本質の追求から生まれた商品

BUSINESS

ウソ・偽りのない商品を、正々堂々と販売する。

私は子どもの頃からものづくりが好きでした。
というより、すでにあるものに何か手を加えないと気が済まない性格だったんです。

粘土細工も好きでしたし、自作のラジオを作ったりもしていましたね。トランプでも「大富豪」に独自のルールを加えて面白くしたり、オリジナルのくじ引きを作って近所の子どもたちと遊んだりもしていました。

自分が作ったものでみんなが楽しそうにしているのも嬉しかったですし、何より自分がルールを作れば自分が一番勝ちやすい(笑) とてつもなく負けず嫌いだったので、自分が作った遊びで自分が勝つことにひそかな喜びを得ていました。

正直、勉強は本当に嫌いでした。
何のためにやるのかが分からなかったからです。
学校の成績も下から10番目ぐらいでしたね。ただ、国語と数学だけは好きでした。夏休みには1日最低1冊は本を読んでいましたし、数学なんかは解けない問題が出てくるとワクワクしていました。

知識欲というのでしょうか。知らないことを吸収したり、自分が分からないことや新しいことにチャレンジしたりするのが大好きだったんです。

このスタンスは、アースケアの化粧品開発に取り組む姿勢にも反映されています。例えば、商品の製造を委託しているメーカーの研究員さんから成分を紹介されれば、その根拠となる研究論文や専門家の意見など、調べ尽くします。そうしないと眠りにつけません。
気づいたら午前3時をすぎているなんてことは日常茶飯事です。

当社では、1%の妥協もなく商品を開発・製造しています。

開発段階の商品は「超敏感・乾燥肌」である私自身が必ず実験を行います。また、開発後も自ら使用し続け、もっと改善できないかを常に考えています。

こう考えるようになったきっかけは、私自身のビジネス経験に由来しています。大学を卒業した後、私は建築会社に就職しました。家は暮らしのど真ん中にあるものなので、やりがいがあると感じたからです。実際面白い仕事ではあったのですが、業界の中では少なからず「お客様が分からなければ何をしてもよい」という慣習がありました。耐震偽装などの問題がニュースで取りざたされたのを記憶されている方も多いと思います。

建築会社を経て転職した健康器具を扱う会社でも、取り扱っている商材が本当にお客様の健康の役に立つのか?全く自信が持てませんでした。自分が働いている業界が悪いのかと思ったのですが、大学や高校時代の友人に話を聞くと、どの業界でも大なり小なりウソがあることが分かってきました。

化粧品の業界でも、残念なことに未だにウソがあると感じています。例えば、皮膚の一番上にある角層はたったの0.02mmです。この0.02mmに対して「成分を浸透させて効果がどうこう」と謳うこと自体が間違いだと私は思います。もし成分の浸透効果を引き出すのであれば、医薬部外品として角層の奥にまできちんと行き渡らせる必要があるのです。

また、適度な水分と油分を保てるようにする「保湿」を行えば、お肌の調子は整ってきます。ただ、効果が実感できるようになるまでには半年・1年と時間がかかります。

世の中には使用するとお肌が「すーっ」と感じるような成分を配合し、あたかも使用直後に効果があるような化粧品が存在します。しかし、お客様にとって気持ちの良い使用感を与える成分は根本的なお肌のお悩みの解決には繋がりません。

アースケアは効果のない商品は絶対に作りません。お客様に支えていただいている会社なのに、お客様を裏切るようなことはしたくないからです。

創業当初、自社で研究所と製造工場を持とうか迷った時期もありました。製造販売元としてアースケアと明記できるのはお客様の信頼につながりますし、恰好もつくからです。かなり葛藤しましたが、止めました。

自社で固めてしまうと知識や技術に偏りが出て、本来自分たちが作りたいものが作れなかったり、新しいことにチャレンジできなくなったりする可能性が高いと判断したからです。アースケアでは、知識やスキルに長けた職人さんを擁する複数の製造会社に商品づくりを協力していただいています。

新商品の開発においては、まず私がどの成分をどのくらい配合するかを決めて、製造会社さんにサンプル品づくりを依頼します。仕上がったサンプルを実際に自分たちで試し、改良してゆきます。この開発工程は短くても2~3年はかかりますし、中には「どうしても納得できるものができない。これではお客様に自信を持って商品をお届けできない。」と、途中で開発を中止することもあります。

また、他の化粧品会社とは商品づくりのスタンスも違います。予算ありきではなく、まずは自分たちが作りたい理想の商品を製造会社に伝えるようにしています。あらかじめ予算を設定すると、その範囲内でしか商品ができないからです。1%の妥協もしたくないからこそ、予算の制約なく、一番良いものができるようにと常に考えています。

パッケージや容器の見た目、デザイン性にも一切こだわっていません。そこにこだわるとお金がかかるからです。

そのお金は販売価格に転嫁されてしまいます。自分たちが100%良いと思える商品を適正価格で販売することこそが、お客様にとって最良の商品であると私たちは考えています。

「見た目が可愛いから」という理由でヒットする商品を幾度となく見てきました。もちろんそのデザイン性が購買意欲を高めることも分かります。それでも、化粧品の販売価格として「デザイン代・パッケージ代」が上乗せされているとしたら…。

当社では見た目やデザインを凝ったものにするという判断はできません。

アースケアでは、社員に商品を使うよう無理に勧めることはありません。しかし、実際に話を聞いていると全ての社員が自社商品を愛用してくれています。

私も色々な化粧品会社を見てきましたが、自社の商品を愛用している社員は稀です。「売れること」「ヒットさせること」に重きを置いた成分しか入っていないことを知っているからです。

「なんでアースケアの商品を使っているの?」と社員に聞くと、「え、商品が良いからですけど。」と返事がきます。手前味噌ですが、一番身近なところにいる社員たちが自社商品を使ってくれていると知り、社長としてすごく嬉しく、誇らしく思いました。

アースケアのこだわりが詰まった商品をたくさんのお客様にお届けできるよう、これからも邁進してゆきます。