日焼け止めは、紫外線から肌を守るために必要なアイテムです。多くの方が、紫外線の多い日中には日焼け止めを使用しています。
では、夜は日焼け止めを塗らなくてもいいのでしょうか?
夜は日が落ちているため、紫外線が少ないイメージがあります。「夜に外出の予定があるけれど、日焼け止めを塗るべきなのかな?」「夜も日中と同じように日焼け対策をするべきなのかな?」と迷ってしまう方も多いかもしれません。
そこで今回は夜の日焼け対策について、以下を解説します。
- 夜の外出時も日焼け止めを塗るべきなのか
- 夜に使用する日焼け止めの選び方
- 日焼け止めの落とし方と注意点
- 夜でも効果的なUV対策
夜の紫外線について正しい知識を得て、適切なUV対策をすることで、安心して夜の外出を楽しみましょう。
1. 【結論】日焼け止めは1年中必要だが、夜は使わなくてもOK
結論、夜に日焼け止めを塗る必要性はあまり高くありません。
太陽の日射によって差し込む紫外線の量は、正午頃がピークであり、日が落ちる夜にかけて少なくなっていくからです。
紫外線は季節を問わず1年中降り注いでいるため、日焼け止めの使用は年中必要だと言えますが、夜は紫外線量が少ないため日焼け止めの必要性は低いのです。
実際の紫外線量データを順に確認していきましょう。
1-1. 紫外線量は正午ごろがピーク!夜は少なめ
引用:気象庁|時別UVインデックス(観測値)の毎日の推移グラフ
上図は2022年8月1日におけるつくば市の紫外線量の推移グラフです。
正午頃が紫外線量のピークで、日が落ちる夕方から弱まっていき、18時頃には1以下と少なくなっています。
紫外線量が非常に強い日中と比べると、夜は紫外線が弱く、日焼け止めの必要性はあまり高くないと言えるでしょう。
1-2. 冬でも紫外線は降り注ぎます
冬は紫外線が少ないイメージがあり、日焼け止めが必要ないように思いますが、実際は冬でも紫外線は降り注いでいます。
例として2022年12月2日のつくば市の紫外線量を見てみましょう。
引用:気象庁|時別UVインデックス(観測値)の毎日の推移グラフ
冬の紫外線は夏に比べると少なくはありますが、ゼロになるわけではありません。
冬のピーク時は、夏の夕方頃と同等の紫外線が降り注いでいます。
また冬は「雪の反射」によって、体が受ける紫外線量が2倍近く増えるとWHOが発表しており、環境省も「紫外線環境保健マニュアル」にて注意喚起しています。
参考:環境省|紫外線環境保健マニュアル2020
- 冬でもピーク時は夏の夕方と同等の紫外線量が降り注ぐ
- 冬は雪の反射によって体が受ける紫外線量が2倍になる
以上の理由から、紫外線対策は年中通して行なうべきだと言えます。
1-3. 雨や曇りの日も油断は禁物
雨や曇りの日は太陽の日差しが弱く、紫外線量が少ないイメージがあります。
しかし実際は、雨や曇りの日でも十分な紫外線が降り注いでいるため油断は禁物です。
引用:気象庁|紫外線の性質
上図は快晴時の紫外線量を100%とした場合の、天気ごとの紫外線量の割合を示したグラフです。薄曇りでは晴天時と紫外線量が大きく変わらず、曇天でも6割程度、雨の日でも3割程度の紫外線が残っているのがわかります。
雨や曇りの日でも油断せず、晴れの日と同じようにしっかり日焼け対策を行ないましょう。
2. 夜も日焼けが心配な方は「肌に優しい」日焼け止めを選びましょう
夜は日焼け止めを塗る必要性は低いですが、夕方18時頃はまだ少し紫外線量が残っているため、気になる方もいるでしょう。
少しの紫外線でも気になる場合は、夜の外出時に日焼け止めを塗っても問題ありません。
ただし高SPF値の商品は肌への負担となるため、肌に優しい日焼け止めを選ぶようにしてください。
具体的には、以下の3点を条件に選ぶとよいでしょう。
- SPFは20~30
- 紫外線散乱剤を使用
- ウォータープルーフ機能付き
肌に優しい日焼け止めを選び、夜は肌への負担を最小限にして日焼け対策をしましょう。
2-1. ポイント1:SPF20~30のものを選ぶ
夜に使用する日焼け止めは、SPF20~30程度のものを選びましょう。
SPF値は30程度あれば、紫外線を十分に防ぐ効果があるからです。
上図はSPF値と紫外線防御率の関係性を示したグラフです。
SPF値30前後までは紫外線防御率のグラフがぐんと上昇していますが、それ以降はほぼ横這いで、あまり変化がないことがわかります。つまりSPF値30でも、十分な紫外線防御率があるのです。
