敏感肌には、できるだけ肌に負担をかけたくありません。
そのため、肌にやさしいイメージのある「敏感肌用化粧品」を使います。
でも、「敏感肌用化粧品」を使っても、ヒリヒリしたり肌荒れが起きます。
なぜなら、「敏感肌用化粧品」がすべての敏感肌の肌に合い、肌にやさしいわけではないからです。
多くの「敏感肌用化粧品」は、以下の通りです。
- 天然由来成分やオーガニック成分など「特定の美容成分が配合してある」化粧品
- 合成香料や合成着色料、防腐剤など「特定の成分が配合していない」化粧品
でも、これらの敏感肌化粧品は、肌へのやさしさと一切関係ありません。
なぜなら、化粧品成分だけで敏感肌への刺激を抑えることはできないからです。
肌にやさしい化粧品は、化粧品成分だけで分かりません。
「敏感肌用化粧品」を使っても、肌荒れすることが何よりの証拠です。
あなたの敏感肌にやさしい化粧品を選ぶためには、化粧品成分よりも大切なことがあります。
それは、『敏感肌にやさしい化粧品を手に入れる2ステップ』を基準に化粧品を選ぶことです。
<敏感肌にやさしい化粧品を手に入れる2ステップ>
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まず、あなたの敏感肌にやさしい化粧品を見分けるには、「どんな刺激に対して、あなたの肌が敏感なのか?」を知る必要があります。
敏感肌に刺激を与える要素は3つあります。
<敏感肌に刺激を与える3つの要素>
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上記のうち、あなたの肌が刺激を感じる要素を把握してください。
そして、肌が刺激を感じる要素に対応した化粧品を選びましょう。
あなたの敏感肌に合った化粧品によって、肌に刺激を与えずにケアできます。
刺激を与えないので、肌がヒリヒリすることもなく、健やかに保つことができます。
ちなみに、残念ながら私は3つの要素すべてが当てはまるひどい敏感肌です。
そのため3つの要素に対応した化粧品でスキンケアを行った結果、現在アラフィフですが20代の頃より肌がキレイです。
自分に合った敏感肌用化粧品で、あなた本来のキレイな肌をぜひ取り戻してください。
1.あなたの肌をヒリヒリさせない敏感肌用化粧品の選び方
敏感肌にやさしい化粧品は化粧品成分だけでは判断ができません。
肌が刺激を受ける原因に対処した化粧品を使うことで、肌へのヒリヒリ(炎症)を防げると健やかな肌を保てます。
まずは、「どのような刺激に対してあなたの肌が敏感なのか?」を把握してください。
敏感肌に刺激を与える要素は3つあります。
<敏感肌に刺激を与える3つの要素>
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刺激を与える3つの要素に対応した化粧品を使うことで、肌への刺激を抑えられます。
もしあなたも私同様、すべてが当てはまるなら、敏感肌に与える3つの要素に対応した化粧品を選ぶことをおすすめします。
それでは一つずつ見ていきましょう。
1-1.洗浄力のやさしい洗顔料を選ぶ
洗顔後に肌が突っ張る場合は、洗顔料の洗浄力が強い可能性があります。
目安は洗顔後5~10分ほど経過して、まだ突っ張りを感じるかどうかです。
突っ張るならば、マイルドな洗顔料に変えましょう。
洗顔料の中でも洗顔石けんは、非常に洗浄力が強いので敏感肌にはおすすめしません。
肌に刺激を感じるだけではなく、皮脂を落としすぎるために肌の水分が蒸発しやすく、乾燥を招く可能性があります。
私自身も敏感肌なので、強い洗浄力をもつ洗顔料で顔を洗うと、10分以上は肌に突っ張りを感じます。
特に洗顔石けんは、活性剤の固まりで脱脂力が強いため、皮脂が取れすぎてしまい肌がヒリヒリします。
健康な肌ならば、石けんは後残りもないのでとても優秀な洗浄剤ですが、私は使えませんでした。
