「肌がカサカサしてメイクのりがいまいち」
「スキンケアを頑張っても肌のカサカサが治らない」
そんな不安や不満を抱えている人も多いのではないでしょうか。
多くの人が、クリームや乳液などカサカサ肌への対策は行っていても「カサカサする」という声を聞きます。
そんなカサカサ肌、入浴後などに「一時的に肌がカサカサする人」や、「一年を通して常に肌がカサカサしている人」など、同じカサカサでも人によって症状がさまざまです。
いろいろな症状があれど、肌のカサカサは皮膚の乾燥が主な原因であるといえます。
でも残念ながら、クリームを塗るだけでは乾燥改善にはなりません。
肌のカサカサを防ぐためには、日々のスキンケアとともに生活習慣を見直し、肌の乾燥対策を丁寧に行うことが大切です。
この記事では、肌がカサカサする具体的な理由や、肌のカサカサを抑えるための対処法について詳しく説明します。
カサカサ肌にお悩みの人はぜひ参考にしてください。
1.毎年繰り返す肌のカサカサ
肌がカサカサしていると、ファンデーションがうまくのらなかったり皮膚の痒みが気になったりと、気分まで落ち込むような肌トラブルが続いてしまいます。
毎年のように繰り返すこの厄介な肌のカサカサは、大きく分けて2つの種類に分けられます。
- 一時的な乾燥肌
- 慢性的な乾燥肌
一見同じように見える2種類の乾燥肌は、実はそれぞれ特徴や原因が異なります。
1-1.一時的な乾燥肌の特徴
「一時的な乾燥肌」とは、表皮の水分不足によって起こる肌のバリア機能の低下が主な原因です。
その名の通り一時的に肌の水分量が不足し、皮膚がカサカサしてしまう状態のことを指します。
一時的な乾燥肌は、顔や体の皮膚に強いつっぱり感やカサカサ感といった不快感があります。
また、入浴後や洗顔後など、限定的なタイミングで起こりやすいのも特徴です。
一時的な乾燥肌になると肌のコンディションが普段と明らかに異なるため、自分自身で肌の水分不足を実感できるでしょう。
一時的な乾燥肌を改善するには、保湿効果の高いスキンケア用品を使う、こまめに化粧水を塗るなどのケアを行うことが大切です。
表皮の水分量を安定させることで、乾燥が気になりにくくなるでしょう。
一時的に乾燥する原因
上記でも簡単にお伝えしたように、一時的な乾燥肌は表皮の水分不足によって引き起こされます。
表皮が水分不足に陥る原因として、下記が挙げられます。
一時的に乾燥する原因の例
- 強い力でゴシゴシと擦るように洗顔したり、体を洗ったりした
- 長時間熱いお湯に浸かった
- タバコやアルコールを過剰に摂取した
- 寒さや暑さが厳しい、空気が汚れているなど、いつもとは極端に異なる環境にいた
- 職場や家庭内にストレスを抱えている
- 肌トラブルを引き起こす可能性のある医療処置を行なった
- 肌に合っていない化粧品を使用した など
これらの行為がなぜ一時的な乾燥肌を招いてしまうかというと、それには肌の「バリア機能」が大きく関係しています。
私たちの肌は表皮で覆われていて、表皮の一番外側にある層を「角質層」といいます。
角質層には肌の水分量を一定にキープしたり、肌を外部の刺激から守ったりする「バリア機能」という役割が備わっています。
バリア機能が正常に働いている時は肌内部の水分量・油分量が安定しているため、潤いのある健康的な肌を保てます。
しかし、上記のような行為を行うとバリア機能が低下し、肌の水分が蒸発しやすい状態になることがあります。
その結果、肌の水分が表皮まで循環しなくなり、一時的な乾燥肌を引き起こしてしまうのです。
1-2.慢性的な乾燥肌の特徴
慢性的な乾燥肌は一時的な乾燥肌とは異なり、表皮の水分だけでなく油分までもが不足している状態です。
一時的な乾燥肌と慢性的な乾燥肌は一見同じような肌トラブルに見えますが、それぞれ原因や特徴が異なるため、区別して考える必要があります。
慢性的な乾燥肌は、肌の水分量・油分量がともに不足して、潤いがなくなってしまっている状態です。
別名「ドライスキン」とも呼ばれます。
慢性的な乾燥肌の特徴としては、下記のようなものが挙げられます。
慢性的に乾燥している肌状態
- 肌が常につっぱり、カサカサしている
- 肌を触るとザラザラしている
- 肌のハリやキメがない
