冬になると普段以上に気になってしまうのが、手の乾燥です。
保湿をするために、ハンドクリームの購入を考える人も多いのではないでしょうか。
中には「どんなハンドクリームを使えばいいか迷う」「消毒液を塗る場合は、どう塗ればいいんだろう?」と商品の選び方や使い方で迷っている人もいらっしゃることと思います。
感染症予防対策として、手洗いや手消毒が当たり前の日々が続いています。
ですから、普段は手荒れなんてしないのに、去年から手肌が乾燥するという方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事はハンドクリームの効果や使用方法、保湿効果をアップさせるコツ、おすすめの商品、Q&Aについて紹介していきます。
適切なハンドクリームの使用方法を知れば、より手を乾燥から守りやすくなります。
手のカサカサが気になる、ハンドクリームを正しく使いたいという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
また、Q&Aでは消毒液とハンドクリームを使用する際の流れも紹介しているので、あわせてチェックしておいてください。
1.乾燥の季節に使うハンドクリーム
- ハンドクリームの効果
- 使用量
- 使用するタイミング・頻度
ハンドクリームを塗る上で大切なこの3つを、この章では解説します。
適切な量や頻度を知って正しく使うことは、乾燥する季節でも健やかな手を作れる大切なポイントです。
この章はとくにチェックしておいてください。
1-1.ハンドクリームに期待できる効果
基本的にハンドクリームは、手を「保護」する効果が期待できます。
商品により異なりますが、一般的なハンドクリームには油分や保湿成分が含まれているためです。
そしてハンドクリームは、「化粧品」「医薬部外品」もしくは「医薬品」のいずれかに分類でき、種類によって使う目的が異なります。
化粧品 | 人体に対する作用が緩和なもので、皮膚、髪、爪の手入れや保護、着色、賦香を目的として用いられるもの。 |
医薬部外品 |
人体に対する作用が緩和なもので医療機器でないもの。厚生労働大臣の指定するもの。育毛剤、染毛剤、薬用化粧品等の他、薬事法改正によりそれまで医薬品に分類されていたビタミン剤や尿素クリーム等が新たに加わった。 |
医薬品 | 病気の診断、予防、治療に用いられるもの。医療用医薬品(処方箋による指示が必要なものとそれ以外)と一般の人が自らの判断で使用することができる一般用医薬品に分けられている |
参考:厚生労働省「化粧品・医薬部外品等ホームページ」、日本化粧品工業連合会「化粧品と薬用化粧品」
上記を踏まえて、各種類のハンドクリームをご紹介します。
それぞれに期待できる効果は下記の通りです。
- 化粧品に分類するハンドクリーム:うるおいを与える。乾燥から守る。
- 医薬部外品に分類するハンドクリーム:ひび、あかぎれなどを防ぐ。
- 医薬品に分類するハンドクリーム:ひび、あかぎれを修復する。
肌は刺激を受けるとバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。
特に手は1日中使用する部位であるため、摩擦、石鹸や洗剤、消毒液など、様々な刺激を受けやすく、うるおいが不足しがちです。
どの種類のハンドクリームも手を保湿することが目的ですが、手の状態によって使い分けるといいですね。
1-2.ハンドクリームの正しい使い方
一般的なハンドクリームは、油分が主体です。
油分であるハンドクリーム単体では「保湿」はできませんので、化粧水や乳液と併せて使い「水分・保湿成分」を補うことが乾燥対策には効果的です。
化粧水+乳液やオールインワンジェルなど |
+
ハンドクリーム |
大事なことなので繰り返します。
ハンドクリームは油分が多めなので、「保護」をするものです。
だから、「手洗い直後」や「お風呂上り」など手肌が水分を多く含んだ状態だと、ハンドクリーム単体の使用でも保湿は可能です。
でもそうではない場合、「乾燥してきたから」という場合には、すでに手肌の水分や保湿成分は不足しています。
ハンドクリーム単体では水分・保湿成分の補給はできませんので、化粧水や乳液、オールインワンジェルなどを併せて使いましょう。
1-3.ハンドクリームの正しい使用量
使用する商品や、手の状態などにより、適切な量は異なります。
パッケージなどに目安量が記載されている場合には、それを参考にしましょう。
これまで多くのハンドクリームを試してみた体感としては、チューブタイプであれば1回につき「人差し指の第一関節までの量」が一般的に思います。