夜の紫外線量の少なさを踏まえると、高SPF値の日焼け止めを使う必要はないでしょう。SPF20~30程度の日焼け止めで十分にUV対策できます。
過度なSPF値はかえって肌の負担になりますので、適度なSPF値で肌に優しい日焼け止めを選びましょう。
2-2. ポイント2:紫外線散乱剤を使用している商品を選ぶ
日焼け止めの原料には「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。
肌への優しさを考慮すると、「紫外線吸収剤」よりも「紫外線散乱剤」の方が、肌への刺激が少ないと言われています。
各特徴を以下の表にまとめました。
紫外線吸収剤 |
紫外線散乱剤 |
|
仕組み |
紫外線を取り込んで熱に変換し放出することで、肌への紫外線の影響を防ぐ。 |
粒子が光を反射するはたらきを利用して、紫外線の害が肌に及ぶのを防ぐ。 |
主な成分 |
|
|
肌への刺激 |
肌に刺激を感じることがある |
肌への刺激は少ない |
白浮き |
白浮きしない |
白浮きしやすい |
効果の持続力 |
長持ちしないので、定期的な塗り直しが必要。 |
長持ちしないので、定期的な塗り直しが必要。 |
紫外線吸収剤は化学反応で紫外線をブロックするため、肌への刺激になる場合があります。
肌への優しさで選ぶなら、紫外線吸収剤を使用していない「紫外線散乱剤」の日焼け止めを選ぶとよいでしょう。
2-3. ポイント3:ウォータープルーフ機能付きのものを選ぶ
日焼け止めを使用するなら、汗や水に強いウォータープルーフ機能付きのものがおすすめです。
たとえばウォーキングやランニングなどで夜外出する場合、ウォータープルーフ機能が付いていないと、夜でも運動による汗ですぐに流れおちてしまいます。
紫外線から肌を守るためには、ウォータープルーフ機能が必要だと言えます。
ウォータープルーフ機能は肌への負担があるというイメージがあるかもしれませんが、強すぎるものでなければ肌への負担はそれほど大きくありません。
目安としては、普段使用している洗顔料やメイク落としで、簡単に落とせる程度のウォータープルーフであれば問題ないでしょう。
ウォータープルーフが肌への負担があると言われる理由は、洗顔で落としにくく肌に残ってしまう可能性が高いからです。
いつも通りのクレンジングで落とせるウォータープルーフを選べば、肌へ負担は少ないので、安心して使用してください。
3. 肌への優しさとUVカット効果を両立!夜の日焼け止め2選
夜に使用する日焼け止めとして、おすすめのアイテムを2つ紹介します。
これまでで解説した以下の3つのポイントを踏まえた上で選んでいます。
- SPF20~30で肌に優しいもの
- 紫外線散乱剤を使用(紫外線吸収剤を使用していない)
- ウォータープルーフ機能付き
肌への優しさとUVカット効果を両立できる日焼け止めですので、ぜひ参考にしてください。
3-1. キュベリィ:やさしいUVカットミルク
「やさしいUVカットミルク」はSPF25なので、肌への負担が少なく、UVカット効果も十分です。
紫外線吸収剤は不使用なので、敏感肌の方でも安心して使用できるほど、肌に優しいミルクタイプの日焼け止めです。
またクレンジングで落とせますが、ウォータープルーフ機能付きで、水や汗では簡単に落ちません。
薄いベージュ色がついているので、ナチュラルメイク派の方であれば、日焼け止めだけで
夜の外出時にも、肌負担は少なく日焼け対策をしたい方、敏感肌の方などに、非常におすすめの日焼け止めです。
自分の肌に合うかどうか心配な方は、550円で6回分お試しできるセットもありますので、ぜひ試してみてください。
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3-2. ちふれ:UVサンベール クリーム
ちふれの「UVサンベールクリーム」はSPF30で、紫外線散乱剤を使用、ウォータープルーフ機能付きの日焼け止めです。
肌に密着するクリームタイプで、紫外線と乾燥から肌を守ってくれます。
しっとりと保湿されますがベタつかず、さらっとした仕上がりになります。
ただしサンプルサイズやお試しセットなどはありません。
本体価格が手にしやすい値段なので、気になる方は1本購入してみてください。
4. 日焼け止めの正しい落とし方と注意するべきポイント3つ
紫外線から肌を守るための日焼け止めも、きちんと洗い流さなければ汚れと同じで、肌の負担になってしまいます。
