乾燥で肌荒れしてしまったけれど、「どうしたら良くなるのかわからない」という方もおられることと思います。
健康な肌へと戻すためには、適切なケアを続けることが必要です。
まずは乾燥肌荒れの原因を知ってから、症状の改善を目指しましょう。
ただし、乾燥がひどく激しいかゆみをともなう場合や、市販薬を使用しても改善傾向がみられない、または症状が悪化した場合は、早めに医療機関を受診してくださいね。
この記事では、乾燥による肌荒れの原因とその対策について、解説いたします。
当メディアを運営する株式会社アースケアのお客様は、乾燥肌や敏感肌がとても多いので、お客様から見聞きした情報をまとめてみました。
「この肌荒れ、乾燥のせいかも?」という方もぜひ参考にしてください。
1.乾燥肌荒れの症状
乾燥による肌荒れに多くみられる症状は、つっぱり感やかさつき、粉ふきなどです。
一般財団法人千葉医師会の健康コラム「乾燥肌の予防・対策」によると、乾燥肌の症状が出やすいのは以下の3つの部位だと定義しています。
手 | 洗う回数が多いため、「濡れる」「乾く」を繰り返しているうちに皮脂が失われてしまい、手荒れが起きます。 |
かかと | 角層が厚いため、皮膚が硬くなり、ひび割れが起こりやすい部位です。歩くときに力がかかるため、一度ひび割れが起こると治るのに時間がかかります。 |
すね | 皮脂が出にくい部位のため、すぐに自然乾燥し、肌がカサカサしたり、粉をふいたような状態になります。ひどいときはひび割れが起きます。 |
乾燥が進むと衣服が少し触れる程度の軽い刺激でも、かゆみが生じます。
空気の乾燥する冬場には、赤ちゃんや高齢者、アトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥しがちです。乾燥した皮膚は、神経を成長させる成分が増え、痒みを感じる皮膚の神経が皮膚の表面までどんどん伸びていきます。皮膚の表面に達した痒み神経は、弱い刺激に反応するため、ちょっと服で擦れただけで痒くなるのです。
引用:長崎県保険医協会「皮膚科/頑固な皮膚の痒み」
また、乾燥は肌荒れ以外に、大人になってからのニキビの原因になることがあります。
このように「乾燥」と一言にいっても、さまざまな症状が現れてきます。
2.乾燥肌荒れが起きる原因
皮膚の表面には、厚さ0.1~0.2mm程度の表皮という組織があり、4層で構成されています。
そして、その4層のうち一番外側にあるのが角質層(角層)です。
厚さ0.01~0.02mmほどの薄い膜ですが、外部からの異物侵入を防ぎ、体内の水分が必要以上に蒸発するのを抑えるバリア機能を果たしています。
このバリア機能が低下すると肌の乾燥が進み、肌荒れが起こりやすい状態になってしまうのです。
バリア機能が低下する原因は、次のようなことが考えられます。
2-1.ストレスや不規則な生活
角層は、表皮の最深部にある基底層で生まれた細胞が徐々に押し上げられてできたもので、
古くなると垢として剥がれ落ちます。
この細胞の生まれ変わりはターンオーバーと呼ばれ、肌の健康を維持するための大事な仕組みです。
しかし、ストレスや不規則な生活によって、ターンオーバーに乱れが生じることも。
ターンオーバーが乱れると角層が不完全な状態になり、バリア機能が弱まります。
2-2.空気の乾燥
地域によって差はありますが、一般的に冬場は空気が乾燥しやすい時期です。
また、冷暖房の使用によって室内の空気が乾燥する場合もあります。
湿度の低い環境で長時間過ごすと、皮膚の水分は徐々に失われていきます。
2-3.誤ったスキンケア
洗顔や体を洗う時に、洗い過ぎたり強くこすったりすると角層が傷つく可能性があるほか、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまう場合があります。
