シワ、クマ、くすみ、たるみ、乾燥……。
目の周りは皮膚が薄いためトラブルが現れやすく、また目立ちやすい場所ということもあり悩みはつきないものです。
そこで気になるのがアイクリーム。
「せっかく買ったのだから正しく使いたい」
「より効果が出るように使いたい」
という人もいれば、
「どのタイミングで使えばいいかわからない……」
「使ってもなかなか効果を実感できない……」
という人もいることでしょう。
アイクリームは、スキンケアアイテムとして人気はあるものの、正しく使われることが少ないアイテムでもあるようです。
当メディアを運営する株式会社アースケアでもアイクリームがありますので、「今までアイクリームで効果を感じたことがないけど、そちらの商品は効果がありますか?」「一日何回使えば効果的ですか?」など、細かく質問が寄せられます。
「思うような効果が得られない」と思っている方が意外に多いことがわかります。
そこで、この記事ではアイクリームについて、正しい使い方やよくある質問をまじえて解説します。
アイクリームを効果的に使うための参考にしてくださいね。
1.アイクリームを使う理由
乾燥や疲労などが現れやすい目もと(目の周り)。
近年では、PCやスマホの使用時間が増えたことで目を酷使し、目の周り、そして目そのものも乾燥や疲労が悪化しています。
また、目もとの肌が乾燥した状態でまばたきすると、シワの原因になるといわれています。
目薬をさして目の乾燥や疲労をやわらげるだけでなく、目の周りのケアも行ないましょう。
1-1.目の周りの皮膚の構造
目の周りの皮膚は、他の部位と比べて約3分の1程度ととても薄く、厚さが約0.02mm程度です。
皮膚が薄いということは、細胞の数が少なく、細胞が保つ水分も少ないということでもあります。
さらに皮脂腺も少ないため、肌を覆って水分蒸発を防ぐ皮脂もあまり分泌されません。
目もとの皮膚がデリケートなのは、肌のうるおいを守りながら刺激から守る「バリア機能」が低いためだといえます。
そのように乾燥しがちで、かつよく動かす部位でもある目の周り。
まばたきはもちろん、眠くて目をこすったり、アイメイクをゴシゴシと力を入れて落としたりするのも、シワや乾燥などのトラブルを悪化させる原因となります。
目の周りが気になってきたら、他の部位よりもさらに保湿回数を増やすなど、保湿の工夫をしましょう。
1-2.そもそもアイクリームとは
アイクリームとは、目もとの悩みである乾燥や、乾燥が招く小ジワやくすみなどのケアに特化したアイテムのこと。
なめらかで目もとの肌に負担をかけることなくなじむテクスチャーで、特に乾燥しがちな目の周りの肌にうるおいを与えます。
また、加齢とともに現れがちなたるみやシワに働きかけるので、早めのエイジングケアにも向いています。
シワになりやすい部位にしっかりアプローチするように設計されたアイテムなので、顔全体に使うよりは、目の周りの集中ケアにのみ使うのがいいでしょう。
細かな手順や使い方は後述しますので、あわせて参考にしてください。
目もとのケアアイテムには、クリームタイプのほか、目もと専用美容液(アイセラムの名称で呼ばれることもあります)や目もとパックシートなどもあります。
テクスチャーや形状などそれぞれが異なるので、目的や使いやすさなどで選び、正しい手順と使用法で活用しましょう。
アイクリームは化粧品
ここで注意しておきたいのが、「アイクリームは化粧品であり、医薬品(薬)ではない」ということ。
肌の悩みを「治療する」ものではないのです。
現状では、化粧品における目もとの悩みへの効果の範囲は、
「乾燥による小ジワを目立たなくする」
「肌にハリを与える」
などに限定されています。
また、クマに悩んでいる人が乾燥や小ジワ、たるみなどの悩みを抱えていることから、これらの悩みが目もとをくすませていると考えられているものの、クマやくすみができる理由について明確なエビデンスがないという状況でもあります。
そのため、アイクリームを選ぶときはまず「保湿」「ハリ」を重視し、この2つにアプローチする成分を配合したものを選ぶといいでしょう。
乾燥した肌をしっとり整えるには、1gあたり約6ℓもの水分を保持できるといわれているヒアルロン酸や、コラーゲンの生成を助ける役割もある保湿成分レチノール(ビタミンA)配合のものがおすすめです。