- 肌が白く粉をふく、またはひび割れしている
- 薄皮がポロポロと落ちる
- 肌が赤く痒みを帯びる
慢性的な乾燥肌は顔だけでなく、体全体の皮膚が乾燥しやすい傾向にあります。
特にすね、ひじ、膝、頬、目や口のまわりなど、もともとの皮脂分泌が少ないパーツは乾燥状態がひどくなりがちです。
慢性的な乾燥肌になると上記のような肌への不快感が持続するので、心理的なストレスを抱えやすいのも特徴のひとつといえます。
乾いた肌はバリア機能が低下しているため、外からの刺激にも敏感になります。
特に空気が乾燥する寒い時期になると痒みを感じやすくなり、炎症や湿疹などの肌トラブルに悩む人が多いです。
これらの症状を「冬だからしょうがない」と放置してしまうと、「乾燥湿疹」と呼ばれる皮膚病を発症してしまうこともあります。
そうなると、睡眠中などに無意識に掻きむしった箇所が傷跡になり、肌の乾燥や炎症が深刻化するケースもあるので注意が必要です。
慢性的な乾燥肌の人の中には、「もともとの肌質だから」と肌の乾燥対策を諦めてしまう人もいます。
しかし、肌の乾燥は適切なケアをすれば防ぐことができ、ケアの方法次第では肌質を変えることも不可能ではありません。
当メディアを運営する株式会社アースケアの代表も、超がつくほどの乾燥肌で敏感肌。
男性ですのでスキンケアもわからず、長らく悩まされていましたが、今ではすっかり普通肌です。
慢性的な乾燥肌に悩んでいる人は、肌のカサカサを落ち着かせるための知識を身につけ、乾燥が悪化する前に適切なケアを行うことが何よりも重要です。
慢性的な乾燥肌の原因
慢性的な乾燥肌になってしまう原因として、下記が考えられます。
肌のターンオーバーの乱れ
ターンオーバーとは、皮膚の新陳代謝のことを指します。
ターンオーバーが正常な肌は正しいサイクルで常に新しい細胞が入れ替わるので、肌のバリア機能を一定に保てます。
しかし、生活習慣の乱れやストレスなどによってターンオーバーが乱れてしまうと、バリア機能が低下して肌の水分・油分が蒸発しやすい状態に。
長期間にわたるターンオーバーの乱れは慢性的な乾燥肌を招き、カサカサ肌を作り出す大きな要因となります。
一年を通して冷房・暖房を長時間利用している
オフィスワークに従事しているなど、エアコンの風に長時間晒されている環境にいる人は、慢性的な乾燥肌になりやすい傾向にあります。
エアコンは空気中の水分を吸収してしまうため、冷房・暖房を問わず、長時間利用するとどうしても部屋の空気が乾燥してしまいます。
乾燥しがちな冬の時期にカサカサ肌が悪化しやすいことからも分かるように、空気の乾燥は肌のバリア機能を下げる原因のひとつです。
空調調整が難しい場合はデスクに小型の加湿器を置くなど、空気を乾燥させないための対策を取りましょう。
間違ったスキンケアや入浴法を長年続けている
ゴシゴシと擦るように顔や体を洗う、洗浄力が強すぎる洗顔料を使っている、という人は、間違ったスキンケアが原因で慢性的な乾燥肌を招いているかもしれません。
肌への過度な摩擦や洗浄は、バリア機能を低下させカサカサ肌を作り出してしまいます。
また、「熱いお風呂に浸かるのが好き」という人も注意が必要です。
42度以上の高温のお湯は肌に必要な油分まで奪ってしまい、バリア機能の低下を招きます。
入浴は体を温めるという観点から大切な健康習慣ではありますが、お湯の温度には注意しましょう。
加齢による肌質の変化
個人差はあるものの、年齢とともに肌の水分量・油分量はどうしても低下してしまうものです。
「肌質が昔と変わった」と感じる人は、加齢による肌質の変化が原因で慢性的な乾燥肌になっている可能性があります。
昔からずっと同じスキンケア用品を使っている、加齢に応じた肌ケアを特にしていない、という場合は、日々のスキンケアを見直すことで肌のカサカサを改善できるかもしれません。
慢性的な乾燥肌になりやすい人
エアコンの使用や間違ったスキンケアなどの外部的要因とは別に、遺伝的なものが原因で慢性的な乾燥肌になってしまう人もいます。
両親、または片親がアトピー体質であるなど、遺伝的に乾燥肌の性質を持っている人は、そうでない人と比べて慢性的な乾燥肌になりやすい傾向にあります。
うちの子供たちも、夫が乾燥肌なので、やはり乾燥肌寄りです。
