「毎日保湿ケアを頑張っているのに、肌トラブルが絶えない」
「洗顔後、肌がつっぱるほど乾燥する」
「商品をいろいろ変えてみても、結果は変わらない」
そんな悩みを抱えている人は、もしかしたら毎日の洗顔を見直すことで肌トラブルを解決できるかもしれません。
私はスキンケアアドバイザーとして、22年お客様の肌と向き合ってきました。
その中でも多いのが、「何を使っても変わらない」というお声。
これは当然のことで、実は「商品」を変えても、「やり方」を変えないことが問題なのです。
洗顔は肌トラブルを防ぐために必要なものですが、洗顔方法を誤っていたり1日に何回も洗っていたりすると、逆に肌に負担をかけて肌トラブルの原因となってしまいます。
この記事では、洗顔は1日何回行うのが最適なのか、正しい洗顔方法とはどのようなものなのかなど、洗顔にまつわるさまざまな知識を紹介していきます。
また、ニキビ肌の人に向けた正しい洗顔方法についても触れていくので、日々の洗顔を通してキレイな肌を手に入れたい人はぜひ参考にして下さい。
1.洗顔料を使った洗顔は、1日2回までに
洗顔は人によって1日何回行なっているかが異なると思いますが、一般的には「朝と夜の1日2回行うのが良い」とされています。
それには一体どのような理由があるのでしょうか。
まずは
- 朝の洗顔の役割
- 夜の洗顔の役割
- 1日に何回も洗顔をしない方が良い理由
の3つのポイントについて解説するので、正しい洗顔回数についての知識を身につけましょう。
1-1.朝の洗顔の役割
朝の洗顔には就寝中に顔に付着してしまったこれらの汚れをきれいに落とすという、重要な役割を持っています。
「朝のルーティンとして何となく」
「眠気を飛ばしてシャキッとするため」
朝の洗顔を行う理由を聞かれた時、このように回答する人も多いかもしれません。
確かに朝の洗顔は一日のスイッチを入れるためにも大切な役割を担っているかもしれません。
しかし、実はそれ以上にもっと重要な役割があるのです。
季節を問わず、人は寝ている間にも汗をかきますし、皮脂分泌も盛んに行われています。
また、就寝中は枕や布団などの寝具についているホコリが顔に付着してしまうため、朝起きてすぐの顔は私達が思っている以上に衛生状態が良くありません。
そのため、朝はきちんと洗顔を行いましょう。
また、朝の洗顔は起きてすぐに行うのがおすすめ。
起床後すぐに洗顔することで、皮脂の酸化や汚れの毛穴詰まりを防ぎ、就寝中についた汚れによる肌トラブルを回避することができます。
この他にも、起床後すぐに洗顔を行うことには下記のようなメリットがあります。
- スキンケアにかける時間を確保しやすくなる
- 化粧水が肌に馴染みやすくなる
- メイクのりが良くなる
「睡眠中は外出時のように外気に触れているわけではないので、起床後の顔はさほど汚れていないだろう」と考えている人も多いかもしれません。
しかし、上記でお伝えしたように起床後すぐの顔にはたくさんの汚れがついています。
肌を清潔に保ち、一日を健やかな肌で過ごすためにも、朝起きてすぐの洗顔は非常に重要なスキンケアの一部であるということを覚えておきましょう。
1-2.夜の洗顔の役割
では、夜の洗顔にはどのような役割があるのでしょうか。
夜の洗顔には酸化したメイク汚れや皮脂汚れ、外出中に顔に付着したホコリや花粉など、日中の活動で顔についた汚れを落とす役割があります。
夜の洗顔で顔についた汚れをきちんと落とし切らないと、本来肌を再生する時間である就寝中に汚れが毛穴に詰まり、予期せぬ肌トラブルを招いてしまいます。
そのため、夜の洗顔で就寝前に肌を清潔な状態に整えるということは、日々きれいな肌を保つために非常に重要です。
夜の洗顔を行うタイミングについては、帰宅後すぐに行う必要はありません。
夜の洗顔はできるだけバスタイム中に行うようにしましょう。
さらに細かく言うと、入浴して体を温めた後、できるだけお風呂上がり直前に洗顔するのがおすすめです。
というのも、入浴して体が温まると毛穴が開き、毛穴の奥の方に溜まっていた汚れをきれいに落とすことができるのです。
ただし、夜の洗顔時には温度の高いシャワーで顔を直接洗い流すのは避けた方が無難です。
高温のお湯で洗顔すると、肌に本来必要な皮脂なども洗い流してしまい、乾燥の原因になってしまいます。
「シャワーの温度は熱めが好き」という人もいるかもしれませんが、洗顔時には少しだけ気を配り、お湯の設定温度を下げてから顔を流すようにしましょう。
1-3.1日に何回も洗顔をしない方が良い理由
