乾燥を和らげようとリップクリームを塗っても、うるおいが続かない。
ひどいときには、ひび割れて出血することも。
このように繰り返す唇の乾燥に悩む方は、多くいらっしゃいます。
そもそも唇は、以下のような乾燥しやすい構造をしているからです。
- 角質層が薄い
- 皮脂膜がない
唇の乾燥対策には、このような唇の特徴に適したケアが必要です。
そこに、無意識でやりがちな次の4つの行動が加わることで、唇の乾燥は加速します。
唇を乾燥させる4つの行動
- 唇をなめる
- 唇をこする
- 唇の皮をむく
- 口呼吸をする
こうした無意識の習慣をやめることが、乾燥しない唇を維持する方法です。
この記事では、「乾燥から唇を守るリップクリームの塗り方」と「唇を乾燥させる4つの習慣をやめる方法」をご紹介します。
リップクリームも塗り方一つで効果が変わりますよ。
唇の乾燥でお悩みの方は、ぜひ今日から実践していただき、乾燥しらずのうるおいある唇を手に入れましょう!
1.乾燥から唇を守るリップクリームの塗り方
唇は次のように、乾燥しやすい構造をしています。
- 角質層が薄い → 水分を蓄える力が弱い
- 皮脂腺と汗腺がない → 天然のクリームといわれる「皮脂膜」が作られない
ということ。
つまり、唇はとても乾燥しやすいのです。
唇を乾燥から守るために、柔らかいテクスチャのリップクリームを厚塗りしましょう。
厚塗りすることで、長い時間、唇を乾燥から守ってくれます。
しかし、人と会ったり、化粧をする日など、厚塗りが適さない場面もあるかもしれません。
こういう厚塗りができない場合には、リップクリームをこまめに塗り直しましょう。
厚塗りしない分、取れやすくなりますので、取れるたびにこまめに塗り直すのがポイントです。
1-1.リップクリームを「厚塗り」する
唇を乾燥から守るために、リップクリームを厚塗りしましょう。
リップクリームを厚塗りする理由は、厚く塗ればその分だけ取れにくくなるからです。
分厚い分、長い間唇にとどまり、唇を乾燥から守ります。
1-2.リップクリームを「こまめに塗り直す」
リップクリームは、飲んだり食べたり、話したりすると取れてしまうため、こまめに塗り直しましょう。
リップクリームが取れると、唇が乾燥しやすい状態になります。
この状態が続くと、唇に次のようなことが起こります。
- カサカサ
- ガサガサ
- ゴワゴワ
- バリバリ
- かゆみ
- 痛み
- 赤み
- 切れる
- 裂ける
- 出血
唇の乾燥を感じたら、1日に何回でも、こまめにリップクリームを塗り直しましょう。
2.唇を乾燥させる4つの習慣への対策
唇が乾燥しやすい構造とはいえ、すべての人が、唇の乾燥に悩んでいるわけではありません。
唇の乾燥が止まらない人は、次の4つの行動をやっている可能性があります。
唇を乾燥させる原因
- 唇を舐める
- 唇をこする
- 唇の皮をむく
- 口呼吸をする
この4つの行為は、唇を乾燥させます。
今すぐやめましょう。
唇はもともと水分を保つ力が弱い上に、水分蒸発を防ぐ皮脂膜がありません。
「乾燥するのが当たり前」とも言える構造をしています。
乾燥させないためには、長い間、唇から水分を蒸発させないことが大切です。
詳しくご紹介しますので、唇が乾燥する原因となる4つの習慣をチェックしていきましょう。
2-1.「唇を舐める」
- リップクリームが手元にないとき
- 唇が乾燥しているとき
こんな時に、唇を舐める方は多いです。
でも実はこの舐めることが唇の乾燥に繋がっています。
唇を舐めるのはやめましょう。
唇を舐めると、唾液で一時はうるおいます。
うるおうと乾燥や、ヒリヒリとした痛みが紛れるので、無意識でやってしまう行為です。
しかし、この効果は一瞬です。
唾液が乾くと共に、唇の水分も蒸発してしまいます。
唇を余計に乾燥させてしまう行為ですから、舐めるのはやめましょう。
些細なことですが、改善への大きな第一歩になりますよ。
小さなお子様の口周りに、赤く輪をかいたような湿疹が見られることがあります。
「なめまわし皮膚炎」や「舌なめ皮膚炎」などと呼ばれる皮膚炎の一種です。
この皮膚炎も『舐める』ことが原因で起こります。
なめまわし皮膚炎は、子供だけではなく、大人にも起こります。
唇や口周りを舐めないようにしましょう。
参考:NPO日本アトピー協会「アトピーナウ」より
2-2.「唇をこする」
例えばこんな風に唇をこすっていませんか?
