ニキビの原因を知り、正しく予防することはとても重要です。
ニキビは簡単に言うと、皮脂が毛穴に詰まり、そこで炎症が起こることで発生します。
通常、毛穴の中で分泌された皮脂は、毛穴からにじみ出て、肌表面に排出されます。
毛穴の出口に、押すタイプの扉(押戸)がついていて、皮脂はゆっくり前に進みながら、この扉を押し開けて外に出ていくイメージです。
ところが、この毛穴がなんらかの理由でふさがれることがあります。
すると、皮脂は外に出られなくなり、毛穴の中に過剰にたまってしまいます。
さらに、毛穴に棲んでいる細菌が、溜まっている皮脂を栄養源として繁殖、そして、炎症が起こりはじめます。
この記事では、こうしてできたニキビの「原因」・「種類」・「予防方法」・「できてしまったニキビ」への対策などについて解説します。
正しいスキンケアと生活習慣を改善することで、ニキビを少しでも減らして快適な生活にしましょう!
1.ニキビの原因となる4つの要因
ニキビとは、正式名称は「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と言い、主に顔面にできる発疹のことで、背中や胸にも出ることがあります。
思春期にできるものを「ニキビ」、大人になってからできるものを「大人ニキビ」と区別することがあります。
思春期と大人では、ニキビのできる原因が若干異なるからです。
思春期に多いニキビや大人ニキビのできる原因を、ニキビの生成フロー順に解説していきます。
1-1.皮脂の過剰な分泌
思春期にはホルモンのバランスが崩れやすく、皮脂が過剰に分泌されやすくなります。
過剰に分泌された皮脂が、毛穴をふさぐことでニキビができます。
皮脂分泌は思春期から増え始め、20代前半に最大となるため、一般的にニキビに悩まされる人は10代から20代が多いです。
糖分や脂肪分の多い食事は皮脂を増やすため、食生活が原因で皮脂の過剰分泌が起き、ニキビの原因となることがあります。
気温が高い時期にも皮脂分泌は増加するため、夏はニキビが出きやすいです。
1-2.毛穴の詰まり
ニキビは、毛穴が詰まることで発生します。
毛穴が詰まる原因は、過剰に分泌された皮脂・汚れ・古くなった角質などだと言われています。
肌の代謝に異常が生じると、毛穴まわりの角質がはがれず厚くかぶさって、毛穴をふさぐことがあります。
1-3.アクネ菌の繁殖
顔の皮膚表面・毛穴などに常に存在するアクネ菌が繁殖すると、ニキビは発生しやすくなります。
毛穴がつまった状態は、アクネ菌が非常に増殖しやすい環境となっています。
通常は皮膚を守るために存在するアクネ菌は、異常に増殖することで、皮膚に炎症を起こす物質を生産してしまいます。
1-4.大人ニキビの原因
大人ニキビの主な原因は、ストレス・睡眠不足・バランスの悪い食生活などがあげられ、思春期のニキビとは異なります。
大人になると、ホルモンバランスの異常がおさまり、過剰な皮脂の分泌は止まります。
乾燥・紫外線の影響で肌のバリア機能が低下、ターンオーバーの乱れ、などによりはがれにくくなった角質が毛穴に詰まることが原因となることがあります。
2.ニキビの種類は主に4つ
ニキビケアは早期発見と早期対処が重要です。
炎症の度合いによって分けられるニキビの種類を解説します。
2-1.ぷくっと毛穴が盛り上がった「白ニキビ」
白ニキビは、ニキビの初期段階で、毛穴に皮脂が詰まりアクネ菌が増殖し始めています。
中央にポツンと白い点があります。
炎症が起こっておらず隆起もわずかで、触れてもザラっとしているだけで、目立ちません。
2-2.酸化しはじめた「黒ニキビ」
黒ニキビは、毛穴につまった皮脂が酸化し、黒ずんだ状態です。
白ニキビでは閉じていた毛穴が開き、中の黒い皮脂が見えます。
白ニキビと同様で炎症は起こっていませんが、黒いポツポツが目立つようになります。
2-3.赤く炎症を起こした「赤いニキビ」
赤ニキビは、放置された白ニキビや黒ニキビが悪化した状態で、炎症も悪化し始めます。
毛穴の中で増殖したアクネ菌と白血球が戦うことで、赤く腫れあがります。
ひどい場合は、痛みをともなうようになります。
