化粧品を使用すると、目の周りに腫れなどの症状が出ることがあります。目の周りは皮膚が薄くデリケートなため、敏感になりやすいのです。
そのため、正しい原因と対処法を理解し、肌の本来のバリア機能を健康的な状態に戻していくことが重要です。
そこでこの記事では、化粧品の使用によって、目の周りが腫れる原因と具体的な対処法・予防法を紹介します。
1.化粧品で目の周りが腫れる原因
1-1. 化粧品の成分が肌に合っていない
化粧品を使用すると目が腫れる1つ目の原因は、化粧品に含まれる成分による「化粧かぶれ」です。
化粧かぶれには主に2つの原因があります。
(1)アレルギーによる接触皮膚炎
アレルギーによる接触皮膚炎は、化粧品に含まれる何らかの「成分」が使用する人にとってのアレルゲンだったときに起こるものです。
化粧品を初めて使うものに変えたときに起こることが多く、そのときの肌状態に関係なく症状があらわれます。
アレルゲンとなる成分が含まれた化粧品を使い続けると症状が悪化するため、すぐに使用を中断しましょう。
(2)刺激による接触皮膚炎
刺激による接触皮膚炎は、アレルギーとは違い、肌に「接触したものの刺激」によって誰にでも起こりえるものです。
人間の皮膚には外部の刺激から肌を守るバリア機能が備わっていますが、このバリア機能の許容範囲を超えた強い刺激を受けたときに症状があらわれます。
刺激による接触皮膚炎は、肌の状態によって症状の出やすさが異なります。
肌のコンディションが悪いときやバリア機能が低下しているとき、ムダ毛処理のあとなどは症状が出やすいといわれるため、「いつも使っている化粧品でかぶれた」という場合は、刺激による接触皮膚炎かもしれません。
アレルギーとは
アレルギーとは、ウイルスや細菌から体を守るために備わっている「免疫」という仕組みが何らかの原因により異常を起こし、さまざまな症状があらわれる状態のこと。
花粉症でくしゃみが出る、特定の食べ物を食べて湿疹が出るなどもアレルギー症状の一つです。
アレルギーの原因となる物質のことを「アレルゲン」といいます。
アレルゲンには花粉や動物、食物、ダニ、ハウスダストなど数多くあり、どれに反応するかは人によってさまざまです。
体内にアレルゲンが侵入したとき、これを異物として攻撃・排除しようとして免疫機能が働き、「IgE抗体」という物質が作り出されます。
IgE抗体は皮膚や粘膜に存在する「マスト細胞」にくっつきますが、この状態を「感作」とよびます。
感作が成立しただけではアレルギー症状は出ません。
しかし、感作された状態で再びアレルゲンが体内に入り、マスト細胞上のIgE抗体と反応したとき、マスト細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。
するとアレルギー症状があらわれるのです。
アレルギー反応は、ⅠからⅣまで4つのタイプに分けられています。
I型(即時型)はアレルゲンが体内に入った直後から反応があらわれるもので、花粉症や食物アレルギーなどがこのタイプです。
化粧品かぶれを含む「接触型皮膚炎」は、時間がたってから反応があらわれるⅣ型(遅発型)に分類されます。
参考:二宮皮フ科クリニック「よくある質問集」、日本アレルギー学会「アレルギーを知ろう」、「第1章アレルギー総論」
1-2. 肌への摩擦を与えすぎている
化粧品を使用していて目の周りが腫れる2つ目の原因は、肌への摩擦の与えすぎです。
目の周りの肌は薄く、デリケートになっているため化粧品を使用する際に、目の周りを頻繁に擦るとまぶたが炎症を起こし、腫れてしまいます。
また、化粧水、美容液、乳液、クリームなど、たくさんの化粧品を使用している場合は、どれだけ気をつけていても、目の周りの肌へ触れる回数が増えてしまい、摩擦を与えすぎている可能性があります。
さらに、摩擦によって腫れたまぶたは乾燥しやすくなっているため、正しく保湿できていないと肌のバリア機能が低下し、外部の刺激によって腫れやすくなってしまいます。
2.化粧品で目が腫れている場合の対処法
化粧品で目の周りが腫れる主な原因は次の2点でした。
- 化粧品の成分が合っていない
- 肌へ摩擦を与えすぎている
以下では、これらの原因によって目が腫れてしまった場合の具体的な対処法をご紹介します。
2-1.使用を止めて、すぐに洗い流しましょう
化粧品を使っている間や使ったあとに、肌に赤みやかゆみ、腫れ、刺激などの異常があらわれた場合はすぐに使用を中止しましょう。
肌についている化粧品は、低刺激性の石けんと水またはぬるま湯で洗い流しましょう。
応急処置として、症状の出た部分を水で冷やすのも一つの方法です。
このとき、タオルでこすったり、手で触ったりしないように注意します。
