乾燥敏感肌のプロが教える基礎化粧品・メイクの選び方と厳選アイテム

乾燥敏感肌

乾燥敏感肌にあう化粧品をお探しですか?

それなら、「敏感肌用の化粧品」は選ばないでください。
あなたの肌が、いつまでたっても良くならないからです。

化粧品が肌にあわないのは、「敏感肌だから」ではありません。
本当の原因は、「肌の乾燥」です。

「肌の乾燥」を基準に選べば、あなたにあうスキンケアやメイク料が見つかります。

実は、私も生まれつきアトピー体質で、乾燥と敏感肌に長年悩まされてきました。

当時は、できるだけ肌にやさしく刺激の少ない化粧品を探して使っていました。
しかし、敏感な肌状態は改善されませんでした。

肌のガサつきがなくなり、かゆみが起こらなくなったのは、まさに、乾燥敏感肌の「本当の原因が乾燥なんだ」ということを知って、乾燥対策を始めたからです。

今では、この正しいケアを続けている限り、乾燥敏感肌の症状に悩まされることはなくなりました。

私の肌改善のきっかけにもなった「乾燥敏感肌におすすめの化粧品」をご紹介します。

ぜひ最後までお読みいただき、あなたにあう化粧品を見つけてください。
そして、乾燥敏感肌の悩みを解消しましょう!

目次

1.乾燥敏感肌の人は「敏感肌対策」と「乾燥対策」の両方ができる化粧品を選びましょう

乾燥敏感肌の人は、「敏感肌対策」だけでなく、「乾燥対策」もできる化粧品を選びましょう。
「肌の乾燥」こそ、乾燥敏感肌の「本当の原因」だからです。

敏感肌だと、「肌にやさしい化粧品」や「低刺激の化粧品」を選びがちです。
でも、よく考えてみると、「肌へのやさしさ」と「乾燥対策できるかどうか」は別の問題です。

どんなに肌にやさしくても、肌が乾燥したままなら、敏感な肌状態は変わりません。
刺激やかゆみを感じます。

乾燥敏感肌に必要なのは、肌にやさしいだけでなく、肌の乾燥を防ぎ、うるおしていく化粧品です。

具体的には、次の条件をクリアした化粧品を選んでください。

「敏感肌対策」と「乾燥対策」両方できる化粧品の条件

  • 摩擦を起こさない(化粧品全般)
  • 洗浄力がマイルド(「洗う」もの)
  • 水分と油分の両方を与えられる(保湿化粧品)

各条件を詳しく解説します。

1-1.敏感肌対策には、こすらない・押さない・触らない

敏感肌はこすらない、押さない、触らない

徹底的に「摩擦」を避ける。
これが、乾燥敏感肌の「敏感肌対策」です。

乾燥敏感肌は、肌の一番表面にある「角質層」が乾燥し、傷を負い、もろくなっている状態です。
ですから、健康な肌状態のときよりも、やさしく取り扱う必要があります。

しかも、この角質層、厚みは0.02mm。
ラップ1枚程度です。
いかに繊細な組織か、わかりますね。
少しの力でも、簡単に傷ついてしまいます。

そうならないために、「こすらない」「強い力を加えない」「できるだけ触らない」という化粧品を選びましょう。

摩擦を与えない化粧品の特徴

  • こすらない
  • 強い力を加えない
  • できるだけ触らない

具体例をいくつかご紹介しますので、参考にしてください。

■ 摩擦が起こらない基礎化粧品の例

摩擦がこらない 摩擦が起こる
  • ぬめりがあり、指がすべる
  • タッピングが必要ない
  • マッサージが必要ない
  • 何度も塗らなくていい
  • 指や手のひらで塗れる
  • ぬめりがない(化粧水・乳液)
  • 固くて、伸ばしにくい(クリームなど)
  • タッピングが必要
  • マッサージが必要
  • 何度も肌に触る
  • コットンでつける

■ 摩擦が起こらないメイク用品の例

摩擦がこらない 摩擦が起こる
  • 伸びが良い
  • やわらかい
  • 落としやすい
  • 固くて、伸ばしにくい
  • 落としにくい
  • パフやブラシ・チップなどでつける