気を付けていただきたいのは、量が少なすぎると、保湿力をあまり感じられなかったり、塗り伸ばす際に手に摩擦を与えてしまったりする可能性があるということ。
塗った後のべたつきが気になり、使用量を抑えたくなることもあるかもしれません。
でもうるおいのある手を目指すのであれば、適正量を使用しましょう。
1-4.ハンドクリームを塗るタイミングと頻度
基本的にハンドクリームを塗るのは、手を使う前後や乾燥を感じたタイミングです。
ただし、乾燥を感じる前であっても、手を洗った後、水仕事の後、入浴後などは、早めの使用がおすすめです。
皮脂が洗い流されることで、通常以上に肌からうるおいが逃げやすい状態になっているため、乾燥する前にハンドクリームを塗って保湿しましょう。
2.手の甲に出すのが正解?ハンドクリームのベタつかない塗り方
ここではハンドクリームの塗り方、保湿効果をアップさせるコツ、塗るときに注意したいことを紹介します。
誤った使い方をしてしまうと、思うように保湿できなかったり、肌に負担を与えてしまったりすることもあります。
コツや注意点を意識し、より効果的に保湿を行いましょう。
2-1.基本的な塗り方
ハンドクリームを塗る際には、全体をクリームで包み込むことがポイントです。
「こすりあわせたり」「塗りこんだり」はNGです。
STEP1: ハンドクリームを手全体になじませる |
※事前に化粧水や乳液、オールインワンジェルで保湿をしておきます。 最初に片手の甲にハンドクリームを適量出します。 |
STEP2: 指を丁寧に保湿する |
片手の指先を使い、もう一方の手の指を1本ずつ保湿します。 指の付け根から指先に向けて、ゆっくり円を描くようにクリームを塗り伸ばしてください。 |
STEP3: 仕上げに爪まわりをケアする |
爪のまわりは乾燥すると、ささくれになることがあります。 仕上げとして爪全体と爪のふちにも、やさしくクリームを浸透させましょう。 |
手のベタつきが気になる場合
ベタつきが気になる場合は、STEP1で手の甲にクリームを出したあと、両手の甲をあわせるようにしてクリームを塗り伸ばします。
手の甲から指の背を保湿したあと、残ったクリームで手のひら、指の間を保湿していくイメージです。
また、手首などにも塗り伸ばすことで、ベタつきを一層軽減できます。
2-2.保湿効果をアップさせるためのコツ
ハンドクリームを塗る際に下記のような一手間を加えるだけで、保湿効果のアップにつながります。
入浴後や就寝前など、ゆっくりとハンドケアできるタイミングで取り入れてみましょう。
■体温であたためてから使用する
温めることでハンドクリームに含まれた油分が溶けだし、伸びがよくなります。
伸びがよくなれば手をまんべんなく包み込むことができ、その分しっかり保湿できるようになります。
時間にゆとりがある場合は、手の甲や、手のひらでクリームを温めてから塗り伸ばすようにしましょう。
■マッサージをしながら塗る
手のひらや指先をマッサージしながらクリームを塗ると、手の隅々までクリームが行き渡りやすくなります。
マッサージといっても、こすり合わせたり、塗りこんだりはしないようにしましょう。
クリームを塗っているとはいえ摩擦が起こり、肌への刺激になりかねません。
クリームを手の全体にひろげたら、手のひらや甲同士を合わせたりしてあたためて浸透をさせましょう。
■ネイルオイルを活用する
乾燥すると爪が割れたり、爪まわりがカサカサと白っぽくなったりすることがあります。
爪や指先の荒れは、食事中やPCに触れているときなどに目立ちがちなため、適宜ネイルオイルを活用し、爪を含めたケアを行ないましょう。
2-3.塗るときの注意点
ハンドクリームを塗るときには下記の3つに気を付けるようにしましょう。
■ごしごしと擦らないようにする
肌は強い刺激を受けるとバリア機能が低下し、乾燥や肌荒れを引き起こしやすくなります。
そのため、ハンドクリームを塗る際には、少量ではなく適量を手に取った上で優しく塗り伸ばすようにしましょう。
■手の状況によっては皮膚科を受診する
水ぶくれが潰れてジクジクしていたり、皮が剥がれて痛みがあったりする場合、ハンドクリームでは改善が見込めない可能性があります。
傷の程度によっては細菌感染などを引き起こすケースもあるため、皮膚科に相談しましょう。
また、ひび、あかぎれなどができており、クリームを塗った際に染みる場合も、注意が必要です。
無理にクリームを塗り続ければ手荒れが酷くなるケースもあるため、医薬品のハンドクリームを使用するか、皮膚科の受診を検討しましょう。
■顔などへの使用は避ける
手は1日を通して様々なものに触れたり、何度も洗ったりする部位です。