「洗顔は1日2回がおすすめ」とお伝えしましたが、なぜ1日に何回も洗顔してはいけないのでしょうか。
「オイリー肌や混合肌の人は、顔のテカリが気になる度に洗顔した方が肌を清潔に保てる気がする」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、いくら顔のテカリが気になったからといって、1日に何回も洗顔を行うのは絶対に避けましょう。
これまでにもお伝えした通り、洗顔は肌を清潔に保つためとても大事なスキンケアです。
しかし、1日に何回も行う洗顔は、実は肌にとってストレスでしかありません。
洗顔回数を必要以上に増やしてしまうと、肌の潤いを保つために必要な皮脂や、セラミドなどの天然保湿因子まで洗い出されてしまいます。
本来肌にとって必要な成分が洗い出されると、肌がひどく乾燥する他、毛穴が肌に潤いを与えるために過剰に皮脂を分泌し始めます。
こうなると、洗顔がかえって顔のテカリや肌トラブルの原因になってしまうのです。
洗顔はスキンケアの基本ではあるものの、洗顔後の肌は乾燥リスクにさらされたとてもデリケートな状態。
そのような状態をなるべく作り出さないためにも、洗顔は1日何回も行わず、朝と夜の2回を限度とするのが望ましいと言えます。
2.何回すすぐ?正しい洗顔方法をご紹介
洗顔を1日に何回行うべきか理解しても、正しい洗顔方法が実践できていないとあまり意味がありません。
次は洗顔でしっかりとスキンケア効果を得るために、正しいスキンケア方法に関する知識を深めていきましょう。
正しい洗顔方法は、下記の手順を参考にして下さい。
1. 手を洗い、水で顔を予洗いする 次に常温の水で顔を予洗いしましょう。 2. 洗顔料を適量手に取り、十分に泡立てる ツノが立ち、手を逆さにしても落ちてこないようなコシのある泡ができるまで十分に泡立てましょう。 3. まずはTゾーンに泡を乗せ、次に顎周りに泡を馴染ませる この時、肌と手の間に泡のクッションを作ることを意識して、手が直接肌に触れないよう優しく泡を広げていきます。 4. 泡を使って優しくフェイスラインを洗顔していく 【3】で説明した内容を意識しながら、指先で優しく円を描くように泡を転がしていきましょう。 5. 頬や目元周辺は、時間をかけずにさっと洗顔する 6. 洗い残しがないよう、十分な量の水で丁寧に顔をすすぐ すすぎは両手ですくった水を優しく顔にかけて、泡を少しずつ溶かしていくイメージを持つことが大切です。 顎や耳周り、髪の生え際は洗い残しが多いパーツなので、より入念にすすぎを行います。 7. 清潔なタオルで顔の水分を拭き取る |
以上が正しい洗顔方法です。
洗顔は肌に摩擦を与えないよう、コシのある泡で優しく洗い上げることが大切です。
また、それと同じ位すすぎに気を配ることも重要なポイント。
十分にすすぎができていないと、せっかく丁寧に洗顔しても顔に残った泡や汚れが肌トラブルの原因になってしまいます。
「何回すすぐべきかわからない」という人は、まずは最低でも30回すすぐよう心がけてみて下さい。
ぬるま湯で優しく30回顔をすすげば、基本的に洗顔時についた泡はきれいに洗い流すことができると言われています。
正しい洗顔方法やすすぎの重要性を理解できたら、次は洗顔をするときの注意点についても細かく確認していきましょう。
2-1.洗顔をするときの注意点
ここでは洗顔をする時の注意点について、詳しく解説していきます。
洗顔をするときは、下記4つのポイントに気をつけることが大切です。
<肌に合った洗顔料を選ぶ>
洗顔料は肌に合ったものを選ぶことで、よりスキンケア効果を高めることができます。
選ぶ際は洗浄力だけでなく、「肌に必要な潤いを残しながら洗顔できるか」という点にも着目しましょう。
敏感肌の人は刺激が少ない泡タイプ、ナチュラルな洗い上がりが好みの人は固形石鹸タイプなど、自分の肌に合った洗顔料を見つけて下さい。
<優しく洗う>
上記でも軽く触れましたが、洗顔時はとにかく摩擦を避けて優しく洗うことを常に意識しましょう。
肌をゴシゴシと擦るような洗顔方法は絶対に避けて下さい。
また、洗顔後タオルで顔を拭く時も、顔を擦らないよう気をつけて下さい。
<水の温度に気をつける>
洗顔に適切な水の温度は32度前後だと言われています。
40度以上のお湯などで洗顔すると、本来肌に必要な潤い成分が洗い流されてしまいます。
高温のお湯を使った洗顔は乾燥肌の原因となるので、洗顔時には水の温度にも気をつけるよう意識してみましょう。
<洗顔後すぐに保湿ケアを行う>
洗顔後の肌はとても乾燥しやすい状態。
