乾燥肌とは、肌の皮脂分泌量が低下し、肌の水分量が低下している状態のことです。
この記事では、乾燥肌からくるかゆみの原因を知り、かゆみから解放されるための方法を紹介しています。
乾燥肌になる理由やかゆみが出る原因に加えて、かゆみに対処する方法を具体的に紹介しています。
つらいかゆみのお悩みを解消するための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
1.乾燥肌について
乾燥肌とは、肌の皮脂分泌量が低下し、角質に含まれる水分の量が低下している状態のことです。
皮膚の水分はもともと汗をかいたり、呼吸するたびにどんどん低下してしまうものです。
しかし通常は、低下した皮膚の水分を大気中の水分や体内の水分で補い、肌の表面から水分が失われるのを防いでいます。
肌表面から水分が蒸発するのを防ぐのが、皮脂と汗とでできた「天然の保湿クリーム」です。
皮膚の水分量を一定に保ち、乾燥を防げば、細菌やさまざまな刺激から肌を守れます。
しかし、環境が変わったり、身体の不調などさまざまな要因でこの保湿バランスが崩れると、ほんのわずかな刺激を受けただけでもどんどん肌の水分量が低下してしまいます。
1-1.乾燥肌と敏感肌
敏感肌は皮膚の感受性が高まっているため起こる反応ですが、敏感肌に明確な定義があるわけではありません。
具体的には化粧品やほこり、髪の毛などの外的刺激に対し、赤みやかゆみ、湿疹が出る状態のことです。
皮膚には、うるおいを蓄えている「角層細胞」があり、細胞と細胞の間には「細胞間脂質」が存在します。
「角層細胞」や「細胞間脂質」は大気中のほこりや細菌、紫外線などの侵入を防ぐ肌のバリア機能をはたしています。
外的刺激に敏感に反応する人は、健康な肌の人と比べると、バリア機能が低下していて皮脂も少なくなっているため、乾燥しやすく、肌トラブルを起こしやすい傾向にあります。
2.乾燥肌・かゆみの原因について
空気が乾燥すると、肌が乾燥したりかゆみが生じたりする人が少なくありません。
ここでは、乾燥肌によるかゆみの原因を解説します。
2-1.乾燥肌によって起こるかゆみの原因は
乾燥肌によって起こるかゆみの原因には、皮膚表面のバリア機能の低下、誤った入浴方法、エアコンや暖房器具の使い過ぎ、寝不足や食生活の乱れなどが考えられます。
それぞれについてわかりやすく解説します。
2-2.空気の乾燥による皮膚表面のバリア機能の低下
乾燥肌でかゆみが起こる原因は、角層が乾燥してひび割れていると、外部の刺激を防ぐバリアとしての役割を十分に担えなくなるからです。
皮膚の表面にできた細かなひび割れからは、さまざまな外的刺激要因やアレルゲンが体内に入り込んできます。
次々に体内に侵入する外的刺激要因にさらに敏感に反応するようになると、かゆみの原因になってしまいます。
長時間の熱いお湯での入浴
入浴時間を長めにとっている人は、入浴方法が乾燥の原因になっている可能性もあります。
熱いお湯に長時間入ることで、皮脂や角層の保湿成分が失われます。
さらに、身体を強くこすって洗うことで皮膚の表面の皮脂膜が剥がれてしまい、角層を傷める可能性もあります。
肌がデリケートな状態にあるときや乾燥しがちなときは、身体をやさしく洗うこと、熱いお湯にあまり長時間つからないことが重要なポイントです。
エアコンや暖房器具の使いすぎ
冷房や暖房をつけっぱなしにすると、湿度がどんどん低下してしまいます。
湿度の低下は冷房・暖房を問わずに起こる現象で、湿度が低下したままだと、肌が乾燥してしまうことがあります。
乾燥が進むと、エアコンの風が当たるだけでも肌がピリピリします。
また、電気こたつや電気毛布などの暖房器具もかゆみを悪化させる要因です。
エアコンや暖房器具を使う場合は、つけっぱなしにしたまま長時間放置しないように気を付けましょう。
寝不足や食生活の乱れ
寝不足の状態では、皮膚の細胞分泌を促す成長ホルモンが十分に分泌されません。
また、極端なダイエットや偏食といった食生活の乱れがあると、肌に十分な栄養がいきわたらず、肌が荒れたり乾燥したりする原因になります。
肌のターンオーバーを促すためには、十分な睡眠をとり、栄養バランスを整えることが大切です。
3.乾燥肌・かゆみ対策には何をすれば良い?