原因だと思われる化粧品の使用を中止しても肌の状態がよくならない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
受診するときは、使用した化粧品と、パッケージなど全成分が表示されたものを持参しましょう。
ただし、化粧品かぶれの原因が、化粧品に含まれる成分そのものではない場合もあります。
季節やホルモンバランスなどの影響、ライフステージの変化などで肌の状態が不安定になって化粧品かぶれを起こしている可能性も考えられるからです。
そのため、診察時には「いつ、どのように症状があらわれたか」を詳しく伝えるのがポイント。
どんな化粧品をいつ使ったかということ以外にも、症状が出たときの体調や食事、使用している薬などについても説明できるようにしておきましょう。
2-2.皮膚科で原因を調べる検査が受ける
かぶれの症状が出たときは皮膚科で相談しましょう。
必要に応じてパッチテストを受ければ、「化粧品が原因かどうか」「どの成分が肌に合っていないのか」が分かる可能性があります。
パッチテストとは、アレルギーや皮膚炎の原因となる物質が何なのか調べるために行う検査です。
具体的には、背中や二の腕の内側に「かぶれの原因だと疑われる物質」をのせたフィルムを貼りつけ、48時間そのままにします。
判定は2日目(48時間後)と3日目(72時間後)、7日後といった具合に複数回行われるのが一般的です。
パッチテスト中は、フィルムを貼っている部分を濡らすと正しい判定ができないため、48時間は入浴や激しい運動などを避けなければなりません。
複数回の受診が必要なこともあって負担も大きいため、パッチテストを行うかどうかは医師に相談して決めるといいでしょう。
なお、パッチテストを実施していない医療機関もあるため、受診の前に確認しておきましょう。
3.化粧品で目が腫れる場合の予防法
ここまで、肌が腫れてしまった場合の対処法について紹介しました。
しかし、最も重要なことは化粧品で目が腫れないための予防策を知ることです。
ここでは化粧品によって目が腫れることを防ぐための具体的な方法を紹介します。
3-1. 自分に合った成分の化粧品を選ぶ
化粧品を使用して肌がかぶれる際は、これまでのご自身のスキンケアを見直しましょう。
自分に合った成分の化粧品で摩擦を最小限にスキンケアを行うことで、
アレルギー反応を引き起こす物質が侵入したり、ささいな刺激で肌がかゆみを感じたりしない、皮膚のバリア機能を健康な状態に戻すことが非常に重要です。
以下に自分に合った成分の化粧品を選ぶための具体的な方法を紹介します。
3-1-1.テスト済み表記を確認する
化粧品の本体やパッケージにある「テスト済み」という表記は、メーカーや販売会社がヒトに対する何らかのテストをし、一定の安全性を確認したという意味です。
テスト済みの表記があってもすべての人に肌トラブルが起こらないというわけではありませんが、化粧品を買う際の参考になるでしょう。
テストには複数の方法がありますが、代表的なものを紹介します。
【パッチテスト】
原料や製品が皮膚に対して刺激性がないことを確認するために行う試験です。
赤みや腫れといった反応を確認し、刺激の程度を判定します。
【スティンギングテスト】
製品を使用したときに、ピリピリ感やかゆみなどの一時的な感覚刺激(スティンギング)がないことを確認するための試験です。
感覚刺激を感じやすい被験者を対象として行われます。
【アレルギーテスト】
ヒトの皮膚に対し、アレルギーを起こさないことを確認する試験です。
【使用テスト】
被験者に、実際の使用方法で一定期間製品を使用してもらう試験です。
使用した部位や全身に問題がないことを確認します。
3-1-2.「全成分表示」からアレルギー成分をチェックする
自分に合わない成分やアレルギー成分が何かわかっている場合は、化粧品を選ぶときに「全成分表示」をチェックして、合わない成分が入っていないか確認しましょう。
化粧品の全成分表示とは、配合されている化粧品原料(成分)を容器又は外箱に記載することで、「医薬品医療機器等法」という法律によって義務付けられたものです。
表示の順番は配合量の多いものからと決まっていますが、 1%以下の成分については順不同で表示できることになっています。
ただし、着色剤の表記は、着色剤以外の成分表示のあとに順不同で記載されます。
また、香料は複数の成分が含まれている場合でも、まとめて「香料」と記載しても差し支えありません。
ここで注意したいのは、化粧品の中でも「医薬部外品」に分類される「薬用化粧品」には全成分表示が義務づけられていないことです。
そのため、薬用化粧品の中には全成分表示がない製品もあります。
参考:独立行政法人国民生活センター「化粧品と医薬部外品の違いは?」