敏感肌には、洗顔後の突っ張り感が少ない、「洗浄力がマイルドな洗顔料」を選びましょう。
固形石けんよりもは、洗浄力が調節してあるジェル状やクリームタイプの洗顔料がおすすめです。
敏感肌は、汗や皮脂に強いメイク料は避けましょう。
たとえば「24時間持続する」や「一日中崩れない」などが謳い文句のファンデーションやメイク下地、「パンダ目にならない」マスカラなどが該当します。
特に、メイク専用のリムーバー(メイク落とし)が必要なメイク料は、落ちにくいメイクを落とすために洗浄力が強い傾向にあります。
敏感肌は強い洗浄料を刺激に感じるため、落ちにくいメイク料を落とせるクレンジングの使用は避けておきたいところです。
そのためには、「皮脂や汗に強いメイク料」ではなく、「通常のクレンジングで落とせるメイク料」に変更することもぜひ考えてみてください。
1-2.使用する化粧品の種類を減らす
物理的な刺激に弱い場合は、肌に刺激を与える行為をできる限り避けましょう。
化粧品を肌に塗る行為も敏感肌には刺激になります。
そのため、できるだけスキンケアに使用する化粧品の種類(数)を減らして、肌への刺激を軽減しましょう。
例えば、肌に触れたものや温度変化で赤くなる肌は、物理的な刺激に弱い可能性があります。
ほかにもある物理的な刺激の例
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私たちが何気なく顔に触れる行為は、例え刺激を感じていなくても、肌への刺激になっています。
化粧品を塗る行為も同様です。
スキンケアの際に、たくさんの化粧品を塗るということは、それだけ敏感肌に摩擦を与えています。
知らず知らずのうちに、敏感肌に刺激が蓄積されて、シワ、シミなど、老化を早めることに繋がります。
老化予防のためには、できるだけ化粧品を塗る行為を減らしましょう。
私の肌も物理的な刺激に弱く、散髪屋さんで顔を剃るとカミソリ負けして100%出血します。
のり付けしたYシャツを着ると襟と首の接触する部分が赤く炎症を起こします。
このように、私の肌は物理的な刺激に弱いのですが、以前、そんな私の顔、左半分に帯状疱疹が出来ました。
帯状疱疹になると肌が非常に敏感な状態になります。
まばたきをするだけでも刺激を感じます。
この超敏感肌な状態で、朝、ぬるま湯で顔を洗った際、顔の左半分に激痛を感じました。
帯状疱疹になったおかげで、いつもは何の刺激を感じていなくても、刺激を日々受けているんだと実感しました。
1-3.効果的に保湿を行える化粧品を選ぶ
肌は、乾燥することでバリア機能が弱まります。
バリア機能が低下することで、外界の刺激に弱くなり、敏感肌になります。
肌の乾燥を防ぐには、「効果的な保湿」が必須です。
詳しくご説明します。
東北大学名誉教授の田上八郎氏発表『アトピー性皮膚炎と皮膚バリア機能』の見解によると、「正常皮膚であっても乾燥状態に置かれるとバリア機能の低下を起こし、実際、同一人で調べてみると、空気の湿った夏に比し乾燥した冬では角層機能は優位に低下する」ということです。
多くの人は冬にバリア機能が低下します。
すると、外界からの刺激が肌に直接届き、ヒリヒリや痛みを感じます。
また、同教授の『スキンケアの科学(出版元:南山堂)』によると、「手のひらや足底の正常な角層を削り取って、放置しておくと乾燥してザラザラして硬くなるので折り曲げたり、力を加えるともろくて簡単に割れる。」とあります。
水分不足によって肌が硬くなると、肌がもろくなって刺激に弱くなります。
つまり、「肌が乾燥することで、肌の防御機能が著しく低下して敏感肌になることがある」というのです。
ほかにも同著には、こんな記載もあります。
これ(乾燥した角層)をしばらく水につけておくと水を吸って膨れだし表面のザラザラ・ガサガサも消え、やわらかく曲げることもできるようになる。
~中略~