敏感肌が原因のかゆみへの対処法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、具体的な方法を5つ挙げ、わかりやすく解説します。
3-1.かゆみの原因(刺激)を避ける
かゆみ対策では、かゆみの原因になる外的要因(刺激)を避けることが大切です。
かゆみが何によって引き起こされるのかがすでに判明しているのなら、原因物質を肌に触れさせないように注意しましょう。
帽子で紫外線を避ける、マスクやサングラスで花粉から肌を守る、汗をかいたときにはすぐ拭く、髪の毛が顔にかからないようにするなどの工夫で、かゆみを抑えられます。
3-2.冷やす(かゆくてもかくのはNG)
肌のバリア機能が低下すると、外部からの刺激を防ぎにくくなります。
少しの刺激でもかゆくなりますが、皮膚をかくことは厳禁です。
かくことで肌のバリア機能がさらに低下し、かゆみ物質が放出されるため、さらにかゆく感じるようになるからです。
かゆいときはまず肌を冷やし、知覚神経の興奮をしずめましょう。
3-3.医薬品を使う場合には肌の改善ができるものを
肌のかゆみに苦しんでいるときは、まずその症状を抑えるべきです。
かゆみ止め成分の入った医薬品を使うなら、肌の状態を改善できるものを選びましょう。
肌の状態が改善されないままで皮膚を保湿しても、乾燥肌の症状を何度となく繰り返してしまいます。
同じ症状を出さないためには、肌が水分を維持できるよう導く医薬品を選ぶことがポイントです。
3-4.睡眠・栄養をしっかりと摂る
皮膚をしっかり保湿するためのポイントは、適度な運動と休養、そして十分な睡眠時間をとることです。
寝不足の状態に陥らないこと、疲労を蓄積しないことを心がけ、規則正しく過ごすように心がければ、皮膚に水分を保ちやすくなり、乾燥や肌荒れといった問題も起こりにくくなります。
乾燥肌によるかゆみの症状を軽減させるためには、しっかり睡眠をとり、十分な栄養を摂ることが大切です。
3-5.日常的な保湿ケアでバリア機能を整える
さまざまな対処方法がある中で、もっとも重要なのが、日常的に保湿ケアを行うことです。
乾燥によって低下してしまったバリア機能を整え、外部からの刺激を防げば、かゆみも収まる可能性があります。
お風呂上りの水分が逃げやすい状態を長引かせないためにも、入浴後はできるだけ早くに保湿剤を塗るなどして、水分を閉じ込めるようにしてください。
お風呂上りから10分以内にケアすることで、乾燥によるかゆみを防げます。
最後に
肌の乾燥によるかゆみにお悩みの人に向けて、乾燥肌になる理由やかゆみの起こる原因、その対処方法をお伝えしました。
かゆみ解消に向けてもっとも重要なポイントは、肌の保湿ケアを行い、バリア機能を整えることです。
バリア機能を整えるためのスキンケアでは、「乾燥を防ぐこと」と「皮脂を取り過ぎないこと」が大切です。
それは、肌が乾燥した状態が常態化すると、かゆみを脳に伝える知覚神経の末端部分が体の表面の近くまで伸びてきてしまい、肌のすぐ下にくるためです。
これはわずかな刺激にも、かゆみを過敏に感じてしまうようになるということ。
かゆみを防ぐためにも、肌にうるおいを与えて角層のバリア機能を整えましょう。
この記事ではそのための方法をカンタンに紹介しましたが、もっと具体的な方法はこちらの記事「保湿してもすぐ乾燥する肌をプルプルにする!おすすめスキンケア」で紹介していますので参考にしてくださいね。