敏感肌の人にとって、肌に触れるあらゆるものが刺激になる可能性があります。
たとえば「衣服」もそう。
特にデリケートな部分を覆う下着は、「合うものが見つからない」とお悩みの人は多いのではないでしょうか。
敏感肌用下着は、「化学繊維よりも天然繊維のほうが肌にやさしい」と思っている方は多いと思います。
しかし残念ながら、天然繊維がなぜ敏感肌に良いのか実証はされていません。
そのため、天然繊維を選んで着用しているけれども、下着が合わず悩んでいる人も多いです。
分かっているのは、
- 汗をかいた肌と布はこすれる
- 布の硬さが皮膚を刺激する「物理的刺激」
によって、敏感肌の人は、かゆみなどの症状が起こりやすいということ。
敏感肌の人にとっては素材に関わらず、汗を放置したり、物理的な刺激が加わる下着をつけることで、赤みやかゆみ、ひどい場合には湿疹などの症状が出ている可能性があるのです。
そこでこの記事では以下の2つをご紹介します。
- 敏感肌用の下着選びで押さえておくべき「5つのポイント」
- 赤みなどが出たときの対処法
今よりも、快適に過ごせるような下着の選び方を学びましょう。
1.敏感肌用の下着を選ぶ5つのポイント
敏感肌用の下着を選ぶとき、重視するポイントは5つあります。
敏感肌用の下着選び5つのポイント
- 吸水速乾性があるものを選ぶ
- 締め付けすぎないものを選ぶ
- 肌触りがやわらかいものを選ぶ
- 縫い目が肌に当たりにくいものを選ぶ
- 繊維製品の表示・洗濯表示のタグが取り外しやすいもの、もしくは、プリントされているものを選ぶ
とくに気を付けたいのは、「締め付け」や「摩擦」などの刺激をできるだけ少なくすることです。
敏感肌の人は、さまざまな刺激に対して肌の感受性が高まった状態です。
そのため、身の回りの小さな刺激にも過敏に反応してしまい、かゆみや赤み、湿疹など肌荒れを引き起こす可能性があります。
また、刺激によってかゆみが生じた場合、思わずかきむしってしまい、さらに肌を傷つけて敏感にしてしまうことも。
このようなことにならないようにするために、敏感肌の人は下着選びをする際は、「刺激を避ける」ことを重視すべきなのです。
では、実際にどういう基準で下着を選べばよいのか、その5つのポイントをご紹介いたします。
1-1.吸水速乾性があるものを選ぶ
下着は、吸水速乾性があるものを選びましょう。
汗を吸いにくい素材でできた下着を身に着けることで、汗が付着した肌と、下着がこすれる摩擦によってかゆみが発生したり、蒸れてかゆみや湿疹ができやすくなったりするためです。
通気性の良い素材(綿やシルクなど)、吸水速乾性のある素材(下記のマークがついているもの)が使われた下着を選びましょう。
1-2.締め付けすぎないものを選ぶ
下着は、締め付けすぎないものを選びましょう。
締め付けが強いものは、肌を圧迫し、痛みや赤みの原因になる可能性があるためです。
また、皮膚が黒ずむ色素沈着を引き起こします。
可能ならば、試着をして、締め付けすぎていないか確認しましょう。
締め付けすぎになっていないかチェックリスト
- ゴムやワイヤー、肩ひもなどが肌に食い込んでいないか?
- 着用後、「きつい」と感じないか?(下着を脱いで肌に跡が残るものはきついです)
- 伸縮性はあるか?
1-3.肌触りがやわらかいものを選ぶ
下着は、肌触りがやわらかいものを選びましょう。
肌触りが硬くゴワゴワしたものが肌に触れれば、それが刺激となり、痛みや赤みの原因になる可能性があるためです。
同じ素材であっても、織り方(縦糸と横糸を交差させて織り上げていく)や編み方(ループ状にした糸(編み目)にさらに糸を引っ掛けて編み上げていく)によって肌触りが変わります。
下着は肌に直接触れるものですから、実際に手にとり、自分の肌に当てて、肌触りがやわらかいかどうかを確認しましょう。
◎肌触りがやわらかいかどうかチェックリスト
- 肌に当てたとき、チクチクしていないか?
- 肌に当てたとき、ゴワゴワしたりしていないか?