その手をケアするハンドクリームには、顔や体用のクリームに比べ、油分が多く含まれています。
そのため、顔や他の部位へ使用すると、通常以上にベタつきを感じてしまいがちです。
特に顔は油分をチャージしすぎると、ニキビなどに繋がる可能性があります。
「顔や体への使用が可能」と商品説明に記載されていないクリームは、顔や他の部位への使用は避けるのが好ましいです。
3.注目度の高いハンドクリーム4選
ここではハンドケアに心強い、注目度の高い商品を4つ紹介します。
手の乾燥が気になる人は、ぜひ参考にしてください。
また、ハンドクリームは「手の状態」「その他の特徴」のいずれかを重視して選ぶと、自分にあったものを見つけやすくなります。
どんな商品を選ぶべきか悩んだときは、下記を踏まえて選んでみてください。
<手の状態を重視して選ぶ>
■乾燥が気になる・カサカサしている
保湿に心強い成分が含まれたハンドクリームを選びましょう。
例えば定評のある保湿成分としては、シアバター、セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンといった成分があります。
■乾燥が進み、ひび、あかぎれがある
ひび、あかぎれが生じているなら、医薬品・医薬部外品のハンドクリームや軟膏を選ぶと良いでしょう。
手を保湿してくれるだけではなく、ひびやあかぎれなどを修復してくれる効果に期待ができます。
<その他の特徴を重視して選ぶ>
■テクスチャーで選ぶ
使用後のベタつきが気になる人は、サラッとしたタイプや、ジェルタイプのものを選ぶと塗ったあとも快適に過ごしやすくなります。
■香りで選ぶ
香りを重視する場合は、自分の好きな香りの商品を選んでみましょう。
リフレッシュにはラベンダーなどの爽やかな香り、おでかけにはローズなどの華やかな香りが人気です。
3-1.花王 アトリックス ハンドクリーム [チューブ]
<容量・価格>
50g 188円(税込) ※価格はAmazonでの購入時
<商品の特徴>
医薬部外品のハンドクリームです。
浸透・保水にアプローチするクリームで、うるおい成分としてセラミドEやカモミールエキスが配合されています。
乾燥、水仕事といったダメージから、うるおい持続ベールが手を守ってくれるとのこと。
チューブタイプなので持ち運びがしやすく、手にしっとりと馴染みやすい商品です。
他にも同シリーズには「さっぱりしたジェルタイプ」「水仕事に強く効果が持続しやすいタイプ」などがあるため、手の状態やシーンによって使い分けるのも良いでしょう。
3-2.花王 ニベアクリーム [中缶]
<容量・価格>
56g 220円(税込) ※価格はAmazonでの購入時
<商品の特徴>
テレビCMや店頭などでお馴染みの、青い缶のハンドクリームです。
しっとりとした健康的な肌を保つクリームで、肌にうるおいを与えるスクラワン、ホホバオイルが含まれています。
手だけではなく全身のスキンケアにも使用でき、公式サイトによると外出前、洗顔や入浴後の使用が効果的とのこと。
また、缶タイプだけでなくチューブタイプもあるため、自分に合ったタイプを選べます。
3-3.ロクシタン シア ハンドクリーム
<容量・価格>
30mlg 1,540円(税込)
<商品の特徴>
公式サイトによると「世界中で2秒に1本売れているロクシタンのハンドクリーム代表作」なのだそう。
天然保湿成分のシアバターが20%配合されており、手にうるおいを与えてくれます。
なめらかで肌に浸透しやすく、優しい香りのしっとりとしたクリームです。
なお、寒さが厳しい時期は、小まめに塗り、うるおいべールで肌を守るようにすると効果的とのことです。
3-4.ユースキン 40gチューブ
<容量・価格>
40mlg 516円(税込) ※価格はAmazonでの購入時
<商品の特徴>
ひびやあかぎれ、しもやけを治す、指定医薬部外品のハンドクリームです。
血行を促進するトコフェロール酢酸エステルなど、有効成分が4つ含まれています。
クリームはビタミンB2による黄色で、スッとする香りが特徴です。
なお、使用時は、手を洗って清潔にしてから適量を手に擦り込むようにしましょう。
通常時は人差し指の第一関節までの量、手荒れが酷い場合には第二関節までの量が適量目安となります。
肌に合えば、体の他の部位にも使用できるため、手だけでなく、ひざ、かかとなどの乾燥やひびに悩んでいる場合にも、頼りになる商品です。
4.ハンドクリームに関するQ&A
最後に「男性にもハンドクリームによるケアが必要なのか」「消毒液を使う場合にはハンドクリームはどうしたらいいのか」という疑問にお答えします。
Q1.男性もハンドケアは必要ですか?