1-2.乾燥対策には、肌のうるおいを守り、与え、維持する

肌の水分を守る、与える、維持する

乾燥敏感肌の「乾燥対策」は、まず、肌のうるおいを守ることから始まります。

うるおいを失う一番大きな要因は、「洗いすぎ」によって、肌のうるおい成分(皮脂)を落としてしまうことです。

洗浄力がマイルドなクレンジングや洗顔料で洗いすぎを防ぎ、肌のうるおいを守りましょう。

あわせて、基礎化粧品で保湿ケアを行います。
うるおいを与えて、かつ、維持することが重要です。

そのために、水分と油分の両方をバランスよく補給しましょう

乾燥対策ができる基礎化粧品の特徴

  • 洗うものは、洗浄力がマイルド
  • 水分と油分をバランスよく与えられる

乾燥対策ができるメイク料の特徴

  • パウダーよりも、リキッド・ミルクタイプ
  • 落としやすいメイク料
メイク料の保湿効果は「一時的」

メイク用品は、基本的に肌を乾燥させます。

中には、保湿効果をうたったファンデーションや下地などもありますが、大半は、肌表面を油膜で覆うことで、一時的に「乾燥を感じにくくさせる」、または、「肌表面のかさつきを目立たなくする」という働きをします。
基礎化粧品と同じように、肌そのものをうるおす効果ではありません。
この効果の違いを理解して、選びましょう。

 

1-2-1.マイルドな「洗浄力」を選ぶ

必要以上の洗浄力で顔を洗うと、「洗いすぎ」になります。

肌のうるおいを守る皮脂や保湿成分まで落ちてしまうからです。
これでは、肌はますます乾燥し、バリア機能が低下してしまいます。

洗浄力がマイルドなクレンジング・洗顔料を選んで、肌のうるおいを守りましょう。

洗浄力の強さは、まず「形状」で判断するのが分かりやすいです。

そのあと、実際に使ってみて、「あなたの肌にとって洗浄力が適切かどうか」を判断してください。

1.形状から選ぶ
洗浄力が強い 洗浄力がマイルド
  • オイルクレンジング
  • 石けん素地100%の固形石けん
  • ボディーソープ
  • ジェルクレンジング
  • ミルクタイプ
2.実際に使ってみて、洗浄力の見極める

1.気になる洗顔料で顔を洗う
2.洗顔後、保湿ケアをせずに、10~15分程度肌の様子を見る

肌のうるおい成分(皮脂)を取りすぎない洗顔料は、洗浄力がマイルドです。
洗顔後、10~15分経過しても、ツッパリを感じにくいものは、肌のうるおいが残っている証拠です。

乾燥敏感肌の人に「固形石けん」をおすすめしない理由

固形石けんは「肌にやさしい」というイメージがあり、人気です。
また、モコモコの泡を立てるのが楽しくて好き、という方も多いです。
私もこのタイプで、長い間、石けん洗顔を好んで続けていました。

でも実は、固形石けんは、洗浄力がとても強い洗浄剤です。
皮脂を落としすぎるデメリットがあります。
乾燥敏感肌の人には、特におすすめしません。

石けんで洗顔をした後、肌が「キュッキュッ」と音をたてそうな感覚になりますよね。
実は、あの感覚こそ、皮脂をとりすぎている状態だったのです。

すすぎ後、肌の表面にうっすら油膜を感じるような感覚が、肌にとってちょうどいい洗いあがりです。

乾燥敏感肌の人は、ぜひこのような感覚になる洗顔料をご使用ください。

1-2-2.水分と油分の両方を与える

簡単にいうと、基礎化粧品はすべて、「水分」と「油分」でできています。
そして、その割合によって、2つの役割に分かれます。

  1. 水分を与える(水分が多い化粧品)
  2. 水分を維持する(油分が多い化粧品)

この2つができれば、肌の乾燥を防げます。

以下の表を参考に、「どの化粧品が、どの役割を果たすのか?」を知りましょう。

そして、現在使用している化粧品が、1と2の役割をきちんと果たしているかをチェックしてください。
できていない場合は、水分を与え、維持できるよう、化粧品の見直しを行いましょう。

化粧品の油分と水分のバランス

化粧品の見直し例1)数を減らす

保湿方法を見直す2

ある調査では、1回のスキンケアに使用される化粧品の数は6.3個だと言われています。

しかし、「水分を与えて、維持することができれば、化粧品の数は関係ありません。
むしろ、数が増えれば増えるほど、肌に触れる機会が増え、刺激になってしまいます。
敏感肌の人は、化粧品の数はできるだけ少なくしましょう。