年齢がいき表皮の増殖活動が低下し、角層の剥け落ちる時間が延長してくる中高年の人たちでは空気が乾燥する時期になると、かかとのひび割れをはじめ、手荒れが起きやすくなる。その人たちは、入浴するなり、手や足を湯につけていたりすると滑らかさや柔らかさを取り戻す。つまり、皮膚の表面の角層を柔らかで滑らかであるようにと保つ働きは、角層の水分保持によるものである。
肌の乾燥によって敏感になった肌には、水分が必要です。
肌は水分を与えられるとバリア機能を高め、やわらかくなめらかな状態にしてくれます。
そのために、「効果的な保湿」を行う必要があります。
保湿と言うと、あまりにも当たり前すぎて、「私は毎日、保湿しているよ」と言う人がほとんどです。
でも、敏感肌で悩んでいる人の多くは、保湿ができていません。
敏感肌の方は、毎日スキンケアを行い、保湿をしているはずです。
でも、ある調査によると約6割の人は、乾燥肌に悩み続けています。
これは、「保湿をしているけど肌がうるおっていない」という証拠です。
つまり、「効果のない、間違った保湿」をしているのです。
効果的に保湿する3つのポイント
この3つのポイントに対応することで、効果的に保湿できます
効果的に保湿するためには3つのポイントがあります。
①肌に水分と油分、保湿成分の3つを補給する ②水分と油分(保湿成分)は、バランスよく補給する ③水分と油分(保湿成分)を、同時に補給する |
以上の3つのポイントに対応することで、効果的に保湿できます。
①肌に水分と油分、保湿成分の3つを補給することが大切です
保湿というと、化粧水やローションなどで「水分を肌に補給すること」と考える人がいます。
でも、これは保湿ではありません。
水分だけを与えると、過乾燥を引き起こし、肌の乾燥が促進されてしまいます。
- 過乾燥とは
- 肌の上にある水分は、気温や体温によって蒸発します。この際に、肌中の水分も一緒に蒸発します。
つまり過乾燥とは、肌に水分のみ与えると、さらに乾燥状態になる現象です。
また、乳液や保湿クリームなどで油分だけを肌に補給することを保湿と考えている人もいます。
でも、油分だけを与えることは保湿ではありません。
東北大学名誉教授の田上八郎氏発表『アトピー性皮膚炎と皮膚バリア機能』の見解によると、「肌には約70%水分が必要」とされています。
肌に水分が不足しているのに、油分だけを与えても肌はうるおいません。
油分と同様、保湿成分だけでも保湿することはできません。
保湿成分は、水分を肌にとどめる効果があります。
肌にどとめるべき水分が無ければ、いくら保湿成分を配合しても意味がありません。
大切なことなので、もう一度言います。
水分だけ、油分だけ、保湿成分だけを肌に補給することが保湿ではありません。
正しくは、水分と油分、保湿成分のすべてを肌に補給することが保湿です。
乾燥した肌に水分を与えることで、肌がうるおいます。
そのままだと過乾燥を引き起こすため、油分と保湿成分を補給します。
水分と油分を補給することで、皮脂膜の代わりとなり、バリア機能が高まり、外界の刺激を受けにくい肌を作るのです。
②水分と油分(保湿成分)は、バランスよく補給することが大切です
水分と油分、両方補給したとしても、バランスが適切でなければ保湿とは言えません。
水分が多すぎる、油分が多すぎる、このどちらも保湿できている状態ではありません。
肌に適切な水分と油分、バランスの取れた量を補給することで、はじめて「保湿ができている」と言えます。
特に、肌には70%の水分が必要とされているので、たっぷりと水分を補給することが重要です。
③水分と油分(保湿成分)を、同時に補給することが大切です
水分と油分を補給する際、多くの人はバラバラに補給しています。
水分補給で化粧水やローションなど。
油分補給で乳液や保湿クリームなど。
確かに、水分と油分を補給しているように見えます。
でも、このような方法は、顔の上で水分と油分を混ぜる行為です。
いくら私たちの指が高性能でも、顔の上で水分と油分を均一に混ぜることができるでしょうか?
