私たち人間は、赤ちゃんの頃はスベスベでもちもちな肌をもって生まれてきます。
しかし、年を重ねるにつれ、いつまでも肌がきれいに保たれている人とそうでない人に分かれてきますよね。
なぜこのような差が生まれるのでしょう。その要因の1つがこの記事でご紹介する「保湿」です。
保湿を正しく理解し、実践することで肌を潤った状態で保つことができます。
ただ、保湿って何?と改めて聞かれると、意外と答えられない人は多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では保湿の基礎知識から、なぜ保湿が必要なのか、さらに、具体的に実践できる正しい保湿ケアの方法まで網羅にご紹介します。
ぜひ、正しい保湿の知識を身につけ、いつまでもうるおいの保たれた綺麗な肌を手に入れましょう。
この記事でわかること
- 保湿の基礎知識
- 保湿力が失われる原因
- 正しい保湿の方法
1. そもそも保湿とは
今やその言葉を知らない人はいないほど、保湿という言葉は常識になりましたが、改めて保湿の定義を確認しましょう。
保湿とは、皮膚の水分を補ったり、水分の蒸発を防いだりして、うるおいを保つことです。
したがって、保湿ができている状態とは、皮膚にたっぷりの水分が補われるだけでなく、その蒸発が防がれており、うるおいがある状態を指します。
冒頭でもお話をしましたが、私たちの肌は赤ちゃんのときには、スベスベでもちもちなうるおった肌ですよね。
また、ごく少数ですが、全く保湿ケアをしなくても肌のうるおいを保っている人も存在します。
このように、人間にはスキンケアを行わなくとも肌のうるおいを保つ、肌のバリア機能というものが備わっているのです。
以下では、肌のバリア機能を構成する3つの要素とともに、私たちの肌がうるおいを保つ仕組みを説明します。
1-1. 肌のバリア機能について
私たちの肌は大きく分けると外側から順番に、表皮、真皮、皮下組織の3つの層でできています。
その中でも、肌のうるおいを保つという保湿の役割を担うのが、表皮です。
表皮の厚さは平均0.2ミリほどですが、この表皮はさらに、外側から順に、角質層、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(メラノサイト)の4つの層で構成されています。
そして、この表皮の最も外側に存在し、外界と接する角質層(約0.01~0.03ミリ)こそが、肌のうるおいを保ったり、外的刺激や異物の侵入を防ぐ、いわゆる肌のバリア機能の大きな働きをしているのです。
角質層には3つの保湿因子が存在します。
3つの保湿因子
- 天然保湿因子:NMF(Natural Moisturizing Factor)
- 角質細胞間脂質
- 皮脂膜
それぞれの役割を詳しく説明していきます。
天然保湿因子:NMF(Natural Moisturizing Factor)
NMFは、表皮の顆粒層にある肌の細胞が死んだ際に、角質層に移動する肌のターンオーバーの過程で生成されます。
具体的には、顆粒層の細胞に含まれるプロフィラグリンという成分が、顆粒層から角質層に移動する際にフィラグリンという成分に分解されます。
さらに、このフィラグリンが角質層に存在する酵素によって分解される過程で、ウロカニン酸という紫外線を吸収する働きをもつ成分やNMFが生成されます。
NMFはその40%がアミノ酸で構成され、そのほかに尿素やミネラルなども含まれています。
NMFの役割としては、角質層の中で水分を引きつけ、細胞の中にその水分を抱え、肌の細胞のうるおいを保つことです。これによって、私たちの肌の水分の量を維持してくれているのです。
角質細胞間脂質
次に、角質細胞間脂質です。その名の通り、角質細胞の間にある脂質のことで、みなさんが保湿成分としてよく聞く、セラミドが構成成分の約50%を占めます。
NMFと同様に、角質細胞間脂質も表皮の角質層で生成されます。
具体的には、顆粒層の細胞内部において層板顆粒が生成され、この中にセラミドなど細胞間脂質の材料になるものが含まれます。
そして、細胞の死後、肌のターンオーバーの過程で細胞内の成分が角質層に放出され、細胞間脂質として働くことになります。
角質細胞間脂質は水と脂の層が交互に積み重なり、水溶性と脂溶性のどちらの成分の侵入を防ぎます。
そのため、みなさんがテレビの広告などで一度はご覧になったこともある、成分の浸透を謳う化粧品のCMにおいて、
※角質層まで
という注意書きがあるのは、この細胞間脂質によって成分は角質層までしか十分に浸透しないためなのです。
皮脂膜
最後に紹介するのは、角質層の中でも最も外側にある皮脂膜です。
皮脂膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗の水分が混ざり合って生成されます。
肌の外界と接する部分である皮脂膜の役割は、肌を外的刺激などから守ること、そして、肌内部の水分の蒸発を防ぎ、うるおいを保つことです。
このように、私たちの肌はNMF、角質細胞間脂質、皮脂膜の3つの要素で構成された肌のバリア機能によって、外的な刺激や肌のうるおいである水分の蒸発を防いでいるのです。
しかし、こんなに素晴らしい機能が備わっているにもかかわらず、ほとんどの人が肌の乾燥を感じています。
なぜでしょうか?
