頭皮に乾燥を感じたら、すぐに「保湿」を行いましょう。
頭皮を保湿するには、まずは「シャンプー選び」が重要です。
頭皮からうるおいが失われると、皮膚がはがれやすくなって「フケ」がでるなど、乾燥による症状がでるようになります。
また、バリア機能が低下することで、外界の刺激に弱くなり、敏感になることがあります。
頭皮が敏感になると、かゆみや赤み、吹き出物が増えます。
頭皮にこのような炎症が増えると抜け毛が増えて、髪が少なくなる原因にもなりえます。
常盤薬品工業の「ノブ “頭皮ケア”に関する意識調査レポート2013夏」という調査によると、
- 頭皮に悩みを抱えている人は7割
- その中で、なんの対策も行っていない人が6割
- シャンプー選びは、「使用感」「香り」を重視
という結果が。
つまり、頭皮に悩みがあっても半分以上の人は何もしていないということです。
また、シャンプー選びも頭皮の悩みにあったものより、使用感や香りが重視されています。
だからいつまでも頭皮の悩みは解決しないし、歳を重ねるほどひどくなっているのかもしれません。
そのため、ひどくなる前に、フケ・かゆみ・抜け毛を防ぐためには、頭皮の乾燥を防いで、保湿することが大切です。
そこで、この記事では、乾燥した頭皮を保湿するシャンプーの選び方をご紹介します。
- 最近、フケや抜け毛が増えてきた
- 頭皮にかゆみを感じる
- 髪の生え際に赤みや吹き出物ができやすい
このような頭皮に悩みを抱える人向けの内容になっています。
ぜひ参考にして、あなたの頭皮悩みを解消してください。
1.頭皮が乾燥する人の多くは「乾燥肌」
まずは、私の体験談を聞いてください。
私の頭皮に興味が1㎜もないことは重々承知なのですが、あなたの症状を比べて欲しいのです。
もし、私の頭皮状況と似ていれば、この記事に書いてあることは、高確率であなたの役に立つことでしょう。
私の肌質は、ひどい乾燥肌です。
さらに、若い頃からフケ・かゆみ・抜け毛など、頭皮にも問題を抱えていました。
本当に顔・頭皮に関わらず、全身、悩みだらけでした…。
私の髪はものすごく細く、すぐに切れます。
しかも、頭皮の皮脂ですぐにベトベトになって、ペッチャンコになります。(この症状は、髪の毛が細い男性に多い傾向があります)
さらに、毛が細いのでコシも無く、栄養不足のためか、ハリもありません。
ついでに、ちょっと長くなるとネコ毛(癖毛)なのでクリンクリンになって、訳の分からない髪形になります。
頭皮は、顔と同様、乾燥しているためにフケが気になります。
乾燥しているせいで敏感になり、かゆみや赤みもできやすい肌質です。
散髪屋に行けば、高校生の頃から、「こりゃあ、将来、絶対にハゲるなぁ~!」と、太鼓判を押され、カツラの説明を延々とされたこともあります。
私の祖父・父親共にハゲており、自分の髪質も客観視できているので、幼少期からハゲることは覚悟していました。
心の準備はバッチリで、ハゲてもいいものの、「汚く見えるのは避けたい」と思っていました。
一時期、ベトベトでペッチャンコ、クリンクリンの髪を見てスキンヘッドにしようかと考えたのですが、妻をはじめ、子供からも大反対を受けて挫折しました。
だから今まで、頭皮の悩みに対応した色々なシャンプーやリンス、コンディショナーを使ってきました。
商品の説明にあるような効果は感じませんでしたが…。
それどころか、商品によっては抜け毛が増えたり、フケがたくさん出るものもたくさんありました。
秘かに育毛系のシャンプーも試したこともあります。
結果は、メントールの刺激で頭がかゆくなり、シャンプーを流すときの通り道(首や背中)が赤くなり、 かゆみまで出てきました。
私にとって、清涼感を感じる成分は命取りでした。
当初、このような頭皮の悩みは、私だけが抱えているものだと思っていました。
でも、化粧品業界に入って、20年以上、肌に悩みを抱えている人の相談を受けていると、私とよく似た悩みを抱えている人がたくさんいてビックリしました。
そして、その人たちの肌質のほとんどは「乾燥肌」でした。
顔も頭皮も同じ一枚皮なので肌質は同じです。