例えば、現在、以下の4つのアイテムでスキンケアをしているなら、化粧品の数は2つに減らせます。

化粧品の見直し例2)油分を足す

保湿方法の見直し例2

「化粧水と乳液だけ」というスキンケアも意外と多いです。

「クリームや美容液はベタベタするからイヤなの」というお声もよく伺いますが、この場合は、油分を与えるケアが足りないため、水分がどんどん蒸発してしまいます。

美容液やクリームなどの油分が多い化粧品を追加して、水分を維持しましょう。

化粧品の見直し例3)水分を足す

保湿方法の見直し例3

見直し例2とは反対に、水分が足りない場合もあります。

「しっとり系の化粧品で保湿ができる」という誤解によって、美容液やクリームだけでケアされるお話も伺います。

また、しばらく前に流行した「オイル美容」を実践し、洗顔後、オイルを塗るだけのケアをされている方も多いです。

このような場合は、圧倒的に水分が足りません。
敏感になっている肌は根本的に水分が足りないため、油分を塗るだけでは、肌の水分は増えません。

化粧水や乳液などを追加して、肌に水分と油分の両方を与えましょう。

2.乾燥敏感肌におすすめの基礎化粧品は「ジェルタイプ」

「敏感肌対策」と「乾燥対策」両方できる化粧品の条件

  • 摩擦を起こさない
  • 洗浄力がマイルド
  • 水分と油分の両方を与えられる

乾燥敏感肌の人には、ジェルタイプの基礎化粧品をおすすめします。

乾燥敏感肌の人に必要な「敏感肌対策」と「乾燥対策」の両方を同時に行えるからです。

洗う ジェルタイプのクレンジング・洗顔料
  • 摩擦を避けられる(敏感肌対策)
  • 洗浄力がマイルド(乾燥対策)
保湿 保湿力の高いオールインワンジェル
  • 摩擦を避けられる(敏感肌対策)
  • 水分と油分を同時にバランスよく与えられる(乾燥対策)
失敗を重ねて実感した
ジェルが敏感肌に最適な理由

私自身、化粧水や乳液・美容器・クリームなど、さまざまな形状の化粧品を使ってきました。
しかし、ヒリヒリしたり、かゆみを感じる肌状態は、なかなかなくなりませんでした。

今思えば、そのときのスキンケアに、乾燥敏感肌の改善に必要となる要素が、少しずつ欠けていたからでした。

例えば、敏感肌用の化粧水をたっぷり使っていたときは、化粧水で肌がうるおうと思っていました。
でも実際は、90%以上が水分ですので、うるおいを肌に維持できていませんでした。

しかも、肌をうるおすために、コットンで丁寧に何度も塗っていました。
私の場合は、繰り返し触ること自体が、肌に刺激を与えていたようです。

同じく、クリームや乳液も、使えば使うほどよいと思っていましたが、肌に刺激を与える行為でした。

ジェルは、基礎化粧品の中でも、特殊な性質をもっています。
その性質が、実は、乾燥敏感肌の私のケアに最適だったのです。

2-1.ジェルタイプのクレンジング・洗顔料:うるおいを守りながら、やさしく洗う

ジェルタイプ(水溶性)のクレンジング剤は、洗浄力がマイルドです。

一般的なクレンジング剤は、油分の力でメイクを落とします。
その油分を落とすために、界面活性剤の強さや量が多くなり、肌の皮脂を奪いやすくなります。

一方、ジェルタイプは、油分の力ではなく、メイクとなじみが良い界面活性剤の力と、ジェルという形状の力によって落とします。
油分の配合量が圧倒的に少ないため、皮脂を落としすぎることがありません。

さらに、弾力のある形状のため、肌と手の間でクッションの役割を果たし、摩擦を起こしません。

肌のうるおいを守りながら、やさしく洗えるため、乾燥敏感肌に最適です。

乾燥敏感肌には「水溶性」のジェルクレンジングがおすすめ
ジェルタイプには、「水溶性」と「油分配合」タイプがあります。
洗浄力がマイルドなのは、水溶性タイプの特徴です。
乾燥敏感肌の人は、「水溶性」のジェルクレンジングを選びましょう。

2-2.保湿力が高いオールインワンジェル:摩擦を起こさず、水分と油分をバランスよく与えられる

ジェルタイプの保湿剤の中でも、オールインワンジェルをおすすめします。

その名のとおり、基礎化粧品の2つの役割(うるおいを与え、維持する)を一度に行える化粧品です。
ジェル特有の性質を活用しているため、化粧水やクリームでは得られないメリットです。

