「一生懸命スキンケアをしているのに肌がキレイにならない・・・」
「私のスキンケアは間違っているの?」
と悩みを抱える人は少なくありません。
実は、「しっかりケアしているつもり」「情報を集めているつもり」でも、思い込みによる自己流のケアが間違っていることもしばしばあります。
インターネット上の口コミや広告による影響も大きいようです。
私たちの肌は、もともとの肌質だけでなく年齢や季節、生理周期などによっても変化します。
そのため、スキンケアの基本を知ったうえで自分に合ったケアをすることが何より大切です。
この記事では、よくある間違ったスキンケアや肌トラブル、正しいケアのポイント・やり方を紹介します。
自分の肌を観察し、肌の正しい知識を身に付け、間違ったスキンケアを卒業しましょう。
1.間違ったスキンケア
「一生懸命スキンケアをしているつもり」
「良い化粧品を使っているつもり」
その場合、間違ったスキンケアをしているかもしれません。
特に、肌悩みがなかなか改善されない人は、ケアそのものが間違っている可能性があります。
この章ではまず、間違ったスキンケアとは具体的にどのようなものかを紹介します。
当メディアを運営する株式会社アースケアは、20年前から化粧品に携わっており、多くの声を聞いてきました。
その中でよくあった例をあげていますので、参考になると思います。
ご自身のスキンケアに当てはまるかどうか考えながら読んでみてください。
1-1.肌悩みに合っていないケア
一口にスキンケアと言っても、目的は人によってさまざま。
やみくもにケアをしても、肌悩みに合っていなければなかなか改善しないばかりか、かえって状態が悪化することもあります。
たとえば以下のようなスキンケアでは、十分な効果は期待できません。
- 毛穴のケアをしたいのに、毛穴を広げるおそれのあるパックをする
- 大人ニキビに思春期ニキビケアをする
- 思春期ニキビだからとひたすら皮脂をとる
- 脂性肌だからと保湿をしない
花王株式会社のインターネット調査では、20~49歳の女性のうち、「自分の肌質・肌タイプには合わない方法(手順や使用法)のお手入れをしていたことがある」と答えた人は4割以上にのぼりました。
また、「顔の肌質や肌状態について十分理解した上で、スキンケア選びができている」と答えた人は3割にとどまっており、自分の肌質や肌悩みを理解しないままスキンケアをしている女性が多いことが明らかになりました。
スキンケアは医薬品ではないので明確な「改善」「治療」の効果はありませんが、トラブルの起きにくい肌を作る手助けとなります。
そのため、それぞれの肌悩みに合わせたアイテム・方法でケアすることが大切です。
1-2.メディアの情報やキャッチコピーを鵜呑みにしている
メディアや広告は専門家でない人が作っているケースも多いため、過剰な表現や間違った情報が含まれることもあります。
また、消費者の購買意欲を掻き立てるため、わざと不安を煽ったり目を引くような言い回しをするケースも少なくありません。
たとえば化粧品において、以下の内容・表現は、根拠のない情報または違反表現にあたります。
- 化粧品はライン使いしなければならない
- シミやしわを消す
- リキッドファンデーションは肌呼吸を妨げる
- 「世界初の〇〇!」や「特許成分〇〇!」など
目に付いた情報を全て鵜呑みにするのではなく、正しい知識を持ってあくまで自分の肌に合うものを選びましょう。
1-3.過剰なケア
美しい肌を手に入れようとケアをやりすぎるのも、かえって肌には良くないことが。
たとえば、以下のようなケア方法。
- 一日に何度も洗顔する
- 頻繁にあぶらとり紙を使う
- クリームや美容液をいくつも重ね塗りする
- ピーリングやスクラブを推奨回数以上使う
皮脂の取り過ぎや肌への刺激は、ニキビや乾燥、毛穴汚れなど肌トラブルの原因になります。
また、スキンケア自体が物理的刺激になる場合もあるため、たくさん使えば良いというものではありません。
