肌を紫外線から守るために使われる日焼け止め。
日焼け止めに使われる、紫外線カット成分には大きく分けて2種類あります。
- 紫外線「吸収剤」が配合されている日焼け止め
- 紫外線「散乱剤」が配合されている日焼け止め
紫外線吸収剤は、紫外線カット効果が高い、使用感がよいのが特徴です。
紫外線散乱剤は、肌へのやさしさと光老化が起きないのが特徴です。
吸収剤 | 散乱剤 |
---|---|
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|
最近は、紫外線散乱剤が配合された日焼け止めは、「紫外線吸収剤不使用の日焼け止め」と呼ばれ人気です。
「紫外線吸収剤不使用」日焼け止めが人気の秘密は、肌への刺激が少ないことです。
でも、これは半分正解、半分間違っています。
「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めは、紫外線「吸収剤」を配合した日焼け止めと比べて肌にやさしいだけで、肌に負担をかけないわけではありません。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、肌にとって異物です。
肌の上にのせ続けて良いものではありません。
また、日焼け止めを選ぶ際は、肌へのやさしさの他にも重要な要素があります。
それは……
- 日焼け止めを使う目的
- 日焼け止めを使う環境
- あなたの肌質
などです。
このような条件を考慮して、あなたに合った「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めを使うことで、そのメリットを100%活かすことができます。
逆に、単に「紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、肌にやさしい」と思って使っていると、肌に大きな負担をかけることになるかもしれません。
あなたの肌を紫外線から守り、シミやシワを防ぐためにも、「紫外線吸収剤不使用」日焼け止めのメリット・デメリットを正しく理解しましょう。
私自身、みずから「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めを開発して、約15年間販売しています。
おかげさまで、今までで18万個を販売しており、多くの方からいろいろな声をいただきました。
机上の空論ではなく、15年間で得た経験をもとに、あなたの肌にピッタリ合った「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めの見つけ方をご説明します。
この条件を基準に選べば、紫外線による日焼けや赤み・かゆみを防ぐだけでなく、シミやシワ・たるみといった肌老化も未然に防げます。
記事後半で詳しく紹介していますが、人気の日焼け止め62商品のSPF数値や成分、紫外線散乱剤使用の有無などを徹底的に調査したところ、5つの条件をすべてクリアした日焼け止めは、以下の2商品しかありませんでした。
商品名 | やさしいUVカットミルク | ちふれ・UVサンベール クリーム |
商品画像 | ||
SPF / PA | SPF25・PA++ | SPF30・PA++ |
紫外線カット成分の種類 | 紫外線散乱剤100% | 紫外線散乱剤100% |
ウォータープルーフ機能 | 〇 | 〇 |
使用感 | クリームに近いミルクタイプ | クリーム |
お試し使用 | 〇 初回限定550円(6回分)のお試しセットあり |
× |
容量・価格 |
税込2,800円(25g) |
税込605円(50g) |
記事の情報を参考にして、あなたの肌にあう日焼け止めを見つけましょう。
1.紫外線吸収剤不使用の日焼け止めのデメリット3選
“デメリット”
- 白浮きしやすく、肌にのびにくい
- 使用感が良くない場合がある(きしみやすい、ベタつきやすい等)
- 紫外線カット効果が紫外線吸収剤に比べてやや劣る