つまり、頭皮に悩みを抱えている人は頭皮が乾燥している可能性が高いのです。
そういった意味では、頭皮の悩みには、保湿が効果的だといえます。
実際に、私は頭皮を保湿することで、フケが減りました。
かゆみや赤みも起きなくなり、かなり頭皮環境が良くなりました。
現在47歳ですが、祖父や父が同年代のころと写真で比較しても、フサフサとはいかないまでも、薄毛の進行が抑えられています。
この経験から、乾燥した頭皮に潤いをあたえることで、かなりの悩みが改善できると実感しています。
2.「シャンプー」が頭皮の乾燥の原因
頭皮の乾燥を防ぐには、「保湿」をすることよりも実は、「シャンプー選び」の方が重要です。
なぜなら、頭皮が乾燥する原因の多くは、シャンプーにあるからです。
私たちの肌は、「皮脂」と「汗」が混ざり合ってできた「皮脂膜」で守られています。
皮脂膜は、肌の水分蒸発を抑制して、頭皮の乾燥を防ぎます。
また、外界の刺激からも守ってくれます
皮脂は皮脂腺、汗は汗腺から分泌されます。
頭皮は体の中でも皮脂腺・汗腺の多い部位です。
さらに、髪の毛によっても守られているため、頭皮はトラブルが起きにくい部位と思いがちです。
でも、実際は、違います。
資生堂 ビューティサイエンス研究所の中村雅子氏の「頭皮皮脂分泌量に関する研究 (第1報)ー洗髪後の頭皮皮脂分泌量の回復についてー」によると、「洗髪後、皮脂分泌量が回復するために24時間必要」ということが報告されています。
つまり、洗髪後24時間は、肌を守る皮脂膜を形成するために必要な「皮脂が不足している」ということです。
洗髪後、皮脂膜が豊富に形成されないため、頭皮の水分は失われて「乾燥状態」になります。
さらに、乾燥した頭皮は、外界の刺激にも弱くなって炎症が起きやすくなります。
このように洗髪によって頭皮は予想以上に乾燥します。
具体的には、「洗髪に使うシャンプー」が頭皮を乾燥させる大きな原因になることがあるのです。
3.頭皮をうるおすシャンプー選びのポイント
頭皮を乾燥させる原因がシャンプーなら、そのデメリットを取り除けばいいのです。
頭皮を乾燥させないシャンプー選びのポイント
- 洗浄力がマイルド
- 肌にやさしい洗浄成分
- アミノ酸配合
- 保湿成分配合
- 香りより中身重視
詳しく見ていきましょう。
3-1.「洗浄力がマイルド」なシャンプーを選ぶ
シャンプーをした後は、スッキリと気持ち良く感じます。
この効果を持たせるために、皮脂を落とす「洗浄力」が強くなりがちです。
強い洗浄力は、皮脂膜を形成するために必要な頭皮の皮脂を奪い取ります。
洗浄力の強いシャンプーのデメリット
- 頭皮の乾燥
- フケが増える
- 髪の毛が切れる
- 髪が抜け落ちる
- 毛穴にダメージを与える
- 頭皮に炎症が起きる
そのため、皮脂をとりすぎない洗浄力のマイルドなシャンプーを選びましょう。
皮脂をとりすぎている基準は、たとえば皮脂の詰まった頭皮の毛穴が、洗髪後、皮脂が完全に取り除かれた毛穴を映すCMがあります。
これは皮脂のとりすぎです。
見た目はキレイに見えますが、皮脂が無くなっては、頭皮を守る皮脂膜が形成できません。
頭皮が乾燥して、フケが出やすくなります。
また、洗浄力が強いとシャンプー後、髪がきしみます。
きしんだ髪は、指通りが悪く、ひっかかります。
この時に、髪が切れたり、抜け落ちたりします。
さらに、強い洗浄力は、毛穴にダメージを与えます。
髪の毛は、毎日伸びています。
また、良く動きます。
この際、髪の毛と毛穴は接触して、摩擦が起きます。
この摩擦が毛穴の刺激になり、炎症や抜け毛の原因になります。
頭皮の乾燥によるフケや炎症、抜け毛を防ぐなら、洗浄力がマイルドなシャンプーを選びましょう。
3-2.「肌にやさしい洗浄成分」を使ったシャンプーを選ぶ
頭皮が乾燥する場合は、石油系界面活性剤よりも肌にやさしい洗浄成分のシャンプーがおすすめです。
一般的なシャンプーには、洗浄剤の主成分として、『ラウレス硫酸Na』が配合されています。
ラウレス硫酸は、旧表示指定成分で頭皮・目・皮膚に対する刺激があると言われています。