2-4.紫外線
紫外線による皮膚への刺激は、バリア機能の低下を招きます。
肌が日焼けしてしまうと、ターンオーバーは乱れがちに。
2-5.マスク
マスク着脱の繰り返しによって肌への摩擦が起こり、バリア機能を低下させる場合があります。
また、長時間マスクを着用していると、水蒸気によって皮膚は蒸れた状態に。その状態からマスクを外した時、急激に水分が蒸発することで皮膚の乾燥を引き起こします。
3.乾燥肌荒れの治し方
乾燥による肌荒れを改善するためには、まず日々の生活習慣を見直してみましょう。
3-1.スキンケア
肌を洗うときは、洗顔料やボディーソープなどをよく泡立ててから優しく洗い、泡が残らないように洗い流しましょう。
なお、洗顔や入浴は熱すぎるお湯だと必要な皮脂が取り除かれてしまうため、ぬるめのお湯にしましょう。
洗顔後や入浴後は、自分の肌に合った化粧水やクリームなどで速やかに保湿ケアをすることも重要です。
日中に乾燥が気になるときにも、可能であれば乳液やクリームで保湿することをおすすめします。
また、帽子や長袖の着用、日焼け止めの使用といった紫外線対策も忘れずに。
3-2.室内の加湿
室内の空気が乾燥する場合は、加湿器を使用するほか、濡らしたタオルや洗濯物を室内に干すなどして湿度を上げる工夫がおすすめです。
冷暖房を使用するときは、風が直接体に当たらないようにしましょう。
3-3.適度な運動
運動不足によって体の代謝が悪くなると、老廃物の蓄積や血行不良が起こり、ターンオーバーが乱れやすくなるため、適度に運動しましょう。
ストレッチやウォーキングといった軽い運動で構いません。
適度な運動は、ストレス解消の効果も期待できますよ。
3-4.十分な睡眠
睡眠不足は、体の代謝の遅れやターンオーバーの乱れにつながるため、睡眠は十分にとりましょう。
睡眠中は、肌にハリと潤いを与えたり細胞の修復を促したりする、成長ホルモンが分泌されます。
特に多く分泌されるのが、入眠直後のノンレム睡眠(深い眠り)中です。
3-5.バランスの良い食事
バランスの良い食事は、肌だけでなく体の健康にもつながります。
肌の調子を整えたいときは、下記の栄養素を含む食品を意識して摂ってみましょう。
たんぱく質
たんぱく質が不足すると、肌が乾燥しやすくなります。
おすすめの食品:肉、魚、卵、大豆・大豆製品
必須脂肪酸
必須脂肪酸の不足は、肌が乾燥したり皮膚が薄くなったりする可能性があります。
おすすめの食品:肉、魚(脂を多く含むうなぎやサンマなど)、種実(クルミ、ごまなど)
ビタミンA
肌の潤いを維持し、バリア機能を高めます。
おすすめの食品:卵、緑黄色野菜
ビタミンB
新陳代謝を促します。
おすすめの食品:豚肉、卵、大豆・大豆製品
ビタミンC
抗酸化作用があり、コラーゲンの生成を促します。
おすすめの食品:菜の花、パプリカ、果物(柿、キウイフルーツなど)
ビタミンE
正常なターンオーバーを維持するほか、血行を促進して新陳代謝を高める働きがあります。
ビタミンCと一緒に摂取すると、より効果的です。
おすすめの食品:かぼちゃ、アボカド、種実(アーモンド、ゴマなど)
まとめ
乾燥による肌荒れを悪化させないためにも、適切なケアを心がけましょう。
保湿化粧品や市販薬は推奨使用量、使用方法を守ることが大切です。
肌荒れが改善した後も、バリア機能が低下しないように日々注意して、健康な肌をキープし続けられると良いですね。
また、乾燥がひどく激しいかゆみをともなう場合や、市販薬を使用しても改善傾向がみられない、または症状が悪化した場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
セルフケアが効果的な場合とそうではない場合をご判断くださいね。