こうしたこする行為は、唇に摩擦を与えます。
こすらないための解決案をご紹介しますので、参考にしていただき、唇をこするのは控えましょう。
唇をこする行為と解決法
唇をこする行為 | 唇をこすらないための解決法 |
口紅を塗る |
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リップクリームを塗る |
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口紅を落とす |
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食事中・食後に唇を拭く |
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歯磨きや洗顔後、口の周りを拭く |
|
こする行為は、「摩擦」を起こします。
摩擦によって角質層が傷つけば、傷口から水分が逃げてしまい、乾燥の原因になることがあります。
また、こすり続けることを続けることは、唇の荒れ・炎症を招きます。
炎症が続く唇は、血色が悪くなったり、シミができることがあります。
こする行為は百害あって一利なしです。
唇をこするのはやめましょう。
2-3.「唇の皮をむく」
唇がガサガサして乾燥がひどくなったときに、皮むけが起こるときがあります。
そんなとき、つい唇の皮をむいていませんか?
唇の皮をむくと、健康な皮まで一緒にむいてしまい、最悪、皮膚を傷つけて出血を引き起こします。
むりに皮をむかないように気を付けましょう。
唇の皮むけが気になるときは、リップクリームの厚塗りをおすすめします。
リップクリームを塗って唇の乾燥を防げば、ターンオーバーによって、めくれた皮は自然と剥がれ落ちます。
唇のターンオーバーは3.5日と皮膚に比べ非常に速いサイクルで行われる.
したがって、荒れの回復は皮膚よりも速いと思われる.引用:日本化粧品技術者協会「化粧品用語集 唇」
ちなみに、唇のターンオーバーは、「3.5日」で行われます。
皮むけは、目立つので気になると思いますが、3~4日だけ唇の皮をむかないように我慢しましょう。
2-4.「口呼吸をする」
唇だけではなく、「口の中も乾きやすい」という人は、「口呼吸」になっている可能性があります。
口呼吸は、自分の息で唇を乾燥させてしまいます。
口呼吸に自覚がある人は、『鼻で呼吸』することを意識しましょう。
眠っているときの対策には、鼻呼吸テープを使うことで、口呼吸から鼻呼吸に切り替えができると言います。
たとえばこんな商品を使い、効果を試してみてください。
ナイトミノン「鼻呼吸テープ」
もし鼻炎や花粉症などで鼻が詰まっている人は、医師に相談してみましょう。
3.唇を乾燥させないために積極的に取り入れたい栄養素
唇を乾燥させないために、唇にいい栄養素を積極的に摂り入れることがおすすめです。
栄養素は、日常の食事から体内に摂り込むのが最も効果的です。
唇を乾燥させないために摂り入れたい栄養素は、主に次の6種類です。
多く含まれる食材をご紹介しますので、「どっちにしようかな」と迷ったときは、ぜひ選択の参考にしてくださいね。
栄養素 | 不足するとどうなるか | 多く含まれる食材 |
たんぱく質 | 免疫機能が低下して抵抗力が弱くなり、さまざまな病気にかかりやすくなる | 肉類・魚介類・卵類・乳類など動物性の食品のほか、豆類・穀類など植物性食品など |
