カサつきや、つっぱり感、時にはメイクののりまで気になってしまう「乾燥肌」。
ただ、乾燥肌と一概に言っても、「乾燥性敏感肌」「脂性乾燥肌」「超乾燥肌」「加齢性乾燥肌」と原因が異なることをご存知でしょうか。
それぞれ特徴や原因、対策ポイントが違うため、もしかするとケアが上手くいかずお困りの方がいらっしゃるかもしれません。
そんな方に向けて、乾燥肌の種類や原因、スキンケアや予防法などについて解説します。
この記事を読むと「自分がどの乾燥肌に当てはまるのか」「日頃から行える予防にはどんなものがあるのか」がわかると、きっとケアも行ないやすくなりますよ。
乾燥肌にお困りの人や、乾燥肌の可能性があるという人は、ぜひ参考にしてください。
1.肌質の見分け方と各肌質の特徴
肌質は大きく分けると「乾燥肌」「脂性肌」「普通肌」の3つに分けられます。
ちなみに、「敏感肌」というのは肌質ではなく肌状態。
肌状態は、環境やスキンケアによって変わります。
ここでは「乾燥肌」「脂性肌」「普通肌」の特徴や原因などについて解説していきます。
1-1.乾燥肌
乾燥肌とは、「皮脂」と「水分」が不足している乾いた肌のことを言います。
ドライスキンとも呼ばれ、主な特徴にはカサつき、つっぱり感などがあります。
乾燥の状態が酷い場合には、かゆみ、粉吹き、ひびといった症状を伴うこともあり、入浴後にそれらを実感することが多いとされています。
皮脂がもともと少ない、目もと、口もと、すね、ひざ、ひじ、足の裏などは一段と乾きやすいため、普段から念入りな保湿が求められます。
そんな乾燥肌の大きな原因には、バリア機能の低下が挙げられます。
通常は「肌の一番外側にある角層」「皮脂と汗による皮脂膜」がバリア機能を果たしており、肌の内側から水分が逃げるのを防いでくれています。
しかし、強い刺激、紫外線ダメージ、生活習慣やターンオーバーの乱れ、加齢などにより、このバリア機能が低下してしまうと、肌からうるおいが失われがちになり乾燥肌に繋がってしまうのです。
もし、乾燥肌かどうかをチェックしたい場合には、次のことを確認してみるといいでしょう。
複数の項目に当てはまるようであれば、乾燥肌の可能性が高いと考えられます。
1-2.脂性肌
脂性肌は皮脂が過剰に多い肌のことをいいます。
オイリー肌とも呼ばれ、ベタつき、テカりなどが主な特徴です。
特におでこ、鼻周りなど、いわゆるTゾーンで脂っぽさを感じることが多くなっており、皮脂の影響でニキビができやすかったり、毛穴が開いた状態になりやすかったりします。
脂性肌は体質や遺伝的な影響の可能性もありますが、食生活、生活習慣、ストレス、加齢などによるホルモンバランスの乱れが原因とされています。
ホルモンバランスが乱れて男性ホルモンが増加すると、皮脂の分泌量が過剰になってしまい、肌のベタつき、テカりに繋がるのです。
なお、脂性肌かチェックするには、次のことを確認してみるといいでしょう。
複数の項目に当てはまるようであれば、脂性肌の可能性が高いと考えられます。
1-3.普通肌
普通肌とは皮脂が適量で、保湿状態が良好な肌のことです。
ノーマルスキンとも呼ばれ、毛穴が目立ちにくく、キメも整っているという特徴があります。
なお、Tゾーンはもともと皮脂分泌量が多くなっているため、頬などの状態を基準に普通肌かどうか判断することが適切とされています。
普通肌は肌が好ましい状態ですが、その分丁寧なケアが求められます。
肌への刺激や、不規則な生活は避け、健康的な状態を保ちましょう。
もし普通肌かどうかをチェックしたい場合は、次のことを確認してみるといいでしょう。
複数の項目に当てはまるようであれば、普通肌の可能性が高いと考えられます。
2.乾燥肌の4つのタイプ
バリア機能の低下が原因とされる乾燥肌ですが、実は「乾燥性敏感肌」「脂性乾燥肌」「超乾燥肌」「加齢性乾燥肌」の4つのタイプがあります。
ここでは各乾燥肌の特徴について解説していきます。
2-1.乾燥性敏感肌
乾燥性敏感肌とは、乾燥することで外部からの刺激に敏感になっている肌のことです。
その特徴や原因、対策する際のポイントについて見ていきましょう。
乾燥性敏感肌の特徴
乾燥性敏感肌は「スキンケア時にピリピリ痛む」「髪の毛が触れるとチクチクして気になる」といったように、ちょっとした刺激にも肌が反応しがちなのが特徴です。