1-1. 白浮きしやすく、肌にのびにくい
紫外線散乱剤は粉状の成分のため、肌に塗布すると白浮きしやすく、のびが悪いというデメリットがあります。
白浮きの原因は紫外線散乱剤そのものです。
肌色に色がついているものなどを使用するとデメリットを比較的気にせず使えるようになります。
1-2. 使用感が良くない場合がある
紫外線散乱剤は粉状であるため、使用感が良くない場合があります。
伸びが悪く、たくさん配合することができないため、使用感の悪さにつながることがあります。
1-3. 紫外線カット効果が紫外線吸収剤に比べてやや劣る
紫外線散乱剤は白浮きと使用感の悪さから大量に配合することができず、SPFが低くなるというデメリットがあります。
無理にSPF値やPA値を上げると、使用感が非常に悪くなるからです。
しかし、実際にはSPF30とSPF50では紫外線カット率は大きく変わりません。
2.紫外線吸収剤不使用の日焼け止めのメリット4選
“メリット ”
- 肌への負担や刺激が少なく、敏感肌の人に適している
- 紫外線防止効果の持続時間が紫外線吸収剤より長い
- 天然由来の無機粉末を使用しているため、環境への負荷が小さい
- 紫外線吸収剤のような光劣化が起きない
2-1. 肌への負担や刺激が少なく、敏感肌の人に適している
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、肌へのやさしさが最大のメリットです。
肌への刺激が少ないため、敏感肌の人に向いています。
紫外線による肌の刺激を減らしたい人は吸収剤不使用・散乱剤の日焼け止めを使用してみましょう。
2-2. 紫外線防止効果の持続時間が紫外線吸収剤より長い
紫外線散乱剤は化学変化をしないため安定性が高く、光劣化が起きません。
そのため、紫外線カット効果が極端に失われる心配がなく、効果の持続時間が長いです。
2-3. 無機粉末を使用しているため、環境への負荷が小さい
多くの紫外線散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛などの無機粉末です。
生分解性が高く、環境中に蓄積しにくいため、環境への負荷が小さいというメリットがあります。
2-4. 紫外線吸収剤のような光劣化が起きない
紫外線吸収剤は紫外線を吸収することで化学変化が起き、紫外線カット効果が低下する光劣化が起きます。
一方、紫外線散乱剤は化学変化をしないため、光劣化が起きず、安定した紫外線カット効果を発揮し続けます。
3.紫外線吸収剤不使用/散乱剤の日焼け止め
「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めとは、その名の通り、紫外線吸収剤を配合していない日焼け止めです。
別名、「ノンケミカルの日焼け止め」と呼ばれることもあります。
「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めを正しく理解するためには、まず紫外線「吸収剤」について知る必要があります。
紫外線「吸収剤」について知ることで、「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めを正しく使うことができます。
その結果、あなたの肌を紫外線から守り、シミ・シワを防いでくれます。
3-1.「紫外線吸収剤」のデメリットや成分について知ろう
紫外線吸収剤が紫外線を防ぐ原理は、紫外線を吸収して、熱や蛍光・りん光として放出することで継続的に紫外線をカットすることです。
紫外線をカットする過程で、化学変化を起こして肌への刺激が懸念されるために、特に敏感肌に嫌われています。
肌への刺激が怖い「紫外線吸収剤」
「化学変化」が刺激を与える
紫外線吸収剤は、みずからが紫外線を吸収することで、紫外線カット効果を発揮します。
その紫外線を吸収して熱に変換する際に、化学変化を起こします。
この化学変化が、敏感肌に刺激を与える可能性があると言われています。