そのため、洗顔後はいかに早く保湿ケアを行うかが非常に重要です。
洗顔後は時間が経てば経つほど肌がどんどん乾燥していくので、洗顔前はすぐに保湿ケアに入れる準備をしておきましょう。
3.ニキビ肌の人が知っておきたい洗顔事情
最後に、ニキビ肌の人が知っておきたい洗顔事情について紹介していきます。
- ニキビ肌の人は何回の洗顔がおすすめなのか
- ニキビ肌の人が洗顔をするときに気を付けたいポイント
ニキビ肌の正しい洗顔方法が理解できるよう、こちらでは上記2つのポイントに絞って解説を進めていきます。
3-1.ニキビ肌の人は何回の洗顔がおすすめなのか
皮脂量の多いニキビ肌の人は、日中に肌のベタつきが気になり「何回も洗顔したくなる」という人も多いかもしれません。
しかし、ニキビ肌の人も他の肌質の人と同様に、「1日2回」の洗顔回数を守るようにして下さい。
ニキビ肌の人がなぜ洗顔回数を増やしていけないかと言うと、それには「ニキビができる仕組み」と「洗顔後の肌状態」が大きく関係しています。
ニキビは過剰な皮脂が分泌されることで毛穴の出口が角化して詰まり、そこにニキビ菌が繁殖することで発生する肌トラブルです。
そのため、ニキビを作らないためには「過剰な皮脂分泌を抑えること」がポイントといえます。
しかし、これまでにもお伝えしてきたように、洗顔後の肌はとても乾燥していてデリケートな状態。
肌を清潔に保ちたいからといって洗顔回数を増やすと、本来肌に残しておきたい皮脂や保湿成分まで洗い流されて、肌が乾燥した状態を作りやすくなります。
乾燥した肌は保護作用により皮脂を過剰に分泌し始めるため、そうなるとニキビをより悪化させる原因になってしまうのです。
以上の理由から、ニキビ肌の人が洗顔回数を増やすことはおすすめできません。
「1日2回」の洗顔回数を守り、正しい洗顔を行うことが、ニキビ肌を改善する近道と言えます。
3-2.ニキビ肌の人が洗顔をするときに気を付けたいポイント
ニキビ肌の人は、洗顔時にこれから挙げる3つのポイントに気をつけることで肌を清潔に保ちやすくなります。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
<ノンコメドジェニック洗顔料を使う>
「ニキビ肌に良い洗顔料が分からない」という人は、「ノンコメドジェニックテスト済み」という記載がある洗顔料を選ぶのがおすすめです。
ノンコメドジェニック洗顔料とは、ニキビができにくい作りになっていることがテストで実証されている洗顔料のこと。
ニキビ肌に合ったタイプの洗顔料と言えるので、洗顔料選びに悩んでいる場合は一度試してみてください。
<刺激の強い洗顔料は避ける>
ニキビ肌の人は顔のテカリを改善するために、洗浄力が強いものや、スクラブ入りの刺激が強めの洗顔料を好んで使っている人も多いかもしれません。
しかし、ニキビ肌の人こそ低刺激の洗顔料でケアをすることが大切です。
刺激の強い洗顔料は、一歩使い方を間違えるとニキビ肌にかえって負担をかけてしまうことも。
ニキビ肌を改善するには、刺激の少ない洗顔料で丁寧に洗顔することを習慣づけましょう。
<いつも以上に肌を優しく洗う>
少量の泡で洗顔する、手でゴシゴシとこする、などの洗顔方法は、ニキビに刺激を与えニキビ肌を悪化させる原因になり得ます。
そのため、ニキビ肌の人はいつも以上に肌を優しく洗うことを心がけましょう。
上記でもお伝えしたように、キメの細かい泡をたっぷり使う、手でこすらない、ぬるま湯ですすぐ、などの基本のケアを行うことで、洗顔の効果を高められます。
まとめ
洗顔は1日に何回も行わず、肌タイプを問わず1日2回の回数を守って丁寧に行うことが大切です。
- 洗顔は1日に2回行い、朝の洗顔には就寝時の汚れを落とす、夜の洗顔には日中のメイク汚れなど落とす役割がある
- 1日に何回も洗顔すると、肌にストレスを与え肌トラブルの原因となり得る
- 洗顔はすすぎも重要なポイントであり、ぬるま湯で最低30回は行うよう心がける
- 洗顔料は自分の肌に合ったものを選ぶことが大切である
- 肌に摩擦を与えないよう、洗顔は優しく丁寧に行う
- 洗顔後の肌は非常に乾燥しているので、早急に保湿ケアを行う
- ニキビ肌の人はノンコメドジェニック洗顔料など、刺激の少ないアイテムを選ぶ
肌のタイプは人によってさまざまですが、洗顔を1日何回行うか、どのように洗顔するべきかなど、肌を整える洗顔方法は全ての肌タイプに共通しているポイントが多々あります。
今回紹介した内容を参考にしながら、ぜひ正しい洗顔方法を身につけてきれいな肌を目指しましょう。