乾燥肌の原因と予防策|正しいスキンケアでキレイな肌をめざそう

肌の乾燥とは、「一時的なもの」と「体質による肌のコンディション」とがあります。

乾燥肌になる主な原因には、遺伝的なものや加齢による機能低下など複数あります
そして、肌の天然保湿因子が少ない人は、乾燥肌になりやすい傾向にあります

また、年齢を重ねるにつれ皮脂の分泌量が減少するため、肌が乾燥しやすくなるようです。

この記事では、こうした「一時的な乾燥」と「乾燥肌」の違いについて解説します。
また、「乾燥肌になりやすい人」や「乾燥肌になる仕組み」などについても触れ、乾燥肌のケア方法を紹介します。

肌の乾燥に悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。

目次

1.乾燥肌とは

乾燥肌とは、肌の皮脂と水分が不足している状態です。
乾燥肌になると肌が突っ張るような感覚やカサつき、ザラつきなどの不快な感覚が現れます。

また、かゆみやほてりなどの症状が現れる場合もあり、乾燥がひどくなるとひび割れやあかぎれができることもあります。

こうした乾燥状態について、詳しくご説明します。

参照:福田実氏「皮膚科学と化粧品

1-1.乾燥肌は、角質層の「バリア機能」が低下している状態

肌の乾燥は、バリア機能の低下を招く

図のように乾燥によってバリア機能が弱った肌には、「効果的な保湿」が必要です

乾燥した肌に起こっている共通していることは、「角質層のバリア機能の低下」があげられます。

「角質層」は、「バリア機能」とも呼ばれていて、肌のもっとも外側にある層で、乾燥や外部刺激から肌を守る役割があります。
バリア機能によって、皮膚内部の水分や脂質が保持され、潤いのある状態が保たれます。

また、保湿以外にも防護壁としての役割も果たしており、細菌や化学物質の体内への侵入を防ぐ役割などもあります。

この角質層のバリア機能が低下すると、肌の水分を保持できなくなり、肌が乾燥します。
バリア機能の低下は、角質層の天然保湿因子や脂質などの減少によって引き起こされ、少しの刺激で肌が荒れやすくなります

1-2.特に乾燥しやすい部位

肌の中でも特に乾燥しやすい部位を、顔と体に分けて紹介します。

「顔」で乾燥しやすい部位

顔の中でも特に乾燥しやすい部位は以下のとおりです。

  • 目元
  • くちびる
  • あご
  • 首・胸元

これらの部位は皮脂の分泌が少ないため、肌が乾燥しがちです。
目元や頬は乾燥するとシワができやすくなります。

「体」で乾燥しやすい部位

体の中で肌が乾燥しやすい部位は以下のとおりです。

  • ひじ
  • ひざ
  • すね
  • 足の裏

これらの部位に共通していることは、いずれも皮脂の分泌が少ないことです。
皮脂の分泌が少ない部位は、入浴後などに肌がカサカサするといった症状が現れやすくなります。

1-3.一時的な乾燥と乾燥肌の違い

一時的な肌の乾燥は、肌の水分不足によって組織がうまく結合できなくなっている状態で、肌タイプを問わずに起こりえます。
肌の一部が突っ張るような感覚がありますが、あくまでも一時的な現象です

一方で、乾燥肌とは乾燥しやすい肌タイプを指す言葉で、皮脂の不足などによって皮膚の水分を保てなくなっている状態を指します。
顔や体全体に皮膚が突っ張るような感覚がある点が、乾燥肌の特徴です。