がん薬薬連携勉強会の紫外線について書かれたPDFにも、紫外線吸収剤による肌への刺激について書かれています。
紫外線吸収剤
紫外線を吸収して肌への影響を減らす。
使用感が滑らかで白浮きが目立ちにくいが、肌への刺激は強い。引用:一般社団法人松本薬剤師会「がん薬薬連携勉強会」
「光劣化」によって、紫外線カット効果が低下する
また、吸収した紫外線を熱に変える際に、非常に不安定な状態となり、紫外線吸収剤が「光劣化」を起こします。
光劣化とは、物質が光エネルギー(光子)を吸収し、その諸特性を低下させる現象のことです。
簡単に言うと、光(紫外線)を浴びることで、著しく機能を低下させる現象です。
例えば、本の背表紙が日に当たると変色したり、透明のセロハンテープが茶色になる現象です。
日焼け止めの場合は、紫外線を浴びることで、紫外線から肌を守る紫外線カット効果が低下する現象を指します。
東京工科大学応用生物学部の報文『UV吸収剤の光安定化に関する基礎的検討』にも下記のように書いてあります。
UV吸収剤を皮膚へ塗布し太陽光に暴露された時に生じる光劣化は、光防御効果を低下させ、その結果、紫外線紅斑の生成や光老化皮膚の形成を加速する
- 紫外線紅斑
- 紫外線を浴びることで肌が赤くなる現象
- 光老化皮膚
- 紫外線を浴びることで起きる皮膚の老化
引用:東京工科大学応用生物学部の報文「UV吸収剤の光安定化に関する基礎的検討」より
つまり、肌に日焼け止めを塗った後、紫外線を浴びることで光劣化が起きた場合、紫外線カット効果が低下します。
その結果、紫外線が直接肌に届いて、肌に炎症を起こして赤くなったり、シワやシミなど老化現象が促進されます。
日焼け止めを塗っているにもかかわらず、肌が赤くなったり、シワやシミが増えるなんて恐ろしすぎます。
時折、「SPF50の日焼け止めを使っていたのに日焼けした」という場合がありますが、これは光劣化による紫外線カット効果の低下が原因です。
このように紫外線吸収剤には2つのデメリットがあります。
紫外線「吸収剤」のデメリット
- 紫外線を吸収する際に起きる化学変化による肌への刺激
- 光劣化による紫外線カット効果の低下
特に、光劣化は、日焼け止めの目的そのものを阻害する大きなマイナス要因です。
肌への刺激と引き換えに手に入れた「紫外線吸収剤」のメリット
肌に刺激があるイメージが強い紫外線吸収剤ですが、悪いことばかりではありません。
メリットもあります。
それは、高い紫外線カット効果が発揮できることです。
現在、日本ではSPF値の最高値は「50」です。
PA値は、「++++(フォープラス)」が最高です。
紫外線吸収剤を配合すれば、このように高い数値を比較的容易に出すことができます。
また、使用感(テクスチャ)が良いのも大きなメリットです。
紫外線吸収剤は、白浮きしません。
伸びもよく、使用後もサッパリしており、非常に使い勝手に優れています。
このように、紫外線吸収剤は使用感に優れています。
だから、大量に配合しても使用感が悪くなりにくい特性があります。
そのため紫外線吸収剤を大量に配合することができます。
紫外線カット効果は、紫外線カット成分の配合量と比例するため、配合量を増やせば増やすほど、SPF値やPA値は高くなります。
その結果、高い紫外線カット効果が発揮できます。
以上のように、紫外線吸収剤のメリットは2つあります。
紫外線「吸収剤」のメリット
- 高いUVカット効果
- 使用感の良さ
最近は、嫌われている紫外線吸収剤ですが、このような大きなメリットがあります。
そのため、真夏のビーチのように紫外線が強い環境で使用する場合は、紫外線吸収剤配合の日焼け止めのほうが優れている側面があります。
3-2.「紫外線吸収剤不使用」なのに紫外線をカットできる謎
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、紫外線をカットする紫外線吸収剤が配合されていません。
では、どうやって紫外線を防ぐのでしょうか?
