しっかりとスキンケアをしているのに、繰り返すあごのニキビ。
朝起きて、鏡を見た時、あごに新しくできているニキビを見つけたら、「またか~」と落ち込んでしまいます。
でも、ニキビができたからと言ってむやみやたらとケアすると、またあごにニキビはできてしまうことが。
なぜ、あごのニキビは、しつこく繰り返すのでしょうか?
この記事では、
- 繰り返すあごのニキビができる原因
- 繰り返すニキビができにくくするスキンケア方法
- あごにニキビ跡を残さない方法
を、紹介します。
あごにニキビが繰り返しできる悪循環を断ち切って、キレイなあごを手に入れる参考にしてください。
1.繰り返すあごのニキビができる原因
繰り返すあごのニキビ。
その原因は、大きく5つあります。
繰り返すあごのニキビ5つの原因
- あごは皮脂腺が多い
- あごは汗腺が少ない
- 生理前に多く分泌される黄体ホルモンの影響
- 毛の処理で刺激が加わる
- ついつい触ってしまいやすい部分
5つの原因を、それぞれ確認していきましょう。
1ー1.あごは皮脂腺が多い
あごは、おでこや鼻と同じように、顔の中でも皮脂腺が多い箇所です。
ポーラ化成工業株式会社研究所美容ソフト研究チームによる「顔面皮脂量の部位差について」を見ると、「われわれは, 皮脂量の多い鼻, 眉間, 頬上内側および顎の部位を一括してIゾーンと呼ぶことがふさわしいと考えた。」とあります。
メイク崩れの研究で、鼻・額の次に、あごの皮脂によるメイク崩れが顕著に表れた箇所だというデータもあります。
ニキビは、皮脂が毛穴詰まりによってできるものなので、皮脂腺の多い部分にできやすいと言えるのです。
1ー2.あごは汗腺が少ない
皮脂腺が多いあごは、「汗が出る汗腺が少ない部位」です。
汗の機能は大きく二つあり、一つ目は「体の温度調節」をすること。
二つ目は、皮脂と混ざり合い天然のクリーム「皮脂膜」を作り、肌のうるおいを守ること。
汗腺が少ないと汗の分泌量が少ないということは、つまり、あごはうるおいを守るための天然のクリームが作られにくいということです。
うるおいが守られないので、肌は乾燥しやすくなります。
20~30代の女性(25名)の調査で、ニキビ発生の多い人は、顔全体の中でフェイスラインを中心に、水分量の少ない「部分乾燥状態」になっていること、ニキビ発生の少ない人は、額やあごの一部が局所的な乾燥状態になっていることが確認されています。
引用:富士フィルム「ニキビ用化粧品「ルナメアAC」の開発」
ニキビができやすい人は、フェイスラインを中心に水分量が少ないことがわかっています。
よって、肌が乾燥している部分ほど、ニキビはできやすいと言えます。
だからうるおいが守られにくいあごは、ニキビができやすいのです。
1ー3.生理前に多く分泌される黄体ホルモンの影響がある
図のように、ピンク色の「黄体ホルモン」分泌が多い時期は、ニキビができやすくなります。
排卵後の2週間は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まって、子宮内膜が充実し始めます。
女性にとって大切な時期なのですが、この「黄体ホルモン」は、精神や身体に大きな影響を与えます。
参考: |
このように、黄体ホルモンが優位に働く時期は、ニキビができやすい肌環境になりがちです。
また、あごの部分は男性ホルモンの影響を受けやすい部分です。
黄体ホルモンは、男性ホルモンのように皮脂の分泌を活発にする影響を与えるため、あご付近に影響を与えやすいと言われています。
実際に、生理前になるとニキビに悩まされる方は多いようです。
②生理前の不調(PMS)があると回答した人のうち65%が美容トラブルに悩まされている
Q3.どんな不調がありますか。(グラフ3、n=3,162)