夜に日焼け止めを塗った場合も、日中の日焼け止めと同様、帰宅後はきちんと洗い落とす必要があります。
とくに以下の3点に注意しましょう。
- 日焼け止めを落とす際にゴシゴシと洗わない
- 日焼け止めの落とし忘れに気を付ける
- クレンジング後は保湿をする
日焼け止めを落とさずに寝てしまうことがないように気を付けて、正しいスキンケアをしましょう。
4-1. ゴシゴシと洗うのはNG
日焼け止めを落とす際、ゴシゴシとこすって洗うのは肌への負担が大きいためNGです。
丁寧に優しく肌を撫でるようにして落としましょう。
おすすめの日焼け止めの落とし方の手順は次の通りです。
- クレンジングをたっぷりと手に取る
- クレンジングを広げた手のひらでゆっくりと肌を撫でる
- 優しく撫でてクレンジングと日焼け止めが馴染んだら洗い落とす
ゴシゴシこすって無理やり落とすのではなく、優しくゆっくりと肌を撫でて、クレンジングと日焼け止めを馴染ませて落とすのがコツです。
4-2. 日焼け止めの落とし忘れに気を付ける
日焼け止めの落とし忘れには気を付けましょう。きちんと落としたつもりでも、落ちていない場合があるからです。
とくにウォータープルーフ機能がある日焼け止めは、塗った直後の2~3時間は、洗ってもなかなか落ちにくい傾向があります。
塗ってから短時間で落とす場合は、クレンジング剤を使い、しっかりと落とすようにしましょう。
また体の部位によっては、落とし残しが起こりやすい部分もあります。
日焼け止めがきちんと落ちたかどうか確認する際、見るべき点は次の通りです。
- 日焼け止めの匂いが残っているか
- 肌が水を弾いているか
- 白い日焼け止めの色が肌に残っているか
上記の確認方法について、こちらの動画でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
4-3. クレンジング後は保湿を行う
クレンジング後は肌が乾燥するため、しっかりと保湿を行ないましょう。
体も顔と同様、お風呂で日焼け止めを落とした後は、きちんと保湿することが大切です。
顔へのスキンケアと同じように、化粧水や、ボディクリームを塗って肌の乾燥を防いでください。
お風呂上りに複数のスキンケア用品を塗るのが面倒な方は、オールインワンタイプのアイテムがおすすめです。
アクリシオの「アクアテクトゲル」は高保湿のオールインワンジェルで、顔だけでなく体にも使用できます。
お試しセットが550円なので、気になる方はぜひ試してみてください。
5. 【日焼け止め以外】夜でも効果的なUV対策3選
夜は紫外線量が少ないため、日焼け止めを塗る必要はあまりありません。
夕方までは少量の紫外線量が残っているため、それが気になる方は日焼け止めを付けても問題ないです。しかし日焼け止めは、肌への負担になる場合もあるため、肌に優しい日焼け止めの使用がおすすめです。
肌への負担を極力少なく日焼け対策したい場合は、日焼け止め以外のアイテムを活用するとよいでしょう。具体的には次のようなアイテムです。
- 帽子
- サングラス
- アームカバー
体に身に着けるアイテムを活用して、紫外線から肌を守りましょう。
5-1. 対策1:帽子
帽子をかぶることによって、顔に影を作って直接的な紫外線を軽減したり、紫外線の影響を受けやすい頭皮を守ったりできます。
とくに日焼け対策用の帽子として、次のようなものがあります。
- つばの広い帽子
- フェイスカバー付きの帽子
- サンバイザー付きの帽子
- UVカット素材の帽子
夜の外出時はウォーキングやランニングなど、目的に合わせて着用する帽子を選ぶとよいでしょう。
5-2. 対策2:サングラス
サングラスは目を紫外線から守ってくれるアイテムです。
目が紫外線を浴びて角膜がダメージを受けると、充血したり目の痛みの原因になったりします。
夜の外出時、まだ日差しの残っている夕方の場合は、サングラスで目を保護してあげるとよいでしょう。
ただし完全に日が落ちて辺りが暗くなると、サングラスは視界が悪くなり危ないので、適宜外すようにしましょう。
5-3. 対策3:アームカバー
アームカバーも腕の日焼け対策として有効です。
アームカバーとは、腕を直接的な紫外線から保護するカバーのことで、筒形をしています。
二の腕部分から手首までをガードするタイプのものや、手の甲までガードして指だけ出ているものもあります。
6. よくある質問
夜の日焼け止め使用に関して、以下のよくある疑問にお答えします。
- 夜のランニングやウォーキングに日焼け止めは必要か?