当然ですが、日焼け止めとして役割を果たすためには。何か紫外線をカットできる成分を配合する必要があります。
そのため、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、紫外線をカットできる成分が配合されています。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに配合されている紫外線カット成分は「紫外線散乱剤」です。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めが紫外線をカットできる理由は、紫外線散乱剤を配合しているからです。
3-3.紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに配合されているもう一つの紫外線カット成分「紫外線散乱剤」
紫外線散乱剤は紫外線を反射させることで紫外線から肌を守ります。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、紫外線散乱剤配合の日焼け止めということになります。
つまり、紫外線散乱剤の特性がそのまま紫外線吸収剤不使用の日焼け止めのメリット・デメリットになります。
肌にやさしい「紫外線散乱剤」
紫外線散乱剤は、紫外線吸収剤のように肌の上で化学変化を起こさないため肌への刺激を抑えることができます。
そのため、紫外線散乱剤は紫外線吸収剤に比べて、肌にやさしいと言われています。
がん薬薬連携勉強会の紫外線について書かれたPDFにも紫外線散乱剤による肌へのやさしさについて書かれています。
紫外線反射剤
紫外線を反射して肌への影響を減らす。肌への刺激は少ないが、白浮きが目立ちやすい。引用:一般社団法人松本薬剤師会「がん薬薬連携勉強会」
また、紫外線吸収による化学変化をしないので安定性も高く、光劣化をすることもありません。
そのため、紫外線カット効果が極端に失われる心配がありません。
紫外線「散乱剤」のメリット
- 肌にやさしい
- 光劣化が起きない
肌にやさしい「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めのダメな部分
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに配合される紫外線散乱剤は肌にやさしいのが特徴ですが、デメリットもあります。
紫外線散乱剤は、粉状の成分です。
そのため、どうしても白浮きしてしまいます。
白浮きの正体は紫外線散乱剤です。
また、伸びが悪く、使用感が良くありません。
これも粉状であることが原因です。
このように紫外線散乱剤は、白浮きと使用感が悪いために、たくさん配合することができません。
そのため、高い紫外線カット効果を発揮することが困難です。
紫外線散乱剤を大量に配合して、無理やりSPF値やPA値を上げることも可能ですが、使用感が悪すぎて、とても使えたものではありません。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに配合されている紫外線散乱剤のデメリットは3つです。
紫外線「散乱剤」のデメリット
- 白浮きする
- 使用感が悪い
- 高いUVカット効果を発揮するのがむずかしい
4.「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めは敏感肌に使うべき
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの特徴を、もう一度整理しましょう。
<紫外線散乱剤の特徴>
肌へのやさしさ | 〇 |
光劣化 | 〇 |
UVカット効果 | △ |
白浮き | × |
使用感 | × |
この表を見てわかるように、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの一番のメリットは、肌へのやさしさと光劣化が起きないことです。
そのため、肌への刺激が少ない紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、敏感肌にいいでしょう。
敏感肌は、肌への刺激に弱い肌質です。
そのため、紫外線をカットするだけでなく、肌への負担を抑える必要があります。
また、光劣化によって紫外線による肌への直接的なダメージも大きなリスクになります。
敏感肌には、白浮きする、使用感が悪い、紫外線カット効果を発揮するのが困難というデメリットよりも、肌にやさしく安定的に紫外線カット効果があるメリットの方が大きくなります。
紫外線散乱剤にはデメリットもありますが、敏感肌にとっては、メリットのほうが大きいです。
以上の理由から、敏感肌には紫外線吸収剤不使用の日焼け止めがいいでしょう。
さらに、肌への刺激を軽減するなら、紫外線散乱剤をコーティングしてある日焼け止めです。
コーティングすることで肌への接触機会を減らし、肌に不要な負担をかけません。
ちなみに、私が開発した紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、紫外線散乱剤をコーティングした技術を採用しています。
私見ですが、現状、この方法がもっとも肌に負担をかけない方法だと考えています。
普通肌は、特に紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを使う必要がありません。
肌も刺激に強いので、紫外線効果を重視すればいいでしょう。