人によって現れる症状は様々で、埃、花粉、雑菌などの影響で炎症や肌荒れなどを起こす人もいます。
乾燥性敏感肌の原因
原因には次のようなものが挙げられます。
気温変化、紫外線、誤ったスキンケア
気温変化や紫外線、間違ったお手入れなどは、肌へダメージを与えてしまいます。
ダメージを受けてバリア機能が低下すると、肌が乾燥しやすいだけでなく、敏感になってしまうのです。
また、肌内部の脂質(セラミドなど)は、年齢を重ねたり、洗いすぎたり、ターンオーバーが乱れたりすることによって減少します。
こうした脂質不足によりバリア機能が低下し、外部からの刺激を肌が受けやすくなるのです。
乾燥性敏感肌を対策する時のポイント
乾燥性敏感肌には、肌へのダメージやセラミドの不足などが影響しています。
そのため、低刺激やセラミドを守ったり補ったりするスキンケアアイテムの使用を意識してみましょう。
もし、どのようなものを使用すればいいか迷ったときは、乾燥性敏感肌用のアイテムがおすすめです。
また、肌の炎症や痛みなどが強すぎる場合には、皮膚科に相談してみるのも良いでしょう。
2-2.脂性乾燥肌(混合肌)
脂性乾燥肌とは混合肌とも呼ばれ、皮脂が多い部分、乾燥している部分が混在した肌のことです。
ここではその特徴や原因、対策する際のポイントについて紹介します。
脂性乾燥肌の特徴
日本人に多い肌質と言われており、「脂っぽいのにカサつきを感じる」という特徴があります。
主にTゾーンでベタつきやテカりが、目元や口元などでカサつきが目立つ傾向にあります。
脂性乾燥肌の原因
主な原因には次のようなものが挙げられます。
食生活や生活習慣の乱れ
脂っぽい食べ物やアルコールを摂取しすぎると、皮脂の分泌が活発になり、Tゾーンなどでベタつきが目立つようになります。
また、睡眠不足などによりホルモンバランスが乱れた場合にも、男性ホルモンが増えることで皮脂の分泌量が過剰になり、ベタつきに繋がります。
洗いすぎや保湿ケア不足
肌が乾燥すると、うるおいを守るために皮脂の分泌量が多くなります。
ベタつきが気になるあまり、洗顔しすぎたり、保湿ケアを控えめにしてしまったりすると、かえってTゾーンはベタつき、目元や口元では乾燥が進んでしまうのです。
脂性乾燥肌を対策する時のポイント
脂性乾燥肌はベタついている箇所、カサついている箇所、それぞれに合ったケアをすることが重要です。
ベタついている箇所には軽いテクスチャーのクリーム、カサついている箇所にはこっくりとしたクリームを用いて保湿すると良いでしょう。
また、日々の食事、就寝する時間などにも意識を向け、健康的な生活を心がけることもポイントです。
2-3.超乾燥肌
乾燥肌がさらに乾燥してしまった状態の肌です。
ここではその特徴や原因、対策する際のポイントについて紹介していきます。
超乾燥肌の特徴
肌が粉を吹いたり、皮がボロボロと剥がれたり、洗顔や入浴後などに強いつっぱり感を感じたりするのが特徴です。
時にはヒリヒリとした痛みなどを伴うケースもあります。
超乾燥肌の原因
主な原因には次のようなものが挙げられます。
洗いすぎなどによる皮脂不足
頻繁に洗ったり、ごしごし擦ったり、洗浄力の強い洗顔料やボディーソープを使用したりすると、皮脂が洗い流されてしまいます。
本来皮脂は肌の表面で汗と混ざりあって皮脂膜となることで、肌の水分蒸発を防ぐ役割を果たしています。
その皮脂が不足してしまうことで、更に乾燥が進んでしまうのです。
バリア機能低下による乾燥の進行
バリア機能の低下などにより乾燥が進行すると、角質が剥がれやすくなります。
剥がれやすくなった角質が「剥がれかけた状態」で肌にとどまると、超乾燥肌の特徴の1つである粉を吹いたような状態になってしまいます。
超乾燥肌を対策する時のポイント
超乾燥肌は、皮脂を落とさないことと適切な保湿ケアがポイントとなります。
洗顔料やボディーソープは刺激が少ないものを選び、泡で優しく洗うようにしましょう。
洗ったあとはすぐに化粧水、乳液、クリーム、ボディーミルクなどを活用して、肌の水分を逃さないようにすることが大切です。
なお、粉吹き、湿疹などの症状があり、その程度が酷い場合は、一度皮膚科に相談するのが好ましいでしょう。
2-4.加齢性乾燥肌(老人性乾皮症とは)
加齢性乾燥肌は老人性乾皮症とも呼ばれています。