- 夜寝る前に日焼け止めを塗っても効果はあるか?
- 夜の紫外線量は地域によって異なるのか?
間違った使い方で日焼け止めを使用しないためにも、これらの疑問を解決してさらに理解を深めましょう。
6-1. 夜にランニングやウォーキングをする際、日焼け止めは必要ですか?
夜は紫外線量が少ないため、日焼け止めは基本的には不要です。
ただしまだ日差しが残っている夕方頃から出かける場合は、日焼け止めを塗った方がいいでしょう。
肌への負担が心配な方は、肌に優しい日焼け止めを使用してください。
具体的には、SPF20~30程度で、紫外線吸収剤を不使用の日焼け止めです。
また運動の汗で日焼け止めが流れてしまうのを防ぐため、ウォータープルーフ機能付きがおすすめです。
そして帰宅後は、スキンケアにも気を配りましょう。
日焼け止めはクレンジングできちんと落とし、お風呂上がりの保湿ケアも忘れずに行うことが大切です。
6-2. 夜寝る前に日焼け止めを塗っても効果はありますか?
夜寝る前に日焼け止めは塗らないようにしましょう。
夜の就寝時は紫外線量がほとんどなく、日焼け止めを塗る必要がないからです。むしろ日焼け止めを落とさずに寝ることの方が、肌への負担になってしまいます。
朝日の紫外線が気になる方もいるかもしれませんが、朝も紫外線量は日中に比べて少なく、過度に心配する必要はありません。
どうしても心配な方は、遮光カーテンで日差しを遮断するなど、日焼け止めを塗る以外のUV対策をするとよいでしょう。
6-3. 夜の紫外線の量は地域によって異なりますか?
紫外線の量は地域によって異なります。下図は札幌市、つくば市、那覇市において、7月と12月の紫外線量の1日の推移を示したグラフです。
地域によって紫外線量に違いがあり、冬の沖縄と北海道では2倍近く差があることがわかります。
またどの地域においても、日が落ちる夜の紫外線量は少ないことや、冬でも日中は紫外線があることもわかります。
紫外線の全体の量は地域によって異なりますが、夜の紫外線はどの地域においても少なく、夜の日焼け止めの必要性は、地域を問わず低いと言えるでしょう。
まとめ
夜は紫外線量が少ないため、日焼け止めを塗る必要はとくにありません。
夕方頃、まだ日差しがあって紫外線が残っている時間帯に出かける場合は、日焼け止めを塗ってもいいでしょう。また少量の紫外線でも気になるという方は、夜に日焼け止めを塗ること自体は問題ありません。
ただし夜に日焼け止めを塗る際は、SPFが30までのものや、紫外線散乱剤を使用しているものなど、肌に優しい日焼け止めを選びましょう。
また夜にはきちんと肌を休ませることが大切です。
日焼け止めを塗ったら、帰宅後はクレンジングでしっかりと洗い落としましょう。
洗い落とした後の、保湿ケアも忘れずに行なってください。
日焼け止めを上手に使いながら、正しいUV対策とスキンケアで、肌を健やかな状態に保っていきましょう。