それは、肌のバリア機能が乱れる原因があるためです。次の章では、その原因についてより詳しく見ていきます。
2. 肌の保湿力が低下する原因
肌の保湿力が低下する原因は様々ですが、この記事では以下の原因について、それぞれ詳しく説明していきます。
保湿力が低下する主な原因
- 環境の変化
- 睡眠の不足
- 水分補給の不足
- 加齢による乾燥
- 間違ったスキンケア
2-1. 環境の変化
肌の保湿力が低下する原因に環境の変化があります。
先ほど、皮脂膜は皮脂腺から分泌される皮脂と、汗腺から分泌される油分によって構成されるとお話ししました。
つまり、私たちの肌のバリア機能は人間が汗や皮脂をかくことを前提として機能しているのです。
しかし、近年、環境の変化によって人間が汗をかく量が減りつつあります。
たとえば、仕事を想像してみてください。
今では、ほとんどの仕事がオフィスのデスクワークですよね。一日中働いても汗をかくことなんてほとんどありません。
しかし、明治時代初期(1868年~)には、働く人の70%が農業従事者でした。さらに、当時は今のように機械化された農業ではありません。一日仕事をしたら汗をびっしょりかいていたことでしょう。
さらに、生活環境も大きく変化しました。
日本でエアコンが普及し始めたのは、1950年代に入ってからです。
当時はまだ冷房機能しかありませんでしたが、1970年代には暖房機能も備えたエアコンが開発され、1年中使用可能になりました。
これによって、夏でも涼しい環境が提供され、さらに汗をかく量が減少しました。また、皮脂の量は汗の量と比例するため、皮脂の分泌される量も減少しています。
つまり、労働環境や生活環境の変化によって、私たちは肌が本来もつバリア機能を形成するために必要な水分と油分の量が減少しているのです。
これが、現代人の肌の保湿力が低下し、乾燥を感じやすくなっている原因の1つです。
2-2. 睡眠の不足
睡眠不足は肌によくない。
みなさんも一度は聞いたことはあるのではないでしょうか。
しかし、なぜ睡眠が不足すると肌によくないのか?
その仕組みについて説明できる人は少ないと思います。
睡眠不足によって肌の保湿力が失われる主な理由は、肌のターンオーバーの周期が乱れるためです。
肌は常に古い皮膚を剥がれ落とし、新しい皮膚を生み出すというように、生まれ変わっています。この肌の生まれ変わりをターンオーバーと呼び、20代の健康的な肌であれば、その周期は約28日間と言われています。
つまり、このターンオーバーの周期が正常に保たれていれば、肌は常に健康な状態を保つことができるのです。
しかし、睡眠不足は年齢にかかわらず、このターンオーバーの周期を乱します。
それは、睡眠時に活発に分泌される成長ホルモンの分泌を妨げてしまうからです。成長ホルモンは全身の細胞分裂やタンパク質の合成を促す物質であり、肌のターンオーバーにも必要不可欠です。
そのため、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌を妨げることは、肌のターンオーバーの機能を低下させ、その周期を乱します。すると、古くなった角質が排出されず、肌本来のバリア機能が正常に機能しません。
これが、睡眠不足が肌の保湿力を低下させる原因です。
2-3. 水分補給の不足
肌に水分を与えると言うと、ほとんどの人は化粧水などの化粧品によって、肌へ水分を与えることを想像するかと思います。
しかし、肌を含む私たちの体の細胞には口から補給した水分が供給されているため、摂取する水分の不足は肌の保湿力を低下させる原因にもなります。
口から摂取した水分は、小腸の粘膜にある絨毛から吸収され、血液中に取り込まれます。
そうして吸収された水分は、肝臓へ運ばれ処理された後、全身の血液循環に入り、体内を循環します。循環している水分は、毛細血管を通じて細胞間液に移動し、皮膚であればその細胞間液から神秘の細胞や表皮の基底層に供給されます。
したがって、体内の水分が不足することは肌へ供給される水分を不足させ、肌の保湿力の低下の原因になります。
化粧品による肌への水分補給の前に、まずは、普段の生活の中で体内の水分が不足しない水分補給をこころがけましょう。
2-4. 加齢による乾燥
10代までは全く乾燥を感じなかったのに、ある年齢から急に乾燥を感じるようになったという経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。