残念ながら、顔の上で水分と油分をバランスよく混ぜることは不可能です。
その結果、ある部分は水分が多く、別の部分は油分が多いというバランスの崩れた肌状態になりえます。
このように顔の上で水分と油分を均一に混ぜて塗布することは非常に困難なため、別々の化粧品で補給する行為は効果的ではありません。
効果的に保湿するなら、最初から水分と油分がバランスよく配合されているケアを行うことが必要です。
以上のことから、肌の乾燥による敏感肌なら、効果的に保湿する3つのポイントをクリアした化粧品を選びましょう。
2.第三者機関による安全性テストで敏感肌用化粧品を判断する
化粧品には、化粧品の刺激に関する安全性テストがあります。
主に4つです。
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これらの評価は肌にやさしい化粧品を判断するうえで、一つの指標になります。
ちなみに、敏感肌にとって一番参考になるテストは、『スティンギングテスト』です。
ただ、一点注意があります。
「安全性に関するテストをしたからといって、敏感肌でも刺激を感じない化粧品とは限らない」という点です。
安全性テストを行った場合、下記のようにパッケージや容器に表記されています。
- パッチテスト済み
- ノンコメドテスト済み
- スティンギングテスト済み
でもこれだけではテストをやっただけで、その結果は分かりません。
例えば、「パッチテスト済み」と表記されていても、パッチテストの結果、刺激が認められている可能性があります。
つまり、仮に肌に刺激があったとしても、テストをしたので「パッチテスト済み」と表記できます。
大切なことは、「どのくらいの人でテストをし、どのような結果が出たか」というテストの結果です。
しっかりとテスト結果が公開されている化粧品ならより安心です。
テストは行う機関によって少しずつ異なる点もありますが、一般的には以下のような方法で試験が行われます。
それでは、化粧品の安全性テストの中身について詳しく見ていきましょう。
2-1.ヒトパッチテスト(24時間閉塞パッチテスト)
ヒトパッチテストとは、人の皮膚に対する刺激性を評価する試験です。
人への使用が安全かどうかを評価する試験ですから、皮膚科専門医の管理下で実施されます。
化粧品の場合は主に、皮膚に化粧品をぬって、その上に絆創膏やガーゼなどを貼り、閉塞状態にします。
その状態で、24時間経過後にはがして、1時間後と24時間~48時間後の刺激性を評価します。
判定は皮膚科専門医が行います。
2-2.アレルギーテスト
皮膚に対する累積刺激性(連続刺激性)およびアレルギー性を評価する試験です。
化粧品を塗って、その上に絆創膏やガーゼなどを貼って、閉塞状態にします。
その状態で24時間経過後、はがして24時間の休薬期間を設けます。
再度、同一部位に貼付します。
これを3週間にわたり9回繰り返します。
9週間の後、2週間の休薬期間を設けます。
その後、違う部位に化粧品を塗ってその上に絆創膏やガーゼなどを貼って、24時間閉塞状態にします。
24時間後に閉塞状態を解除して、1時間後および24時間後の皮膚の反応について観察します。
判定は皮膚科専門医が行います。
2-3.スティンギングテスト
敏感肌の中でも特に刺激を感じやすい、選りすぐりの”超敏感肌”被験者の頬に化粧品を塗布して、感覚刺激(スティンギング)を評価する試験です。
低濃度の乳酸やメチルパラベンに対して感覚刺激を感じたり、濃度の違いを利き分ける事ができることを、何度かのテストを経て確認された人が被験者となります。
参加させる事を躊躇するような敏感肌なので、結果がシビアで化粧品を良く見せようとするには不向きなテストです。
そのため主に、開発の指標として活用がされます。
このテストも、判定は皮膚科専門医が行います。
化粧品メーカーにとっては厳しい結果が出やすいために、製品でスティンギングテストを行うことは稀です。
そういった意味では、敏感肌にとってもっとも信頼できるテストといえます。
2-4.ノンコメドジェニックテスト
比較的皮脂腺の多い被験者の背中を利用して、化粧品を複数回繰り返し塗布し、 最終的に病理専門医が検査を行いコメドが形成されているかどうかを確認する試験です。
コメドとは皮脂が毛穴の中に溜まってしまった状態を指し、ニキビの初期段階です。
化粧品を使用することで、ニキビを悪化させたり、コメドをできやすくする懸念があります。