ここではその特徴や原因、対策する際のポイントについて紹介します。
加齢性乾燥肌の特徴
加齢性乾燥肌は、加齢によって乾燥した肌のことです。
カサつきや痒みを感じたり、肌が粉を吹いたり、浅いひびが見られたりするのが特徴です。
痒みはすね、太もも、脇腹、腰などで感じることが多くなっています。
加齢性乾燥肌の原因
最も大きな原因には加齢が挙げられます。
加齢により次のようなものが減少してしまうためです。
加齢による皮脂やセラミドなど脂質の減少
皮脂の分泌量は年齢を重ねるごとに減少していきます。
また、バリア機能に欠かせないセラミドも年齢とともに減少していきます。
肌の水分蒸発を防ぐために必要な脂質が減ることで、乾燥を招いてしまうのです。
洗いすぎやエアコンなどによる影響
超乾燥肌の原因でもお話しましたが、洗いすぎは肌の皮脂を流してしまうため、乾燥を招いてしまいます。
また、エアコンの風に直接あたったり、室内の空気が乾いたりしていても肌は乾燥しがちになるので注意しましょう。
加齢性乾燥肌を対策する時のポイント
加齢によって皮脂やセラミドが減少してくると、通常以上に肌が乾きやすくなります。
それを踏まえ、皮脂を落としすぎないようにすることと、保湿を徹底することが大切です。
肌は適度な頻度で優しく洗うようにし、洗ったあとは肌が乾く前に保湿しましょう。
また、エアコンをつける場合は、直風に気を付けたり、加湿器などで湿度を保ったりすることも重要です。
なお、痒みが我慢できないほど強い場合は皮膚科に相談しましょう。
掻いてしまうことで皮脂欠乏性湿疹や貨幣状湿疹へ進行してしまう恐れがあります。
3.どんな乾燥肌にもおすすめの予防・対策方法
乾燥肌には4つの種類がありますが、ここではいずれの乾燥肌にも共通して言える対策方法を「スキンケア編」「日常生活編」に分けて紹介していきます。
ちょっとした心がけで健やかな肌を目指しやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
3-1.スキンケア編
乾燥肌には「刺激を与えない」「丁寧に保湿する」の2点が欠かせません。
では具体的にどのようにケアすればいいのか、見ていきましょう。
クレンジングの方法
メイクをした日は必ずクレンジングで落とすことが重要です。
次のような流れにそって肌に優しいクレンジングを行ないましょう。
▼STEP1
手を洗い、清潔な手にしてからクレンジング剤を適量取り出します。
使用料が少なすぎると、肌になじませるときに摩擦が生じやすくなるため、適量を手に取ることが重要です。
▼STEP2
まず、頬、額、こめかみの順でクレンジング剤をなじませます。
このとき、らせんを描くように親指以外の指先全体を滑らせると良いでしょう。
▼STEP3
次に鼻、唇の上、顎の順でなじませます。
鼻は指を上下に滑らせ、唇の上は指を左右に滑らせるのがコツです。
また、毛穴に汚れがたまりやすい小鼻と顎先は、指先でくるくると丁寧になじませましょう。
▼STEP4
クレンジング剤とメイクがよくなじんだのを確認し、ぬるま湯で洗い流します。
熱いお湯で洗うと、肌の乾燥に繋がってしまうので、35~38℃ほどのぬるま湯を使用してください。
洗顔の方法
クレンジングがすんだら次に洗顔をします。
肌に刺激を与えないことを意識ながら、次のような手順で行ないましょう。
なお、メイクをしていない日も肌には汗や埃が付着しているため、洗顔が必要です。
ただし高頻度での洗顔、長時間の洗顔は肌にとって負担になるため、最低限の時間で優しく汚れを取り除くようにしましょう。
▼STEP1
クレンジング後、手についているクレンジング剤を洗い流します。
その後、ぬるま湯で顔全体をしっとりと濡らしておきましょう。
▼STEP2
手のひらに洗顔料を取り、ぬるま湯を加えながら、メレンゲ状のキメ細やかな泡を作ります。
もしも手で泡立てづらい場合は、泡立てネットを活用してみるのも良いでしょう。
▼STEP3
次に泡で顔全体を包み込み、撫でるようにして洗います。
このとき、肌をゴシゴシ擦るのではなく、あくまで泡で洗うことが大切です。
強い刺激は肌の負担となり、より乾燥を招いてしまうことを忘れないようにしましょう。
▼STEP4
ぬるま湯で泡を落とします。