2.アイクリームを使うタイミング
使い方が難しいと思われがちなアイクリーム。
「他のスキンケアアイテムと併用しても大丈夫?」
「スキンケアの手順の中で、どのタイミングで使ったらいいかわからない」
と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
まずは、スキンケアアイテムそれぞれの性質を理解したうえで、アイクリームを使うタイミングについて確認していきましょう。
2-1.スキンケアアイテムの性質
スキンケアアイテムそれぞれの性質を知れば、どのような手順で使えばいいのかがわかります。
基本的に、まず水分の多いアイテムをなじませて肌にうるおいを与え、少しずつ油分の多いアイテムをプラスして肌をなめらかに整えながら水分が蒸発するのを防ぐ、と覚えておいてください。
アイテムを、水分の多いものから油分の多いものへと順に挙げると、下記のとおりです。
<化粧水>
洗顔時に失われた水分を肌に補うもの。
水分を補給することで、その後に使うアイテムの浸透をよくする役目もある。
<美容液>
セラムやエッセンスなどとも呼ばれることもある。
肌に美容成分を与える。保湿や美白、シワ対策など目的によって使い分けられる。
<ジェル>
肌に美容成分を与える。さっぱりとした使用感が特徴。
高保湿商品だと、これ以外は何も必要がないという効果も。
<乳液・クリーム>
肌に油分を与え、水分を閉じ込めるもの。
クリームのほうが油分を多く含むため、乾燥気味の肌にはクリームがおすすめ。
<オイル>
肌に油分を与え、水分を閉じ込めるもの。乾燥肌の人におすすめ。
化粧水の後だと肌なじみがよくないため、併用するアイテムや順番に注意が必要。
2-2. アイクリームは化粧水の後に使う
目の周りに使用するアイテムは、アイクリームのほかにアイセラム(目もと美容液)やパックシートなどがあります。
いずれも目もとの肌に美容成分を与えることを目的としており、基本的には化粧水で肌を整えた後に使用します。
ただ、保湿を重視していて油分を多く含むアイクリームやアイセラムをなじませる場合は、使用後に乳液やクリームを重ねる必要はありません。
自分の肌に合うように使うことが大切
メーカーによっては、スキンケアをラインで揃えて使用することで効果を発揮できるよう、美容成分を各アイテムにバランスよく配合しているものがあります。
説明書でもそのように推奨している場合がありますが、すべての人の肌にとってそれが100%正解、というわけではありません。
目もとの乾燥が気になるなら、セラムではなく油分の多いクリームタイプを選んで使う、アイクリームを使った部分にはそれ以上クリームやオイルなどを使わない、乾燥がひどい場合には少しだけプラスする、など、自分の肌と相談しながら使い続けていくことが大切です。
3.アイクリームの正しい使い方
クリームをどの順番で使えば良いかがわかったところで、次に正しい使い方についてご紹介します。
- 塗る範囲
- 塗る回数(頻度)
- 塗り方
- 注意点
を解説しますので、実際に使う際参考にしてください。
3-1.アイクリームを塗る範囲
アイクリームは、シワやくすみが気になる目の下だけでなく、目の上・目尻を含めた目の周り全体になじませましょう。
「メガネやゴーグルなどで隠れる範囲」が望ましいといわれています。
シワが寄りやすい目尻には、特に丁寧になじませましょう。
塗るときのコツは後述します。
3-2.アイクリームを塗る回数(頻度)
アイクリームの説明書に記載がなければ、毎日のスキンケアに取り入れましょう。
面倒がらず、継続してお手入れするのがポイント。
うるおいとハリをしっかり与え、目の周りの乾燥やたるみ、くすみを防いでください。
「ちょっと気になる」程度であれば、夜のお手入れに取り入れる程度でいいでしょう。
ただ、スペシャルケアとして「週に◯回の使用」と書かれているものがあるので要注意。
アイクリームだけでなく、美容液やパックシートなどのタイプでケアする場合にも、頻度について記載されている場合があります。
商品に同封されている説明書をよく読み、正しく使ってください。
3-3.アイクリームの正しい塗り方
アイクリームの正しい塗り方をご説明します。