化粧品原料中に含まれる油分がすべて、ニキビやコメドを誘発するとは限りませんが、「ノンコメドジェニックテスト」によって、その化粧品がコメドを誘発しにくいという証明ができます。
テストをクリアできれば、ニキビができにくい処方の化粧品だといえます。
乾燥により肌が硬くなっている状態は、毛穴の出口がふさがれやすいことからニキビもできやすい状態です。
ニキビができにくい化粧品を使用しておくと安心です。
3.敏感肌用化粧品を使って肌がヒリヒリしたら、すぐに使用を止めましょう
「敏感肌用化粧品」を使って、ヒリヒリと痛みを感じ、赤みや炎症がでたらすぐに使用を止めましょう。
アレルギー反応や化粧かぶれを起こしている可能性があります。
すぐに化粧品を洗い流しましょう。
そして、症状がひどい場合は、医師に相談してください。
アレルギー症状の例
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敏感肌の人は、少しでも肌に刺激を与えたくないので、「敏感肌用化粧品」をよく選びます。
でも「敏感肌用化粧品」を使っても、肌がヒリヒリすることがあります。
ヒリヒリを起こす理由は、「敏感肌用化粧品」は、敏感肌すべての人にとって低刺激とは限らないからです。
つまり、「敏感肌用化粧品」だからといって、特別、敏感肌にやさしい化粧品ではないのです。
実は「敏感肌用化粧品」と「通常の化粧品」に、それほど違いはありません。
よくある「敏感肌用化粧品」は、以下の3パターンです。
- 無添加化粧品
- 天然成分配合化粧品
- オーガニック化粧品
詳しく見ていきましょう。
3-1.無添加化粧品は「敏感肌用化粧品」ではない
無添加化粧品とは、特定の成分を配合していない化粧品です。
以下の成分を配合していない無添加化粧品がポピュラーです。
- 合成香料
- 合成着色料
- 防腐剤
- 合成界面活性剤
- アルコール(エタノール)
など。
これらの成分は、他の成分と比較して、特別、肌に刺激を与える成分ではありません。
でも、「肌に悪い」と信じている人が多くいます。
もちろん、配合量や使い方にもよるのですが、日本の化粧品は厚生労働省の定める『化粧品基準』に従って作られており、この範囲内であれば問題ありません。
もし、上記の成分が本当に肌に刺激を与えるなら、大きな社会問題になっています。
なぜなら、私たちが生活する上で避けることができないほど、あらゆる分野で使われているからです。
- 絵の具や色鉛筆に触ると肌に刺激を感じますか?
- 香水を使うと、肌がかぶれますか?
- 芳香剤や消臭剤を使うと肌が痛いですか?
- ジュースや菓子パン、お菓子が肌に触れると肌がヒリヒリしますか?
もしそうなら、刺激を感じる成分が配合されていない無添加化粧品をおすすめします。
具体的には、
- 絵の具・色鉛筆に刺激を感じるなら、合成着色料無添加の化粧品
- 香水に刺激を感じるなら、合成香料、アルコール無添加の化粧品
- 芳香剤や消臭剤に刺激を感じるなら、合成香料、アルコール無添加の化粧品
- ジュースや菓子パン、お菓子に刺激を感じるなら、合成着色料、合成香料、防腐剤無添加の化粧品
がおすすめです。
ただ、この場合は、無添加化粧品が肌にやさしいのではなく、アレルギー反応を起こす成分が配合されていない化粧品が肌にやさしいということです。
以上の理由から、無添加をウリにする敏感肌用化粧品は、特に敏感肌にやさしいわけではないことが分かります。
敏感肌ではなく、特定の成分にアレルギー反応が出る場合に有効な化粧品といえます。
だから、「無添加化粧品」を「敏感肌用化粧品」と勘違いしないでおきましょう。
3-2.天然化粧品は「敏感肌用化粧品」ではない
天然成分をウリにしている「敏感肌用化粧品」があります。
これは、天然成分は安全だと信じている人がいるためです。
でも、実際は、天然成分だからといって安全だとは限りません。
逆に、肌に刺激を与える可能性もあります。
わかっているようで、じつはあまりよくわからない「天然成分」について詳しく見ていきましょう。
「天然成分は、肌にやさしくない」
天然成分というと、多くの人がイメージするのは、動物や植物から抽出された成分です。
なぜか、自然界に存在する成分は安全だというイメージがあります。
本当に、不思議です。
自然界には、人間の害になる成分が溢れています。
動物なら、フグ、カサゴ、ヘビ、エイなどには毒があります。
植物なら、ツタウルシ、ヤマウルシ、ハゼノキ、ヌルデ、イチョウ、カクレミノ、イラクサ、クサノオウ
などを触るとかぶれます。