それもそのはずで、残念ながら肌が生まれもつ、うるおいを保つ機能であるバリア機能は年齢とともにその機能が低下していきます。
年齢を重ねると、天然保湿因子であるNMFや皮脂の分泌が減少します。また、日中の活動量も低下するため、汗もかかなくなり皮脂膜を形成する力も衰えていきます。
さらに、加齢とともに母細胞のエネルギーが低下することで、肌のターンオーバーの周期が低下するため、古い角層がたまり、バリア機能の低下にも繋がります。
このように、肌の保湿力を保つために必要なバリア機能の要素は、年齢とともに低下します。
2-5. 間違った保湿ケア
ここまで、肌の保湿力が低下する原因を詳しく説明してきましたが、ほとんどの方はこれらの原因で乾燥してしまった肌をうるおすため、または、うるおいを維持していくために保湿ケアを行っていると思います。
保湿ケアを行うことはとても大切です。
しかし、ここにも大きな落とし穴があり、間違った保湿ケアは、保湿力を低下させる原因にもなり得るということです。
代表的な間違った保湿ケアは以下のとおりです。
間違った保湿ケア
- 化粧水だけで保湿
- 摩擦を与えすぎ
改めてですが、保湿とは、皮膚の水分を補ったり、水分の蒸発を防いだりして、うるおいを保つことです。
つまり、うるおいを与える水分と、その蒸発を防ぐ油分を与えることが保湿の本質です。
したがって、化粧水だけで保湿をするというのは間違った保湿ケアです。
どれだけたくさんの水分を肌へ与えても、その蒸発を防ぐ機能がなければ水分は蒸発します。
さらに、蒸発する水分量が多い場合、過乾燥を引き起こし、さらに肌が乾燥する原因になります。
そのため、化粧水だけで保湿するというのは、かえって保湿力を低下させる間違ったケアなのです。
また、保湿をする際に発生する摩擦は、少なからず肌のバリア機能を低下させ、保湿力を失わせる原因になります。
では、肌のうるおいを保つ、正しい保湿とは?
気になりますよね。
以下では正しい保湿について詳しく説明していきます。
3. 正しい保湿の方法
結論から言うと、正しい保湿の方法とは「適切なバランスの水分と油分を同時に与えること」です。
こう聞くと、何を今さら当たり前のことを言っているのかと思われるかもしれません。
ただ、この当たり前のことができていない人が多いのです。
今でも、多くの方が肌の乾燥に悩まれていることが、その証明です。
ですので、みなさんも今一度、ご自身の保湿ケアが正しくできているのかを確認するきっかけにしてください。
正しい保湿の方法は、
- 最適なバランスの水分と油分
- 同時に与える
という2つにわけて考えることができます。
最適なバランスの水分と油分
まず、最適なバランスの水分と油分について、その割合は、水分:油分=8:2です。
このブログの運営会社である、私たちアースケアも保湿化粧品を開発する際、最適なバランスを研究した結果、8:2のバランスが最適ということがわかりました。
偶然にもこの割合は、人間の赤ちゃんの肌に含まれる肌の水分と油分の割合に一致しています。
つまり、本当に正しく肌を保湿するためには、水分と油分が適切なバランスで与えられているのかを見直す必要があります。
たとえば、複数の化粧品を使っている方は、化粧水は少なくて、乳液は多いのもダメですし、その逆も然りです。
水分と油分を同時に与える
次に、水分と油分を同時に与えるという点についてです。
間違った保湿ケアでも紹介しましたが、化粧水だけを使用して、水分だけを与えるケアでは水分が蒸発してしまい正しく保湿できません。
また、あたりまえですが、乾燥している肌へ油分だけを与えても水分が不足している肌はうるおいません。
そのため、正しく肌を保湿するためには、水分と油分を同時に与える必要があります。
まとめると、水分:油分=8:2という最適なバランスの水分と油分を同時に与え、肌のうるおいである水分を補うと同時に、その蒸発を防ぐ油分を与えることが正しい保湿の方法です。
しかし、多くの人にとって、厳密に水分と油分の割合を計り、さらに数秒のズレもなく水分と油分を同時に与えることは困難です。
だからこそ、それを実現できる技術力と予算をもった化粧品メーカーこそが、そのような困難を解決しなければならないのです。
私たちアースケアは、その困難を解決するために約30回以上の試作品と2年の歳月を重ね、自信をもっておすすめできる保湿ゲルクリーム、アクアテクトゲルを開発しました。
