ニキビ肌の洗顔方法には、例として「洗顔前に手を洗う」「34~36℃程度のぬるま湯を使う」といった注意点があります。
また、赤ニキビ、白ニキビ、大人ニキビなど、ニキビの特徴にあわせた洗顔料選びも重要です。
この記事では、ニキビに悩まされている方に向けて、正しい洗顔方法や洗顔料の選び方を解説します。
肌トラブルの解消と、ハリツヤのある美肌作りに役立ててください。
1.ニキビ肌の正しい洗顔方法
この章では、ニキビ肌の洗顔方法について、おさえておきたいポイントとその理由を手順ごとに解説します。
ニキビの主な原因は、「毛穴の詰まり」と「皮脂の過剰な分泌」、「アクネ菌の繁殖」です。
これは、大人ニキビも思春期ニキビも変わりありません。
アクネ菌は常在菌で、皮脂などを栄養源としています。
そのため毛穴が詰まって皮脂が溜まると、過剰に繁殖して肌に炎症を起こします。
この炎症の段階により、「白ニキビ」、「黒ニキビ」、「赤ニキビ」などに分けられます。
1-1.①まずは手を清潔にする
身の回りのさまざまなものに触れる手には、汗やホコリ、花粉などの汚れが付着しています。
洗顔の前には、石けんで手をよく洗って清潔にしておきましょう。
手の汚れを落としておくと、洗顔料の泡立ちもよくなります。
1-2.②ぬるま湯を使って顔をすすぐ
適切な温度は、人肌かそれより低い30~36℃です。10回ほど顔をすすぐと洗顔料の泡立ちがよくなり、汚れも落ちやすくなります。
刺激や傷つきの原因となるため、指や爪がニキビに当たらないようにします。
1-3.③.泡立てるタイプの洗顔料は、よく泡立てる
弾力のある泡を作るために、お湯を数回足しつつ洗顔料をしっかり泡立てます。
泡立てネットやスポンジを使うと簡単に泡立てられます。
泡立てなくてもいいタイプの洗顔料は、そのまま使えて便利で時短になります。
1-4.④指や手のひらを当てずにやさしく顔を洗う
顔に乗せた洗顔料を顔全体になじませます。
指や手のひらでこすると刺激となるため、こすらずに、なでるようにやさしく洗いましょう。
また、マッサージ等は行わず、洗う時間は20~60秒以内を目安に。
長時間、顔に洗顔料をのせるのは皮脂を取りすぎる行為につながりますので、さっと洗顔料をなじませていきましょう。
1-5.⑤手を使って丁寧に洗い流す
34~36度ぐらいのぬるま湯を両手のひらにすくい、1分程度を目安に丁寧に洗顔料を洗い流します。
ニキビのある肌には刺激が強いため、シャワーを顔にあてるのはやめましょう。
洗顔料が残りやすい髪の生え際、あご、首筋なども丹念に洗い流します。
1-6.⑥清潔なタオルで水分をやさしく拭き取る
洗い終わったら清潔なタオルを顔に当て、やさしく押さえるように水気を拭き取ります。
ゴシゴシこするとタオルの繊維が肌への刺激となるため、摩擦しないようふんわり当てることがコツです。
1-7.⑦化粧水やクリームでしっかり保湿
洗顔後の肌は乾燥しやすいため、すみやかに化粧水とクリームなどで保湿します。
保湿には「水分」と「油分」の両方が必要です。
ニキビがあるからといってクリームを省略せず、水分も油分も補うことが大切です。
2.ニキビ肌を洗顔するときの5つの注意点
この章では忘れがちなポイントや逆効果となる方法など、洗顔において注意すべきことを解説します。
2-1.手を洗ってから洗顔すること
洗顔時にはハンドソープで手を洗い、清潔にしてから洗顔料を使いましょう。
手や顔をさっと濡らしただけで、すぐに洗顔料を乗せることはおすすめできません。