過剰なケアをしている自覚があるならば、朝の洗顔をぬるま湯のみにする、使用するアイテム数を減らすなど、シンプルなスキンケアに切り替えることも一つの手段です。
1-4.若い頃からスキンケアが同じ
私たちの肌は、年齢とともに水分量と皮脂量が減少し、ターンオーバーの乱れによって肌のキメが荒くなります。
また、脂性肌からインナードライへと肌質が変化したり、女性の場合は生理周期や産後で変化したりすることも。
このような変化があるにもかかわらず気付いていない、または変化を感じているのに特に対策をしていない場合、正しいスキンケアはできません。
スキンケアは、あくまで今の肌状態に合わせることが大切。
現状を把握するためには、肌質診断を受けてみたり水分油分チェッカーを使ったりするのもおすすめです。
1-5.紫外線対策をしていない
スキンケアの基本は、以下の3つです。
- 肌を清潔に保つこと(洗浄)
- 肌のうるおいを保つこと(保湿)
- 紫外線対策
洗浄(洗顔)や保湿はしていても、「春夏以外は日焼け止めを塗っていない」という人も意外に多いです。
紫外線は、ビタミンDの合成など人体に必要な役割を持っていますが、肌の炎症やシミ・ソバカスの生成、シワ・たるみの促進といった光老化の原因にもなります。
また、紫外線は夏場だけでなく年中、曇りや雨の日も降り注ぎます。
そのため、日頃から日焼け止めを塗る、サングラスをかける、日傘を使用するなどの紫外線対策を心がけましょう。
1-6.そもそもスキンケアのやり方が間違っている
どこかで聞いた情報をもとに自己流でケアをしている場合、やり方が間違っている可能性もあります。
よくあるのは、こんなケース。
- クレンジングや洗顔に時間をかけてマッサージをしながら行う
- マッサージで顔を直接的に動かすよう、力を入れている
- 肌を叩きながら化粧水を塗りこむ
- パッティングしながら化粧水・乳液・美容液を入れ込む
- 毛穴ケアは毎日行う など
「汚れをしっかり落としたい」「肌の奥までしっかり浸透させたい」と思っても、このような方法では、肌に負担をかけてしまいます。
また、熱いお湯や強いシャワーで洗顔をすすぐことも、肌にとっては好ましくありません。
正しいスキンケアは後述しますので、ぜひ比較してみてください。
2.間違ったスキンケアを続けると
肌質に合っていなかったり過剰なケアをしていたりと、間違ったスキンケアを続けていると、肌悩みはなかなか改善されないでしょう。
それどころか、肌の状態の悪化や老化、新たな肌トラブルなど、将来の肌にも影響を与える可能性があります。
では、間違ったスキンケアを続けるとどうなるのでしょうか?
ここでは、考えられる肌への影響を紹介します。
2-1.シワやシミの原因に
念入りにスキンケアをしようと強い力でこすったり叩いたりすると、角質層にダメージが加わるため、シワやシミの原因になることがあります。
よくあるのは、以下のようなケア方法。
- コットンでこすりながら化粧水を塗る
- 強い水圧のシャワーで洗顔後の顔をすすぐ
- 力を入れてファンデーションを塗りこむ
- スクラブ洗顔でゴシゴシ洗う
スキンケアも肌に触れるときも「優しく」が基本です。
なるべく刺激を与えないように、力を込めずに肌に触れましょう。
特に、肌が乾燥しているときは物理的刺激にも敏感になっているので注意が必要です。
2-2.肌荒れやビニール肌の原因に
肌に負担をかけるスキンケアや不十分な紫外線対策により、肌のバリア機能が低下しすることも。
バリア機能が低下すると、肌は刺激を受けやすい状態となり、乾燥や摩擦による肌荒れを起こしやすくなります。
また、洗顔のしすぎや毛穴ケアのやりすぎなど過剰なケアにより、ここ数年でよく聞く「ビニール肌」になる可能性も考えられます。
ビニール肌とは、ビニールをはったようなつやのある肌のこと。
一見キレイに見えますが、実は肌のキメが失われている状態です。
未熟な角質がむき出しになっているため、放置しているとシミやシワ、ニキビなどの肌トラブルを招きます。