3-1-3.自分の肌に合うかどうかテストする
新しい化粧品を使う前には、自分の肌に合うかどうか実際にチェックすることも大切です。
自宅でできるテストには以下の2つがあります。
- パッチテスト
- 使用テスト
ここでは、それぞれのやり方を解説します。
パッチテスト
簡易的なパッチテストは自宅でも行えるため、初めての化粧品を使う前にはぜひ試してみましょう。
入浴後の清潔な状態の肌で行うのがポイントです。
1日目 入浴後の清潔な肌に、化粧品を上腕内側にぬります。 腕の内側に指で薄く10円玉大に塗り、自然に乾かします。 |
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2日目 約24時間後、ぬった部位をチェックします。 テスト中および2回目の観察時において発疹・発赤・かゆみ・水泡等の異常を感じたら、すぐにテストを中止し、洗い流しましょう。 |
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3日目 さらに24時間後に観察し、テスト部位に何の異常もなければ使用OKです。 |
※注意:
生理中のテストは避けましょう。
生理中は肌の変化が大きく、反応の有無の確認が難しいです。
パッチテストは、生理終了後1週間以上たってから行いましょう。
テストした部分に特に症状が出なければ、その化粧品は使用しましょう。
赤みや腫れ、ブツブツ、かゆみなどが出た場合は肌に合っていない可能性があります。
すぐに洗い流し、使用を中止しましょう。
使用テスト
新しい化粧品を使う前に、顔の一部のやわらかい部分に少量を塗るテストです。
〈使用テストのやり方〉
- 洗顔後、500円玉くらいの大きさを目安に化粧品を塗る
- 異常がなければ、1日2回、同じ部分に化粧品を塗る
- 入浴時に水がかからないように注意しながら、4日間ほど続けて様子を見る
化粧品を塗った部分に異常がなければ、そのまま使い続けていいでしょう。
テストの途中で赤みや腫れ、ブツブツ、かゆみなどの症状が出た場合はすぐに洗い流し、使用を中断しましょう。
また、化粧品アレルギーがある人や肌が敏感で心配な人は、テストの期間を7日に延ばして様子を見るといいでしょう。
3-2. 化粧品による摩擦を減らす
スキンケアで発生する摩擦を最小限にするために、最も重要なことは、使用する化粧品の数を最小限にすることです。
複数の化粧水、導入化粧水、美容液、乳液、クリーム、パックなどなど、複数の化粧品を使用することは、それだけ肌への摩擦を増加させることになります。
肌が健康的で複数の化粧品を使用しても肌があれないのなら良いと思いますが、肌がかぶれている場合、摩擦を最小限にするために使用する化粧品はできるだけ少なくしましょう。
具体的には、洗顔と保湿の2ステップのみのスキンケアにし、使用する化粧品も洗顔と保湿用の2つの基礎化粧品のみを使用しましょう。
目の周りの肌は比較的薄くとても敏感です。化粧品を使用していて目の周りがかぶれる方は、
化粧品の成分や摩擦が原因となっている可能性が高いです。
これまでのスキンケアを見直し、できるだけシンプルなスキンケアを徹底することで、肌のバリア機能を健康な状態に戻していきましょう。
最後に、洗顔と保湿の2ステップのみのスキンケア化粧品をご紹介します。
4.目の周りが腫れる方向け化粧品3選
4-1.アクシリオ シリーズ
アクシリオシリーズは超がつくほどの乾燥肌、敏感肌の社長が開発した、洗顔ゲルと高保湿ゲルクリームです。
洗顔は摩擦を最小限にするためゲルを採用しており、さらに、化粧水、乳液、美容液、クリームの4役を1つで担う高保湿ゲルクリームが肌を乾燥から守ります。
アクアテクトゲル向きの人
- 敏感肌で化粧品のアレルギー成分が気になる人
- 化粧かぶれ後にも使いたい人
- 最小限の摩擦でスキンケアしたい人
上記の方には水分と油分のバランスが良いアクアテクトゲルが向いているかもしれません。
“水分と油分のバランスが重要な理由”
- 水分だけを与えると過乾燥になる場合はある
- バリア機能のサポートができバリア機能の回復に役立つ
アクリシオシリーズは「低刺激」と「高保湿」の両立を可能にした、基礎化粧品です。
一般的な手軽さのみを追求したオールインワン化粧品と異なり、アクアテクトゲルは保湿効果を追求した結果、偶然にもこれ一本で肌がうるおった状態を長時間持続する効果的な保湿を実現することができるようになりました。
基本的なパッチテストやアレルギーテスト、スティンギングテスト等を行っており、敏感肌やアレルギー成分が気になる人にも。
化粧品を使用すると目の周りのが腫れてしまう方はぜひ1度ご自身の肌に合うかお試ししてみてはいかがでしょうか。