A.男性にもハンドケアすることをおすすめします。
手は、洗ったり、消毒したり、様々なものに触れたりと、性別に関わらず1日を通して酷使する部位です。
肌は強い刺激を受けると、バリア機能が弱まり乾燥しやすくなるため、男性でも適切なケアを行うことが望ましいです。
ハンドケアの必要性が分からない人もいるかもしれませんが、手は名刺を交換するときやスマートフォンを触っているときなど、人目に触れる部位です。
手の甲が乾いて白っぽくなっていたり、爪まわりにささくれがあったりすれば、決して清潔な見た目とは言えません。
また、乾燥が進むと、ひびやあかぎれになり、痛みが生じたり、菌が入ったりすることもあるため、早めのケアを心掛けましょう。
パナソニックの「デキる男は手・爪の手入れも抜かりない!正しいハンドケアで魅力ある男の手に!」によると、「日中はシリコン入りのハンドクリームでサラッとした保湿」「就寝前はシリコンフリーかつ高保湿のクリームでしっかり保湿」をするのが良いそう。
ハンドクリームを塗ることに慣れていない人は、まずクリームを目につく場所に置き、乾燥が気になった際に手に取ることから始めてみましょう。
Q2.消毒液とハンドクリームの両方を使う場合の順番を教えてください。
A.基本的には「消毒液→ハンドクリーム」の順番での使用が推奨されます。
その際には、手の水分をしっかりと拭ってから、消毒を行いましょう。
水分が残っていると、アルコール濃度が低くなってしまい、消毒効果が薄れてしまうためです。
この使い方をすると、手肌の水分補給もしていない状態ですから、手肌の乾燥は促進されてしまうことが考えられます。
感染症予防のために消毒を行っていることと思いますので、ここは消毒することを優先しましょう。
手肌が乾燥しやすい方・すでにしている方は、帰宅後は石けんで手指をよく洗い、化粧水や乳液、オールインワンジェルで保湿を行ったらすぐにハンドクリームを塗りましょう。
そうして感染症予防をしながらも適切に保湿ができるよう、ぜひ正しい使い方をマスターしてください。
まとめ
ハンドクリームは手の乾燥に心強いアイテムです。
使用時の適量目安は、チューブタイプであれば1回につき「人差し指の第一関節までの量」となります。
量が少なすぎると、保湿力をあまり感じられないこともあるため、毎回適切な量を使用しましょう。
また、ハンドクリームの基本的な塗り方は、下記の通りです。
- 保湿を行った後、手の甲にクリームを適量出して、両手全体になじませる
- 指や指の間までしっかり塗り伸ばして保湿する
- 仕上げに爪まわりにもクリームを優しく擦りこむ
ハンドクリームは、塗る前に化粧水をつけたり、体温であたためたりすると、保湿力がアップしやすくなります。
ハンドマッサージやネイルオイルなども、手を隅々まで保湿するコツなので、積極的に取り入れてみましょう。
なお、ハンドクリームを塗る際は、ごしごし擦るのは禁物です。
肌は強い刺激を受けるとバリア機能が低下し、乾燥を引き起こしてしまうためです。
その他にも、肌荒れが極端に進んだ手、顔などへの使用には注意が必要です。
肌の様子がおかしい場合には皮膚科を受診し、肌の保湿を行いたい場合にはスキンケア用品を活用しましょう。
冬は空気が乾いているだけでなく、風邪対策のための手洗い・消毒の回数が増える季節です。
消毒液を使用した後にもハンドクリームを塗るように心掛け、清潔で健やかな手を目指しましょう。