特に、炎天下の海水浴や紫外線が強いエリアで使用する場合は、紫外線吸収剤が配合された日焼け止めが適しています。
ただし、光劣化が起きる可能性があるので、日焼けによる刺激を感じた場合は、こまめに塗りなおしをしましょう。
SPF値やPA値への過信は禁物です。
5.敏感肌が知るべき「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止め3つの選び方
肌にやさしいことから敏感肌向け紫外線吸収剤不使用の日焼け止めですが、選ぶ際に3つの注意点があります。
紫外線吸収剤不使用日焼け止め
選ぶときの注意点
- SPF20~30、PA++(ツープラス)
- ウォータープルーフは必須
- 白浮きは受け入れる
3つの注意点をおさえれば、肌にやさしいだけでなく、紫外線をしっかり防げます。
5-1.日常の紫外線カットなら「SPF20~30、PA++」で十分です
敏感肌に、刺激は大敵です。
そのため、紫外線をカットしながらも、できるだけ紫外線散乱剤が少ない日焼け止めを選びましょう。
紫外線散乱剤は、あくまでも紫外線吸収剤よりも肌にやさしいだけで、紫外線をカットする以外に肌に良い影響を与える成分ではありません。
肌にとっては、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めであっても異物でしかありません。
何もつけないで紫外線を浴びるよりは、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを使うほうが敏感肌には効果的です。
だからと言って、肌に良いわけではないので、必要以上に紫外線散乱剤が配合されていない日焼け止めを選びましょう。
どのような環境で紫外線をカットしたいのか目的にあわせて、適切な日焼け止めを選びましょう。
日常生活(ちょっと汗をかく程度の運動も含めて)では、SPF10~30程度、PA++あれば十分です。
詳しくは、以下の表を参考にしましょう。
尚、SPF30以上、PA++以上のように高い紫外線カット効果をもつ紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、ナノ化された紫外線散乱剤が配合されていることが多いので注意が必要です。
詳しくは、4章で説明します。
5-2.汗や皮脂がでる環境なら「ウォータープルーフ機能」は必須です
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを使用する際に、ウォータプルーフ機能は必須です。
なぜなら、通常の日焼け止めは汗や皮脂に弱く、すぐに流れ落ちてしまうからです。
日焼け止めが汗や皮脂によって流れ落ちると、紫外線カット効果が減少します。
紫外線カット効果が減少すると、紫外線による刺激をモロに受けてしまうので、敏感肌には大きなリスクになります。
紫外線による肌への大きなダメージは、シミやシワなど老化現象を促進させます。
以前、私は自分の肌を使って、ウォータプルーフ使用・不使用の日焼け止めで実験しました。
当初は、30分を目安としていたのですが、ウォータープルーフ無しの日焼け止め実験の際、20分程度でヒリヒリと痛みを感じたので、20分程度で止めました。
私の肌が敏感過ぎるのかもしれませんが、すさまじいダメージでした。
日焼け止めを塗ったにもかかわらず、わずか20分程度で日焼けして、その後、1週間ほど痛かったです。
このように、汗や皮脂に弱い日焼け止めだと敏感肌にいらぬ刺激を与えることになります。
そのため、日焼け止めには、汗や皮脂に対する耐性が必要です。
そこでウォータプルーフの出番です。
日焼け止めにウォータプルーフ効果を持たせることで、汗や皮脂に強くなります。
汗や皮脂に強くなることで、紫外線カット効果を継続的に発揮することができます。
だから、紫外線の刺激に敏感な肌ほど、ウォータプルーフ効果のある紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを使いましょう。
ウォータプルーフ効果の有無は、日焼け止めの説明文やパッケージに書いてあるので参考にしましょう。
5-3.紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの「白浮き」はある程度あきらめましょう
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを使用するとどうしても白浮きします。
使用感も重くて良くありません。
これは、どちらも紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに配合されている紫外線散乱剤が粉状であることが原因です。
逆を言えば、白浮きや使用感が悪いということは、それだけ紫外線カット効果が強いということです。
だから、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを使う際に限っては、白浮きや使用感の悪さはあきらめましょう。
白浮きを嫌って、日焼け止めを伸ばす人がいますが、そんなことをすれば紫外線カット効果が半減してしまいます。
そんな状態で、紫外線を浴びるとシミやシワの原因になるので止めましょう。
どうしても白浮きが嫌で使用感のいい日焼け止めを使いたいなら、紫外線吸収剤配合の日焼け止めを使うしかありません。
6.こんな紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを選んではダメ!
