湿疹は、慢性的な皮膚の炎症で、しつこいかゆみや赤みを伴います。ステロイド外用剤は一般的に処方されますが、必ずしも十分な効果が得られないことがあります。このブログでは、湿疹がステロイド外用剤で治らない理由や、手湿疹の原因と症状、内臓疾患との関係性、そしてステロイド外用剤の適切な使用方法について詳しく解説します。皮膚トラブルに悩む人にとって役立つ情報が満載です。
1. 手荒れの原因と症状
手荒れとは
手荒れ・手湿疹は、手や指に起こる皮膚の炎症状態で、赤みやかゆみを伴います。この症状は、手指の皮膚が外部の刺激にさらされやすい部分で発生しやすいことから、多くの人にとって日常的な悩みの一つとなっています。
手荒れの原因
手荒れ・手湿疹の主な原因は以下の3つに分けられます。
1. 外的な刺激
洗剤、化粧品、アルコール、さらには紙や衣服の摩擦など、皮膚に直接触れる物質が原因で湿疹が引き起こされます。これらの物質が皮膚を刺激すると、バリア機能が低下し、炎症を引き起こします。
2. アレルギー反応
金属やゴム製品、特定の植物、または食品に含まれる成分がアレルギー反応を引き起こし、手湿疹を引き起こすことがあります。特に、乳製品や魚、小麦など、身近な食品も関与している場合があります。
3. アトピー性皮膚炎
アトピー素因がある方は、もともとのバリア機能の弱さから手湿疹を引き起こしやすくなります。このような場合、刺激物に触れると、他の人よりも強い症状が現れることが多いです。
4.ストレス
ストレスが手の症状に現れることもあります。さらに、手荒れ・手湿疹のかゆみが精神的ストレスになり、かきむしってしまうことで、さらに症状が悪化してしまう可能性もあります。
手荒れの症状
手荒れ・手湿疹には、さまざまな症状が見られます。以下の症状が代表的です。
- ひび割れや亀裂: 無理やり掻きむしることで皮膚が乾燥し、ひび割れて痛みを伴うことがあります。
- かゆみ: しばしば強いかゆみを伴い、掻くことで症状がさらに悪化することがあります。
- 水ぶくれやブツブツ: 皮膚の表面に小さな水ぶくれやブツブツができ、これが破れるとジクジクした状態になることもあります。
- 腫れや赤み:炎症が起き、赤みや腫れを生じる場合があります。
手湿疹の症状は、放置しておくと悪化することがあります。特に、見た目やかゆみに伴う不快感から、症状が悪化するリスクが高まるため、早期の対処が必要です。
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2. 手荒れがステロイド外用剤で治らないのはなぜ?
湿疹に対して多くの患者が使用するステロイド外用剤ですが、期待通りの効果が得られないことがしばしばあります。この理由について詳しく見ていきましょう。
使用量の不足
ステロイドクリームの効果が感じられない主な理由の一つが、適切な量を塗布していないことです。「厚く塗るのは良くない」とすり込まれている患者も多いですが、実際には必要な量をしっかりと塗ることが求められます。特に広範囲に湿疹が広がっている場合や、長引いている症状に対しては、しっかりと塗布することが重要です。
ステロイド適応外の湿疹
また、湿疹のすべてがステロイド剤で治療できるわけではありません。アトピー性皮膚炎以外のタイプの湿疹や、感染症やアレルギーによる湿疹では、ステロイドが効果を示さないことがあります。このような場合、専門医による正確な診断と別の治療法の検討が必要です。
誤った使用方法
さらに、使用方法の間違いも重要な要因です。ステロイドは、指示通りの回数や量で使用することで、その威力を最大限に発揮しますが、塗る場所や塗布のタイミングが不適切だと効果が薄れてしまいます。
体調や環境の影響
体の調子や皮膚の保護機能が低下していると、湿疹は悪化しやすいものです。特に、季節の変化や乾燥した冬などは湿疹が悪化する要因があります。こうした外部の状況が、ステロイド外用剤の効果を妨げることも考えられます。
自己判断による使用中止
患者が自己の判断でステロイドの使用を中断することも、大きな問題です。改善を感じたとしても、すぐに治療をやめるのは危険であり、再発のリスクを高めることになります。完治するまで治療が続けられることが、持続的な効果に繋がります。
保湿の不足
多くの場合、手荒れの根本原因は乾燥です。ステロイドや薬だけを塗っていても、手肌の水分が不足していると、乾燥が改善せず、肌のバリア機能を正常に保つことができません。(▶手荒れ改善におすすめの保湿アイテム)