1-4.縫い目が肌に当たりにくいものを選ぶ
下着は、縫い目が肌に当たりにくいものを選びましょう。
敏感肌にとって、縫い目が肌に当たるという小さな刺激でも、肌に負担がかかる可能性があるためです。
毎日同じ部分に負担がかかれば、肌荒れや色素沈着を招きます。
肌への刺激を最小限にするため、縫い目がないもの、または、縫い目が表(外側)にあるものを選びましょう。
1-5.繊維製品の表示・洗濯表示のタグが取り外しやすいもの、もしくは、プリントされているものを選ぶ
下着は、繊維製品の表示・洗濯表示のタグが取り外しやすいもの、もしくは、プリントされているものを選びましょう。
1-4(縫い目)と同様に、タグが肌に当たるのも肌に負担となる可能性があるためです。
繊維製品の表示・洗濯表示は、「家庭用品品質表示法」によってすべきと定められています。
そのため、最初からタグがついていないものは販売されていません。
代わりに、タグが取り外しやすいように縫製されているものや、下着自体にプリントされているものが販売されています。
敏感肌の人は、下着選びの際、タグにも注目してみましょう。
2.赤みやかゆみ、色素沈着が起こっている部分は保湿をする
もし、下着をつけている部分に赤みやかゆみ、色素沈着が起こってしまったら、その部分に保湿をしましょう。
保湿をすることで赤みやかゆみが落ち着く可能性があり、色素沈着の対策にもなるためです。
骨盤に下着やズボン等がこすれて色素沈着が起こる場合もあります。
保湿をすることで、色素沈着予防にもなりますよ。
保湿には、以下の2つがおすすめです。
敏感肌でも使える保湿クリーム
すでに肌が過敏になっていると、使える保湿クリームも少ないです。
また、保湿とは、実は「水分・保湿成分・油分」をバランスよく補給すること。
だから、ただの保湿クリームでは効果が得られない場合があります。
もし、「きちんと保湿はしているけど、肌の状態が変わらない」という場合には、この記事「敏感肌でも使える!ヒリヒリしない保湿クリームを選ぶ5つのポイント」を参考に、敏感になった肌に使える保湿クリームを探してみてください。
ワセリン
油膜により肌の保護ができるため、荒れて過敏になった部分の保護に適しています。
ワセリンの種類や使い方は、この記事「ワセリンの保湿効果と肌質別の使用方法・注意点│化粧品との使い分け」を参考にしてください。
3.赤みやかゆみが出てしまったときの対処法
この章では、実際に赤みやかゆみが出てしまい困っている方に、その対処法をご紹介します。
とくにかゆみがあると、かき壊してしまうなど、肌トラブルにつながる可能性があります。
悪化させてしまう前に、ぜひ実践してみてください。
3-1.赤みやかゆみが出たら落ち着くまでは、その下着は避ける
着用して赤みやかゆみが出た下着は、肌が落ち着くまで着用を控えましょう。
赤みやかゆみの原因がその下着であれば、着用を控えることで肌は落ち着くためです。
代わりの下着を選ぶときは、
例えば、
- 布面積が小さい下着で赤みが出ている場合は、布面積が大きいものを選ぶ
- 下着の金具が当たる部分に赤みが出ている場合は、金具のない下着を選ぶ
など
赤みやかゆみが出ている部分に布や金属などが当たらない下着を選びましょう。
3-2.どうしても着用の必要がある場合は、刺激を受けている部分に保湿をして肌を保護する
赤みやかゆみが出る下着をどうしても着用する必要があるときは、刺激を受けている部分に保湿をして、肌を保護しましょう。
肌を保護することで、刺激を受けにくくなるためです。
肌の保護には、ワセリンがおすすめです。
たっぷり塗るとべたつきますので、薄く塗り広げましょう。
3-3.我慢できないかゆみや赤みが続く場合は薬を使う
我慢できないかゆみや赤みが続く場合は、薬を使って症状を抑えましょう。
症状に合った薬を、用法・用量正しく使うことで、かゆみや赤みが早く落ち着くためです。
医師の診察を受けて症状に合った薬を処方してもらいましょう。
そして、薬は自己判断で中止せず、医師の指示に従って使用(服用)しましょう。
さいごに
合う下着がないとお困りの人は、ぜひ一度、素材に関わらず、次の5つのポイントを重視して下着選びをしてみてください。
- 吸水速乾性があるものを選ぶ
- 締め付けすぎないものを選ぶ
- 肌触りがやわらかいものを選ぶ
- 縫い目が肌に当たりにくいものを選ぶ
- 洗濯タグが取り外しやすいもの、もしくは、プリントされているものを選ぶ
そして、刺激から肌を守るための保湿を習慣化しましょう。
大事なお肌をこの方法で守ってくださいね。
この記事が、快適に過ごせる敏感肌用下着選びの参考になれば嬉しいです。