「塗る」というより、もっとやさしく「なじませる」という表現のほうが適している表現かもしれません。
1.クリームをのせる アイクリームを少量指に取り、上下のまぶたにポンポンと置きます。 |
2.下まぶたになじませる 目尻から目の下のラインに沿って指をやさしく滑らせ、目頭へとクリームをのばします。 ツボを押す際は、あらかじめクリームをなじませておくと、摩擦による肌ダメージを防げます。 |
3.上まぶたにもなじませる 目頭からこめかみへ向かって、そのまま指を滑らせていきます。 最後に、こめかみのあたりにあるくぼみに位置する「太陽」のツボを押し、目の疲れをいたわりましょう。 眼精疲労がある人は、クリームをなじませる際、黒目の下、骨の縁にある「承泣(しょうきゅう)」のツボも押してみてください。 |
アイクリームをなじませる前に、ホットタオルを目の周りにのせ、疲れをほぐしておくのもいいでしょう。
血行が促進されて目もとがスッキリするだけでなく、肌が柔らかくなるのでスキンケアアイテムのなじみもよくなります。
※熱すぎると肌への刺激になるため、ホットタオルの温度にはご注意ください
3-4.アイクリームの使い方のポイント
前述の通り、目の周りの皮膚は大変薄く、バリア機能もほかの部位より低くなっています。
そのような目もとにゴシゴシ力を入れてクリームをなじませると、摩擦によってかえってシワやたるみを悪化させてしまいます。
あくまでやさしく、軽いタッチでなじませるよう心がけてください。
摩擦が気になったら、指を滑らせるよりも、トントンと軽くプッシュしながらなじませるのがおすすめです。
摩擦を減らすためにアイクリームをたくさん使い過ぎると、テクスチャーによっては目に入ってしみたり、視界が曇ったりしてしまうことがあります。
まつ毛が生えている付近はなるべく避け、目に入らないよう気をつけてください。
目に入った場合は、水で洗い流すか、涙の成分に近い目薬をさして落としましょう。
クリームの量が多い場合は、ティッシュや綿棒などで軽く拭き取ります。
4.アイクリームの使い方でよくある質問
最後に、アイクリームにまつわるよくある質問をまとめてみました。
「なんとなく良さそうだけど、実際どうなんだろう?」
「友達や先輩から言われて気になったけど、みんなどう使っているの?」
といった疑問にお答えしますので、参考にしてくださいね。
Q1.アイクリームは高いものじゃないと効果がないの?
A.価格ではなく、成分をチェックして購入しましょう。
アイクリームには、前述の通り弾力をプラスしてハリを与えるコラーゲン、すぐれた保水力を持つヒアルロン酸、コラーゲンの生成をサポートするレチノールやビタミンC(誘導体)などの成分が配合されています。
しかし、そもそもアイクリームを含めた化粧水は「医薬品」ではないため、思っているような効果が得られないことも。
買おうとしているアイクリームには、「どのような効果があるアイクリームなのか?」を、事前にきちんと確認をしましょう。
また、薬用のアイクリームも販売されていますので、チェックしてみてください。
ちなみに、高級コスメブランドのアイクリームやアイセラムは、ブランドイメージや宣伝費などが含まれるので価格が高くなる傾向があります。
そのようなことを踏まえて、自分の悩みと合うものがあるか、続けやすい価格か総合的に判断し、ぴったりのアイテムを探してください。
Q2.アイクリームは何歳位から使えば良いの?
A.アイクリームを使い始める明確な目安はありません。
目もとの乾燥が気になってきたら使い始めてみることをおすすめします。
若い世代でも、人によって目もとの乾燥がひどかったりクマが気になったりする場合があります。
将来もっとひどくなってしまわないように、早めのケアを始めましょう。
まとめ
皮膚が薄く、水分も油分も不足しがちな目の周り。
アイクリームでなめらかに整え、乾燥やシワ、くすみ、たるみなどのケアをコツコツ行なうことが大切です。
ただし、間違った手順や自己流のケアを続けてしまうと、シワやたるみがかえって悪化したり、効果が現れなかったりすることがあります。
目の周りが気になり始めたら、ご説明した正しい手順と使い方などをしっかりマスターして、キレイな目もとを保ちましょう!
そうして素敵な歳を重ねていきましょうね。