このように、湿疹がステロイド外用剤で改善しない理由はさまざまです。適切な治療を受けるためには、皮膚科専門医の相談が不可欠です。
3.内臓疾患による手荒れに注意
手荒れ・手湿疹の症状は、外部的な要因だけでなく、内臓の病気とも関連が深い場合があります。このセクションでは、手湿疹が示す可能性のある内臓疾患について詳しく見ていきます。
手荒れ・手湿疹が続く場合、特定の内臓疾患が隠れている可能性もあります。以下のような病気に注意が必要です。
膠原病
膠原病は、身体の結合組織に影響を与える疾患で、手の甲の関節に紅斑を形成する「ゴットロン徴候」が現れることがあります。これに伴い、手湿疹が発生することもあるため、及时の診断が重要です。
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症は、手のひらや足裏に水泡ができる皮膚疾患で、しばしば慢性的に進行します。この疾患は、喫煙や金属アレルギー、慢性の炎症などが原因とされていますが、内臓の不調が影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
内臓疾患による手湿疹の見極め
手湿疹の症状が続いたり、他の不調が加わる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。医師に相談する際には、以下のポイントを伝えると診断がスムーズになります。
- 皮膚症状の出現時期や経過
- 過去に同様の症状があったかどうか
- 特定の内臓疾患を抱えているか、既往歴について
自分の体の状態を理解し、必要な検査や治療を行うことで、手湿疹の原因が内臓疾患に起因している場合に適切な対処が可能になります。
4. ステロイド外用剤の正しい使い方
適切な量を確認する
ステロイド外用剤を使用する際は、適切な量を塗布することが非常に重要です。一般的に、1FTU(フィンガーチップユニット)は、大人の人差し指の先から第一関節までの量、約0.5gに相当します。この量を目安にし、患部の面積に応じて必要な量を判断してください。例えば、1FTUは約体表面積の2%、すなわち大人の手のひら2枚分の面積に塗布できるとされています。
塗り方の順番に注意
保湿剤とステロイド外用剤を併用する場合、先に保湿剤を塗り、後からステロイド外用剤を塗るのがポイントです。これにより、無駄な部分に不必要にステロイドが塗布されることを防ぎ、効果的な治療が可能になります。逆に、先にステロイドを塗ってしまうと、不要な部分にも広がってしまうことがあります。
使用スケジュールを守る
ステロイド外用剤は、医師や説明書の指示に従って規則的に塗布する必要があります。朝晩2回の塗布が指示されている場合は、入浴後や朝の準備中に忘れずに行いましょう。このルーチンを守ることで、効果を最大限に引き出すことができます。
注意点と自己判断を避ける
治療中に症状が改善されるにつれて、自己判断で塗布量を減らしたり、中断したりすることは避けましょう。なぜなら、正しく使用しても改善しない場合、使用方法や量に問題があることが多いからです。症状が長引いたり、悪化したりする場合は、早めに医療機関での受診を検討してください。
継続的な管理とプロアクティブ療法
湿疹が改善された後も、プロアクティブ療法として、週に2~3回の頻度でステロイド外用剤を使用し、良好な状態を維持することが推奨されます。これにより、再発を防ぎ、肌の健康を長期間にわたり保つことが可能です。
上記のポイントを守ってステロイド外用剤を使用することで、より効果的な治療が期待できます。
5. 手荒れを改善するための生活習慣
手湿疹の予防には、生活習慣の見直しが重要です。日々の生活の中で、少しの工夫を加えるだけで、症状の軽減や再発防止につながります。ここでは、具体的な生活習慣の改善策についてお伝えします。
正しい手洗いの習慣を身につける
手洗いは基本的な予防策ですが、正しいやり方を実践することが大切です。低刺激の石鹸を使い、ぬるま湯で優しく手を洗いましょう。手を洗った後は、柔らかいタオルでやさしく水分を拭き取り、ハンドクリームを忘れずに塗布することがポイントです。
保湿を怠らない
乾燥が原因で手湿疹が悪化することが多いため、定期的な保湿は不可欠です。手荒れが気になるときは、1日3回以上の保湿が推奨されます。水仕事や手洗いの後は、その都度保湿剤を塗る習慣をつけましょう。保湿において重要なことは水分・油分の両方をバランスよく肌に与えることです。
