「最近肌に透明感が無く、くすんだように感じる…気のせいかな」
「顔色が暗く疲れて見えるけれど、改善する方法がわからない」
そんなお声をよくお聞きします。
対処法が分かりづらい肌のくすみも、適切なケアを行えば防げます。
なぜなら肌のくすみにはタイプがあり、くすみの原因によって効果的なケアの方法も異なるからです。
この記事では、肌のくすみのセルフチェック方法から、くすみのタイプと原因、肌のくすみのケア方法をご紹介します。
くすみをケアしてツヤやかで明るい肌を維持したい方へ。
この記事を読めば、くすみのタイプに合わせた効果的なケア方法が見つけられますよ!
1.肌の「くすみタイプ」やその「原因」とは
くすみを効果的にケアするために、くすみのタイプと原因についてご紹介します。
- 乾燥によるくすみ
- 紫外線によるくすみ
- 血行不良によるくすみ
- 糖化によるくすみ
- 角質の積み重なりによるくすみ
自分の今の肌状態に当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。
1-1.乾燥によるくすみ
くすみの原因はさまざまですが、中でも多いのが、乾燥が原因で現れるくすみです。
乾燥によりくすんだ肌は、表面にツヤが見られず、硬く乾いたような状態になります。
ツヤが無いため肌表面の毛穴が目立ちやすいのも特徴の一つです。
なぜ、乾燥が肌のくすみに繋がるのでしょうか。
その理由は肌表面を覆う角層の状態にあります。
潤った健やかな肌の場合、肌表面の角層は均一に整列しています。
角層が均一に整列することで肌表面は滑らかになり、光を反射して肌にツヤと明るさをもたらします。
しかし肌内部の水分が不足すると、肌表面には形が不揃いの乾燥した角層ができてしまいます。
乾燥した角層によって肌表面に凹凸ができると、光は反射されず散乱します。
そのために肌はツヤを失い、本来の色よりも暗く、くすんだような色合いに見えてしまうのです。
1-2.紫外線によるくすみ
紫外線も肌のくすみの原因になります。
紫外線によりくすんだ肌は、黒ずんだ褐色のような色合いをしていることが特徴です。
紫外線によるくすみは、肌内部に過剰に作り出されたメラニンによって、肌表面に現れてきます。
メラニンは紫外線から肌を守るために生成される色素細胞で、通常は肌のターンオーバーによって排出されます。
しかし浴びる紫外線の量が多いこと、ホルモンバランスの乱れなどが原因で肌のターンオーバーが乱れることなどによって、メラニンがうまく排出されずに肌表面に留まってしまうことも。
こうして肌に沈着したメラニン色素によって、黒ずんでくすんだ肌色になってしまうのです。
紫外線によるくすみはシミと同じメカニズムで肌に現れてくるため、早めにケアを始めないとシミなどの部分的な肌トラブルにもつながってしまいます。
1-3.血行不良によるくすみ
血行不良もくすみを引き起こす原因になります。
血行不良によりくすんだ肌は、青黒い色合いをしているのが特徴です。
目の下にクマができやすい人や、むくみやすい人、肌が疲れたように見える人は、血行不良が原因のくすみが現れているかもしれません。
血液は肌細胞に酸素と栄養分を送り届ける、重要な役割を持っています。
血液の巡りによって栄養が行き届いた肌細胞は、一定の周期で代謝を繰り返し、肌内部の老廃物や不要な角質を排出しています。
しかし血行不良によりその巡りが悪くなると、肌細胞にも栄養が行き渡らなくなります。
肌細胞の代謝力が衰えることで老廃物が肌内部に留まり、肌表面にくすみを引き起こしてしまうのです。
1-4.糖化によるくすみ
糖質を摂りすぎることも肌のくすみに繋がります。
食事などから摂った余分な糖質は、体内のタンパク質などと結びついて、AGEs(エイジス・糖化最終生成物)と言われる肌のくすみにつながる物質を作り出します。
この、AGEsが体内で作り出される反応のことを糖化といいます。
糖化によってくすんだ肌は黄色味が強くでて、ハリや弾力が無いのが特徴です。
以前と比べて肌にハリがなく、黄色みが強くなった、と感じている方は、糖化によるくすみの可能性があります。
これは糖化によって生成された褐色のAGEsによって皮膚が黄色味をおびること、AGEsによってコラーゲン繊維が弾力を失ってしまうことが原因です。
普段から糖質の高い食事を摂っている人は、このくすみに注意が必要です。
また、このAGEsは老化を促す物質で、細胞を劣化させてしまいます。