手には皮脂だけでなく、ホコリや花粉などが付着して多くの雑菌が繁殖しています。
雑菌が残ったままの手で洗顔するとアクネ菌が繁殖しやすく、ニキビの悪化につながります。
2-2.熱湯や冷水は使わない
洗顔に使うお湯の温度は、34~36℃の人肌か少しぬるいくらいが適温です。
洗顔に使うお湯の温度が高すぎると、肌に必要な分の皮脂まで落としてしまいます。
皮脂の落としすぎは、ニキビの原因である過剰な皮脂分泌の原因となります。
また逆に、冷たい水も肌の汚れが落ちにくくなるので避けましょう。
2-3.一日に何回も洗わない
洗顔の回数は朝夜の2回を目安としましょう。
ニキビや皮脂を気にしてしまい洗顔の回数を増やすと、肌の表面が乾燥してバリア機能も低下する可能性があります。
正しい洗顔方法と保湿ができていれば、一日に何度も洗顔しなくても、肌トラブルは防げます。
2-4.ニキビは触ったり潰したりしない
ニキビを手で触ると、手洗いで落としきれなかった雑菌が症状を悪化させることがあります。
また、ニキビを潰すことは色素沈着やニキビ跡となる原因の1つです。
洗顔の際は、手でニキビに刺激を与えないよう注意しましょう。
2-5.摩擦を起こす行為を避ける
洗顔時のことはもちろん、日常的にこれらはすべて摩擦を起こす可能性がある行為です。
- タオルで拭く
- 洗顔料をなじませるときの力加減
- 顔で洗顔料を泡立てる
- メイクをパフやチップで塗る
- マッサージ
- ゴシゴシ掻く
日常的なことなので慣れてしまい、肌をこすっている方がとても多いです。
力が入り過ぎていないかな?
こすってしまっていないか?
顔が赤くなっていないか?
など、ぜひチェックしてみてくださいね。
3.ニキビ用の洗顔料の選び方
この章では、洗顔料の選び方のポイントを解説します。
肌やニキビのタイプ別に検討して、自分の肌にあったものを選ぶようにしましょう。
3-1.ニキビのタイプで選ぶ
どんなニキビでもおすすめの洗顔料
基本的に「ノンコメドジェニックテスト済み」の洗顔料がおすすめです。
ニキビの初期段階で白ニキビの状態を「コメド」といいます。
実は化粧品の成分にはコメドをできやすくしたり、ニキビを悪化させたりする可能性も。
コメドを誘発しやすいかどうか試験をすることを「ノンコメドジェニックテスト」と言い、これをクリアしたニキビができにくい洗顔料が、「ノンコメドジェニックテスト済み洗顔料」です。
テストしたからといって、必ずしもすべての人にコメドができないとは限りませんが、ニキビ肌に悩む人が洗顔料を選ぶ指標になります。
白ニキビ・黒ニキビ
ニキビの初期症状である白ニキビは、白くて小さな膨らみです。
その白ニキビが酸化して黒ずんだものを黒ニキビといいます。
この段階のニキビには、殺菌作用のあるアクネ菌への効果がある薬用化粧品がおすすめです。
この場合の薬用化粧品とは、厚生労働省が「ニキビを予防する」という効果を認めた成分が配合された洗顔料のこと。
たとえば、殺菌作用のある成分やアクネ菌が増えにくいPH(ペーハー)に整えている洗顔料などです。
これらを基準に選ぶのも一つの手段です。
赤ニキビ・黄ニキビ
炎症が大きくなると赤ニキビとなります。
赤ニキビはアクネ菌の繁殖が盛んなため、抗炎症成分や、アクネ菌をおさえる成分配合の洗顔料が効果的です。
ただし、大人ニキビの基本は皮脂をとりすぎないことが大切です。
マイルドなタイプの洗顔料をおすすめします。
3-2.プロのアドバイザーに相談して、洗顔料を選ぶ
洗顔料は、ニキビと肌状態に合わせて選ぶことが大切です。