オイリー肌の私には考えられないほど、カサカサしています。
また、睡眠時間が短い、偏った食生活を送っているという人も、慢性的な乾燥肌になりやすいといわれています。
良質な睡眠は肌のターンオーバーを整える効果があり、バランスの取れた食生活は健康的な肌を守るために必要不可欠です。
「不規則な生活は、乾燥肌を引き起こす生活」と捉え、生活が乱れている自覚がある人は日頃の生活習慣を見直すことから始めてみましょう。
2.肌がカサカサしているときの対策法
肌がカサカサしているときは、下記3つのポイントに気をつけて対策を取ることが大切です。
- 丁寧な保湿をする
- 肌の潤いを守る入浴を行う
- 生活習慣を見直す
具体的にどのような点に注意したらよいのか、詳しく紹介していきます。
2-1.丁寧な保湿をする
カサカサ肌を改善するには、保湿ケアを丁寧に行うことが大切です。
日々のスキンケアにコットンを使う人もいると思いますが、肌のカサカサが悪化している場合はコットンが肌への刺激になってしまうこともあります。
「肌の乾燥がひどい」と感じる時は、手のひらでやさしく化粧水をなじませるケアがおすすめです。
具体的には下記を参考にしてみてください。
カサカサ肌の保湿方法
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上記のように手のひらを使ってやさしくケアをすることで、刺激を抑えながらも肌に保湿成分が浸透します。
肌のコンディション次第では、乳液の後にクリームやオイルを用いてプラスの保湿ケアを行うのもおすすめです。
また、カサカサ肌のお手入れは顔だけでなく体全体を保湿することも大切です。
年齢や外気の影響を受けると、普段は衣服に包まれているような手足や背中といったパーツも、自身が思っている以上に乾燥しています。
入浴後の柔らかな肌はうるおいが逃げやすい状態なので、バスタイム後はすぐに化粧水やボディ乳液などを使って全身をくまなく保湿してみてくださいね。
2-2.肌の潤いを守る入浴を行う
毎日お風呂に浸かることは、美容や健康の面から見てもとても良い生活習慣です。
しかし、誤った入浴方法を続けていると逆にカサカサ肌を招く原因になってしまうことも。
入浴後に「やたらと肌が乾燥している」「肌がつっぱる」と感じる人は、入浴方法を見直す必要があるかもしれません。
肌の乾燥を防ぐための入浴方法は、少し気をつければすぐに実践できるものばかりです。
カサカサ肌を改善するためにも、今後の入浴時にはぜひこれから紹介する3つのポイントに注意してくださいね。
ゴシゴシ洗いは避ける
入浴時にタオルやスポンジで体を洗うと、つい力が入ってゴシゴシ洗いをしてしまうという人は多いようです。
皮膚はとてもデリケートなので、かたい素材で頻繁に擦ると摩擦の影響によりバリア機能が低下してしまいます。
そのような事態を防ぐためにも、体を洗う際は手のひらを使うか、タオルを使う場合はできるだけ柔らかい素材のものを選びましょう。
また、ボディソープや石鹸も保湿効果が高いものを使うようにすると肌の乾燥を防ぎやすくなります。
お湯の温度はぬるめに設定する
熱いお湯につかると短時間で体が温まるため、「熱いお湯は体に良い」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、実は42度以上のお湯に長時間つかると、40度以下のお湯につかった時と比べて肌の油分や保湿成分が外に流れやすくなってしまいます。
カサカサ肌を防ぐためには、お湯の温度は38〜40度程度のぬるめの温度に設定し、時間は10分以上を目安に入浴することがおすすめ。
入浴後はやさしくタオルドライする
入浴後は、体の拭き方にも注意しましょう。
タオルでゴシゴシと体を擦ってしまうと、皮膚を傷めてカサカサ肌を作る原因になります。
体を拭く時は、柔らかい素材のタオルを肌に軽く押し当てるようにして水分を取りましょう。
そうすることで、タオルドライ時の肌の乾燥を防ぎやすくなります。
2-3.生活習慣を見直す
カサカサ肌を改善するには外側からのケアだけでなく、日々の生活習慣を見直して内側からのケアを意識することも大切です。
肌の乾燥を防ぐための生活習慣には、下記のようなものが挙げられます。
十分な睡眠を取る