くすみなどの肌トラブル以外にも、髪や骨など全身の細胞に悪い影響を与える可能性があるため、食事を中心とした生活習慣の見直しが必要です。
1-5.角質の積み重なりによるくすみ
古い角質も肌をくすませる原因になります。
本来であれば排出されるべき古い角質が肌表面に積み重なると、肌は透明感を失い、硬くごわついた状態になります。
角質の積み重なりによるくすみは、手触りの変化に特徴が現れます。
以前よりも肌が硬く感じる、ザラついていて透明感が感じられない場合は、角質の積み重なりによるくすみの可能性があります。
睡眠不足やストレスなど、何らかの要因で肌のターンオーバーが乱れると、肌の生まれ変わりがスムーズに行われず、古い角質が肌表面に積み重なってしまいます。
角質が積み重なった状態の肌は、本来の透明感や明るさを失い、くすんだ印象になります。
乾燥や紫外線、血行不良に糖化、角質肥厚。
肌のくすみにはさまざまな原因があります。
だからこそ、肌のくすみの原因を理解して、それぞれに合った対策を行うことが大切です。
2.肌のくすみを改善するためのセルフケア方法
ここでは、肌のくすみの効果的なセルフケア方法についてご紹介します。
先にご紹介したくすみのタイプに触れながら、以下の3つの項目別にケア方法をお伝えします。
- スキンケア編
- マッサージ編
- 食べ物・サプリ編
自分に合うセルフケア方法を見つけて、ぜひ実践してみてください。
2-1.スキンケア編
どのタイプのくすみにおいても、スキンケアは非常に重要です。
くすみの改善を目指す時は、まず、スキンケアの見直しから始めてみてください。
肌のくすみに効果的なスキンケアをステップ別にご紹介します。
クレンジングでくすみに対処
スキンケアにおけるくすみ対策の第一歩として、クレンジングは非常に重要なステップです。
ベースメイクに含まれる油分は、時間が経つと酸化してしまい、肌のくすみの原因になります。
また、メイクが肌に残っていると、次の化粧水や乳液などの浸透が妨げられ、スキンケアの効果を最大限に発揮できません。
次のポイントに気をつけながら、クレンジングは丁寧に行いましょう。
- メイクの酸化を防ぐために、帰宅したら早めにクレンジングをする
- 摩擦はくすみの原因になるため、メイクとクレンジング剤は優しくなじませる
- クレンジング剤が肌に残らないように、時間をかけて洗い流す
洗顔でくすみに対処
正しく丁寧な洗顔は、肌に透明感を取り戻すための要になります。
洗顔をすることで、くすみの原因となるメラニンを含んだ古い角質もケアできます。
紫外線や角質の積み重なりによるくすみが現れている肌には、下記のポイントを抑えた洗顔が効果的です。
- 摩擦刺激を避けるため、洗顔料は泡立ちのよいものや、ジェル状のものを使用する
- くすみの原因になる酸化した皮脂を落とすため、額や小鼻、顎は丁寧に洗う
- お湯の温度が高いと乾燥の原因になるため、ぬるま湯ですすぐ
- タオルは軽く抑えるようにして、優しく水分をふきとる
保湿(化粧水と乳液)で対処
くすみ対策には保湿ケアが効果的です。
水分と油分のバランスが整うと、肌表面に明るさやツヤが出てきます。
保湿によってターンオーバーが整うと、角質肥厚もケアすることができます。
- 化粧水も乳液も保湿できる十分な量を使用する
- コットンでは力加減が難しく刺激になるため、手のひらで包み込むように塗布する
- 化粧水が十分に浸透してから乳液を塗布する
保湿(美容液とクリーム)で対処
特にくすみが気になる箇所には、美容液やクリームを使用しましょう。
美白成分が配合されたものを選ぶと、くすみの原因になるメラニンにアプローチすることができます。
また、保湿効果の高いクリームで油分を補うことで、肌のキメが整い、肌触りも滑らかになります。
- 美容液は紫外線によるくすみが現れやすい目元や頬骨の上に塗布する
- クリームは顔全体、特に乾燥しやすい頬や口元は多めに塗布する
- 摩擦刺激を避けるために重ね塗りは避け、1回で優しくなじませる
全てのステップに共通することですが、くすみ対策のスキンケアには保湿と低刺激が大切なポイントです。
使用するスキンケアは保湿力が高く、刺激の少ないものを選ぶとよいでしょう。
2-2.マッサージ編
血行不良によるくすみをケアするためには、マッサージが効果的です。
老廃物を運ぶ役割を持つリンパを刺激することで、巡りを良くする効果が期待されます。
顔の中の重要なリンパ節である「耳下腺」と「鎖骨」のマッサージをご紹介します。
溜まった老廃物を押し流すイメージでリラックスして行いましょう。
<耳下腺を刺激するマッサージ>