とはいえ、なかなか素人には難しいところでもあります。
治らないニキビでお悩みの方は、まずは皮膚科医師の診察を受けてください。
ニキビは悪化させないことが何より大事だからです。
それとは別に、洗顔は毎日行うことなので、使おうと思っている洗顔料のメーカーのアドバイザーに相談してみてください。
アドバイザーにご自身の肌状態やニキビの変遷をきちんと伝えましょう。
そして、アドバイザーからプロの意見を聞きながら、ご自身のニキビの状態に適した洗顔料を選びましょう。
4.洗顔以外でできる4つのニキビ対策
この章では、洗顔だけでなく、生活全般でできるニキビ対策について、主なものを4つピックアップしました。
睡眠不足やストレス、糖分や脂肪分の多い食生活などの生活の乱れは、ニキビができる原因になることがあります。
「チョコレートを食べ過ぎるとニキビができる」「食べ過ぎた翌日にはニキビができる」という経験談は多く聞かれます。
学術的な根拠はないのですが、食生活がニキビに関わっていることを私も体感しています。
ほかにも、「睡眠不足だと肌の調子は良くない」なども感じていらっしゃるのではないでしょうか。
ですから、当たり前のことかもしれませんが以下の4つを心がけ、正しい洗顔方法とあわせてぜひ実行していただきたいです。
4-1.バランスのよい食生活を心がける
脂質を控え、ビタミンの多い食事をとりましょう。
納豆に含まれるビタミンB2や、バナナに含まれるビタミンB6、イチゴに含まれるビタミンCは、皮脂量をコントロールしてニキビ予防に役立つと言われています。
4-2.睡眠不足やストレス過多にならないようにする
睡眠不足はターンオーバーの乱れを、ストレスは過剰な皮脂分泌を招きます。
根本的なニキビケアには自律神経を整えて睡眠の質を上げる、ストレスを溜め込まないようにするなど、生活習慣の改善も重要です。
4-3.清潔な身だしなみや環境を維持する
枕やシーツに雑菌が繁殖しないよう、カバー類は週1回以上は洗濯しましょう。
また、頬杖をつく、おでこや頬に髪がかかるなど、ニキビに触れるような姿勢や身だしなみも避けることが大切です。
化粧をする時も肌をこすらないようにして、帰宅したらすぐに落とすようにしましょう。
4-4.大人ニキビのスキンケアには「保湿」が重要
大人ニキビ肌のスキンケアには、低刺激で保湿成分が多いものを選ぶことがポイントです。
ニキビ肌には正しい洗顔をするのと同じくらい、十分な保湿を与えることも重要になります。
ニキビにお悩みの方の多くが、「皮脂を取るケア」をしてしまい、保湿に対してはおろそかになりがちです。
この記事をご覧の方の中でも、「化粧水だけでケアを終わらせている」という人や、「20代後半でも思春期と同じ化粧品を使っている」という人もいらっしゃるかもしれません。
思春期のニキビは皮脂を取ることで好転することはありますが、大人ニキビの場合は乾燥を招きます。
保湿が不十分だと肌は乾燥し、ニキビの原因となるターンオーバーの乱れや皮脂の過剰な分泌を引き起こします。
また、肌のバリア機能が低下して刺激や雑菌の影響を受けやすくなります。
まとめ
ニキビには種類があり、ニキビができる原因もさまざまです。
ですが、肌の上で起こっている現象は「毛穴の詰まり」と「皮脂の過剰な分泌」、「アクネ菌の繁殖」です。
大人ニキビも思春期ニキビも変わりありません。
ですから、基本的なニキビケアはこれらへのアプローチです。
正しい洗顔方法と自分にあった洗顔料を選ぶことが大切となりますので、ぜひこの記事を参考に、洗顔方法など見直してみてくださいね。