肌が荒れたときには、生活習慣や食事の摂り方を改善するのがおすすめの対策です。
しかし、毎日忙しい人はなかなか食事にまで気を遣えないことも。
また、どのような栄養素が役立つのかわからない場合もあることと思います。
この記事では、肌荒れの悩み改善のためサプリメントを利用したい人に向けて、よくある肌の悩みや、どのような栄養素が役立つかを解説します。
また、肌荒れケアに役立つ多数の食材やその栄養素、サプリを摂るとき守らなくてはいけない注意点、サプリを上手に利用するポイントについても解説します。
肌荒れの悩み改善にぜひ役立ててください。
1.肌荒れ時のサプリメントは症状・目的に合わせて選ぶ
サプリメントや食事でバランスよく栄養を補給すると、健康維持に役立ちます。
サプリは多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進したりするものではないため、一日の摂取目安量を守ることが大切です。
目的に合わせてとりたい栄養素について解説します。
1-1.野菜不足や紫外線ダメージが気になる場合は「ビタミンC」
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
ピーマンやブロッコリー、カリフラワー、青菜類、キウイフルーツ、菜の花などに多く含まれます。
肌は紫外線のダメージを受けると、しみなどの原因となるメラニンを生成しますが、ビタミンCはこのメラニンの生成を抑えたり、還元する作用を持っていると言われています。
ほかにも、肌の弾力線維「コラーゲン」を作る材料になったりと、肌状態を維持する上では積極的に摂っておきたい栄養素です。
1-2.肌の乾燥が気になるなら「ビタミンA・B群」
ビタミンAやビタミンB1、B2、B6は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンAが不足すると、肌表面の水分量が低下、ビタミンB群のはたらきは皮脂のコントロールや、肌の生まれ変わりにかかわると言われています。
ビタミンB群はひとつだけでは効果が発揮されにくい栄養素で、お互いが補完しながら働きますので、ビタミンB群は一緒に摂ると効果的です。
そして水溶性のため、こまめな補給が必要です。
1-3.ニキビが出がちなら「必須脂肪酸」
必須脂肪酸とは、体内で合成できない脂肪酸で、リノール酸などのオメガ6系、リノレン酸などのオメガ3系に分けられます。
必須脂肪酸は、肌の正常なターンオーバーやうるおい保持にかかわる栄養素だと言われています。
ターンオーバーが乱れると肌の角層が厚くなり、毛穴につまりやすくなってニキビを招きますので、積極的に摂りたい栄養素です。
1-4.便秘になりやすい場合は「乳酸菌」
乳酸菌はヨーグルトなどの発酵食品に含まれている菌で、腸内においては「善玉菌」にあたるものです。
腸の中では善玉菌と悪玉菌が常に戦っており、どちらが優勢となるかが腸内環境に大きくかかわります。
口から入った乳酸菌は排出されやすいといわれているため、継続して摂ることが大切です。
1-5.生理不順・ホルモンバランスの崩れには「大豆イソフラボン」「エクオール」
大豆イソフラボンは、体内で女性ホルモンと似た働きをする成分です。
また、体内で大豆イソフラボンが変化した成分エクオールも、イソフラボンの働きの要として注目されています。
自分の体内で大豆イソフラボンからエクオールを作れる人は、およそ2人に1人とされています。
ですから、栄養素として摂取することによる効果は期待したいところです。
1-6.肌のターンオーバーを促すには「ビタミンE」「L-システイン」
健康な細胞で肌が作られ、正常にターンオーバーすると、肌のバリア機能が高まります。
ビタミンEは抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。
また、非必須アミノ酸である「L-システイン」は、体内では坑酸化作用があり、代謝促進効果や肝臓の解毒作用も持っています。
ターンオーバーにかかわる栄養素で、肌の再生をサポートすると言われています。
1-7.食生活の乱れ・飲酒が多いなら「亜鉛」
亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
また、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。
体内に蓄えられない必須ミネラルでもあります。加工食品や飲酒が多いとうまく吸収されず、失われやすくもなるため、気づかぬうちに不足しやすいミネラルです。
2.肌荒れ時にサプリを摂るときの注意点
より目的にかなうサプリの選び方や、気をつけるべき飲み方について解説します。
サプリを選ぶ前に、ご一読ください。
2-1.サプリだけでなく「食事」でも栄養を摂る
サプリメントはあくまで、食事で足りない栄養を補う「栄養補助食品」です。
食事代わりとしてではなく、食事のバランスが偏ってしまったとき、余分なカロリーを足さずに栄養を補う方法として利用するのが正しい形です。
あくまでもサプリは補助ですから、「食事」から栄養を摂りましょう。
2-2.「成分」や「含有量」をチェックする
ビタミンを例にすると単体やマルチビタミンなど、サプリの配合成分には種類があります。
食習慣などに合わせて、必要な成分を吟味しましょう。
安価でも成分が少量ならお得とはいえません。
含有量も忘れずにチェックすることもお忘れなく。
2-3.「摂取量」や「飲み合わせ」に注意して飲む
配合成分の中には、多量に摂取すると体に蓄積され、悪影響を起こすものがあります。
例として、ビタミンAは過剰摂取すると、頭痛や肝機能障害を起こすことがある成分です。
また、妊娠中の女性には摂取上限もあります。
サプリメントを何種類も飲んでいる場合も、成分が重複して知らないうちに過剰摂取することがあり、注意が必要です。
3.肌荒れ改善にサプリを服用する場合のポイント
サプリとうまくつきあうために覚えておくことや、機能表示してあるサプリについて解説します。
効果的に使うために以下の2つのポイントをおさえておきましょう。
3-1.効果を出すためには継続が必要
サプリメントは栄養補助食品であり、薬ではないため即効性はありません。
前述のとおり、多量摂取はかえって悪影響な場合もあるため、既定の量をコツコツ飲むのが健康増進への近道といえます。
3-2.「栄養機能食品」「機能性表示食品」の表示があるかをチェックする
「栄養機能食品」とは、特定の栄養素が不足しがちな場合に、その補給を目的として利用できる食品です。
その成分に関して規定量の基準を満たしていれば、国が定めた表現で機能表示ができます。
「機能性表示食品」は、規定された安全性や機能性の条件を満たし、事業者の責任において「おなかの調子を整える」など機能の表示が認められた食品です。
これらは規定の量や安全の基準を満たすものという点で、消費者にとってメリットのある選択肢といえます。
4.肌荒れ改善に効果がある食材は?
