ワセリンの保湿効果と肌質別の使用方法・注意点│化粧品との使い分け

ワセリン保湿効果の違いと肌質別の使用方法・注意点

ワセリンはとても優秀な保湿剤です。
しかも、ドラッグストアや薬局で手軽に買えて、コスパも抜群!
1つ持っておくと、とても便利です。

でも、使い方には注意点があります。
それは、ワセリンだけでは肌にうるおいを与えられないので、化粧水や乳液などの基礎化粧品と一緒に使うのが最適だということ。

ワセリンで行う「保湿」と、基礎化粧品で行う「保湿」とは、意味が異なるのです。
ですから、「基礎化粧品」+「ワセリン」が、保湿効果を一番活かせる使い方なのです。

この違いを理解して使わなければ、ワセリンは、かえって肌を乾燥させてしまい、とてももったいないです。

この記事では、

  • ワセリンの保湿効果
  • 基礎化粧品の保湿との違い
  • ワセリンの保湿ケアが向いている人
  • ワセリンを活かした保湿ケアの方法

について、解説します。

記事を参考にして使えば、ワセリンは保湿ケアの心強い味方になります
化粧品代や時間を節約したシンプルケアにも役立ちます。

「ワセリンだけで保湿ができたら、スキンケアがシンプルになっていいな。」
「ワセリンは保湿力が高いって聞くけど、保湿クリームとどっちがいいんだろう?」
「ワセリンで保湿ケアにするにはどうすればいい?」

このように思っている方は、この記事を読んで、ワセリンケアをぜひ実践してください。


1.ワセリンは「守る」保湿。基礎化粧品は「与える+守る」保湿

ワセリンは、数ある保湿剤の中でも、とりわけ閉塞性(水分を閉じ込めるはたらき)が高いです。
そのため、肌の水分蒸発を強力に防ぎます

しかし、水分を与える作用はありません

これが、基礎化粧品を使った保湿との大きな違いです。

この違いを理解して、保湿を行いましょう。

1-1.ワセリンは「水分を守る」だけ。ただし効果は高い!

保湿を行うための製品(保湿剤)は、その「保湿の仕方」で2種類に分けられます。

保湿の仕方 具体的な作用 保湿剤の例
水分を与える 角質層に直接水分を供給するため速攻性がある
  • ヘパリン類似物質、グリセリン、尿素、ヒアルロン酸等を含む製剤
  • 化粧水
  • 乳液
水分を守る 皮膚の表面を覆って、水分が蒸発するのを防ぐ
塗布直後に角質層の水分は増えないが、徐々にたまっていき、肌の水分量が増える作用がある
  • ワセリン・ミネラルオイル・オリーブオイルなどを含む製剤
  • 保湿クリーム
  • 美容オイル

参考:東北大学大学院 皮膚科 菊地克子氏「外用剤を知り皮膚外用療法の達人を目指す 保湿剤・防護剤

「水を守る」保湿剤の中でも、ワセリンは特にその効果が高いです。

一方で、肌に水分を与える作用はありませんので、その点は忘れないようにご注意ください。

オリーブオイルの170倍、水分の蒸発を抑える効果がある。
Among all petroleum jelly is one of the best moisturizers having a water vapor loss resistance 170 times that of olive oil

ミネラルオイル・ラノリン・シリコンが、水分蒸散量を20~30%抑えるのに対して、98%以上抑える作用がある。
Petrolatum in a minimum concentration of 5% reduces TEWL by more than 98% followed by lanolin, mineral oil, and silicones which only reduce TEWL by 20–30%.

引用:US National Library of Medicine Dr. Anisha Sethi
From the Department of Skin and S.T.D, DMCH, Ludhiana, Punjab, India「Moisturizers: The Slippery Road

1-2.基礎化粧品は「水分を与える+守る」(ただし守る力は弱い)

化粧品は、複数の種類を使用することで、「水分を与える」「水分を守る」の両方を行います。

ワセリンと同じ「水分を守る」役割は、保湿クリームや美容オイルが担っています。
しかし、守る効果はワセリンより弱いです

<ワセリンで行う「保湿」と、基礎化粧品で行う「保湿」との違い>

ワセリンで行う保湿
  • 水分を守る(強い)
基礎化粧品で行う保湿
  • 水分を与える
  • 水分を守る(強くない)