2本の指で耳を挟み、20回程円を描くように回します。
<鎖骨を刺激するマッサージ>
手のひら全体を耳下にあて、少し力を加えて鎖骨に向かってなで下ろします。
その後、鎖骨に4本の指を引っ掛けるように押し当てて圧をかけます。
3回から4回繰り返し行いましょう。
コリや冷えは血行不良を招きます。
くすみの無い明るい肌を保つためにも、マッサージを習慣的に行いましょう。
2-3.食べ物・サプリ編
食生活の改善も肌のくすみケアに効果的。
特に糖化によるくすみには、食生活の見直しが必要不可欠です。
パンや清涼飲料水など、糖質の高い食べ物の摂取を控えることはもちろんですが、透明感がある健やかな肌を保つために、積極的に摂りたい食べ物やサプリメントをご紹介します。
<肉、魚、大豆、卵>
皮膚の形成に欠かせないタンパク質を補うために、肉や魚、大豆や卵などは積極的に摂取しましょう。
鉄分も多く含まれている赤身の肉やレバーは特におすすめです。
<緑黄色野菜、果物>
くすみにはビタミンの摂取が効果的と言われています。
緑黄色野菜や果物にはさまざまなビタミンが豊富に含まれています。
食事の際は野菜から食べ始めると、急激な血糖値の上昇を抑えられます。
<ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB2>
美白効果のあるビタミンCの他、肌の代謝を促進するビタミンA、メラニンの生成を抑制するビタミンB2など、普段の食事からの摂取が難しい場合は、サプリを利用してもよいでしょう。
いずれも用法容量を守って、摂り過ぎに注意してください。
3. 肌のくすみに関するQ&A
最後に、肌のくすみに関するQ&Aをご紹介します。
- 肌のくすみを改善するためのレーザー治療はありますか?
- 下地などを使った肌のくすみをカバーするメイク術を教えてください。
Q1.肌のくすみを改善するためのレーザー治療はありますか?
A.肌のくすみはレーザーによって治療できます。
くすみのタイプによって使う機械や照射する時間は異なるため、自分のくすみにはどのようなレーザー治療が効果的か、皮膚科医と相談するとよいでしょう。
レーザー治療は機械から放出される光を肌に照射して行います。
くすみのためのレーザー治療には、くすみを引き起こす色素細胞を光によって選択的に破壊するものと、レーザーが持つ熱エネルギーによって細胞を刺激し、その刺激によって肌の再生をはかるものがあります。
副作用として、肌に赤みや痒みが生じる場合もありますので、肌が敏感な人やレーザー治療を受けたことが無い人は、皮膚科医と十分相談した上で治療を選択するようにしましょう。
Q2.下地などを使った肌のくすみをカバーするメイク術を教えてください。
A. 肌のくすみのカバーには、色付きの下地やハイライトの使用がおすすめです。
くすみのタイプによって下地の色を使い分けると、より効果的にカバーすることができます。
乾燥や紫外線によって疲れてみえるくすみには、ピンク色の下地が適しています。
ピンク色の下地には、イキイキとした血色の良い明るい肌に見せる効果があります。
血行不良による青みがかったくすみには、オレンジ色の下地が適しています。
クマなど部分的に濃くでているくすみも効果的にカバーしてくれます。
糖化などで黄みがかったくすみには青色の下地を使用しましょう。
下地の青色がくすみをカバーして肌に透明感をもたらしてくれます。
肌が硬くごわついている時には、保湿力の高い下地を使って肌を滑らかに整えると、ファンデーションのノリやカバー力もアップします。
ハイライトは鼻筋や頬の高いところにツヤを作るように入れてください。
視覚的な効果で肌のくすみが目立たなくなります。
化粧崩れや乾燥につながるため、ファンデーションの厚塗りは避けた方がよいでしょう。
まとめ
肌のくすみには原因があり、くすみのタイプに合わせたスキンケアや生活習慣の見直しによって防ぐことができます。
- くすみは顔全体の色合いの印象によって判断されるもので、皮膚生理学上の定義は無い
- くすみにはその原因によってタイプがあり、それぞれに合ったケアが必要である
- くすみのケアにはスキンケア、マッサージ、食生活の見直しが効果的である
- くすみが現れている肌には保湿力が高く刺激の少ないスキンケアがおすすめである
- 肌のくすみはメイクによってカバーでき、レーザーによる治療も可能である
この記事を参考に自分の肌のくすみのタイプと原因を知り、くすみを防いで滑らかで透明感のある肌を保ちましょう。