\初回550円で自分に合うか試してみる!/
4-2.SENN
SENNは「減らす美容」を体感いただきたいという想いから、「落とす」、「整える」を叶える2ステップスキンケアを提案しています。
SENNが提供する商品にはそれぞれ以下の働きがあります。
■FLAT SKIN CLEANSE & WASH
クレンジングと洗顔を同時に叶え、オイル残りもなくすっきりと洗い流せるため、ダブル洗顔が必要ありません。 洗顔を一度にすることで、肌脂質の落としすぎを防ぎ、一本で丁寧な「シングル洗顔」を実現します。
■WATER OIL BALANCER
化粧水、美容液、クリームの機能を1本でかなえる、二層式オールインワン美容液。 肌質と肌悩みに合わせた3種には、油分・水分・美容成分をそれぞれ最適バランスで配合しています。
参考・出典:SENN
4-3. MyLee化粧品
MyLee化粧品は、成分に妥協せず敏感肌でも使える化粧品を。というコンセプトのもと、
超敏感肌の代表取締役自らが試行錯誤を繰り返し開発した、オリジナルブランド化粧品で、
洗顔+オールインワン化粧水の2ステップケアを実感できます。
洗顔 ▶マイリーソープ
厳選された高品質の食用オイルを使用。昔ながらの伝統的釜炊き製法でゆっくり時間をかけて熟成・固形化させた手作り無添加石鹸です。
ぬるぬると溶けたり形が崩れないので最後まで使いきる事ができます。泡立ちがよく、しっとり洗いあげます。赤ちゃんのお肌にも使用可能です。ご出産祝いなどプレゼントにも。
無香料、無着色
保湿 ▶エナジーローション
お肌に必要な水分と栄養の補給がこれ1本でOK。コットンは不要。マイナスイオン水をベースとし、オイルフリーの化粧水ですのでベタベタしません。
無香料、無着色
参考・出典:MyLee化粧品
5. 化粧品で目の周りが腫れることに関してよくある質問
5-1. 化粧品かぶれの見分け方は?
化粧品かぶれは「接触性皮膚炎」と言われかゆみや赤み、腫れが出ます。
アレルギー性の場合は、特定の成分を含む化粧品を使用した部分に繰り返し症状が現れます。
化粧品を使用しかゆみや赤み、腫れが出た場合は化粧品かぶれの可能性を考えましょう。
5-2. 化粧品アレルギーが出やすい成分は?
化粧品かぶれの原因となる成分にはさまざまなものがあります。
アレルゲンは人によって違いますので、「かぶれを起こしやすいのはこれ」となかなか言い切れません。
水や保湿剤、洗浄剤などが原因になることもあれば、香料をはじめとする添加物などもあります。
美白成分や紫外線カット剤が原因となることがあります。
「無添加化粧品」を選んでいても、かぶれることがあるのはこういう理由です。
5-3. 化粧品に合わない成分が入っているか調べる方法は?
「全成分表示」をチェックして、合わない成分が入っていないか確認しましょう。
自分に合わない成分が明確にわからない場合は、パッチテストを行いましょう。
化粧品の全成分表示とは、配合されている化粧品原料(成分)を容器又は外箱に記載することで、「医薬品医療機器等法」という法律によって義務付けられたものです。
まとめ
もう一度、アレルギーが心配な人でもトライしやすい化粧品ブランドを3つ紹介します。
ブランド名 |
特徴 |
|
1 |
・「低刺激」と「高保湿」の両立 |
|
2 |
・敏感肌用の化粧品 |
|
3 |
・ミネラルコスメが中心 |
化粧品によって肌トラブルが起きた場合、アレルギーまたは刺激が原因で化粧品かぶれを起こしている可能性があります。
化粧品による肌トラブルを防ぐためには、以下のことが大切です。
- 化粧品を使って異常があらわれた場合、すぐに使用を中止して皮膚科を受診する
- 自分に合わない成分を知るために、皮膚科でパッチテストを受けるのも一つの方法
- 初めての化粧品を購入するときは、全成分表示や「テスト済み」表記を確認する
- 初めての化粧品を使う前に、自分の肌に合うかどうかチェックすると安心
- アレルギーの人でもトライしやすい化粧品ブランドを知っておく
この記事を参考に、自分の肌に合う化粧品の選び方を知り、トラブルのないすこやかな肌を目指しましょう。
化粧品かぶれを起こしやすい人の中には、何らかのアレルギーをお持ちの方もいらっしゃることと思います。
一般社団法人日本アレルギー学会が発表している「患者さんに接する施設の方々のためのアレルギー疾患の手引き」です。
この記事を書くにあたりアレルギーについて調べている中で、「アレルギー全般を網羅しており、これはわかりやすい!」と思ったアレルギーに関するマニュアルです。
成人から子供のアレルギー、アトピー性皮膚炎などについても書かれているため、日々気を付けることなどの参考になると思います。