洗顔料が残っていると肌荒れに繋がる可能性があるため、20回程度丁寧に洗ってください。
洗い終えたら、タオルをそっと押し当てるようにして肌の水分を拭って、洗顔完了です。
保湿の方法
洗顔のあとに忘れてはいけないのが保湿ケアです。
乾燥肌の原因であるバリア機能の低下をサポートするためにも、次のようなステップで化粧水やクリームなどを用いたケアをしましょう。
▼STEP1
まずコットンを用いて化粧水を塗りましょう。
コットンに適量の化粧水を含ませたら、頬、額、目の周辺、鼻周り、顎、フェイスラインの順でうるおいを行きわたらせます。
このとき、擦ったり、叩いたりするのではなく、「トン、トン」とゆっくりとしたテンポでコットンを肌にあてるのがポイントです。
▼STEP2
化粧水を十分になじませたら、乳液やクリームでフタをしましょう。
時間をおくと補給したうるおいが蒸発してしまうので、化粧水後はいずれかをすぐ塗るようにしましょう。
塗る際には化粧水を塗った頬、額、目の周辺、鼻周り、顎、フェイスラインの順で、うるおいにフタをします。
また、使用するのが乳液の場合はコットンで、クリームの場合は手のひらを使ってなじませるのが良いでしょう。
▼STEP3
必要があれば美容液やマスクなども活用するようにしましょう。
目元や口元といった乾きやすい部分などは、専用の保湿アイテムなどを活用し、うるおいに何重にもフタをするのがおすすめです。
3-2.日常生活編
乾燥肌の人が日常生活でできる対処法には次のようなものがあります。
日々の生活を少し意識するだけで、肌への負担を抑えられるので、できる部分から取り入れてみてください。
入浴習慣を整える
熱い湯船に浸かったり、長時間入浴したり、ごしごし洗ったりすると、肌の皮脂や保湿成分が洗い流されてしまい、バリア機能が弱まってしまいます。
入浴時は「38~40℃ほどの適度なお湯」「15分程度の入浴」「洗浄時は擦らずに泡で優しく」の3点を意識するようにしましょう。
生活習慣を整える
肌はターンオーバーにより生まれ変わりますが、そのターンオーバーは寝ている間に促されます。
そのため、睡眠時間が不足したり、生活リズムが不規則だったりすると、ターンオーバーが乱れてしまいます。
結果的にバリア機能の低下に繋がり、肌の乾燥を引き起こしてしまうため、それを防ぐために睡眠時間の確保や規則正しい生活を心がけましょう。
室内環境を整える
冬場は暖房を使用するため、室内の空気が乾燥しやすく、肌も乾きがちです。
特にエアコンの風が直接あたる場所にいると、肌はなおさら乾燥してしまいます。
加湿器を使用したり、洗濯物を干したり、湿度を保つ工夫をしましょう。
紫外線対策をする
季節や天候に関わらず、一定量の紫外線が常に地上に降り注いでいます。
紫外線を浴びるとバリア機能が低下してしまうため、肌の乾燥を招いてしまいます。
そのため、外出時は日焼け止めやUVカットの化粧品を使って対策を行ないましょう。
まとめ
肌質には乾燥肌・脂性肌・普通肌の3つの種類があります。
その中でも乾燥肌は「乾燥性敏感肌」「脂性乾燥肌」「超乾燥肌」「加齢性乾燥肌」の4つのタイプに分けられ、それぞれの特徴や原因は下記となっています。
■乾燥性敏感肌
ちょっとした刺激にも肌が反応しがちで、ピリピリしたり、チクチクしたりする状態です。
原因には気温変化、紫外線、誤ったスキンケアによるダメージ、セラミドの不足などが挙げられます。
■脂性乾燥肌
混合肌とも呼ばれ、肌に皮脂が多い部分、乾燥している部分が混在している状態です。
原因には食生活や生活習慣の乱れ、洗いすぎや保湿ケア不足が挙げられます。
■超乾燥肌
肌が粉を吹いたり、皮がボロボロと剥がれたりする状態です。
原因には洗いすぎなどによる皮脂不足、バリア機能低下による乾燥の進行が挙げられます。
■加齢性乾燥肌
年齢を重ねたことにより肌が乾燥している状態です。
原因には加齢による皮脂やセラミドの減少、洗いすぎやエアコンなどによる乾燥が挙げられます。
いずれの乾燥肌にも、刺激を与えないクレンジングや洗顔、丁寧な保湿が重要となります。
また、日常生活では入浴習慣や生活習慣、室内の湿度や、紫外線などにも気を配るようにしましょう。
スキンケアと日常生活における対策法をしっかりとおさえ、皮脂と水分量のバランスが取れた肌を目指しましょうね。