選んではいけない日焼け止め
- 天然成分配合
- オーガニック成分
- 防腐剤不使用
- 保湿成分配合
- ローション
肌にやさしい紫外線吸収剤不使用の日焼け止めですが、最近は、いろいろな特徴をもつものが発売されています。
天然成分配合をウリにしているもの、付加価値をつけたもの、特殊な技術を使用したもの。
もちろん、これらの付加価値が肌に良いものであれば、何も問題ありません。
大歓迎です。
ところがこのような特別な日焼け止めの中には、肌に良い影響を与えないものもあります。
場合によっては、悪影響を与える日焼け止めもあります。
そこで、これから、肌にとって何の意味もない付加価値を加えた日焼け止めを紹介します。
このような日焼け止めは、通常の紫外線吸収剤不使用の日焼け止めと大差ありません。
ものによっては、肌に悪影響をもたらす場合もあるので注意が必要です。
6-1.「天然成分配合」の紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、天然成分配合をウリにしている場合があります。
多くは、「天然成分が配合されている日焼け止めなので安全です」と宣伝されています。
でも、天然成分と化粧品の安全性に関連性はありません。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに天然成分を配合しても、肌への刺激は軽減しません。
日焼け止めの目的は、紫外線をカットすることです。
紫外線カット効果のない天然成分をいくら配合しても意味がありません。
下手に天然成分が配合されることで、アレルギーリスクも高まります。
だから、天然成分が配合された紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは避けましょう。
6-2.「オーガニック成分配合」の紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、オーガニック成分配合をウリにしてる場合があります。
天然成分と同様、「オーガニック成分が配合されている日焼け止めなので安全です」と宣伝されています。
オーガニック成分も化粧品の安全性に関連性はありません。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めにオーガニック成分を配合しても、肌への刺激は軽減しません。
そもそもオーガニック成分と通常の化粧品成分に、安全性の差はありません。
過去に化粧品原料から農薬が検出された事例はありませんし、美容成分の効果や安全性は、オーガニック成分も合成成分も同じです。
それに、オーガニックの配合量も日焼け止め全体のせいぜい数%程度です。
オーガニック配合日焼け止めであっても99%は、合成成分で構成されているため、通常の日焼け止めと比べて効果の違いはありません。
またオーガニック成分は高額なため、日焼け止めの価格も高い傾向にあります。
効果は変わらないのに、コスパが悪くなるので、オーガニック成分が配合された紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは避けましょう。
6-3.「防腐剤不使用」の紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、防腐剤不使用をウリにしている場合があります。
多くは、「防腐剤が配合されていない日焼け止めなので安全です」と宣伝されています。
でも、防腐剤不使用と化粧品の安全性に関連性はありません。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに防腐剤を配合しなければ、安全性が高まるという根拠はありません。
確かに、防腐剤は肌への刺激がゼロではありません。
でも、これはすべての化粧品成分に言えることです。
もちろん、天然成分やオーガニック成分にも肌への刺激はあります。
そのため防腐剤だけ配合しないことが化粧品の安全性を高めることにはなりません。
もし、防腐剤を配合しないことで化粧品の安全性を高めるとするなら、できるだけ化粧品成分を配合しないことが肌への刺激を軽減することにつながります。
それに、化粧品成分が肌に悪影響を及ぼすなら、化粧品そのものを使わないほうが良いということになります。
こんな考え方、本末転倒ですよね。
そもそも化粧品開発者であれば、防腐剤配合の有無が化粧品の安全性に無関係であることは誰もが知っています。
だから、防腐剤不使用の紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは避けましょう。
6-4.「保湿成分」が配合された紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに保湿成分を配合する場合があります。
「紫外線をカットすると同時に肌がうるおいます」というのがウリです。
肌質によって、日焼け止めを塗ると乾燥を感じる場合があります。
本当は感じているだけで、日焼け止めが原因で乾燥しているわけではありません。
でも、乾燥を感じている人は、うるおいを求めます。
そういった人向けに開発された日焼け止めです。
残念ながら、単純に保湿成分を配合したからといって、肌はうるおいません。
保湿は、適切な量の水分と油分を肌に補給する必要があります。