※Q1で「毎回感じる」、「時々感じる」と答えた人のみ回答 ※複数回答可生理前の不調(PMS)を「毎回感じる」「時々感じる」と回答した人に具体的な症状を聞いたところ、「肌荒れ」、「むくみ」、「ニキビ」、「化粧のりが悪い」のうちいずれか1つ以上の美容トラブルを選択した人の割合は65%にのぼりました。半数以上もの人が生理前に何らかの美容トラブルに悩まされていることがわかります。
引用:ドコモ・ヘルスケア株式会社「「カラダのキモチ」利用者対象 PMSに関するアンケート結果第2弾」
女性の生理は定期的にあるため、ニキビを繰り返す原因になっていると言えます。
1ー4.毛の処理で刺激が加わる
男女問わず、あごにはひげが生えます。
男性は顕著に生えますので、毎日剃る方も多いと思います。
女性も顔そりの際、口元のあごの毛の処理を行う人もおられることでしょう。
カミソリで毛の処理をすると、少なからず肌を守る角質層が削られます。
すると、角質層の「外的刺激から肌を守る」という働きが弱くなってしまい、結果的にニキビができやすくなることがあります。
また、ニキビができている箇所でも毛の処理をしてしまい、できているニキビを潰したり、傷つけたりし、悪化させてしまうことも。
このように毛の処理を誤ると、ニキビができる原因になることがあります。
1ー5.ついつい触ってしまいやすい部分
あごは、無意識に触っていたり、自然に刺激が加わりやすい箇所です。
- 無意識に触っている
- 髪の毛が触れる
- ヒジつきの姿勢
- 洋服がこすれる
- ニキビができているからと、過度に洗ってしまう
- マスクがこすれる
このような「触る」という行為が肌に刺激となって、ニキビができやすくなることがあります。
2.あごの繰り返すニキビの予防法
あごは、繰り返すニキビができやすい箇所で、生理前のホルモンバランスは、スキンケアでは変えることはできません。
しかし、ホルモンバランスの影響を受けにくい肌作りを行うことはできます。
この章では、ニキビの予防ができるスキンケア方法をご紹介します。
今行っているスキンケアと比較して見直し、繰り返すニキビができにくいあごの肌環境を作っていきましょう。
2ー1.肌を清潔に保つ
ニキビができやすいときの基本のお手入れは、「肌を清潔に保つこと」です。
メイク落としや洗顔料を使い、肌に摩擦を起こさないようにやさしく洗って、清潔に保ちましょう。
外出したときは、帰宅後すぐにメイク落としや洗顔を行って、外で付着したホコリや花粉などの汚れをできるだけ早く取り除きましょう。
またニキビができたときは、手で触ってしまうと手についている雑菌や汚れが引き金となって、炎症が悪化してしまいます。
気になるとついつい触ってしまいがち。
触らないようにガマンしましょう。
2ー2.皮脂を取りすぎない
ニキビは、毛穴に皮脂が詰まってできます。
そのため、余分な皮脂は洗い落とす必要がありますが、皮脂を取り過ぎるのもよくありません。
とくにあごは乾燥しやすい場所なので、洗顔をし過ぎると皮膚を守っている皮脂がなくなり、乾燥が促進します。
1章でご案内したように、肌の乾燥は繰り返すニキビの要因の一つです。
マイルドな洗顔料でやさしく洗い、皮脂の取りすぎには注意しましょう。
繰り返すあごニキビができる人が避けておきたい洗顔料
- ニキビ用、男性用など洗浄力が強い洗顔料
- 固形石鹸
- ダブル洗顔が必要なメイク落とし
- スクラブ入りの洗顔料 など
2ー3.水分と保湿成分と油分で十分に保湿する
肌の乾燥は、ニキビを招きます。
そのため、保湿して乾燥から肌を守りましょう。
正しい保湿を行いましょう
1章で案内したように、あごは汗腺が少なく、乾燥しがちな部位です。
積極的に「正しい保湿」を行いましょう。
正しい保湿とは、「水分」と「保湿成分」と「油分」を与えることです。