スギ、ヒノキ、イネ科、キク科の花粉は、アレルギーの原因です。
このように自然のものが安全だとは限りません。
「天然成分には不純物が混じっているので、肌にやさしくない」
自然物から抽出する際には、不純物が混じります。
不純物は、肌への刺激を与える要因になります。
そのため、不純物が混入しやすい天然成分には、肌に刺激を与える可能性があると言えます。
例えば、ホホバオイルは、ホホバの種子を原料とする植物油です。
いわゆる天然成分です。
でも、抽出時に約5%の不純物が混ざります。
もちろん、原料を扱う企業は、この不純物に対して安全テストを行います。
その結果、肌に刺激を与える物質ではないことを確認しています。
でも肌が敏感な状態だと大丈夫とは言えません。
また、合成成分なら、不純物は混ざりません。
安全テストもする必要がありません。
つまり、テストをする必要がないほど合成成分のほうが安全だということです。
「天然成分の多くは、天然由来成分という名の合成成分」
多くの人が「天然成分」だと思っている化粧品成分は、正しくは「天然由来成分」です。
天然由来成分とは、自然界に存在する成分を合成して作った成分です。
「天然由来成分」と書いてあると、天然っぽい気がするのですが、合成成分です。
そもそも、化粧品は天然成分だけでは作れません
合成成分が必要です。
もし、「天然成分が安全、合成成分が危険」となると、化粧品そのものが使えなくなります。
「天然成分を配合しても、敏感肌にやさしくならない」
百歩歩譲って、天然成分が肌にやさしいとします。
でも、天然成分を配合したからといって、化粧品の刺激を抑えることはできません。
なぜなら、肌にやさしい成分を配合しても、化粧品の刺激を和らげる効果はないからです。
あくまでも天然成分単体が肌にやさしいだけで、化粧品全体の安全性とは関係ないからです。
例えば、水に、白色をちょっと足しても白い水にはならないですよね。
透明のままです。
肌に刺激のある化粧品に、天然成分を足したところで、肌への刺激を抑えることはできません。
つまり、「天然化粧品」と「敏感肌用化粧品」は、まったく関係がないのです。
3-3.オーガニック化粧品は「敏感肌用化粧品」ではない
「オーガニック化粧品だから、敏感肌用化粧品だ」と思っている人がいます。
これは、オーガニック成分が安全だと信じているためです。
でも、実際は、オーガニック成分を配合しても、化粧品の刺激を抑えることはできません。
だから、オーガニック化粧品が敏感肌にやさしいわけではありません。
そもそも「オーガニック」という考えは、環境やそこで働いている人の健康に配慮したものです。
決して、商品の優位性を示したものではありません。
例えば、オーガニックのタオルもそうですよね。
普通のタオルよりやわらかいわけでも、吸水性が優れているわけでもありません。
このように、特にタオルとしての優位性はありません。
あくまでも思想です。
だから、「オーガニック成分」とは、農薬を使わず育てた植物から抽出した成分なだけであって、「天然成分」と同様に不純物も混ざっていますし、美容効果が高いわけではありません。
オーガニック化粧品は、そんな「オーガニック成分」が、普通の化粧品にオーガニック成分が数%配合されているものです。
刺激のある化粧品にオーガニック成分を配合しても、何も変わりません。
オーガニック成分を配合することで、化粧品の刺激を抑えられるわけではありません。
もし農薬を完全に排除したいなら、合成成分が最適です。
自然物は農薬が混入するリスクがありますが、合成成分はリスクゼロで完全に無農薬ですから。
以上の理由から、オーガニック化粧品は、特に敏感肌に適している化粧品とは言えません。
だから、「オーガニック化粧品は敏感肌用化粧品だ」と勘違いしないように気を付けましょう。
まとめ
名ばかりの「敏感肌用化粧品」を使うのは、もう止めましょう。
あなたの肌に合う「敏感肌用化粧品」は、以下の3点をクリアした化粧品です。
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さらに、以下の4つのテスト結果が良好な化粧品なら、敏感肌のあなたにも使える可能性が高いです。
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以上を参考にして、あなたの肌に合った敏感肌用化粧品を選び、肌を効果的に保湿しましょう。
そうして、刺激に強い健やかな肌を取り戻してください。