だから、保湿成分だけでは、肌は乾燥したままです。
もし、保湿成分を配合するだけで肌がうるおうなら、今頃、世の中から乾燥肌は消えているでしょう。
そもそも日焼け止めは、紫外線をカットする必要がなければ、できるだけ早く洗い流したほうが肌への負担が減ります。
日焼け止めを洗い流す際に、保湿成分も流れてしまいます。
肌の上にのせておくとダメな日焼け止めと、肌の上にのせ続ける必要のある保湿は、非常に相性が悪いためメリットがありません。
保湿できる洗顔とかも、この類です。
また、保湿成分を加えるというひと手間を加えるために、コスパが悪くなります。
場合によっては、保湿成分を配合することで紫外線カット効果が弱くなる可能性があります。
このように日焼け止めに保湿成分を配合するとデメリットが多いです。
6-5.「ローション・スプレータイプ・パウダータイプ」の紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
米食品医薬品局(FDA)が発表した論文によって、日焼け止めを使うと紫外線カット成分が体内に吸収されていることが分かりました。
特に、ローション・スプレータイプの日焼け止めが体内に吸収されやすいことが判明しました。
紫外線カット成分が体に悪いというエビデンスはありませんが、なるべくなら体内に吸収しないほうがいいでしょう。
だから、体内に紫外線カット成分が吸収されにくいジェルやクリームタイプの日焼け止めを使用してみましょう。
あくまでも私見ですが、スプレータイプの場合は、顔に使用した場合、吸引する可能性が高くなります。
また、目や鼻、唇など粘膜に付着して、そこから体内に入る可能性もあります。
そういった意味では、スプレータイプだけでなく、パウダータイプも避けたほうがいいでしょう。
ちなみにこの記事によると、「紫外線カット成分でも紫外線散乱剤(ノンケミカル)のほうが、体内に吸収されにくい」と言われています。
これからいろいろなことが明らかになると思いますが、そういった意味でも紫外線吸収剤不使用の日焼け止めがいいでしょう。
7.「紫外線吸収剤不使用」の商品を紹介
ここまでの条件をまとめてみましょう。
敏感肌の人が選ぶべき5つの条件
- SPF20~30で紫外線をしっかりカットする
- 紫外線散乱剤100%の日焼け止めで「肌荒れ」を防ぐ
- 敏感肌だからこそ「ウォータープルーフ機能」がついた日焼け止めを選ぶ
- クリームタイプ・ミルクタイプが、安全で効果的
- サンプルやお試し商品で、使えることを確認する
この章では、5つの条件をクリアした日焼け止めをご紹介します。
人気の日焼け止め62商品のSPF数値や成分・形状などを徹底的に調査し、5つの条件を満たすものを探しました。
しかし、驚いたことに、5つの条件をすべてクリアした日焼け止めは、以下の2商品しかありませんでした。
- キュベリィ やさしいUVカットミルク
- ちふれ サンベールクリーム
紫外線散乱剤100%の商品や、SPFやPA値をクリアした日焼け止めは存在するのですが、意外にも、それの条件を満たしながらウォータープルーフ機能を備えた日焼け止めが見つからなかったためです。
※敏感肌にウォータープルーフ機能は欠かせないため、クリアできない日焼け止めは除外しました。
下地にも使えるキュベリィ やさしいUVカットミルク(条件クリア度:★★★★★)
SPF/PA | SPF25・PA++ |
紫外線カット成分の種類 | 紫外線散乱剤100% |
ウォータープルーフ機能 | あり |
使用感 | クリームに近いミルクタイプ |
色 | 薄いベージュ色 |
お試し使用ができる | 通常価格750円が 今なら550円で利用可能 |
容量・価格 |
25g |
“ポイント”
- SPF20-30でしっかり紫外線カット+肌への負担も意識
- 紫外線散乱剤100%で肌に優しく
- ウォータープルーフ機能
- お試しセットあり
「SPF25で大丈夫なのか?」
結論、SPF20〜30は肌への負担と紫外線カットの両方にメリットがあります。
実はSPF30前後とSPF50の紫外線カット率はほとんど変わりません。
SPF50は紫外線カット率が高いですが、肌への負担は大きく、肌荒れに繋がることが。
肌への負担も意識したい方は、SPF20〜30を使用してみましょう。
また、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めであることも重要です。
紫外線吸収剤は紫外線を吸収することで、肌への負担が大きくなります。
実際に利用した方の感想
ちふれ・UV サンベール クリーム(条件クリア度:★★★★★)
SPF/PA | SPF30・PA++ |
紫外線カット成分の種類 | 紫外線散乱剤100% |
ウォータープルーフ機能 | あり |
使用感 | クリーム |
お試し使用ができる |
なし |
容量・価格 |
50g |
「ちふれ サンベールクリーム」は、サンプルサイズやお試しセットが存在しません。
しかし、本商品自体が比較的試しやすい価格であるため、5つの条件をクリアしたものとみなしました。
ウォータープルーフもきちんとあり、べたつかない使用感で顔にも使いやすい印象です。
8.紫外線吸収剤や散乱剤に関してよくある質問
8-1.「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の違いは何ですか?