2-4.倦んで痛みを持った「黄ニキビ」
赤ニキビがさらに悪化すると、黄色い膿をもった黄ニキビとなります。
内部が化膿して、炎症が広がった状態です。
ひどくなると毛穴の壁が壊れ、膿・皮脂・角質などが毛穴の外にあふれだします。
この段階になると治るのに時間がかかり、肌にくぼんだようなニキビ跡が残るおそれがあります。
3.ニキビの予防方法
次に、ニキビの予防方法を解説します。
日頃の生活習慣や小さなケアがニキビ予防につながりますので、ぜひチェックしておきましょう。
3-1.紫外線対策をおこなう
ニキビ予防のためには、紫外線対策をおこなうことが重要です。
紫外線を浴びると、肌表面の角層が厚くなり、毛穴をふさぎ、ニキビができやすくなります。
また、紫外線は、その悪影響によりできてしまったニキビの炎症を悪化させることがあります。
日焼け止めや帽子、日傘などを使って、紫外線対策をきちんと行いましょう。
とくに、「夏だけ紫外線対策をする」という方は注意してください。
紫外線は、1年中降り注いでいます。
春も秋も、思っているよりも紫外線を浴びています。
ニキビを悪化させないために、1年の間ずっと紫外線対策を頭に置いておいていただきたいです。
3-2.肌の保湿を十分におこなう
肌の保湿を十分におこなうことで、角層が毛穴をふさぎにくくなります。
十分に保湿をおこなうことで、角層にうるおいが与えられ、肌は柔軟性を持つからです。
保湿アイテムは低刺激で、ニキビケア向きのものを選びましょう。
3-3.バランスの良い食生活をおくる
ニキビを予防するためには、バランスの良い食生活をおくることが大切です。
肌によい食材・栄養素をバランスよく取るように努めましょう。
繊維質不足による便秘、アルコールによる肝機能の低下もニキビの原因といわれています。
人参に含まれるカロテン・レバーに含まれるビタミンB2・バナナに含まれるビタミンB6・食物繊維が豊富な野菜や果物、タンパク質を積極的にとることをおすすめします。チョコレート・揚げ物など、糖分・脂肪分の多い食事を続けているとニキビが発生しやすくなるため、気をつけましょう。
※参考:農林水産省「実践食育ナビ」
3-4.十分な睡眠をとる
十分な睡眠をとることは、ニキビ予防に大変効果があります。
睡眠中は、新陳代謝が活発になり、新しい肌が作られる貴重な時間です。
眠り始めの3時間に成長ホルモンがしっかり分泌される事で、新陳代謝が活発になります。
質のよい睡眠を十分とるためには、自律神経を整える必要があります。
寝る前の飲食・スマホを見るなどを避け、1~2時間前の入浴をお勧めします。
3-5.ストレスをためない
ニキビ予防のためには、ストレスをためないことが重要です。
ストレスを受けるとホルモンバランスが崩れ、皮脂が過剰に分泌される要因となることから、ニキビが発生する可能性が高まります。
日ごろからストレスをためない対策が必要となります。
とはいえ、ストレスは無意識にたまっていくものではありますので、こまめに発散できるよう、アロマ・運動・入浴など、自分なりのストレス解消法を探しておきましょう。
3-6.メイク料やメイク用品を見直す
油分の多いクリームやファンデーションなどを使うと、毛穴をふさいでしまいニキビの原因となることがあります。
また、メイクをするためのスポンジパフやブラシによる「摩擦」などの刺激が、できているニキビを悪化させることもあります。
「メイクをすると肌が赤くなる」
「メイクでニキビが悪化しているかもしれない」と思う方は、メイクは薄めにすることで、ニキビを予防できる可能性があります。
パウダーファンデーションを軽くつけるなど、薄めのメイクがおすすめです。
メイク道具が汚れていると雑菌が繁殖しやすいため、清潔にしておきましょう。
3-7.刺激の少ない洗顔・クレンジングをおこなう
ニキビ予防のためには、皮膚を清潔に保つことが重要ですが、刺激の少ない洗顔料・クレンジングをおこなうよう気をつけましょう。
洗浄力が強い洗顔料やクレンジング剤を使うと、必要な皮脂まで取り除き、肌のバリア機能を低下させ、炎症を悪化させる可能性があります。
