尿素はよくハンドクリームやボディクリームなどに配合されています。本ブログでは、尿素クリームの正体から効果的な使用法まで、尿素に関する幅広い情報を詳しく解説します。使用の注意点なども紹介するので、尿素クリームを使用している方や、使用を検討している方はぜひ読んでみてください。
尿素クリームの正体と役割 – 尿素とは何か?
尿素は、化学的には「CO(NH2)2」という式で表される有機化合物で、主に動物の肌や尿などに存在する成分です。様々な用途に利用されています。
尿素の生成メカニズム
体内では、たんぱく質が分解される過程で尿素が自然に作られます。この反応は窒素代謝の一部であり、最終的には尿として体外に排出される重要な成分です。そのため、尿素は私たちの身体において欠かせない物質となっています。
皮膚における尿素の役割
尿素の配合濃度によって、得られる効果が異なります。
尿素濃度 |
作用 | ||
低:10% | 保湿 | 角質軟化 | – |
高:20% | 保湿 | 角質軟化 | 角質除去 |
保湿
尿素は皮膚表面に存在する天然の保湿因子(NMF)の構成要素の一つであり、水分を引き寄せる性質を持っています。皮膚が水分を効果的に保持することを助ける一方で、角質層の水分不足を根本的に解決することはできません。
角質軟化
尿素にはタンパク質を溶かす性質があり、かたくなった角質をやわらかくする効果があります。この角質軟化の効果は、肌のカチカチ・ゴワゴワを改善するため、スキンケア製品、特にハンドクリームやボディクリームに配合されることがあります。
角質除去
高濃度の尿素(20%)は肌表面の古い角質を溶解させ、除去する効果が高いです。ピーリングと同じような作用があるため、肘・膝の黒ずみケアなどに活用されることがあります。刺激性が強くなるため、乾燥が激しい状態や炎症が存在する状態では使用しないようにするべきです。
一見、尿素クリームは素晴らしい効果ばかりのように思えますが、デメリットもあります。
尿素クリームを使うリスク・デメリット
尿素クリームは非常に人気がありますが、使用にはリスクやデメリットも存在します。このセクションでは、尿素クリームを使用する際に考慮すべきポイントを詳しく解説します。
肌のバリア機能の低下
尿素の特徴的な「角質柔軟作用」によって、硬くなった角層を柔らかくすることが可能です。しかし、この作用は尿素が角質を溶かすことによって起こるものであり、過剰な使用はターンオーバーを過度に早めてしまう恐れがあります。肌のターンオーバーとは、皮膚の表面を覆う表皮層で起こる新陳代謝のプロセスのことです。周期の乱れによる影響は以下の通りです。
- 周期が正常(約28日):若く健康な角質が肌表面に移動し、美しい肌をつくる
- 周期が長すぎる:古い角質が肌表面に残り、くすみやごわつきが目立つようになる
- 周期が短すぎる:未熟な角質が肌表面に押し上げられ、ニキビや乾燥肌・敏感肌を引き起こす
このようにターンオーバーの周期が短くなると、未熟な細胞が強制的に表面に押し上げられ、肌のバリア機能が低下してしまいます。
強い刺激による肌トラブル
配合濃度が高いクリームには角質除去の効果が期待できる一方で、刺激が強くなります。特に敏感肌やアトピー性皮膚炎、深刻な乾燥肌の方にとっては、刺激が強すぎるため、不適切な可能性が高いです。以下のような症状が出る可能性があります。
- ヒリつき
- 赤み
- かゆみ
肌状態によっては、上記のような肌トラブルのリスクがあることを理解しておきましょう。
子供への使用制限
尿素クリームは年齢によって使用制限があるため、特に注意が必要です。以下のような使用制限が設けられています。
- 濃度10%以上の製品:3歳未満は使用禁止
- 濃度20%以上の製品:15歳未満は使用禁止
子供の肌は敏感であるため、成人用製品を使用する際は慎重さが求められます。この点をしっかりと理解して誤使用を防ぐことが重要です。
水分不足・乾燥
多くの尿素クリームを使用すると、一時的にはしっとりとした感触がありますが、時間が経つと再び乾燥を感じることがあります。これは、その尿素クリームの保湿効果が不足していることを意味します。
尿素には皮膚が水分を効果的に保持することを助ける役割がありますが、尿素が含まれているからといって、角質層の水分量自体を増加させるわけではありません。製品によりますが、塗った瞬間はしっとりしているように感じても、肌内部の水分不足(乾燥)を根本解決できない可能性があります。「尿素配合=保湿効果が高い」とは限らないのです。(▶おすすめの高保湿ゲルをチェック)
このような尿素クリームのリスク・デメリットを正しく理解したうえで、使用を検討しましょう。
尿素クリームを使わない方が良い人・部位
尿素クリームには前述のようなデメリットがあります。使用しない方が良い人・部位について紹介します。
使わない方が良い人
以下のような肌状態の人は尿素クリーム(特に高濃度のもの)の使用は控えた方が良いでしょう。
敏感肌
敏感肌とは、肌のバリア機能が低下し、刺激に非常に敏感な状態を指します。原因は様々で、遺伝や誤ったスキンケアなどがあげられます。尿素が肌に刺激になる可能性があるため、使用には気を付けましょう。特に高濃度の尿素クリームは、赤みやヒリつきなどの症状が現れる可能性が高いため、使用を控えましょう。(関連記事:敏感肌とは│敏感肌の症状や原因、根本的な対処法について徹底解説)
ビニール肌
ビニール肌とは、一見ビニールのようにツヤツヤして見えますが、角質層が薄く・もろくなった深刻な肌荒れ状態を指します。原因は主に過剰なスキンケアで、例えば角質ケア・毛穴ケア・医療美容などのやりすぎがあげられます。美意識の高い方にも意外と多い肌状態です。すでに角質が薄く・もろいビニール肌に、尿素の角質を溶かす作用が働いてしまうと、肌のバリア機能がますます低下してしまいます。(関連記事:ビニール肌とは?【診断シート付】原因や治し方、おすすめスキンケアを紹介!)