保湿成分入りの化粧水でたっぷりと水分を与えたら、必ずクリームなど油分で与えた水分の蒸発を防ぎ、うるおいを守りましょう。
代表的な保湿成分
- セラミド
- スフィンゴ糖脂質
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
など
ノンコメドジェニック化粧品を使いましょう
繰り返すニキビ肌をケアするスキンケアには、「ノンコメドジェニックテスト済み化粧品」がおすすめです。
専門機関でノンコメドジェニックテストが行われ、テストをクリアした化粧品の商品やパッケージには「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されています。
「ノンコメドジェニック」とは、ニキビの元である「コメド」ができにくいという意味です。
化粧品を使うだけでニキビが治るわけではありませんが、「できにくい」というのは大きなメリットです。
ただ、「ノンコメドジェニック」と書いてあっても、そのすべてがテスト済みとは限りません。
「ノンコメドジェニックテスト済み」 |
上記の表記とともに、ノンコメドジェニックテストの結果がホームページ等で公開されている化粧品を選ぶと安心です。
2ー4.毛の処理の時の刺激を減らす
毛の処理時の刺激を減らす方法
- 毛の処理前に、洗顔をする
- カミソリではなく、電気シェーバーにする
- 「刃」を清潔に保つ・切れ味の良いものに変える
- カミソリを使う場合は、シェービングクリーム・ジェル・フォームを使う
毛の処理前に、洗顔をする
刃の通りを悪くし、なめらかな剃り味を損なう皮脂、汚れ、不要な角質などを、洗顔をして洗い落とします。
洗顔時にはぬるま湯(36~7℃程度のぬるま湯)を使うと毛が軟らかくなり、剃りやすくなります。
カミソリではなく、電気シェーバーにする
あごの毛の処理をするときに使うものは、できれば、カミソリよりも電気シェーバーにしましょう。
電気シェーバーは、刃が肌に直接当たらないので、角質層を傷つけにくいです。
「刃」を清潔に保つ、切れ味の良いものに変える
カミソリやシェーバーを使う際は、「刃」が清潔で新しい切れ味の良いものを使いましょう。
切れ味の悪い刃は、切り傷や刺激の原因となります。
毛の引っ掛かりや不快感が生じるようになったら、刃を交換しましょう。
カミソリを使う場合は、シェービングクリーム・ジェル・フォームを使う
刃のすべりをなめらかにし、毛の引っ掛かりを減らすため、カミソリを使う際にはシェービングクリーム・ジェル・フォームを使いましょう。
2ー5.繰り返すニキビができる部分への刺激を減らす
刺激になることを控える
- あごを触るくせはやめましょう
- あごに触れる洋服は常に清潔に(タートルネックやマフラー、ストール等)
- 必要以上に洗いすぎない
- 髪の毛が当たらないようにする
- あたってもいたくないマスクに変える
- 布団のあごが当たる部分を清潔に
- オールインワンジェルをつかう
- メイクを控える
繰り返すニキビができる部分は、それだけ定期的に刺激が加わっていることが考えられます。
上記のような刺激になることは、できるだけ控えましょう。
また、刺激にならないものに変えていきましょう。
オールインワンジェルについて
肌状態やその力加減によっては、手が顔に触れるだけでも刺激になることがあります。
普段のスキンケアで、化粧水とクリームが分かれているものを使っている場合、化粧水とクリームをぬるために、手が2回顔に触れます。
一方、水分と保湿成分と油分が一つになった「オールインワンジェル」だと、保湿のスキンケアでは、手が顔に触れる回数は1回に減ります。
1日で考えると、朝夜お手入れをするなら、4回→2回に減ります。
肌に触れることも刺激になる人には、触れる回数が少ない「オールインワンジェル」は、繰り返すニキビの方におすすめです。