食事の見直し
バランスの良い食事は、肌の健康に直接影響を与えます。ビタミンやミネラルを豊富に含んだ食品を意識的に摂取することで、肌のバリア機能を強化することができます。特に、オメガ3脂肪酸やビタミンEを含む食品は、肌の保湿力を高める効果が期待されます。
ストレス管理
ストレスは肌に悪影響を及ぼす要因の一つです。リラックスする時間を設けることで、ストレスを軽減し、結果として肌の健康を保つ助けになります。趣味の時間や適度な運動、十分な睡眠を大切にし、心身のバランスを整えましょう。
紫外線対策を行う
紫外線は肌の乾燥や老化を進行させるため、季節を問わず紫外線対策を行うことが重要です。外出する際には日焼け止めを使用し、長時間の直射日光は避けるように心がけましょう。
環境を整える
室内の湿度が低くならないように、加湿器を使用するなどして環境を整えましょう。特に冬季は空気が乾燥するため、適度な湿度を保つことで肌の乾燥を防ぐことができます。また、肌を刺激する衣類や洗剤の使用も控えることが望ましいです。
生活習慣を見直すことで、手湿疹の予防につながります。少しずつ生活に取り入れて、健康な肌を保ちましょう。
6.手荒れ改善におすすめの保湿アイテム
「ステロイドを塗っても手荒れが治らない」、もしかしたら手肌の乾燥が原因かもしれません。手荒れの根本原因は乾燥であることが多く、乾燥を防止するためには、手肌を正しく保湿する必要があります。ステロイドなどの薬や一般的なハンドクリームには、水分が含まれておらず、手肌をうるおすことができません。手肌を保湿するためには、水分と油分をバランスよくあたえることが重要です。
手荒れ改善にはアクアテクトゲルがおすすめです。
おすすめポイント
- 水分と油分を最適なバランスで配合
- 16種類の保湿成分でうるおいを保ってくれる
- 手荒れの根本改善を目指せる
「これまでステロイドやハンドクリームを使用しても、手湿疹の改善を感じられなかった方」「ハンドクリームがシミたり、合わないと感じたりしている方」におすすめです。
よくある質問
なぜステロイド外用剤で治らないのか?
ステロイド外用剤の効果が得られない主な理由は、適切な量を塗布していない、ステロイドの適応外の湿疹である、体調や環境の影響、自己判断による使用中止、正しい使用方法の不適切などが考えられます。また、手肌の保湿が足りていなかったり、手肌に水分を与えていなかったりすると、乾燥によりバリア機能が低下し、手荒れが悪化してしまいます。
手湿疹の原因と症状は何ですか?
手湿疹の主な原因は、外的な要因、アレルギー反応、アトピー性皮膚炎、ストレスなどです。症状には赤み、かゆみ、水ぶくれ、ひび割れなどがあります。肌のバリア機能が低下することで症状が悪化するため、早期の対処が必要です。
手湿疹は内臓の病気と関係がありますか?
手湿疹が続く場合、肝機能の低下、膠原病、掌蹠膿疱症など、内臓の疾患が隠れている可能性があります。症状の経過や既往歴を医師に正確に伝えることで、適切な検査と治療につなげることができます。
ステロイド外用剤の正しい使い方は?
ステロイド外用剤を使用する際は、適切な量を塗布することが重要です。保湿剤とステロイド外用剤の使用順序に注意し、医師の指示に従って規則的に使用することで、より効果的な治療が期待できます。症状改善後もプロアクティブ療法として定期的な使用が推奨されます。
ステロイドで手荒れが治らないときはどうしたらいい?
再度医師に相談し、生活習慣等にも気を付けましょう。また、手の保湿方法を見直してみましょう。手荒れの根本原因は乾燥であり、保湿がかかせません。薬や一般的なハンドクリームでは、手肌に水分を補給できず、手荒れが改善しない可能性があります。手肌に水分と油分をバランスよく補給できるアクアテクトゲルがおすすめです。
まとめ
手湿疹の原因は複雑で多岐にわたりますが、ステロイド外用剤の正しい使い方を理解し、生活習慣を改善することで、予防と症状管理が可能になります。正しい手洗い、保湿の徹底、バランスの取れた食事、ストレス管理、紫外線対策、そしてクリーンな環境づくりなど、日々の小さな工夫が大切です。これらの対策を実践することで、湿疹の再発を防ぎ、健やかな肌を維持することができるでしょう。皮膚科専門医に相談しながら、自身の健康管理に取り組んでいくことが重要です。