慢性的な睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、カサカサ肌を作る要因となります。
就寝中に分泌される「成長ホルモン」には、ターンオーバーを促し、肌をきれいに整える役割があります。
必要な睡眠時間には個体差がありますが、成長ホルモンを分泌させてうるおいのある肌を目指すためにも、1日6時間は睡眠時間を確保しておきたいです。
バランスの良い食事を摂る
バランスの取れた食事は、丈夫な肌をキープするために必要不可欠です。
最近では「痩せたいから」といって、肉や魚などのたんぱく質を摂らずに野菜や飲み物ばかりを摂取するダイエットをする人もいます。
しかし、このような極端な食事制限は美肌の大敵といえます。
肉類に含まれるたんぱく質は肌を生成するための大切な栄養源です。
逆に糖質・脂質が多く含まれた飲み物を頻繁に飲んでいると、肌荒れやニキビの原因になるといわれています。
健やかな肌を作るためには、1日3食をバランス良く摂ることを心がけましょう。
加湿対策をする
肌の乾燥は空気が乾く冬の時期に起こりやすいイメージですが、クーラーを頻繁に利用する夏の時期にも注意が必要です。
エアコンの種類によっては空気が乾燥してしまうため、加湿対策は1年を通して行うことが大切です。
自宅では加湿器を利用する、職場ではミスト化粧水を携帯するなど、加湿対策アイテムを上手に利用しましょう。
飲酒や喫煙はなるべく控える
過度な飲酒や喫煙は、カサカサ肌を招く大きな要因のひとつです。
一度にお酒を飲みすぎると、体が脱水状態になり肌の乾燥を悪化させます。
また、喫煙には肌の老化成分を増加させ、ビタミンCやコラーゲンといった美肌成分を破壊する作用があります。
飲酒や喫煙をストレスのはけ口にしている人も多いかもしれませんが、カサカサ肌を防ぐためには極力控え、運動や入浴など別のリフレッシュ方法を模索してみましょう。
こまめに水分補給をする
こまめな水分補給は、カサカサ肌を防ぐのに有効かつ手軽な対策方法です。
体内の水分含有量が少なくなると、血液がドロドロになり血行不良が起こりやすくなります。
その結果肌の新陳代謝が悪化し、乾燥肌を生み出してしまうのです。
喉の渇きを感じていなくても、肌の水分は汗や蒸発によってどんどん失われていきます。
体内の水分含有量を一定に保つためにも、こまめに水分補給を行い、体の内部から肌に潤いを与えることを意識しましょう。
水を飲むだけでも効果は期待できますが、できれば白湯やハーブティなど、体を温める飲み物を飲むとより効果的です。
2-4.漢方を取り入れてみる
カサカサ肌対策には、漢方を取り入れてみるのもひとつの手です。
漢方の世界では、慢性的な乾燥肌やカサカサ肌に悩まされる体質のことを「血虚」と呼び、栄養が不足し体の巡りが悪くなっている状態と捉えます。
漢方にはさまざまな種類がありますが、カサカサ肌に悩む血虚体質の人には「当帰飲子(とうきいんし)」と呼ばれる漢方が効果的だとされています。
当帰飲子は「四物湯(しもつとう)」という漢方薬をベースに、肌に栄養を与え乾燥を防ぐ効果が期待できる成分が配合されています。
当帰飲子はドラッグストアやネット販売などでも手軽に購入できる漢方薬なので、気になる人は一度試してみるのもよいでしょう。
参考:漢方セラピー「当帰飲子」
まとめ
厄介なカサカサ肌は、主に皮膚の乾燥が原因で起こります。
カサカサ肌を予防するには、下記のポイントを理解し、日頃から自身の肌に合ったケアを行うと効果的です!
- 乾燥肌には「一時的な乾燥肌」と「慢性的な乾燥肌」の2種類がある
- 乾燥肌の種類によってカサカサの特徴や原因が異なる
- 慢性的な乾燥肌は、遺伝や日々の生活習慣が大きな要因となる
- カサカサ肌を改善するには、正しい保湿ケアを行うことが大切
- 肌の潤いを守る入浴を行うことが、乾燥肌ケアにつながる
- バランスの取れた食生活が、乾燥肌ケアには生活習慣を見直すことも重要
毎年のように繰り返すカサカサ肌は、日頃のスキンケアや生活習慣を見直すことで改善できる可能性が高くなります。
潤いのあるキレイな肌で毎日を過ごせれば、日常がもっと楽しくなるかもしれません。
ぜひ今日から実行してみてくださいね。