一度に効果的に保湿ができると、化粧品の数が減るため、肌に触れる回数を減らせます。

また、ジェル自体に弾力があり、ヌルヌルとすべりがよいため、肌に塗る際に摩擦を起こしません。

オールインワンジェルには、効率的に保湿が行えるうえ、スキンケアによる摩擦を最小限に抑えられるという大きなメリットがあります。

2-2-1.水分と油分をバランスよく与えられる

乾燥肌対策の条件は、「水分と油分の両方を与える」ことですが、これらのバランスがとても大切です。
水分が多すぎても、油分が多すぎても、肌はうるおいません。

たとえば、化粧水→乳液→クリームというスキンケアをするときに、化粧水の量に対して、乳液やクリームをどんな割合で塗ればいいのか……

判断が難しいですよね。

たとえ割合が分かったとしても、顔全体に均等に塗るのは至難の業です。

その点、ジェルは、網目状になった油分の間に、水分と保湿成分が詰まった特殊な構造をしています。

最初から、水分と油分・保湿成分のバランスが取れた状態だから、1本で「与える」と「維持する」の両方を行えます
誰でも簡単に乾燥対策を行えます。

ただし、ひとことにオールインワンジェルと言っても、保湿力はさまざまです。

特に保湿力の高いオールインワンジェルを選びましょう。

2-2-2.こすらない・押さない・触らない

ジェルは、摩擦を起こさないための以下の要素をすべて含んでいます。

  • ぬめりがあり、指がすべる
  • タッピングが必要ない
  • マッサージが必要ない
  • 何度も塗らなくていい
  • 指や手のひらで塗れる

化粧水や乳液などと比べて、ぬめりと弾力があるため、肌に広げる際に摩擦を起こしません。

また、肌にのせても垂れることがないため、指や手のひらで塗ることができます。
この点も、コットンが必要となる化粧水とは異なる点です。
やわらかいコットンであっても、肌の表面をすべらせる際には摩擦が生じます。

さらに、保湿ケアの場合、肌に広げるだけで浸透するため、タッピングやマッサージも必要ありません。

また、1つの化粧品で保湿ができるため、肌に触れる回数が少なくなります。
刺激に過敏な乾燥敏感肌には、できるだけ触れないことが大切です。

オールインワンジェルなら、肌に触れる回数を最小限にしながら、保湿ができます。

肌への負担を軽くしたい方は「敏感肌に『得するオールインワン』と『損するオールインワン』」も併せてご覧ください。

3.乾燥敏感肌におすすめのメイク料は「摩擦を起こしにくく、落としやすいもの」

メイク料は「摩擦を起こしにくく、落としやすい」ことを基準に選びましょう

乾燥敏感肌に負担を与えるのは、メイク料そのものではなく、落とすときの刺激だからです。

さらに、1-1でお話したように、肌に塗布する際にも、できるだけ摩擦を起こしにくいものを選びましょう。

そうすれば、敏感肌対策と乾燥対策の両方を行えます。

3-1.うるおいを守りながら、やさしく落とす

メイク料は、肌につけているときよりも、落とすときに肌に負担がかかります。

メイクを落とすために使うクレンジング剤の「洗浄力」と、洗うときに起こる「摩擦」です。

落ちにくいタイプのメイク料ほど、落とすために強い洗浄力が必要です。
さらに、しっかりと落とすために、何度も肌をなでたり、こすったりする場合もあります。
これでは、肌のうるおいを奪ううえに、摩擦を与えてしまいます。

乾燥敏感肌の人は、「落ちやすいメイク」を選びましょう

次の特徴がうたわれているメイク料は、落ちにくい可能性が高いです。

「落ちにくいメイク」の例

  • ウォータープルーフ機能
  • 24時間崩れない
  • 専用リムーバーが必要

乾燥敏感肌に負担をかけないメイクの選び方し

  1. 洗浄力のマイルドなクレンジングや洗顔料を選ぶ
  2. そのクレンジング・洗顔料で落とせるメイク料を選ぶ

この順番で選ぶと、肌にやさしく、かつ、うるおいを守ることができます。

落ちにくいメイクを落とす際のポイントを、「人気クレンジングオイル45本を調査してわかった正しい使い方と注意点」で解説しています。参考にしてください。

「石けんで落とせるメイク」に注意!
「石けんで落とせる」と聞くと、「落ちやすいメイクだ」と思いがちです。
しかし、1-2-1でお話したとおり、石けんの洗浄力はとても強いです。

メイクが落ちるのは当たり前です。
落ちにくいタイプのメイク料でも、場合によっては落とせるほどです。

ですから、「石けんで落とせるメイク」を選んで、実際に石けんで落としていると、それは「洗いすぎ」になります。
乾燥敏感肌の人は、「石けんで落とせる」という言葉に惑わされないよう、気を付けてくださいね。

まとめ

乾燥敏感肌の人は、「敏感肌対策」と「乾燥対策」の両方が行える化粧品を選びましょう。

おすすめの化粧品は、以下の通りです。

  • ジェル状の基礎化粧品
  • 落としやすいメイク料

このような基準で選べば、肌に合う化粧品が見つかるだけでなく、乾燥敏感肌の改善も目指せます。

この記事を参考に化粧品を選び、ぜひ健康でキレイな肌を手に入れてください。

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