ビタミンB2 | 唇や口角の荒れ、口内炎などが起こりやすくなる | 魚介類、レバー、酵母、藻類、落花生などの豆類、牛乳、卵、緑黄色野菜など |
ビタミンB6 | 口内炎や口唇炎などが起こりやすくなる | 魚介類(まぐろ赤身)、レバー、野菜類(とうがらし、にんにくなど)、穀類(米ぬか、小麦はいがなど)など |
ビタミンC | 皮下出血を起こしやすくなる | アセロラやグァバなどの果実類、ピーマンやめキャベツ、ブロッコリーなどの野菜や、ジャガイモなどのいも類、緑茶など |
ビタミンA | 角膜や結膜上皮が乾燥し、角質化するほか、皮膚や粘膜でも、乾燥、肥厚、角質化が起こります。小児の場合は成長が停止する場合もある | 豚・鶏レバー、うなぎなどに多く含まれています。乳製品(牛乳、バター、チーズなど)、卵など |
ナイアシン | 赤い発疹ができる皮膚症状、口舌炎や下痢などの消化管症状、神経障害が起こる | 魚介類、肉類の他、きのこ類、穀類 |
参考:公益財団法人長寿科学振興財団「栄養素」
4.乾燥したカサカサ唇に避けるべき2つのこと
乾燥した唇に避けておきたい2つのことをご紹介します。
意外に知られていないことですが、この2つは乾燥した唇にダメージを与えます。
その結果、乾燥が改善せず、悪化して荒れに繋がることがありますので、避けましょう。
4-1.過度な塩分・香辛料を避ける
唇が乾燥しているときは、過度な塩分や香辛料、酸味の強い食べ物・調味料などは避けましょう。
荒れた唇には「細かな傷」ができています。
過度な塩分や香辛料、酸味の強いものなどがしみて刺激するおそれがあるためです。
もし、それらを楽しみたいときは、食事前にリップクリームを塗ると良いでしょう。
リップクリームが唇を保護するため、刺激が軽減されます。
4-2.紫外線を避ける
肌と同じで、唇も紫外線を避けましょう。
日焼けによる唇の炎症は、水分の喪失による乾燥を引き起こしてしまいます。
そのため、唇にも紫外線対策が必要です。
- 唇にも日焼け止めを塗る
- 紫外線カット成分入りのリップクリームを塗る
- 紫外線カット効果のあるマスクをする など
こうした工夫をして紫外線を避けて、唇の乾燥を防ぎましょう。
まとめ
唇にはこんな特徴があります。
- 角質層が薄い=水分をたくわえる力が弱い
- 皮脂膜と汗腺がない=天然のクリームともいわれる皮脂膜が作られない
- 話をしたり、飲食物をして取れやすい
唇は乾燥しやすい部位です。
だから、唇を乾燥から守るために、次の対策を行いましょう。
- リップクリームをする(厚塗りする・こまめに塗り直す)
- 唇を舐めない
- 唇をこすらない
- 唇の皮をむかない
- 口呼吸をやめる
実は私は、これらを無意識にやっていました。
自分の行動を振り返ったときに、唇をなめるクセがあることに初めて気付いたのです。
特に、リップクリームがないときや、食事中に唇についた飲食物をなめてしまっていました。
リップクリームを塗っても唇の乾燥が止まらない人は、ぜひ注意してくださいね。
ただし、唇にかゆみ、痛み、湿疹、ヘルペスなど症状がでている場合は、皮膚科を受診し、医師に相談しましょう。
私は、この4つをやめる意識をすることで、唇が乾燥しにくくなりましたのでおすすめです。
乾燥しらずストレスフリーな唇を目指して、ぜひ、あなたも試してみてください。