれません。
    でも、化粧水は蒸発してしまうから、化粧水だけで保湿はできていません。
    悪いことに、蒸発の際に、肌内部にある水分まで一緒に持っていってしまう『過乾燥』も引き起こします。

    過乾燥とは

    逆に、「保湿はクリームを塗ればいいのよね」という方もおられます。
    これも間違いです。
    油分だけがあっても、乾燥肌は肌の内部の水分が不足しています。

    水分と油分、両方補給したとしても、バランスが適切でなければ保湿とは言えません。
    「水分が多すぎる」、「油分が少なすぎる」このどちらも保湿できている状態ではありません。

    肌に適切な水分と油分、バランスの取れた量を補給することで、はじめて保湿できていると言えます

    4-2-2.1日に何度でも保湿を行う

    24時間いつでも、保湿ができるときに保湿をしてあげることが、乾燥している敏感肌を改善するための正しい保湿方法です。

    とくに乾燥肌や敏感肌は、バリア機能が弱っているので、すぐに水分がなくなり、乾燥してしまいます。

    だからそれを補うために、1日に何度でも、肌が必要とするだけ保湿をしてあげるのです。
    これが乾燥肌や敏感肌を改善する『正しい保湿』です。

    4-3.肌に合う化粧水がある場合の正しい保湿

    基本的には、化粧水の後に乳液やクリームをぬってあげれば、保湿は完了します。

    3章でご紹介した使い方を参考に、肌に合う化粧水を選び、効果的に使ってください。

    乾燥肌のあなたは、肌の水分量も皮脂量(油分)も少ない状態です。
    ですから、改善までの保湿ケアは、朝・昼・夜の3回可能であれば行ってください

    日中にメイクをされている場合は、可能であればメイク落としをして、一連の保湿を行いましょう。
    難しい場合には、朝晩2回の保湿ケアを重点的に行いましょう。

    4-4.肌に合う化粧水がない場合の正しい保湿

    化粧水も何も使える化粧品がない場合には、当社のアクアテクトゲルをおすすめします。
    摩擦を起こさないゲル状で刺激も少なく、1ステップで化粧水・乳液・クリームの役割を果たしてくれるシンプルケアです。

    赤ちゃんからご年配の方まで、ご家族皆さまで使っていただいている実績のある商品なので、乾燥肌な上に敏感肌のあなたにもお使いいただけるかもしれません。

    塗り方も簡単です。
    アクアテクトゲルを手にとって顔に広げるだけです。

    乾燥する部位には重ねて塗ってください。
    そして、

    • 日中に乾燥してきたとき
    • メイク直しのとき
    • 帰宅後すぐに
    • 眠る前に

    いつでもどこでも24時間、保湿ができますので、ぜひご活用ください。

    効果的に化粧品を使うために
    化粧品にはかならず使用説明書がついています。
    この使用説明書は、その化粧品をもっとも効果的に使える方法が書かれた、大事な大事なお手紙です。
    使い方や使用量をしっかりと確認してから、推奨される使用量・使用方法で使いましょう
    使用方法や量など、きっと新たな発見がありますよ。

    さいごに

    乾燥している敏感肌の人に必要なことは、水分と油分・保湿成分をバランスよく補給することです。

    世間でよく語られる保湿は、保湿力のある化粧品を使って、お手入れをすることです。
    でも、我々が肌状態を改善するために必要だと思う保湿は、化粧品を使ってお手入れをし、その潤った状態を持続させることです。

    「肌が必要とするだけ何度でも保湿を行う」ことが、保湿の基本です。

    ちなみに、資生堂学術部によるレポートでは、「敏感肌は化粧品による保湿で優位に改善することが期待できる」と皮膚科医も保湿ケアを推奨しています。

    当社の代表も超が付くほどの乾燥している敏感肌ですが、今では見た目はすっかり普通肌です。
    気を抜いて保湿を怠り、肌を荒らしている姿はよく見かけますが、保湿をきちんとしていれば肌トラブルが起きないことを身近に見てきました。

    この20年、当社のお客様からも、「乾燥肌だったのが、長時間しっとりが続くようになった」「敏感な肌になっていたのに、すっかりよくなった」という嬉しい声をたくさん頂戴しています。

    ですから、正しく保湿された肌が、うるおいが持続できるようになることを我々は知っています。

    正しく保湿ができれば、あなたの乾燥肌、敏感肌もきっと良い状態に変えられます
    いつ終わるかわからない、つらい化粧水探しの必要はもうありません。
    ぜひ希望もって保湿ケアに取り組んでみてくださいね。

    この記事を書いた人

    化粧品開発やスキンケアアドバイザー歴22年目。自身のオイリー肌・ニキビ肌が改善したことからスキンケアに目覚める。3児の母でもあり、”0歳からのスキンケア”を実践している経験豊富さから、記事内容は幅広い。日本化粧品検定1級・薬機法医療法遵守広告代理店認証YMAAマーク取得者。

    目次