4. 正しい保湿ケアのための商品
アクアテクトゲルは、最適なバランスの水分と油分を同時に与えることを追求した結果、これ1本で完結する保湿ゲルクリームになりました。
使用する化粧品は多ければ多いほど、化粧品にお金をかければかけるほど肌がよくなると信じている方には、受け入れてもらえないかもしれません。
しかし、ここまで記事を読んでいただいた方は、正しく保湿するためには、なぜ1本で完結したほうがよいのかは明らかだと思います。
化粧品を分けるという行為は正直に言うと、化粧品会社のエゴです。
分ければ分けるほど儲かります。ただ、それは正しい保湿の本質とは反するものです。
もちろん、たくさんの化粧品を使うことを否定するわけではありません。
スキンケアというのは本来、贅沢品です。気持ちが高まるから、幸せになれるからという理由で使うのも全く問題ありません。
ただ、朝起きると乾燥している、乾燥が原因で肌トラブルが続いているといった理由で気分が沈んでいるのなら、
ぜひ一度、最適なバランスの水分と油分を同時に与える、正しい保湿を追求したケアを試していただきたいというのが本音です。
少しでもご興味のある方は、アクアテクトゲルについての詳細をご覧ください。
5. 保湿に関するよくある質問
Q 保湿をしすぎるのは良くないですか?
A 摩擦の与えすぎは乾燥など肌トラブルの原因になります。
基本的に、保湿のしすぎがよくないということはありません。
なぜなら、肌の乾燥を感じたら保湿をするからです。
逆に肌の乾燥を感じないのなら、無理に保湿をする必要はありません。
ただし、たくさんの保湿化粧品を使うことは、肌への摩擦を増加させ、乾燥や肌トラブルの原因になるので控えましょう。
Q 保湿でニキビは治りますか?
A ニキビを防ぐことはできます。
ニキビを治すという効果は化粧品にはありません。
治すためには医薬品が必要になります。
そのため、かゆみや炎症などが起きている場合は、皮膚科に行きましょう。
ただし、化粧品で正しく保湿をすることで、ニキビを予防することは可能です。
ニキビの根本原因は、乾燥による皮脂の過剰分泌の場合が多いため、保湿で乾燥を防ぐことで、ニキビのできにくい肌を育てることが可能です。
Q 保湿で毛穴は消えますか?
A 毛穴を目立ちにくくすることはできます。
大前提として、毛穴が消えることはありません。
どれだけ綺麗な肌の人でも毛穴はあります。
ただし、乾燥や皮脂の詰まりになどによって、毛穴の周りの皮膚が炎症を起こすと、皮膚が腫れ、それによって毛穴が目立ちやすくなります。
そのため、肌を正しく保湿することで、肌の乾燥を防ぎ、うるおいを保つことで毛穴の目立ちにくい肌を目指しましょう。
Q 保湿は1日何回?朝と夜どっち?
A 朝と夜の1日2回は最低限、保湿しましょう。
日中は外気に触れ、肌が乾燥しやすいため、朝の洗顔後に必ず保湿を行い、肌のバリア機能を保った状態で日中の活動を行いましょう。
また、夜、お風呂に入り、洗顔した後は肌のバリア機能が低下していますので、そのタイミングでしっかり保湿しましょう。
ただし、日中でも肌の乾燥を感じる場合は、こまめに保湿をすることも大切です。
肌が乾燥を感じている状態が続かないように気をつけましょう。
まとめ
この記事では、保湿に関する以下の点について詳しく説明してきました。
- 保湿の基礎知識
- 保湿力が不足する原因
- 正しい保湿の方法
- 正しい保湿ケアのための商品
みなさんが毎日、当たり前のように行っている保湿は、調べれば調べるほど奥の深いものです。
しかし、構造としてはとても単純で、うるおいのもとになる水分を補い、その蒸発を防ぐための油分を与えればよいのです。
ただ、どれだけ正しく保湿をしていても、保湿力が不足する原因にあげたようなものによって肌のバリア機能が低下し、乾燥を感じることはあるでしょう。
そのような場合、正しい保湿ケアを日々行うことで、肌のバリア機能を正常な状態に保つことが可能です。
だからこそ、誤った情報に惑わされず、最適なバランスの水分と油分を同時に与える、正しい保湿を徹底していただければと思います。
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この記事を最後までお読みいただきありがとうございます。
読者の皆様の肌の悩みを解決する一助となれば幸いです。