1-3.ワセリンの保湿効果が一番発揮されるのは、「化粧水・乳液と一緒に使ったとき」

<ワセリンの保湿効果が一番発揮される方法>

  1. 化粧水や乳液などの基礎化粧品で、まずたっぷりの水分を与える
  2. その後、ワセリンでフタをする

ワセリンは、化粧水や乳液などの基礎化粧品と一緒に使いましょう

水分を与える働きがないため、水分が少ない状態でワセリンを使えば、肌は水分不足のままです。

しかし、肌にたっぷり水分がある状態で使うと、肌のうるおいをしっかりキープできます


2.ワセリンは「守る」効果が高いので、こんなときにも使える

単体では保湿ができないワセリン。
でも、「守る」ケアにはとてもおすすめです。

具体的には、次のような場合に使用できます。

  1. 肌荒れ・化粧かぶれ・敏感肌などで、基礎化粧品が一切使えないとき
  2. 肌が乾燥しやすい環境で過ごすとき
  3. スキンケアをシンプルにしたいとき

2-1.肌荒れ・化粧かぶれ・敏感肌などで、基礎化粧品が一切使えないとき

ワセリンは、肌トラブルがあり、基礎化粧品が一切使えないときのスキンケアに最適です。

ワセリンには、アレルギー反応の割合が非常に低いという特長があります。
そのため、化粧かぶれや肌荒れで、基礎化粧品が使用できない場合にも、使える可能性が高いです

また、外部の刺激を防ぐ力が強いため、バリア機能が低下した肌を守ってくれます。

肌が落ち着くまではワセリンを使い、刺激と肌の乾燥を防ぎましょう。

まぶたや目の周りにも安全に使用できます。
肌トラブルが起こっているけど、基礎化粧品が使える場合には、化粧水や乳液などで保湿をしてから、ワセリンを塗りましょう

肌の水分を守ってくれるため、敏感になった肌の回復を早められます。

化粧かぶれ中のスキンケアについては、「化粧かぶれが起こったときの対処法と、早く元に戻すための2ステップ」もあわせてご覧ください。

2-2.肌が乾燥しやすい環境で過ごすとき

アウトドアやスポーツ・スキー場・野外活動・夜眠っている間など、長時間、基礎化粧品を使えないときには、ワセリンを薄く塗っておきましょう

水分蒸発を防ぐ強い力のおかげで、肌のうるおいを長時間キープできます。

基礎化粧品が使える状態になったら、薄めた石けんや洗顔料でワセリンを落とし、その後、化粧水や乳液でたっぷり水分を与えましょう。
そして、そのあとに再度、ワセリンで与えた水分を守りましょう。

2-3.スキンケアをシンプルにしたいとき

「基礎化粧品の数を減らして、スキンケアをシンプルにしたい!」という場合には、油分の多い基礎化粧品(保湿クリームや美容オイル)をワセリンに置き換えましょう。

油分の多い基礎化粧品(保湿クリーム・美容オイルなど)の役割は、水分蒸発を防ぐことです。

ワセリンは、保湿クリームやオイルよりも強力に水分蒸散を防ぎます

ただし、ベタベタした使用感がデメリットです。
肌状態や目的に合わせて、選びましょう。

ワセリンのデメリット

ベタベタとした使用感が、ワセリンの最大のデメリットです。
この使用感のために、以下のような不便さがあります。

  • スキンケア後の化粧がしにくくなる
  • 見た目がテカテカする
  • 触ると手につく

使い勝手が悪い場合には、

  • 日常的には保湿クリームを使う
  • 肌が荒れているときや、特に乾燥しやすい環境で過ごすときにはワセリンを使う

というように使い分けがおすすめです。


3.ワセリンを使った保湿の注意点

「水分をたっぷり与えてから塗る」の他に、ワセリンを使う場合には、次の3つの点に注意しましょう。

3-1.手で温めてから塗りましょう

ワセリンは、伸びが良くありません。
そのまま塗ろうとすると、肌の上で摩擦を起こしてしまいます。

乾燥肌や敏感肌には刺激となります。

塗る前に手の平で温め、柔らかくしてから塗りましょう

黄色ワセリンよりも白ワセリンやサンホワイトのほうが、柔らかく、塗りやすいです。(詳しくは、第4章をご覧ください)