使わない方が良い部位
以下のような部位には尿素クリーム(特に高濃度のもの)の使用は控えた方が良いでしょう。
顔
顔は体に比べると、皮膚が薄いです。顔用のフェイスクリームに高濃度尿素が配合されることはほぼありません。低濃度であれば、化粧水などにも尿素が配合されていることがあります。尿素配合のボディクリーム・ハンドクリームを、独自の判断で顔に使用すると、肌トラブルを引き起こす可能性があるため、やめておきましょう。
傷口
ひび割れなどの傷口に尿素クリームを塗ると、染みて傷むことがあります。使用して痛みが我慢できない場合は、すぐに洗い流して、様子を見ましょう。
これらの人・部位は尿素クリーム(特に高濃度のもの)を使用することはおすすめできません。心配な場合は、皮膚科を受診し、使用の可否を確認してみましょう。
尿素クリームの効果的な使い方
尿素クリームは、その特徴を活かして正しく使用することで、より高い効果を期待できます。ここでは、効果的な使用法について詳しく説明します。
適切な使用タイミングを選ぶ
尿素クリームは、特定の肌の状態で特に効果的です。例えば、以下のような症状の場合があげられます。
- 硬くなった角質: かかとやひじなど、カチカチ・ゴワゴワと固くなった部位に最適です。
- 剥離しそうな角質: 古い角質が肌表面に存在している時も、尿素の柔軟効果が役立ちます。
ただし、肌が敏感であったり、炎症を起こしている場合は、使用を控えることが大切です。
短期集中のみ使用する
高濃度尿素クリームは、ターンオーバーの乱れを引き起こす可能性があるため、長期間の使用は避けるべきです。カチカチ・ゴワゴワの改善が見られれば、別の高保湿アイテムに乗り換えましょう。高保湿・低刺激で毎日安全に使用できる保湿アイテムがおすすめです。(▶おすすめの高保湿ゲルをチェック)
常に肌の状態を見守る
尿素クリームを使用する際は、自分の肌の状態をよく観察することが大切です。まず、使用前にパッチテストを行いましょう。何か問題が起こったり、心配な点があれば、直ちに使用を中止し、専門家に相談しましょう。特に敏感肌、アトピー性皮膚炎、深刻な乾燥肌の方は注意が必要です。
適切な量を維持する
尿素クリームの使用量も重要です。少量でも十分な効果があるため、過剰に塗らないように心がけましょう。特に尿素の配合濃度が高い場合は、厚塗りには注意し、肌に負担をかけないようにすることがポイントです。
尿素クリームに頼らない保湿
肌の乾燥や荒れを防ぐためには、尿素クリームに依存するのではなく、毎日の保湿を行うことが重要です。尿素が配合されているからといって、必ずしも保湿力が高いとは言えません。正しい保湿とは、肌に水分・油分をバランスよく与えることです。
日常的な保湿には「アクアテクトゲル」がおすすめです。
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高保湿なだけでなく、低刺激で安全なので、毎日のケアに使用できます。肌の乾燥やごわつきなどが気になる方におすすめです。特別価格550円(税込・送料無料・プレゼント付き)でお試しいただけます。
よくある質問
尿素クリームは保湿効果が高いですか?
尿素には水分を引き寄せる性質があります。しかし、尿素が配合されているクリームのすべてが保湿効果が高いとは限りません。保湿効果を得たい場合は、成分に注目するだけでなく、肌に水分・油分をバランスよく与える必要があります。
尿素クリームを長期的に使用するのはよくないのですか?
尿素クリームの長期使用は避けるべきです。高濃度の尿素は角質を過剰に軟化させ、肌のバリア機能を損なう可能性があります。適切な使用期間を心がけ、その後は他の保湿成分のクリームに切り替えるのがよいでしょう。
尿素クリームは敏感肌には使えないのですか?
敏感肌の方は、尿素クリームの使用に注意が必要です。高濃度の尿素は刺激が強く、かえって肌の炎症を引き起こす可能性があります。濃度が低めの製品や、セラミドなどの保湿成分を重視した製品の方が敏感肌向けです。肌の状態を見極めながら、慎重に使用することが大切です。
尿素クリームは手荒れに効果がありますか?
カチカチ・ゴワゴワと手肌が硬くなっている場合は、尿素クリームが効果的です。一方、乾燥が原因で手が荒れている場合は、肌に水分・油分・保湿成分をバランスよく与えられるクリームが効果的です。(参考記事:【最強】手荒れにおすすめの市販ハンドクリーム26選|ひび割れ・あかぎれを解消したい方必見)
尿素クリームはかかと割れに効果がありますか?
尿素配合のかかとクリームは、硬くなったかかとを柔軟にする効果が期待できます。(参考記事:【最強】かかとクリームおすすめランキング16選|ガサガサからつるつるを目指す)
尿素クリームは肘・膝の黒ずみに効果がありますか?
タンパク質を分解する尿素の働きを利用して古い角質を溶かすことができます。肘・膝など角質層が硬くなって、黒ずんでいる場合は、尿素クリームを使用したお手入れが効果的です。敏感肌の方や尿素が肌合わない方には、刺激を与えない「ピーリングゲル」の使用がよりおすすめです。
まとめ
尿素クリームは人気の製品ですが、適切な使用方法や注意点を理解することが重要です。肌の状態に合わせて使い分け、短期間の集中的な使用がおすすめです。