必要なうるおいを残せる低刺激なクレンジング剤を使うことをおすすめします。
4.ニキビができたときの対策
できてしまったニキビの悪化を防ぐ対策や、してはいけないことについて解説します。
4-1.ニキビは絶対につぶさない
ニキビは、決してつぶさないようにしましょう。
ニキビをつぶすと手などについた雑菌が毛穴に入り、ニキビが悪化するおそれがあります。
ニキビの本質は毛穴に皮脂が溜まっている状態です。膿を押し出しても皮脂がのこっていると炎症は治まりません。医療機関では針で皮脂の出口を作り、中心に穴が開いた道具でニキビの周りを押して、皮脂を押し出します。自分で潰しても皮脂を上手く押し出すことができません。中途半端にニキビを押すことで、かえって炎症が悪化してしまうこともあります。
引用:公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&Aニキビ 潰すのはどうしていけないのですか?」より
雑菌が入ると炎症が起き、治りが遅くなるだけでなくニキビ跡が残る可能性があります。
絶対に止めましょう。
4-2.ゴシゴシ洗顔をしない
ゴシゴシ洗顔はやめましょう。
ゴシゴシ洗顔することで、手と肌の摩擦が激しくなり、強い刺激がニキビにも与えられます。
強い刺激が与えられると、ニキビの炎症は悪化する可能性があります。
ニキビを完全になくすために1日5,6回以上も洗顔していたり、毛穴の詰まりをなくすためにブラシなどで強くこすって洗顔している人がいますが、かえって皮膚を傷つけ、肌が乾燥してトラブルが大きくなります。ニキビの人が不潔だから、アクネ菌が増えてニキビになるわけではありませんので、顔をごしごしと強くこすって洗うのはやめましょう。
引用:日本痤瘡研究会アクネQ&A「Q17.ニキビの洗顔はどうしたらいいの?」より
手と肌の摩擦を防ぐため、泡立てる洗顔料をよく泡立てます。
泡立てない洗顔料は適切な量を使い、肌に手が直接触れないように、やさしく洗顔しましょう。
4-3.髪の毛が顔にふれない髪型にする
髪の毛が顔にふれないような髪型にすることはおすすめです。
髪がニキビにふれる刺激や、髪についている雑菌や汚れにより、ニキビの症状が悪化することがあります。
長い髪は結ぶ、ショートカットにするなど、ニキビを刺激しないヘアスタイルがおすすめです。
4-4.スキンケアで治らないときは、医療機関を受診する
スキンケアで症状の改善が見られない場合は、医療機関を受診しましょう。
とくに化膿してしまったニキビは、ニキビ跡となるおそれがあるため、薬をつけるなど、きちんとしたケアが効果的です。
悪化させないためにも、低刺激のクレンジングや保湿など、日ごろの正しいスキンケアをおこなうよう心がけましょう。
5.ニキビが悪化するとどうなる?
ニキビケアのポイントは、悪化する前に予防することです。悪化するとどうなるかを解説します。
5-1.炎症が悪化し、化膿する
ニキビが悪化すると、毛穴の中で炎症がひどくなり、化膿し始めます。
赤いニキビが大きくなり、痛みを感じることもあります。
さらに症状が進むと、毛穴の壁が壊れて膿などが周りにあふれだします。
5-2.つぶすとニキビ痕ができ、凹みが残る
ニキビをつぶすと、ニキビ痕ができ、凹みが残ってしまう可能性があります。
ニキビが潰れると、毛穴周辺の組織も壊れてしまうため、皮膚がクレーター状にへこんで戻らなくなります。
このニキビ跡は、肌の奥の真皮まで傷ついているため治りにくく、ずっと残ってしまいます。
まとめ
ニキビ対策には、
- ニキビを予防する
- できてしまったニキビを悪化させない
この2つの対策が効果的です。
過剰な皮脂分泌や代謝の乱れが原因となるため、生活習慣の改善と正しいスキンケアが必要です。
十分な睡眠とバランスの良い食事を摂り、スキンケアは「正しい洗顔」と「保湿」をおこないましょう。
もしお困りのことやわからないことがあれば、当社までご相談くださいね。
私自身も思春期からのニキビに悩み、大人のニキビにまで発展しましたが、22歳でニキビ・オイリー肌を解消しましたので、参考になるお話ができるかもしれません。
この記事があなたのニキビ解消に役立てば幸いです。