2.肌が乾燥する原因

角質層のバリア機能が低下する原因は、体質や外的な要因などさまざまです。
その中でも特に代表的な原因について解説します

2-1.ターンオーバーの乱れによる肌状態の悪化

肌の乾燥によりターンオーバ―が乱れると、ゴワゴワ肌になる

皮膚の細胞は、4~6週間ほどで入れ替わります。
このサイクルは「ターンオーバー」と呼ばれ、細胞が正常に入れ替わることで潤いのある肌が保たれます。

しかし、ターンオーバーの周期が年齢とともに長期化すると、古い角質が肌の表面に蓄積されてゴワゴワした肌になり、肌が乾燥しやすくなると言われています

また、不健康な生活習慣や血行不良もターンオーバーを乱すほか、偏った栄養バランスが原因になることもあります。
特にビタミンB群はターンオーバーを正常に保つ役割があるため、不足すると肌が乾燥しやすくなる傾向があります。

2-2.エアコンを長時間使うことによる弊害

空気の乾燥は、肌の乾燥を招きます

エアコンによる乾燥が常態化することで、乾燥肌に傾くことがあります。
冷房・暖房いずれも長時間使用すると空気中の水分が吸収されて、室内の空気が乾燥します。
(厳密にいえば、室内の温度が下がることで起こる現象ですが、ここでは説明を省きます)

現代においては、24時間エアコン生活という人も少なくありません
直風が当たる・湿度が低いことにより、肌が乾燥することがあります。

2-3.紫外線による悪影響

紫外線を浴びることで、肌は軽いやけど状態になり、乾燥を招きます

紫外線は、しわやしみといった肌トラブルの原因になります。
肌の角質層は特に紫外線の影響を受けやすいため、紫外線によってバリア機能が低下し、乾燥肌の原因になることがあります。

2-4.間違ったスキンケア・入浴・洗顔方法

間違った方法によるスキンケアや入浴、洗顔は肌を乾燥させる原因になることがあります。

また、洗顔時に肌を強くこすると角質層を傷つけてしまい、肌の水分が逃げやすくなってしまいます。
入浴時にナイロンタオルで肌を強くこすることは角質層を傷つける原因です。

ほかにも、42度以上のお湯で入浴や洗顔を行うことも、肌に必要な皮脂が奪われるため、バリア機能を低下させる恐れがあります

2-5.加齢による症状

加齢はバリア機能が低下する原因のひとつです。
個人差があるものの、皮脂の分泌量は年齢を重ねるごとに減少していきます。

それに伴い細胞の脂質や天然保湿因子も減少するため、バリア機能が低下しやすくなります。

3.乾燥肌のケア方法とは?

間違ったケアは、乾燥肌を悪化させてしまう可能性があります。
ここでは、乾燥肌の正しいケア方法を紹介します。

3-1.洗顔方法を見直す

乾燥肌になると肌が敏感になるため、正しい方法での洗顔が必要です。
間違った洗顔方法は角質層を傷つけ、乾燥肌を悪化させる原因になりえます。

肌が乾燥した状態が続く場合は、洗顔方法を見直してみましょう

洗顔の回数

1日の洗顔の回数は、2回にとどめましょう。
1日に何度も洗顔すると、肌の保湿に必要な皮脂が洗い流されてしまうため、肌が乾燥する可能性があります。
乾燥肌の人は朝晩1回ずつの洗顔が理想的です。

洗顔料の選び方

洗顔料を選ぶ際には、洗浄力が強すぎるものは避けましょう。
乾燥肌の人は、肌がつっぱらない洗顔料がおすすめです。

こすらない

洗顔する際には強くこすらずに、泡で洗顔するように心がけましょう。
肌は強くこすると乾燥しやすくなるため、指が顔に直接当たらないように注意する必要があります。
また、泡立てる洗顔料を使っている場合には、しっかりと泡立てて使いましょう。

ぬるま湯ですすぐ

洗顔には熱いお湯ではなく、ぬるま湯を使いましょう。
熱いお湯で洗顔すると保湿に必要な皮脂が流されてしまうため、肌が乾燥しやすくなります。

洗顔するときのお湯の温度は、34~36度ぐらいが適切です。

優しく水分を拭きとる

洗顔後は、できるだけ早く水分を拭き取りましょう。
また、水分を拭き取る際も強くこすると角質層を傷つける恐れがあるため、タオルで水分を優しく押さえるように拭いていきます。
使用するタオルも柔らかい素材のものを選びましょう。