「紫外線吸収剤」は、自らが紫外線を吸収し熱に変換することで、紫外線カット効果を発揮するもの。
熱に変換する際に化学変化を起こしますが、その化学変化が肌に刺激を与える可能性があると言われています。
また、化学変化によって吸収剤の状態が不安定となり、吸収剤の諸特性が変化することで、紫外線から肌を守るカット効果が低下するとも言われています。
一方、「紫外線散乱剤」は、物理的に紫外線を反射させることで、紫外線カット効果を発揮しています。
化学変化を起こさない分、肌に優しいと考えられています。
UVカット効果などは「紫外線吸収剤」の方が高いと言われており、どちらも一長一短の性質ですが、肌への優しさとUVカット効果を両立したいのであれば、「紫外線散乱剤」を使用した日焼け止めがを使用してみましょう。
8-2.「紫外線散乱剤」の主な成分は何ですか?
紫外線散乱剤の成分名称例としては、以下のようなものがあります。
「紫外線散乱剤」の成分名称例
- 酸化亜鉛
- 酸化チタン
ただ、最近は「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」を両方配合してある日焼け止めもあり、成分表記で「紫外線散乱剤」が入っていると判断しても、気付かぬ間に紫外線吸収剤も使っているケースがあります。
以下の表記も同時に見れると、安心でしょう。
- 紫外線散乱剤使用
- ノンケミカル
- 紫外線吸収剤フリー
- 紫外線吸収剤無添加
8-3. 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは効果がある?
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めにも効果があります。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、紫外線散乱剤のみを使用しています。
紫外線散乱剤は物理的に紫外線を反射・散乱させることで肌を守る効果があります。
肌への負担や刺激が少なく、敏感肌の人に適しているでしょう。
8-4. 紫外線吸収剤の日焼け止めは発がん性がある・シミになるというのは本当?
紫外線吸収剤自体に発がん性やシミ作用があるというよりは、紫外線によるダメージによって発がん作用やシミの誘発があると考える方が自然です。
日本で化粧品に使用が認められている紫外線吸収剤は、厚生労働省の審査で安全性が確認された成分のみです。
適切に使用する分には、健康被害のリスクは低いと考えられています。
8-5. 紫外線吸収剤の成分名は?
代表的な紫外線吸収剤の成分名は以下の通りです。
- メトキシケイヒ酸オクチル(あるいはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
- ジメチルPABAオクチル(あるいはジメチルPABAエチルヘキシル)
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
- オキシベンゾン
- オクトクリレン
- ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
【まとめ】あなたの肌に合った紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを見つける方法
もしあなたが肌へにやさしい紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを探しているなら、以下の3つの条件をクリアしたものを使用しましょう。
- SPF20~30、PA++
- ウォータープルーフ機能
- 紫外線散乱剤をコーティング(さらなる肌への低刺激をもとめるなら)
そして、白浮きに関しては、ある程度妥協しましょう。
逆に、このような紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは避けましょう。
- 天然成分配合の紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
- オーガニック成分配合の紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
- 防腐剤不使用の紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
- 保湿成分が配合された紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
- ローション・スプレータイプ・パウダータイプの紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
ぜひ、あなたの肌に合った紫外線吸収剤不使用の日焼け止め選びの参考にしましょう。