※旧表示指定成分のすべてが悪いというわけではありません
それに、石油系の界面活性剤です。
界面活性剤が悪いのではなく、石油系の界面活性剤は、「そのくっつきやすい性質から、頭皮や毛髪に残留しやすいため、シャンプーの洗浄剤としては不向き」だと私は考えています。
だから、シャンプーにはできる限り石油系界面活性剤を配合されていないものを選びましょう。
例えば、『ココイルアラニンTEA』はおすすめです。
ココイルアラニンTEAとは、絹タンパク(シルクプロテイン)に多く含まれるアミノ酸『アラニン』と天然ヤシ由来の脂肪酸からできた洗浄剤です。
単純に、ラウレス硫酸Naと比較しても、ココイルアラニンTEAには以下のように優れた点があります。
- 泡立ちが優れている。これにより、洗髪時の摩擦を軽減できる。
- 目や皮膚に対しての安全性が高く、刺激が少ない。
- すすぐときの指通りがなめらかで、毛髪を傷めない。
- 生分解性に優れているため、環境に与える影響が少ない。自然にやさしい。
以上のことから、頭皮が乾燥する場合は、石油系界面活性剤よりも肌にやさしい洗浄成分のシャンプーをおすすめします。
3-3.「アミノ酸配合」のシャンプーを選ぶ
頭皮の乾燥が気になる場合は、アミノ酸配合シャンプーを選びましょう。
アミノ酸は、皮膚や毛髪に存在する『天然保湿因子(NMF)』で、そのため、頭皮や毛髪とも相性がいいと言われています。
毛髪に吸着することによりコンディショニング効果があるので、洗浄中・すすぎ時に毛髪を傷めることはありません。
また、洗髪後の毛髪を保護してくれます。
私も自社のシャンプーやコンディショナーには、アミノ酸系の洗浄成分や保湿成分を多く配合しています。
このように、アミノ酸は、頭皮にやさしく毛髪を保護してくれます。
頭皮の乾燥で肌が敏感になっている人には、とくにアミノ酸配合シャンプーはおすすめです。
3-4.「保湿成分配合」のシャンプーを選ぶ
頭皮の乾燥に効果がある成分と言えば、「保湿成分」です。
だから、保湿成分が配合されたシャンプーを選びましょう。
正直に言うと、シャンプーに保湿成分を配合しても、その効果は「限定的」です。
なぜなら、「洗い流すから」です。
その際に、保湿成分も洗い流され、その分、頭皮に残る量が減ってしまいます。
通常、乾燥した肌には、オイルや化粧水など保湿効果のある化粧品を塗ります。
でも、頭皮の場合は、髪の毛が邪魔でうまく塗ることができません。
もちろんオイルや保湿化粧品を塗れないことはないのですが、頭皮全体に塗るとなると、現実的ではありません。
また、塗る際に髪の毛について、べた付きます。
オイルや保湿化粧品が付着した髪は、髪型がペッタンコになって、河童みたいになりました。
とてもじゃありませんが、2度と頭皮にオイルや保湿化粧品を塗る気にはなれませんでした。
だから、効果が落ちたとしてもシャンプーに配合してあるものを選びましょう。
頭皮や毛髪に相性のいい保湿成分には以下のようなものがあります。
- 加水分解コラーゲン
- リピジュア
- セラキュート など
3-5.「香りより中身重視」のシャンプーを選ぶ
シャンプーは、香りを重視し過ぎないようにしましょう。
ちょっとマニアックな話なのですが、シャンプーに使う成分は、臭いものが多いです。
もちろん香りが肌に刺激を与えるわけではないのですが、やはり臭いシャンプーを毎日使うのは苦痛です。
そのため、シャンプーには日常使いに耐えられるように、マスキング(ニオイを消す)目的で香料を配合します。
頭皮に悩みのない人は、香りを重視してシャンプーを選んでもいいと思います。
でも、頭皮が乾燥する人は、香りよりも中身で選びましょう。
シャンプーの香りに関しては、使用時に不快感を感じなければOKです。
まとめ
頭皮が乾燥している人向け、肌がうるおうシャンプー選びのポイントは、
- 洗浄力がマイルド
- 肌にやさしい洗浄成分
- アミノ酸配合
- 保湿成分配合
- 香りより中身重視
です。
頭皮の乾燥を防ぐ参考になれば幸いです。