3.あごにニキビ跡を残さない方法
ニキビがくりかえしできる場所は、炎症も何度も起こるので、跡が残りやすいです。
ですから、以下の点に気を付けて、ニキビ跡を残さないようにしましょう。
3ー1.炎症を抑える化粧品や薬を使う
くりかえしニキビができても、炎症が悪化しなければ、跡にはなりにくいです。
ニキビができたら、炎症を起こして赤くならないように、「抗炎症作用」のある化粧品を使ってみましょう。
抗炎症作用のある成分
- かんぞう根エキス
- グリチルリチン酸2K
- グリチルレチン酸ステアリル
- アラントン
- ヨクイニンエキス
など
医薬部外品の化粧品は化粧品よりも効果が認められているため、「抗炎症作用」と大きく書かれていますので、選びやすいでしょう。
なお、化粧品だけで心もとないという人は、病院に行って抗生物質の薬などを処方してもらいましょう。
3ー2.ニキビをつぶさない
白ニキビや黒ニキビなど、初期のニキビは上手につぶせば跡にならないことが多いです。
(白ニキビや黒ニキビをつぶしたい場合は、病院で医師に行ってもらいましょう。)
しかし、周辺にまで炎症が広がった赤ニキビをつぶすと跡に残ります。
炎症が広がった赤ニキビはつぶさないようにしましょう。
なお、洗顔時やメイクの時につぶしてしまったら、それ以上触ることはやめましょう。
雑菌が入り込み、ニキビの悪化につながる場合があります。
血や膿が出る場合は、ティッシュでやさしく拭き取りましょう。
血が止まらなかったり、その部分が化膿してしまう場合は、皮膚科医師の診察を受けましょう。
3ー3.角質ケアを行う
角質ケアを行うことで、ニキビ跡は残りにくくなる可能性があります。
ニキビの炎症から体を守るために、ニキビ跡の元となる「メラニン色素」は通常よりも過剰に生成されています。
ニキビが治れば、メラニン色素の過剰な生成は終わります。
そして時間が経てば、不要なメラニン色素は不要な角質とともに排出されます。
しかし、肌のターンオーバーが乱れ、不要な角質が肌表面に留まっていると、生成されたメラニン色素が肌表面に残り、ニキビ跡が残っているように見えます。
不要な角質が肌表面を取り除く角質ケアを行うことで、ニキビ跡が薄くなったり、早くニキビ跡が無くなる可能性があります。
ただ、繰り返すニキビができやすい場所は、敏感になっている可能性があります。
AHA・BHA(グリコール酸やサリチル酸、乳酸など)の肌を溶かす「酸」や、スクラブで無理やりこするピーリング剤ではなく、ジェル系の肌にやさしいピーリング剤を使いましょう。
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まとめ
くりかえしできるあごのニキビ。
なぜできてしまうのか、全く理由が分からないままケアをするよりも、原因にあたりを付けてケアしていきましょう。
あごのニキビがくりかえしできる原因とその対策 |
あごは皮脂腺が多い ⇒ クレンジング・洗顔を行い、清潔に保つ |
あごは汗腺が少なくて乾燥しやすい ⇒ あごをしっかり保湿する |
ひげそりをする場所 ⇒ 傷つけない |
生理前のホルモンバランスの影響 ⇒ 無理なケアをしない |
無意識に触ってしまいがちな箇所 ⇒ 触らない |
原因にあたりをつけるには、繰り返すあごのニキビができるタイミングを把握するのがおすすめです。
例えば、ニキビができるのが生理前であれば、ホルモンバランスの影響を大きく受けていることが分かります。
また、マスクをする時期は特にニキビができやすい場合、マスクがニキビの原因になっていることが考えられます。
繰り返すあごのニキビができるタイミングを把握して、原因を取り除いたりスキンケアを変えて、あごにニキビが繰り返しできる悪循環を断ち切りましょう。