2-3.ニキビや毛穴の原因に
正しくケアをしないと、毛穴が詰まってニキビとなったり、パックやパッティングにより毛穴が開いたりすることもあります。
ニキビが気になるとき、皮脂を取り除いて肌を清潔にしようとつい洗顔に力が入りがち。
しかし、過剰な洗顔は肌を乾燥させるため、かえってニキビを悪化させてしまいます。
また、毛穴の開きや黒ずみが気になるからといって、毎日毛穴パックをしたりピンセットで皮脂を引き抜いたりすると、肌はダメージを受けます。
なかなか難しいのですが、神経質になって過剰なケアをしないことが大切です。
2-4.肌状態の変化の原因に
肌質は基本的には変わりませんが、肌状態はずっと同じということはほとんどありません。
多くの場合、年齢や季節で変化が見られます。
特に女性は、生理周期や産後などでも肌状態が大きく変化するでしょう。
しかし、極端なケアを続けていると、理想的とされる普通肌を通り越して他のトラブルを招くことも。
たとえば、皮脂を取り除きすぎる、保湿をしないなどの誤ったケアにより、脂性肌の人でも乾燥肌やインナードライになるおそれがあります。
肌質の変化によるトラブルを防ぐためには、次の章で紹介する正しいケアを参考にしましょう。
3.正しいスキンケアのポイント
間違ったケアは、肌悩みの改善を妨げるだけでなく、悪化させるおそれがあると説明しました。
しかし、スキンケア方法は学校で習うものでななく、インターネット上には誤った情報も含まれるため、正しいケアを知らない人も多いのではないかと思われます。
そこで次に、スキンケアの基本となるポイントを3つ紹介します。
3-1.肌のターンオーバー・バリア機能を知る
健やかな肌づくりを目指すにあたってまず知っておきたいのが、肌のターンオーバーとバリア機能です。
私たちの肌は、表皮、真皮、皮下組織の3層からできており、このうち一番外側にある表皮は、水分蒸散の防止や外部刺激からの保護といった機能(バリア機能)を持っています。
また、ターンオーバーとは肌細胞の生まれ変わりのこと。
表皮の一番奥にある基底層で生まれた細胞は分裂を繰り返した後、約2週間で表面の角質層まで押し上げられます。さらに2週間後には垢として剥がれ落ちるのをずっと繰り返しています。
このターンオーバーの周期は約28〜56日と年齢や個人差によって異なり、早かったり遅かったりすると美しく健やかな肌とは言えません。
ターンオーバーが適切な周期で行われることによって、バリア機能が保持され美しい肌につながるのです。
つまり、ターンオーバーの周期から考えるとすぐに肌をキレイにすることは難しく、地道なケアが必要と言えるでしょう。
3-2.肌状態を確認する
前述したように、年齢や季節、生理周期などさまざまな要因によって肌状態は変化するものです。
そのときに合ったスキンケアができるように、思い込みを捨てて今の肌状態を確認しましょう。
主な肌状態と特徴は一般的に以下のように言われています。
- 普通肌:水分も油分も適量/適度なツヤがありなめらか
- 乾燥肌:水分も油分も少ない/全体的にかさついている
- 脂性肌:水分は適量だが油分が過剰/うるおいや弾力はあるがべたつく
- 混合肌:顔の中に乾燥肌と脂性肌が混在/部分的にかさつき、べたつく
- インナードライ(乾燥性脂性肌):水分が少なく油分が過剰/時間の経過とともに肌状態が変化
- 敏感肌:バリア機能が低下/乾燥や刺激に対して敏感になる
この中で、普通肌は最もトラブルが起こりにくい理想的な肌状態とされています。
自分の肌状態に合ったケアをして、健やかな普通肌を目指しましょう。
なお、インナードライ(乾燥性脂性肌)は、一見うるおっている、またはべたつくように見えるため、普通肌や脂性肌と勘違いする人も少なくありません。
勘違いしたままケアをすると、かえって肌状態は悪化するため十分注意しましょう。
3-3.季節ごとに変化をつける
空気の乾燥や気温の変化、紫外線の量など、肌をとりまく環境は季節によって大きく変化します。