食事で肌荒れを予防するならどういったものを食べればよいか、目的ごとに紹介します。
4-1.肌荒れ防止・ターンオーバーを促す食材
新しく健康な肌作りのためには、細胞の材料となるたんぱく質を摂るのがポイントです。
肉や魚、卵などを積極的に食べましょう。
また、うなぎや卵、人参、ほうれん草などに含まれる、皮膚や粘膜の健康維持を助けるビタミンAも重要です。
さらに、たんぱく質・核酸の代謝に関与する亜鉛は、牡蠣や牛肉、レバーに含まれています。
レバーはビタミンAやビタミンB2、B6も含まれ、とても頼れる食材といえます。
4-2.腸内環境改善に効果がある食材
デトックス効果や腸内環境をよくしたりするためには、カリウムと食物繊維が重要です。
カリウムは、キウイやバナナなどに多く含まれています。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。
水溶性食物繊維は果物類、きのこ類、海藻類に多く含まれており、不溶性食物繊維は、豆類やごぼう、サツマイモなどに含まれています。
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」は、バランスよく摂ることが大切です。
4-3.アンチエイジング・美肌づくりにいい食材
エイジングケアには抗酸化作用がポイントとなります。
フルーツなどからビタミンCを、ナッツ類などからビタミンEを積極的に摂りましょう。
また、人参やかぼちゃ、ほうれん草など、色の濃い野菜に含まれるベータカロテンも役立ちます。
ベータカロテンは体内でビタミンAに変わるため、ビタミンA不足も補える食材です。
さらに、プルーンやリンゴには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれます。
5.肌荒れ改善にはスキンケアの見直しも重要
栄養バランスを整えて内からケアしても、外からのケアが間違っていると肌荒れを防げません。
肌を乱暴に扱ったり保湿を怠ったりすると、それが原因で乾燥肌や、ターンオーバーが乱れるなどのトラブルが起こる可能性があります。
スキンケアの基本5つのポイント
- 肌をこすらない
- 摩擦を起こさないように、やさしく扱う
- 一年中、紫外線対策を行う
- 皮脂を取り過ぎないクレンジング・洗顔料を使う
- 適切に保湿をする
クレンジングはゴシゴシこすらず、洗顔はたっぷり泡をつくり、顔にそっとあてるようにするなど、肌は極力やさしく洗いましょう。
洗顔後はすみやかに化粧水、乳液の順で保湿し、うるおいをしっかり補うのも重要です。
このポイントをおさえた上で、スキンケアを行いましょう。
まとめ
肌荒れ防止に役立つ栄養素や、サプリメント利用の注意点、ケアに役立つ食材を紹介しました。
サプリを効果的に使う基本は、以下の3つです。
-
サプリだけでなく「食事」でも栄養を摂る
- 「成分」や「含有量」をチェックする
- 「摂取量」や「飲み合わせ」に注意して飲む
効果を出すためには継続が必要ですから、忙しい人が外からケアするには、続けやすいシンプルなものがおすすめです。
サプリをうまく活用して、肌荒れ予防に役立ててください。
※参考文献:
- 厚生労働省「保健機能食品制度に関する質疑応答集について│2.規格基準等」
- 農林水産省「食育の推進」
- ビオフェルミン製薬「善玉菌と悪玉菌」
- オーソモレキュラー栄養医学研究所「栄養素の説明」
- ハウス食品グループ「毎日摂った方がよい?生きていなくても効果あり?「乳酸菌」Q&A」
- 消費者庁「機能性表示食品について」
- 日本理化学薬品株式会社「医療現場で活躍するアミノ酸」