3-2.指で伸ばすよりも、ポンポンとスタンプ塗りをしましょう

伸びが良くないため、塗り方も工夫しましょう。

基礎化粧品のように塗り広げるよりも、ポンポンポンと軽く叩くようにすると塗りやすいです。
私たちはこの塗り方を「スタンプ塗り」と呼んでいます。

手指の中でも一番やさしい「指の腹」でポンポンと塗り広げると、刺激が少ないのでおすすめです。

また、「肌が敏感になっている」という場合には、こんな塗り方もあります。

<肌が敏感になっている場合>

  1. 手の平にワセリンを塗り広げる
  2. 手の平全体で顔を覆い、手のひらの体温で浸透させるように塗る

こうすることで、肌への刺激を最小限にして塗れます。
敏感肌の方や肌状態が不安定なときにはおすすめの塗り方です。

3-3.ニキビができやすい肌質の場合は、少量を使用する

ワセリンの代名詞である商品「ヴァセリン(ユニリーバ)」は、「ヴァセリンはニキビのもとにはならない(ノンコメドジェニック)」と説明しています。

一方、アメリカ皮膚科学会は、「ニキビができやすい肌質の場合は、ワセリンの使用を控えること」をすすめています。

つまり、ワセリンを使用しても、ニキビの元となる「コメド」はできにくい。
しかし、すでにニキビがある場合や、ニキビができやすい肌状態の人にとっては、ワセリンの使用はニキビの悪化につながる可能性がある、ということ。

ですから、すでにニキビがある人やできやすい自覚がある人は、ワセリンは少量の使用をおすすめします。


4.ワセリンを使った保湿ケアのよくある質問

この章では「ワセリン」に対する疑問・質問にお答えします。

Q.そもそもワセリンを顔に使っても大丈夫ですか?

A.はい、大丈夫です。

ワセリンを顔に使っていい理由は、以下の通りです。

  • 薬効作用はない
  • 安全性が高い
  • アレルギー反応が起こりにくい

「薬」じゃないの?

薬効作用は一切ありません。
安全性が高いため、薬を薄めたり、塗りやすくするための「基材」としてよく使用されます。

石油じゃないの?

「石油」由来の成分ですが、石油の性質は一切持ちません。

きちんと精製を行い、不純物が取り除かれているためです。
その他の多くの薬や化粧品成分と同様です。

アレルギーは起こらない?

もともと医療用に開発された製品で、特にアレルギーが起こりにくい性質を持っています。

パッチテストをしましょう

ただし、どんな安全な成分にも、まれにアレルギーを持つ体質の方はいらっしゃいます。

心配な場合は、事前にパッチテストを行いましょう。

Q.ワセリンで保湿をしているときは、どのように洗顔するべきですか?

A.クレンジングや洗顔料を使って落としましょう。

ワセリンは、水をはじく作用がとても強いです。
そのため、水やぬるま湯洗いでは落とせません。

また、他の油性成分より程度が低いとはいえ、肌に長時間乗せておくと酸化していきます。

朝晩の洗顔を行うタイミングで、きちんと落とすことをおすすめします。

Q.ワセリンは顔以外の保湿にも使えますか?

A.はい、次の保湿ケアに使えます。

  • 手足

Q.保湿ケアには、どんなワセリンがいいですか?

A.品質と価格のバランスが良いのは「白色ワセリン」です。

さらに安全性・安定性を望む場合は「サンホワイト」をおすすめします。

ワセリンは、その精製度によって4つに分けられます。

精製度が高いものほど、

  • 酸化しにくい
  • 低刺激
  • 使用感が良い

と変化していきますが、保湿効果に大きな違いはありません。               

ワセリンの種類と精製度

ワセリンの特徴と値段

いずれも薬局やドラッグストアで購入ができます。
乾燥肌・敏感肌の日常的なケアや軽度な化粧かぶれであれば「白色ワセリン」でも十分です。

肌状態に合わせて、選びましょう。


まとめ

ワセリンは、「水分を守る」という点で、とても優れた保湿剤です。

化粧水や乳液などで水分を与えてから塗ると、ワセリンの特性を生かせます

また、肌への刺激がとても低いため、肌荒れや化粧かぶれで基礎化粧品が使えないときの保湿にも使えて便利です

ワセリンの特徴と肌状態に合わせて、うまく活用しましょう。

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