3-2.正しい保湿スキンケアを行う

乾燥肌を改善するためには、正しい保湿スキンケアも重要です。
どのようなケアを行えばよいのか、具体的な方法を紹介します。

室内環境も考慮する

空気が乾燥していると肌も乾燥しやすくなります。
室内の空気が乾燥しやすい場合は、加湿器の導入を検討してみましょう。

ただし、加湿器はあくまでも室内の乾燥を防ぐためのものであるため、スキンケアにもしっかりと取り組む必要があります。

すぐに保湿する

洗顔後や入浴後は肌の水分が逃げやすい状態のため、入浴や洗顔が終わった後は、すぐに保湿することが必要です。
入浴や洗顔後は肌の水分が失われる前に、基礎化粧品でしっかりと保湿ケアを行いましょう。

水分と油分を補う

乾燥肌を改善するためには、水分と油分を補うケアが必要です。水分は化粧水で補い、油分は乳液やクリームで補います。
この際、肌を強く叩くことは避けましょう。ゲルなどの保湿専用化粧品も乾燥肌の人にはおすすめです。

3-3.生活習慣を見直す

しっかりと睡眠をとることや栄養バランスのよい食事をとることも、乾燥肌のケアに有効です。
ここでは、睡眠の質を上げる方法や肌のためにとるべき栄養素を紹介します。

睡眠

乾燥肌を改善するためには質のよい睡眠をとり、成長ホルモンの分泌を促すことが大切です。

質のよい睡眠をとるためには、眠り始めの3時間に熟睡している必要があります。
寝る1時間前には、テレビやスマホを控えましょう。

また、寝る1時間ほど前に入浴して体を温めておき、寝るときに体温がほどよく下がるようにしておくと眠りやすくなると言われています。

食生活

乾燥肌の改善には、栄養バランスの整った食事をとることも大切です。

肌を作る際に必要なタンパク質や、肌の細胞を守るビタミンE、健康的な肌を保つために必要なビタミンAやビタミンB群などをとるように心がけましょう。
タンパク質は肉や魚から摂取でき、ビタミンEはナッツ、ビタミンAは緑黄色野菜、ビタミンB群は納豆などに多く含まれています。

紫外線対策

乾燥肌の人はバリア機能が低下しているため、紫外線の影響を受けやすい状態になります。
そのため、日焼け止めや日傘などによる紫外線対策が必要です。

日焼け止めを選ぶ際には、肌への刺激が少ないものを選ぶように心がけましょう。

3-4.悪化するときは皮膚科専門医へ行きましょう

乾燥だけにとどまらず、かゆみや痛み、皮膚の炎症など何かしらの異常が生じている場合には、迷わずに専門医を受診しましょう。
皮膚にあらわれる症状には、体の内側による原因も考えられます。
専門医の診断をあおぎましょう。

まとめ

この記事では、乾燥肌になる原因やケアの方法について解説しました。

肌が乾燥する原因と対策を見ると、化粧品だけでどうにかなるものではないことがわかります
肌にうるおいを与え保持する保湿を行うことはマストで、それ以外にも、睡眠や栄養素により体の中からの対策。そして、空気の乾燥など、外的環境を整えるための外からの対策も同時に行い、あなたの肌を乾燥から守ってくださいね

この記事が、肌の乾燥対策に役立てれば幸いです。

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この記事を書いた人

化粧品開発やスキンケアアドバイザー歴22年目。自身のオイリー肌・ニキビ肌が改善したことからスキンケアに目覚める。3児の母でもあり、”0歳からのスキンケア”を実践している経験豊富さから、記事内容は幅広い。日本化粧品検定1級・薬機法医療法遵守広告代理店認証YMAAマーク取得者。

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