ポーラ化成工業株式会社の研究では、個人差はあるものの、皮脂量や肌状態は季節によって変化することが明らかになっています。
<参考>
皮脂組成の季節変動と肌状態・肌質の関係/ポーラ化成工業株式会社
また、冬と春は乾燥や環境変化により、肌状態が悪化しやすいことも報告されました。
そのため、「自分は乾燥肌だから」「このスキンケアが一番良い」と決めつけないことが賢明です。
4.正しいスキンケアのやり方を紹介
ここまで、美しい肌を育てるには自分に合った方法で正しくスキンケアをすることが大切だとお伝えしてきました。
しかし、昨今ではメディアやSNS上にさまざまな情報が溢れているため、何が正しいのか分からなくなってしまう人も多いでしょう。
そこで最後に、クレンジング、洗顔、スキンケアの3点について、基本となる正しいやり方を説明します。
4-1.①クレンジング
一概に「メイク=肌に悪い」というわけではありませんが、長時間のメイクは乾燥や疲労感、違和感を招きます。
そのため、帰宅後はなるべく早めにクレンジングをしてメイクを落としましょう。
クレンジングは、種類によって洗浄力や肌への負担が異なるため、自分に合うものを選ぶことが大切。
たとえば、オイルタイプは洗浄力が高いのですが、必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があるため、乾燥肌やインナードライの人には不向きなことも。
逆に、ミルクやジェルタイプは肌への負担が小さめですが、洗浄料はマイルドなのでしっかりメイクの人は注意が必要です。
また、シートタイプのクレンジングはお風呂や洗面所以外でもメイクを落とせる手軽さが魅力ですが、摩擦による刺激が強いので毎日の使用はおすすめできません。
自分の肌状態やメイク、ライフスタイルを考慮した上でクレンジングを選び、メイクを落としましょう。
なお、長時間のクレンジングは肌に負担がかかるので、長くても1分以内に済ませることがポイントです。
4-2.②洗顔
洗顔の目的は、汗や皮脂、ホコリなどの汚れを落とすこと。
しかし、だからといって強い力でゴシゴシとこすったり熱いお湯ですすいだりすると、肌にダメージを与えるので注意。
お湯の温度は温く感じるくらいがちょうど良いでしょう。
正しい洗顔の手順は以下の通りです。
1. 手をよく洗う
2. 洗顔料をしっかり泡立てる
3. たっぷりの泡で優しく洗う
4. ぬるま湯で洗い流す
5. 清潔なタオルで水分を拭き取る
なるべく肌に刺激を与えないように、柔らかい泡でなぞるように洗います。
すすぎ残しはニキビや肌荒れの原因になるので、生え際や顎先までしっかりと洗い流してください。
タオルドライの際は、ゴシゴシ擦らず優しく押し当てるのがポイントです。
4-3.③スキンケア
クレンジングや洗顔の後は、肌が乾燥しやすい状態になっているため、しっかり保湿をすることが大切。
保湿とは角質層に水分を補給することであり、柔軟化させるための親水性成分と水分蒸散を防ぐための親油性成分が必要です。
そのため、基本的には化粧水、乳液、クリームの順で塗りましょう。
ニキビやべたつきが気になる人でも、保湿ケア自体を省略するのはご法度。
この場合は、軽いテクスチャーのクリームを使用する、乳液の量を少なめにするなどの工夫をしましょう。
また、以前はパッティングが良いとされていましたが、力の入れすぎは肌への負担になります。
手のひらまたはコットンで、優しくなじませるように塗るのがベストです。
まとめ
一生懸命スキンケアをしているつもりでも、肌状態に合わない方法や過剰なケアではなかなか悩みの解決につながらないことも。
そればかりか、間違ったケアを続けているとシミやニキビ、肌荒れなどの原因になることもあります。
スキンケアの基本は、以下の4つ。
- 肌状態を理解する
- 季節ごとに変化をつける
- クレンジングや洗顔をやり過ぎない
- 保湿ケアを怠らない
ここで紹介した方法を参考に、毎日のスキンケアを見直してみましょう。